黒字転換2倍株で勝つ投資術からの銘柄紹介

 に続けて、黒字転換2倍株の候補として、ダブル・スコープの紹介です。

馬渕 磨理子氏の著書 

5万円からでも始められる! 黒字転換2倍株で勝つ投資術

にて、赤字会社が、4半期で黒字転換したタイミングで、株を買えば、2倍程度の上昇が狙いやすいという投資手法を紹介しています。

 

 

馬渕 磨理子氏が紹介している銘柄2つ:アライドアーキテクツ (6081)とKYB (7242)と

私がピックアウトした銘柄3つ:ヒーハイスト(6433)RobotHome (1435)ダブル・スコープ (6619)を 紹介します。

2倍になった株でなく、投資対象の候補として、黒字転換でこれから、2倍になりそうな株の紹介です。

 

 

 

 

■アライドアーキテクツ (6081)

馬渕磨理子さんに見通し・注目銘柄を聞く/「カブりつき・マーケット情報局」ラジオNIKKEI6月25日放送 にて、馬渕 磨理子氏がその著書

5万円からでも始められる! 黒字転換2倍株で勝つ投資術

 とともに紹介している銘柄です。

 

 (黒字転換発表前)2021年 2月10日:547円 TOPIX 1925円

 2月10日の取引時間後に、2020年12月期決算短信で、営業利益、経常利益ともに
2020年第4四半期(10-12月)に黒字転換とともに通期でも黒字転換を発表。

 

(黒字転換発表後)2021年 2月12日:647円 TOIX 1933円

(現在)     2021年 6月29日:982円 TOIX 1949円

 

決算直後取引日の2月12日で647円で購入した場合、6月29日の株価982円、
約4カ月で51%の上昇、その間、TOPIXは上昇率は2%なので、市場平均を大きく50%程度上回っています。

なお、赤字の原因は海外事業の不振、特に中国市場での業績不振が原因でした。
海外事業は、不得意な中国市場より、得意な欧米市場に注力した結果、黒字化したそうです。

 

■KYB (7242)

馬渕磨理子さんに見通し・注目銘柄を聞く/「カブりつき・マーケット情報局」ラジオNIKKEI6月25日放送 にて、馬渕 磨理子氏がその著書

5万円からでも始められる! 黒字転換2倍株で勝つ投資術

 とともに紹介している銘柄です。

 

(黒字転換発表前)2021年 2月 9日 :2606円 TOPIX 1925円

 

2021年3月期 第3四半期決算短信で、2021年3月期第3四半期(2020年10月から12月分)の黒字転換を発表。なお、通期の予想は当初から黒字。

 

(黒字転換発表後)2021年 2月 10日 :3110円 TOPIX 1930円
(現在)     2021年 6月 29日 :3785円 TOPIX 1949円

決算直後取引日の2月10日で3110円で購入した場合、6月29日の株価3785円、
約4カ月で21%の上昇、その間、TOPIXは上昇率は1%なので、市場平均を大きく20%程度上回っています。

赤字は、検査不正により、建築物用免震・制振用オイルダンパー交換が必要になったためです。対象991物件中912物件(92%)で交換完了、交換費用が少なくなったことが黒字化の原因です。

 

■ヒーハイスト(6433)

(黒字転換発表前)2021年 2月12日 306円 TOPIX 1849円

2021年3月期第3四半期決算短信で、
2021年3月期第3四半期の連結業績(2020年9月~2020年12月)で黒字転換を発表。

 

(黒字転換発表後)2021年 2月13日 325円 TOPIX 1849円
(現在)     2021年 6月29日 463円 TOPIX 1849円

2021年3月期第3四半期累計は新型コロナウイルスの影響で減収・赤字ですが、第3四半期は売上が急回復して営業利益が黒字転換しました。
 四半期別に見ると、第1四半期は売上高4億73百万円で営業利益20百万円の赤字、第2四半期は売上高4億21百万円で営業利益68百万円の赤字、第3四半期は売上高5億97百万円で営業利益64百万円の黒字でした。
 第3四半期は売上が急回復(直動機器が4.2%増収、精密部品加工が27.9%増収、ユニット製品が32.9%増収)して、営業利益が黒字転換しました。

決算発表後の2021年 2月13日から42%と上昇して、TOPIXはプラスマイナス0%であるから、市場平均と比べて 42%近くアウトパフォーム(上昇)しています。

今後、通期の黒字決算の確実になり、来期、再来期の業績予想とともに企業の成長性が確認されたら、決算発表後の株価325円の2倍、750円近い株価になることもありそうです。

 

■RobotHome (1435)

私がピックアップした銘柄です。

(黒字転換発表前)2021年 5月13日 164円 TOPIX 1949円

2021年12月期第1四半期の連結業績(2021年1月~2021年3月)の黒字転換を発表。
「継続企業の前提に関する重要事象等」の記載解消も発表。

 

(黒字転換発表後)2021年 5月14日 214円 TOPIX 1983円
(現在)     2021年 6月29日 246円 TOPIX 1949円

赤字は、建設資金の借入希望者の預金データ改ざん問題から、主力のアパート建築事業から撤退し、IT技術を活用した賃貸管理サービスに業態転換をしていたためです。
新規事業も軌道に乗り、黒字転換を果たしました。

決算発表後の2021年 5月14日から14%と上昇して、TOPIXはマイナス2%であるから、市場平均と比べて 16%近くアウトパフォーム(上昇)しています。

今後、通期の黒字決算の確実になり、来期、再来期の業績予想とともに企業の成長性が確認されたら、決算発表後の株価214円の2倍、430円近い株価になることもありそうです。

■ダブル・スコープ (6619)

私がピックアップした銘柄です。

(黒字転換発表前)2021年 5月13日 616円 TOPIX 1849円

 2021年12月期第1四半期の連結業績(2021年1月1日~2021年3月31日)
で営業利益が黒字転換しています。経常利益、純利益は赤字です。

ダブル・スコープ_2021年12月期第1四半期決算短信

ダブル・スコープ_2021年12月期第1四半期決算短信

(黒字転換発表後)2021年 5月14日 671円 TOPIX 1883円
(現在)     2021年 6月29日 640円 TOPIX 1849円

決算発表後の2021年 5月13日から4%と上昇して、TOPIXはプラスマイナス0%であるから、市場平均と比べて 4%近くアウトパフォーム(上昇)しています。

今後、次の4半期決算が発表される8月中旬には、他の銘柄と同じように40%程度の上昇、1000円程度の株価まで上昇が期待したいです。

黒字という判断が、営業利益なのか、経常利益なのか、純利益かなのかは、

5万円からでも始められる! 黒字転換2倍株で勝つ投資術

 の中では明示されていません。

黒字転換するタイミングの四半期決算では、営業利益は黒字でも経常利益は赤字、その逆というケースも珍しくありません。
ここでいう黒字とは、株価の先行性という点で、経常利益より営業利益の方が先に黒字化することが多いので、営業利益に着目するべきでしょう。
株価は、将来の業績の加味した企業価値が反映されるという視点でも、その会社の事業による利益、本業の実力に見合った利益という点で営業利益に着目するのが適当でしょう。

そういう意味で営業利益の黒字転換を果たしたダブル・スコープ、
しかも、黒字転換後も、それほど株価の上昇していない今は買い時かもしれません。

 

5万円からでも始められる! 黒字転換2倍株で勝つ投資術

で紹介された投資手法の代表例のように、まずは現状の株価の2倍 1500円ぐらいまで
上昇することを期待しています。

 

■本の紹介

  

 以上です。 

 銘柄コードメモ:アライドアーキテクツ (6081)KYB (7242)ヒーハイスト<6433>RobotHome (1435)ダブル・スコープ (6619)

増資を繰り返したダブル・スコープ!増資時の発行価格より安い今の株価は、買いかも!

 

 に続けて、今度は増資の状況から、ダブルスコープ株への投資を考えたいです。

 結論からいうと、『増資できた会社は成長する。ダブル・スコープは、増資時の発行価格より安い今の株価は、買いかも。』という話です。テスラ(TSLA)が2010年から2014年上半期までで3回も増資をし、増資後、株価が大幅に上昇したように、ダブルスコープの株価も大幅に上昇するかもしれません。

 

▼目 次

 

■増資する会社は買い

MarketHack流 世界一わかりやすい米国式投資の技法  といった著作もある

広瀬 隆雄氏は、楽天証券のサイトで、以下のように主張しています。

IPOして間もなく公募増資に踏み切る会社の株は「買い」です。」

「下図はEV(電気自動車)のメーカーであるテスラ(TSLA)の株価チャートです。同社は2010年から2014年上半期までで3回も増資をしています。なるほど、増資後は需給関係が悪化して株価が下押す場面も見られますが、ずっとテスラ株を抱いていれば、結局、公募で買った人は全員、儲かっていることが分かります。」

テスラの公募

テスラの公募

「テスラの場合、ネバダ州にギガファクトリーと呼ばれる、巨大なバッテリー工場を建設することが予定されていました。従って資金はどれだけあっても足りないのです。

 これは、育ち盛りの子供がどんどん栄養をつける必要があるのと同じで、むしろ株を出して資金を調達し、それを本業に突っ込むことが、会社にとっても、株主にとっても、最も理にかなっていて、それ故に安全な資本政策である好例です。」 

企業の成長と資本の関係:米国株のやり方(4) | トウシル 楽天証券の投資情報メディア より引用

 

増資を引き受ける証券会社・投資銀行は、その顧客、主に機関投資家に、増資分の株式を売却しますが、証券会社・投資会社にとって、大事な顧客に優先的に販売します。証券会社・投資銀行が引き受けて、大事な顧客に優先的に販売する意味は、彼らにとって、損をさせたくない大事な顧客であり、それを顧客が買うのが、自分たちにとって、有利な投資となるからです。

 

会社四季報の達人が教える10倍株・100倍株の探し方

 で著者の 渡部 清二氏は、

「増資の場合は、希薄化によって株価が下がると懸念する人もいるが、まったくのナンセンスでと思う。なぜなら、成長のために増資するわけなので、本来であればその姿勢に注目にするべきだからだ。増資で得られた資金を元手に業績拡大が続けば、企業価値が上がって株価は上昇するであろう」

 と述べて、成長企業の増資に肯定的な評価をしています。

ダブル・スコープの場合、業績悪化のための資本増強のための増資でなく、成長のための設備投資のための増資ですから、肯定的な評価をしてもよさそうです。

過程が紹介されています。

 ■ダブル・スコープの増資

ダブル・スコープは、2011年12月に上場後、ストック・オプションを除いて10回も増資をしています。いずれの増資も、2016年10月以降で、ダブル・スコープが、製造能力拡張のために、必要な資金です。巨額の設備投資により赤字になるのが2017年12月決算ですから、そういった赤字決算を見越した計画的な増資となります。

増資のときの、増資を引き受けた証券会社・投資銀行と増資時の株価に注目したいと思います。

■2016年6月にみずほ証券を割当先に第三者割当増資

 2016年6月は、みずほ証券を割当先として、発行価格は5790円で、第三者割当増資をしています。ダブル・スコープは、2016年7月に株式分割(1:2)を実施しているので、株式分割を考慮して修正すると、2895円です。みずほ証券は、その後、国内、海外の投資家に販売したが、市場で売却していると思います。証券会社のビジネスモデルから、割当を受けた価格以上で販売できる見込みがあったから、割当を受けた(引き受けた)のでしょうから、損はしていないでしょう。仮に損をしたとすれば、みずほ証券が販売した投資家でしょう。

 

日本の大手5社証券の一つで、みずほフィナンシャルグループみずほ証券リサーチでは、専門性の高いアナリスト、ストラテジスト、エコノミストが多数在籍し、著名な金融専門誌では、株式、債券・為替ともに、長年にわたりトップクラスのランキングを維持するなど高い評価を得ている)が、5年前に2895円で買った株が、今(2021年6月25日終値)は648円、約8割引きで買えるということです。

みずほ証券が買った株価が高いのか、現在の株価が安いかは、今後の市場が決めることになるのでしょう。

 

■2019年9月にみずほ証券、2020年10月にSBI証券、マッコリ―銀行をMSCB発行

2019年9月は、みずほ証券を割当先に、2020年10月は、SBI証券とマッコリ―銀行を割当先に増資を意図したMSCBを発行をしています。

 

MSCBは、moving strike convertible bondの略で、 行使価額修正条項付新株予約権社債・転換価格修正条項付転換社債・下方修正条項付転換社債とも呼ばれます。

MSCBの前に、通常の転換社債 CB(convertible bond)を説明しますが、これはあらかじめ決まった値(転換価格)で、株式に転換できる社債です。つまり転換社債を買手は、社債として利息と得て、満期に元本と回収することもできれば、途中で株式に転換して、株式の売却益を得ることもできる社債です。株式に転換された場合は、発行会社は社債の償還をする必要がないので、このタイミングで増資、資本金が増えることになります。

MSCBは、moving strikeの通り、転換価格を動かせる、通常は、市場での株価が下がった場合も、転換価格も下げられるような条項がある社債です。

有価証券報告書を見ると、2020年1月から12月の間で670円から720円の転換価格で、株式化されているようで、おそらくこれがダブル・スコープの上値が重い理由でしょう。

 

ただ、みずほ証券SBI証券(オンライン証券分野でに日本でのシェア1位)、マッコリ―銀行(シドニーに本拠を構えるオーストラリア最大の投資銀行)やその重要な顧客となる機関投資家、いわゆる百戦錬磨の投資家が、ダブル・スコープの株価は、670円から720円の転換価格より上がると考えているのです。現状の株価(600円代の株価)より、さらに株価が大幅に下落することはなさそうです。

 

2021年4月にマッコリ―銀行を引受先に公募増資

 2021年4月には、マッコリ―銀行を引受先に、1株710円(4月7日の終値株価 750円から5.33%ディスカウントした価格)で新株式を発行して、公募増資しています。マッコリ―銀行(1株672.5円で引受)が、おそらく米国を中心とした機関投資家に、1株710円で販売したわけです。

900万株、約60億円ものダブルスコープの株の買い手がいたわけで、海外の機関投資家が、710円の株価は安いと思って購入したのです。

 おそらく、数十億、数百億円の資産を持つ機関投資家でないと購入できない株式の価格が710円だったのに、個人投資家が、それより、たった2か月後に、その機関投資家の購入価格より、1割も安く、100株単位で購入できるのが今の株価ということです。

 

マッコリ―銀行がが販売した株価が高いのか、現在の株価が安いかも、今後の市場が決めることになるのでしょう。

 

 

 

ダブルスコープのIR開示2021年4月8日

ダブルスコープのIR開示2021年4月8日

 

 

■本の紹介

 

会社四季報の達人が教える10倍株・100倍株の探し方

の『第三章 10倍株はこうして見つけろ』に

過去に10倍、100倍、1000倍、万倍となった株を紹介しています。

ソニートヨタなどだれでも知っている会社が、10倍、100倍、1000倍、万倍となった過程が紹介されています。

 

 

私が信頼している4名の著者が、10倍株を探すポイントを解説しています。

 

読んで頂き、ありがとうございました。

誤字脱字、乱文雑文、すいません。

素人が趣味で書いているブログです。その点を留意して、情報の正確性などご容赦ください。

 

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 以上です。 

銘柄コード

メモ:6619 TSLA

ダブル・スコープの創業者で筆頭株主の現社長が、保有株を一株も売却しない理由

 

に続けて、ダブル・スコープの大株主から、ダブルスコープ株への投資を考えたいです。

 結論からいうと、創業者でもある代表取締役社長の崔元根(チェ ウォングン)氏は、持株比率9.42%の筆頭株主で、かつ、保有株を一株も売っていないから、株価上昇が期待できるかもという話です。

 オーナー経営者が筆頭株主で過去5年でテンバーガー達成した会社として、
アイ・アールジャパン、エスプール、ラクス、東洋合成工業、Abalance、SHIFT、ネクステージ、メドピア、グリムス、チャーム・ケア、北の達人、弁護士ドットコム、神戸物産を紹介しています。

 

 

▼目 次

■ オーナー経営者が筆頭株主の会社

オーナー経営者が筆頭株主の会社は、株価の上昇が期待できる言われます。

 

会社四季報の達人が教える10倍株・100倍株の探し方

 で著者の渡部清二氏は、

「私の経験則だが、株価が右肩上がりの企業には、創業者(創業者の資産管理会社を含む)が株主1位の筆頭株主という共通点がある。」
トップダウンで迅速に意思決定が行われ、素早く行動できることから他者に先んじて市場を制することができる。一方でワンマン経営に陥るリスクもある。」

 の述べています。

 

資産を10倍にする! 株の達人が教える『会社四季報』のトリセツ

では、

 「2007年12月から10年間で調べたデータでは創業者が社長の場合は株価が約7倍(710%上昇)となっています。一方、サラリーマン社長の場合は約3倍(319%)の上昇です。これはリーマンショック前後のデータなので、変化率は大きいですが、それでも株価の伸びに倍以上の差が出ています。
また、同じようなデータで、社長の自社株の保有株と株価の上昇率の関係を見てみると、
社長が自社株を保有している会社の株価の上昇率は25.1%、5%保有している会社の上昇率は41.5%、10%以上保有している会社の場合は77.4%となっています。」

といったデータが紹介されています。

 

創業社長とサラリーマン社長の株価上昇率の違い(『四季報』のトリセツ 第3章より)

創業社長とサラリーマン社長の株価上昇率の違い(『四季報』のトリセツ 第3章より) 

 

■ 過去5年で10バーガー達成銘柄の65%は 

過去5年で10バーガー達成銘柄の65%は経営者・創業者が筆頭株主でした。

 

2021年6月25日時点の終値で5年前の株価を比較して、上昇率900%を超えている会社(いわゆる10バーガー達成)をSBI証券のスクリーニング機能で調べました。

四季報で確認したら、20社13社、65%が経営者・創業者が筆頭株主でした。

 

株価上昇率は5年万江の株価から見て上昇率。100%なら、株価が2倍に、900%なら、株価が10倍になっている計算になります。経営者・創業者が筆頭株主が、〇となっている箇所が、資産管理会社も含め経営者・創業者が筆頭株主となっている会社です。

 

銘柄名     株価上昇率(%)   経営者・創業者が筆頭株主

レーザーテック     6,286       ×

アイ・アールジャパン 3,767     〇

エスプール       3,160    〇

ケアネット       2,008     ×

ラクス         1,855       〇

東洋合成工業      1,809       〇

Abalance    1,762       〇

ベルテクス       1,551        ×

SHIFT       1,547       〇

ネクステージ      1,514       〇

メドピア        1,379       〇

野村マイクロ      1,287        ×

グリムス        1,161       〇

チャーム・ケア     1,124       〇

北の達人        1,112       〇

弁護士ドットコム    1,046       〇

Jストリーム      1,042       ×

メンバーズ       1,035       ×

アバント        1,009       ×

神戸物産        982      〇

 

 

東洋合成工業は創業者でないですが、創業家出身の二代目経営者であるため、〇にしています。弁護士ドットコムは、創業者で資産管理会社も含めると筆頭株主元栄太一郎氏が財務大臣政務官就任に伴い2020年9月に代表取締役会長を辞任していいますが、その経営していた期間や、その影響力から、〇にしています。

神戸物産は、創業者の資産管理を目的としたと思われる財団が筆頭株主のため、かつ、創業者で社長の沼田氏個人で、第3位(保有比率2.9%)の株主でもあり、〇にしています。

■ 創業者で筆頭株主の現社長が、保有株を売却していない 

確認できる範囲(2014年12月期末の有価証券報告書)から、創業者でもある代表取締役社長の崔元根氏はダブルスコープを一株も売却していません。

保有株は、2014年12月末で、4,267,000株で、新株発行による増資で、保有比率は下がっていますが、株価が2000円以上の高値を付けていた2015年にも、売却していませんし、設備投資により大幅な赤字が計画され、株価の下落が予測できたであろう2017年頃にも売却していません。

創業者 崔元根の保有株式の推移  - バフェット・コード ダブルスコープ 大株主の欄から加工転載

創業者 崔元根の保有株式の推移

- バフェット・コード ダブルスコープ 大株主の欄から加工転載

オーナー経営者が筆頭株主の会社で、保有株を売却していない会社は、株価の上昇が期待できると思います。

オーナー経営者は、その会社の内部情報・極秘情報を取得できる究極のインサイダーともいえます。株価が上昇するか、下落するか、その予兆があるか、そういった情報が一番早く多く取得できる立場です。

そういった立場の人が、株式を売却するということは、現在の株価が高く、今後下がる可能性があるということですし、株式の保有を続けるとうことは、現在の株価が安く、今後の株価の上昇への自信がある可能性が高いと思います。

 

もちろん、株式の売却、保有は、流動性の確保や会社の経営をコントロールするための株主政策にも左右されるので、株価の予測は、オーナー経営者かつ創業者が株式を保有する、売却する理由の一要素でしかありません。

ただ、現在の株価をオーナー経営者かつ創業者がどう評価しているか、株価を判断する材料になりそうです。

 

■ 10倍株、100倍株になる会社がわかる本

会社四季報の達人が教える10倍株・100倍株の探し方

の『第三章 10倍株はこうして見つけろ』に

過去に10倍、100倍、1000倍、万倍となった株を紹介しています。

ソニートヨタなどだれでも知っている会社が、10倍、100倍、1000倍、万倍となった過程が紹介されています。

 

記事本文で、

社長が自社株を保有している会社の株価の上昇率は25.1%、5%保有している会社の上昇率は41.5%、10%以上保有している会社の場合は77.4%となっています。」

といったデータが紹介されている本も紹介します。

私が信頼している4名の著者が、10倍株を探すポイントを解説しています。

 

 

 

■ 前回のブログ

 

 

読んで頂き、ありがとうございました。

誤字脱字、乱文雑文、すいません。

素人が趣味で書いているブログです。その点を留意して、情報の正確性などご容赦ください。

 

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以上です。

銘柄コードメモ:6619,6035,2471,3923,4970,3856,3697,3186,6095,3150,6062,2930,6027,3038

タイヨウ系ファンドがダブル・スコープ投資やめたってよ

  

に続けて、ダブル・スコープに関するブログです。


ダブル・スコープの大株主の変遷が確認して、興味深い点はいくつかあります。
今回は、タイヨウ・パシフィック・パートナーズ:Taiyo Pacific Partners(以下、タイヨウと略)系列ファンドがダブル・スコープの株式を売却した理由など推測して、ダブル・スコープへの投資について考えたいです。

結論から言うと、機関投資家が買えない理由、売らざる得ない理由がある銘柄は、個人投資家にとっては、チャンスだという話です。

 

タイヨウ系列のファンドは、全国保証、アルバックトプコンそーせいグループ、オープンハウス、Jトラスト、サイバーエージェントなどに投資し、2014年に電子楽器メーカー・ローランドの経営陣によるMBOにも出資しています。

▼ 目次

 

なお、上場企業の大株主の変遷は以下のサイトで一部有料のサービスもありますが、無料で確認できます。


https://irbank.net/

https://www.buffett-code.com/

https://e-actionlearning.jp/

 

■タイヨウ・パシフィック・パートナーズとは

タイヨウ・パシフィック・パートナーズ:Taiyo Pacific Partners(以下、タイヨウと略)は、投資先の「厳しい友人」(友好的アクティビスト)を標榜したアメリカに拠点を置く投資ファンドです。

TaiyoPacificPartnersは厳しい友人!TaiyoPacificPartnersのサイトより加工転載

TaiyoPacificPartnersは厳しい友人!TaiyoPacificPartnersのサイトより加工転載


日本のGPIF(今では世界最大の年金基金年金積立金管理運用独立行政法人、運用資産は170兆円を超える)や米カリフォルニア州職員退職年金組合(米国最大の公的年金基金:運用資産は40兆円を超える)の資金を運用し、日本を中心としたアジアの会社に投資しています。日本株の運用総額は2500億円を超え、オープンハウス、Jトラスト、サイバーエージェントなどに投資を行っています。

■タイヨウ系のファンドの売却時期

タイヨウ系のファンド
2019年12月末期では、
TAIYO HANEI FUND,L.P. 5.22%とTAIYO FUND,L.P. 3.78%
と合わせて、 9%ほど投資していたのが、
2020年12月末期では、0%になっています。

ただ、代わりに株主上位になったカストディアン(Custodian)といわれる、投資家に変わり、海外の有価証券の保管・管理業務を行う金融機関であり、が、タイヨウ系列のファンドが名義だけでなく、投資を中止して、実質的にも、株式を売却しているのか、
それとも名義だけカストディアンにしたのかは不明です。
おそらく、大量保有報告書及び変更報告書を提出していることから、実質的にも売却している可能性が高く、その前提でこのブログは記載します。

 

タイヨウ系のファンドが投資を始めた時期が、株主の推移をみると2017年で、
そのころのダブルスコープの株価は2,000円を超えていたので、ダブル・スコープへの投資は大きな損失となったと思います。結果的に2020年、2021年とダブル・スコープの株価は、1000円を割り、2021年6月22日終値で637円と低迷、下落しているので、損切としては、現時点では悪い判断でなかったようです。


ただ、ダブル・スコープを売却した理由は気になります。

■タイヨウ系ファンドが売った理由

 

ダブル・スコープの事業、外部環境や経営内容は、タイヨウ系ファンドが投資した当時と大きな変化はありません。外部環境という意味では、自動車のEV化の流れが、2019年の当時より、全世界的に強くなっており、外部環境はよくなっていると思います。

 

投資ファンドは、成長力もあり、高収益、株主還元に積極的な企業に投資しますが、タイヨウ系のファンドが投資した2017年当時も今も、成長力はありますが、成長投資の時期で、高収益な企業でも、株主還元に積極的な企業でもありません。

2017年も、現在も、成長力があり、将来は、高収益、株主還元に積極的になるであろう企業の候補というダブル・スコープの状況は変わっていないと私は考えています。

タイヨウ系ファンドが売却した理由はなぜでしょうか。 

タイヨウ系ファンドが売却した理由は、全くの推測(妄想)ですが、
ダブルスコープの資本政策に賛同できない箇所があったのか、
公的年金を資産を運用するTaiyo Pacific Partners系列のファンドでは、リスクの高い企業への投資を控える内部ルールがあり、その内部ルールに抵触したか、
どちらかだと考えています。

 

例えば、資本政策に賛同できない箇所があったという点は、

「Taiyo Pacific Partnersは、MBOを提案したが、ダブル・スコープの経営者はそれを拒否した」「Taiyo Pacific Partnersは、子会社の上場計画に反対したが、ダブル・スコープの経営者はそれを拒否した」などが考えらます。

 

MBOの提案は、上場会社で、赤字が3期に及ぶような事業改革をする場合、株価が大きく下落し、既存株主への不安や株価低迷によるデメリットなど実害が発生するので、市場価格より高い価格で株式を非公開化しようという話があり、タイヨウ系のファンドがそれを提案したのかもしれません。また、タイヨウ系のファンドが、ローランドのように、MBOに出資することで、通常の投資より、大きな収益を狙ったのかも知れません。

 

子会社の上場計画の話は、韓国の100%子会社W-SCOPE CHUNGJU PLANTが、韓国証券市場であるコスダックへの株式上場(2022年上期に上場)を計画中であり、
利益の外部流出、迅速な意思決定の阻害、経営効率の悪化を招く可能性があるので、投資ファンドが反対した可能性もあります

 

リスクの高い企業への投資を控える内部ルールに抵触した可能性についてですが、

- 継続企業注記企業になった。2019年12月期有価証券報告書において、「継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような状況が存在している」と注記されている。

- 特許訴訟リスクがある。2020年2月に、旭化成は、ダブル・スコープと同社の韓国子会社に対して、旭化成保有するリチウムイオン2次電池用セパレーターの韓国における特許を侵害したとして、WSCOPEに韓国での同製品の製造・販売の差し止めと損害賠償を求める裁判が提訴されている。

といったことが原因かもしれません。


継続企業注記企業になった件は、最新の有価証券報告書によると
 - 業績の黒字化
 - 新株発行による増資
に解消される見込みがたっているように思えます。

金融機関と返済期限の延長を交渉しているような記載がありますが、
これは、融資額の全額返済を求めるような、期限の利益の喪失を、契約上は金融機関を要求できるが、そんな要求はしないで当初の返済計画通りにしてもらうことを確認しているだけのようで、それほど心配しなくてもいいような状況と想像します。

 

特許訴訟リスクについては、裁判は継続中のようで、旭化成の特許の有効性について、
ダブル・スコープに不利な判決もでたようです。
ただ、特許訴訟で取引先が減っている、売上が減っているということは、ダブル・スコープの決算資料からは読み取れないので、大きな実害のある話ではないようです。

 

繰り返しになりますが、まったくの推測となりますが、投資ファンドが株式を売却した理由を考えて、その理由が現在も重要なものなのか、考えることは、
ダブル・スコープに投資する判断材料となりそうです。

長期的な視点で投資する年金の運用について、全米一の年金資産額の米カリフォルニア州職員退職年金組合や世界一の年金資産の運用をしているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)から運用の委託を受けているタイヨウ系列のファンドが投資していた企業であり、その投資していた当時と特徴や強みが変わっていないのあれば、そして、

その投資していた当時と比べて、株価が極端に割安であれば投資する価値も高そうです。

 

投資ファンドの投資手法などについて詳しく知りたい人へ

 

Taiyo Pacific Partnersなど海外の投資ファンド機関投資家の投資手法、投資先を知って、自分の投資成績を上げたい人のための本をいくつか紹介します。

株式市場の市況解説では、「外国人が買い越し」「外国人が強気」といった分析がいの一番に語られるなど、日本の株式市場の上げ下げと外国人投資家の動向は非常に深く関連しています。
また、個人投資家の多くは「外国人投資家はうまく儲けている」というコンプレックスを持っているため、外国人投資家モノは投資本では定番の売れ筋テーマとなっています。

☆本書はみずほ証券のチーフストラテジスト(外国運用機関へのセールス担当)として日々、そうした外国人投資家と接し、内情をよく知っている著者が、
以下のポイントについてわかりやすくまとめた、個人投資家必読の一冊です!

・外国人投資家とは具体的に誰のことなのか
・いまの日本経済や日本株市場についてどう考えているのか
・そもそも彼らはどいういう思考や行動のパターンを持っているのか
個人投資家が彼らの考え方や行動をうまく活用して儲けるためにはどうすればいいのか

 

 

5年先ぐらい長期の業績から株価が高いか低いか判断できるようになるための書籍を紹介します。

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です。

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奇を狙った本でなく、株式投資の基本的な知識は理解して、機関投資家のようなプロと同じレベルの思考をしたい方、機関投資家のようなプロの思考方法を知りたい方におすすめの本だと思います。

予想のいらないというのは、財務、業績の数字(予想も含む)から、株価は計算できるという意味だと思います。

大きな本屋だとだいたい置いてあるので、立ち読みしてもいいと思います。

電子書籍で試し読みもできます。

 

 

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読んで頂き、ありがとうございました。

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高成長市場のダブル・スコープの高い増収率と予想株価

 に続けて、ダブル・スコープに関するブログです。
ダブル・スコープは直近過去3年度で対前年度比で40%以上の増収を達成していて、
2022年12月期の業績予想の確度が高まる時期(2022年12月頃)には、

444円から4320円(幅が広すぎ!)という株価が期待できるかもしれないという話です。
 
リチウムイオン電池の部材メーカーとして、旭化成住友金属鉱山昭和電工東レ三菱ケミカル三井化学なども紹介しています。
なお、2021年6月21日終値で、ダブルスコープは年初来安値を更新して、592円です。

 

 

 

■急成長するリチウムイオン電池とセパレーターの市場

パソコン、スマホ、充電式の家電、自動車用の蓄電池、電力供給用の蓄電池などに用途が急拡大するリチウムイオン電池(バッテリー)は注目を浴びています。
リチウムイオン電池(バッテリー)の材料は正極材、負極剤、セパレーター、電解質が主要材料といわれ、この4材料で材料原価の80%以上を締め、正極材が約40%、セパレーター約20%、負極材約10%、電解液約10%ほどのコストを占めます。原価の2割、つまり、最終販売価格の1割程度は、セパレーターの価格を占めます。

 

リチウムイオン電池の原理の模式図

リチウムイオン電池の原理の模式図(昭和電工マテリアルのサイトより加工転載)

リチウムイオン電池の原理の模式図(昭和電工マテリアルのサイトより加工転載)

 

 

正極材:電気を貯蔵するための材料、正極材にリチウムが利用される。日本では、 住友金属鉱山日亜化学などが製造。

 

負極材:電気を放出するための材料、負極材に炭素が利用される。日本では、昭和電工マテリアルズ(旧会社名は日立化成、昭和電工の子会社)、三菱ケミカルなどが製造。

 

セパレーター:正極材と負極材を分離する膜で、電解液に含まれたリチウムイオンだけ通過させます。ポリオレフィンと呼ばれるプラスチックの一種が利用される。日本では、旭化成東レなどが製造。

 

電解液:正極材と負極材の間を移動する材料石油を分離してできた溶剤とリチウムイオンを含んだ塩からできる。日本では、三菱ケミカル三井化学が製造。

 

世界のリチウムイオン電池市場は2019年に367億ドルと評価され、2020年から2027年までの年平均成長率は18.0%で、2027年までに1,293億ドルに達すると予測されています。

また、電池セパレーター市場(主にリチウムイオン電池)の価値は、2019年に72億1,440万米ドルに達し、2021年から2026年の間に12.67%の年平均で成長し、2026年末までに170億303万米ドルに達すると予測されています

 

日本円でいうと、リチウムイオン電池市場、2019年の約4兆円から、2027年には約14兆円にが成長し、セパレーター市場は、2019年の8000億円から、2027年には2兆円まで、成長します。なお、リチウムイオン電池のセパレーター専業のダブル・スコープの売上は、2020年12月末決算で184億円とシェアは2%程度のようです。まだまだ、成長が期待できるダブル・スコープです。

 

■ダブルスコープの成長率や業績や株価の予想

ダブルスコープは過去3期赤字であるが、市場の成長に加えて、自動車向の高性能・高付加価値・高利益率・高単価のセパレーターの市場とシェアが増加して、売上高は前期比毎年40%以上の成長をしています。

2019年87億→131億(50%増)→184億円(40%)と成長し、今期は、280億円と50%増を予定して、業績も黒字転換する予定です。

 

会社予想とともに、SBI証券のアナリストレポートの予想も紹介します。

▼2021年12月期業績予想
    会社予想 SBI証券予想

売 上  280億円  300億円

営業利益  35億円    43億円

純利益   10億円    16億円

E P S          22円     35円

SBI証券予想は、SBI証券 企業調査部澤砥 正美 (さわと まさみ) 化学・合繊業界担当シニアアナリスト の2021年6月15日のアナリストレポートによります。
なお、該当のアナリストレポートで、目標株価は、2022年12月期予想ベースのセパレータメーカー平均 PER である 11.1倍を、2022年12月期SBI証券 予想 EPS 144.1 円(従来 144.6 円)に適用した1,600 円と評価しています。
2022年12月期について、SBI証券は、売上を390億円、営業利益90億円 純利益65億円 EPS144円と予想しています。

2022年12月期も前年度で売上30%近い増収を達成するのであれば、高成長企業として、PERは30倍程度も許容されるかもしれず、その場合株価は、EPS144円・PER30倍で計算すると、4,320円という株価になります。

 

なお、2022年12月期について、四季報は、売上を340億円、営業利益50億円 純利益22億円 EPS40円と予想しており、セパレータメーカー平均 PER である 11.1倍を適用すると妥当そうで、その場合、株価は444円で、今の株価水準でも割高となります。
四季報でも、2022年12月期も対前年度比で20%程度の増収率を予想してて、これならPERは20倍程度許容されてもよさそうで、その場合株価は800円となります。


というわけで、繰り返しになりますが、ダブル・スコープは直近過去3年度で対前年度比で40%以上の増収を達成していて、
2022年12月期の業績予想の確度が高まる時期(2022年12月頃)には、444円から4320円(幅が広すぎ!)という株価が期待できるかもしれないという話です。

 

 

リチウムイオン電池の関連本の紹介

 

▲「世界で今、リチウムイオン電池バブルが起きている。
スマホやノートPCのバッテリー、電気自動車やドローン搭載など、その市場規模は推定2兆円。旭化成で15年をかけて実用化にこぎつけた開発者にしか語れない裏話とは。
今、世界でもっとも注目されている第一人者による一冊!」といった紹介がされている本です。

ノーベル賞受賞者の吉野彰さんの苦労話や研究エピソードが豊富で楽しく読める本のようです。また、リチウムイオン電池の原理、仕組みを改めて確認します。どんな技術が重宝され、淘汰されるのかのイメージが湧くと思います。

 

▲(概要)電池の基本解説から、リチウムイオン電池を含む二次電池の特徴、全固体電池など次世代電池についてわかりやすく解説します。
(こんな方におすすめ)・基本から現段階での最先端技術まで
二次電池の知識全般についてきちんと整理しておきたい人。今後の二次電池の技術動向について知りたい人。といった本です。
↓のように画像も多くて、わかりやすいです。

最新 二次電池が一番わかる (しくみ図解)より引用

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1年の休日は1日だけ!激務のサムスン電子で鍛えられた社長 崔 元根氏が率いるダブル・スコープは第二のサムスン電子になれるのか

 

ダブルスコープの株価と2年チャート

ダブルスコープの株価と2年チャート

ダブルスコープ株式会社(英語名:W-SCOPE Corporation)の株価は、ここ数年さえません。2021年6月18日の終値は608円と年初来安値更新しています。2016年5月の上場来高値3,675円の株価から8割以上下落しています。

 

 

ダブルスコープは、2018年12月期から2020年12月期まで、過去の三期連続で赤字を計上していますので、株価の下落もそういった業績が反映しているのでしょう。

ただ、3期連続の赤字といっても、小さな利益より、大きな成長を得るための設備投資による赤字、いわば計画的な赤字ですが、そういった赤字を許容できるほど、株式市場はダブルスコープの成長性をあまり評価していないようです。

 

 

▼目 次

 

 

しかし、私はサムスン電子出身というダブルスコープの経営者の経歴から、期待しています。

ダブルスコープの製品は、リチウムイオン電池の素材(セパレータ)で、日本企業の競合は、旭化成東レ宇部興産・マクセル社(宇部興産・マクセル社の合弁企業 宇部マクセルで生産)となりますが、いずれも日本を代表する大企業で、その経営者、社員も優秀だと思いますが、日本の競合以上に、能力の高い人がダブルスコープに多いのではと思っています。

 

 


サムスン電子サムスン)出身の経営者

ダブル・スコープ取締役は5名ですが、うち社外取締役は2名で、
経営に直接関与する取締役は3名ですが、そのうち2名は、サムスン電子出身の経営者です。


創業者で代表取締役社長 崔 元根氏と取締役 趙 南星氏です。

崔 元根氏の略歴(有価証券報告書より)-----
1990年6月 韓国三星電子株式会社入社
2000年5月 韓国ワイド社取締役副社長就任
2005年10月 当社代表取締役社長就任(現任)
2011年1月 W-SCOPEHONGKONGCO.,LIMITED取締役社長就任(現任)
2016年10月 W-SCOPECHUNGJUPLANTCO.,LTD.代表理事就任(現任)
------------

趙 南星氏の略歴(有価証券報告書より)-----
1975年1月 韓国第一毛織株式会社入社
1977年9月 韓国三星電子株式会社入社
1996年1月 韓国三星電子株式会社理事就任
1998年3月 韓国第一企劃株式会社監事就任
2001年3月 韓国UGCOM株式会社社長就任
2004年12月 韓国石榮商社副社長就任
2008年3月 W-SCOPEKOREACO.,LTD.監事就任
2011年3月 当社取締役就任(現任)W-SCOPEKOREACO.,LTD.理事就任(現任)
2011年1月 W-SCOPEHONGKONGCO.,LIMITED取締役就任(現任)
2016年10月 W-SCOPECHUNGJUPLANTCO.,LTD.理事就任(現任)
------------ 

 

崔氏は、1990年6月から2000年4月まで勤務し、液晶事業で勤務していており、

日本企業との取引もあり、日本企業が高い技術力をもつ素材部材分野の重要性を痛感したことが、リチウムイオン電池の素材(セパレータ)の会社を起業するきっかけになったそうです。

趙氏は、1977年9月から1998年2月まで 1996年1月に理事就任で、その後いくつかの会社の社長を歴任しているので、経歴から考えると、三星電子サムスン

電子)の創業メンバーの一人と言っても、許されるような人かもしれない。

 

 

サムスン電子出身の経営者に期待する理由

■超ガリバー企業のサムスン電子

サムスン電子は、売上高が韓国のGDPの20%、時価総額は韓国株式市場の25%、韓国の輸出額の20%以上を占める韓国の圧倒的なNO1企業、最大の企業です。
韓国を象徴する企業であり、フォーチュン・グローバル500では、
世界企業ランキング12位(2018年)、イギリスの調査会社ブランド・ファイナンスが発表するブランドランキングでは、ブランド価値923億ドルで世界4位(2018年)で、世界的な有名な企業で、トヨタソニーなど日本のどの企業よりも世界的な知名度が高いかもしれません。

 

2021年5月の時価総額は、世界で11位の5163憶ドルで、日本では最大の時価総額トヨタ自動車は世界で43位の2126憶ドルであるから、トヨタ自動車の倍以上の時価総額の企業です。電機業界最大の時価総額企業 ソニー時価総額が1292憶ドルである。
おそらく、日本の電機産業(サムスンと事業、製品が同種の企業)全ての時価総額、売上、時価総額を足しても、サムスンのそれにに及ばないような超巨大ガリバー企業です。

 

サムスン電子の社員は超優秀

1969年に創業され、わずか30年程度で、世界的に超巨大ガリバー企業に成長したサムスン電子ですが、そんなサムスン電子の社員は超優秀といわれています。

 

大学生が就職したい企業 1位サムスン電子・2位大韓航空=韓国
記事一覧 2019年12月26日 【ソウル聯合ニュース
大学生の就職先として最も人気を集めている企業は1位サムスン電子・2位大韓航空のようです。人気企業1位ということで、応募者も多く、採用試験で、能力の高い人が採用されるのでしょう。

 

日本企業の技術者を積極的に採用し、最先端の技術を獲得した話は有名ですが、
国外の他企業からのスカウトも積極的に、それだけ、人材の採用に力を入れている企業のようです。

採用後も、社内で成果主義能力主義の企業文化で、激しい競争がある企業のようで、そんな企業で勤務した人は鍛えられて
超ハードワークに耐えうる超優秀な人が多いと実際に取引関係があった人から聞いたことがあります。

なお、週刊エコノミスト 2016年1月19日号のインタビュー記事で、

Q 30代の頃はどんなビジネスマンでしたか
A サムスン電子の企画部で商品企画やIR(投資家向け広報)などをやり、
1年の休日は1日だけの激務でした。
37歳で独立し、友人と医療機器モニターを作る会社を立ち上げました。

といった社長の崔氏が経歴を紹介しいている。

1週間の休日が1日だけでも、まあ大変で、
1か月の休日が1日だけでも、過労死レベルですが、
1年の休日は1日だけというのは、少し誇張しているかもしれませんが、
そういった誇張が明らかな嘘とも思われないのですが、当時のサムスン電子の激務、ハードワークだったのせしょう。

 

ダブルスコープ社長崔元根氏

ダブルスコープ社長崔元根氏

ダブルスコープの主要な事業拠点(連結従業員 1,179名のうち韓国子会社の従業員がほぼ99%1,170を占める)は韓国ですが、韓国の従業員も、崔 元根氏や趙 南星氏の人脈などを利用して、優秀なサムスン電子の出身者が多いかもしれないと思うと、ますます期待してしまいます。

 

〔2016年の経営者〕編集長インタビュー/790 崔元根 ダブル・スコープ社長|エコノミスト(第94巻 第3号 通巻4432号)|G-Search ミッケ!

サムスン電子の経営も超優秀

サムスン電子は、社員だけでなく、もちろん経営も超優秀です。

おそらく長くサムスン電子に勤めた社長ですがので、ダブルスコープもサムスン電子の経営哲学、企業文化の影響を強く受けていると思います。

崔 元根氏やダブルスコープに関する取材記事など見ると、ダブルスコープは、その経営哲学や経営手法も、古い日本企業の家族的文化を取り入れて、サムスン電子のいい面、悪い面をよく理解して、それに発展的に改善しているように思います。

第二のサムスン電子の存在の企業となり、10年後に世界的企業に、20年後にガリバー企業、30年度に超ガリバー企業に成長しているかもしれません。

ということでサムスン電子出身の経営者が率いるダブルスコープには、期待しています。

 

サムスン電子の社員、経営の優秀さを理解するために

サムスン電子の社員、経営の優秀さを理解するために、いくつか本を紹介します。

 

 サムスンの幹部として人事戦略にかかわってきた著者が、東京大学の博士論文としてまとめたものを、一般読者にわかりやすく書き直した労作らしく、
サムスンといえば苛烈な昇進競争が話題ですが、人事戦略と経営戦略の主要な構成要素であることがわかります。
創業から40年で世界トップ企業に上り詰めたサムスン電子。その積極果敢な経営を支えたのは戦略パートナーとなった人事部と優秀な人材群であった。知られざるサムスンの人事戦略を貴重な資料に基づいて初めて解明した本のようです。

 

 役員から平社員にいたるまで、常に新鮮で破格ともいえる人材途用を基本とする経営が、今日の躍進の鍵だと述べています。世界各地から韓国人に限らず、優秀な人材をスカウトし、徹底的な社内研修で「サムスンマン」に仕立て上げる様子を綴るとともに、不況下でも人材の獲得・育成に惜しみなく資金を投入して躍進していく様を内部の人間の目を通して語っています。

 

1カ月で競争する社員に育てるSVP研修、不可能を可能にするPDCAの原則、目標を確実に達成させるアプローチ戦略、短時間で必ず結果を出す会議のルール―チームの競争力を100%引き出し結果を出し続けたいリーダー必読の書らしいです。

 

サムスン電子躍進の秘密は、「サムスン士官学校」とまで呼ばれるその独特の人材育成制度にあるようです。

 

 家電や半導体における韓国企業の世界的躍進を支えたもの、それは「すばやい意思決定」で、詳細なリサーチや顧客ニーズの把握により、新興市場を素早く制圧することを可能にしてきた韓国流の意思決定術を解説しています。

 

2009年の出版で少し古いですが、著者は韓国、米国、日本で教えた経験を活かした良書で、特に比較する視点が的確でその説明も核心突いているようです。
ソニーサムスンのお互いの長所と短所、成功と失敗が網羅的に記述されているため、サムスン電子の成長の理由、その経営の特徴も理解できるようです。

読んで頂き、ありがとうございました。

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コマツの株価が急落している今、コマツ子会社のギガフォトンに関する識者の評価について

 

コマツの株価が急落している今、コマツ子会社ギガフォトンに関する評価:二人の識者、湯之上 隆氏(微細加工研究所所長)・田路則子(法政大学経営学部教授)の記事、論文を参考にその評価などを紹介します。

ギガフォトンは、ASMLにシェアを奪われたニコンキヤノンと違い、レーザーテックのような日本企業の底力、独自技術の強みを感じました。ギガフォトンはASML(その子会社のCymer)を下剋上ジャイアントキリングできるかもしれません。

▽目次

 

 

■ギガフォトンの決算を待つ

 

上記のブログで、

 現状、コマツの株価約3000円、時価総額約3兆円ですが
2兆円の時価総額のレーザーテックと同じ位ギガフォトンが評価されれば
、株価5000円、時価総額5兆円と評価されるかもしれない。
といった話(妄想)は、ギガフォトンの2021年3月末年度の算決算公告で確認できる時期に 、改めてブログで詳しく書きたいと思います。

といった内容を記載しましたが、

ギガフォトンの決算は、去年2020年は、6月26日に公告されているので、
おそらく、今年も今月中には公告されるであろう決算を待って、企業価値の評価をしてみたいと思います。

100%子会社の決算は、会社自体の収益力より、その親会社の財務政策、税務政策によって、売上、利益ともに大きく左右されますが、ギガフォトンの場合は、

  • もともと合弁企業だったことともあり独立性が高い
  • 親会社のコマツの主力製品と全く別分野の製品であること
  • 親会社との取引関係も少ないこと

から、ある程度、その決算自体で、企業価値を評価することも可能だと考えています。

 

コマツの株価が急落

ギガフォトンの親会社コマツ小松製作所)の株価が急落しています。
2021年6月16日(水)終値3,050円から、
2021年6月18日(金)終値2,850円と2日間で6%近く下落し、年初来安値となりました。

主力市場の東南アジアで競争力の低下懸念が大きいとして、
UBS証券が16日付のリポートで評価を「買い」から一番下の「売り」に引き下げ、
目標株価も3800円から2500円に引き下げたことがきっかけといわれてます。
UBS証券は、中国重機大手の三一重工に対するコマツの競争力低下などが評価を下げた原因のようですが、UBS証券のレポートは直接見ていませんが、おそらくギガフォトンの将来性や企業価値は、コマツの株価に織り込まれていないように思われます。

おそらく、2021年3月末決算で2兆1895億円をに達する売上のコマツほどの企業規模だと、売上約351億の一子会社で主力事業とほぼ無関係の事業は無視できるほど小さなものかもしれません。

以前のブログで述べた通り、
しかし、2020年6月末決算で425億円の売上のレーザーテックが、2021年6月18日終値の株価21,600円で、2兆365億円程の時価総額まで評価されていることを考えると、その成長性次第では、無視することはできず、コマツの主力の建機事業と同程度の重要性を持つかもしれません。

ギガフォトンの成長性について、いつかの識者の評価を紹介したいと思います。


■ギガフォトンはASMLを下剋上ジャイアントキリングできるか

微細加工研究所の所長として、
半導体・電機産業関係企業のコンサルタントおよびジャーナリストの活動をしている
湯之上 隆氏の評価(記事)を紹介します。

 

▽2020年04月15日の記事(EE Times Japan のサイトより)

コロナ騒動を、またとない下克上のチャンスと捉える企業があるかもしれない。
プロセッサでは、シェアの低下が止まらないIntelに代わってAMDが台頭するかもしれない。また、製造装置では、ドライエッチング装置でLam Researchに代わって東京エレクトロンがシェアを伸ばすかもしれない。EUV露光装置では、Cymerに替わって、日本のギガフォトンの光源が採用されるかもしれない。 

 

パソコンのCPUは一時的がIntelの独占市場のようなシェアでしたが、最近、AMDがシェアを20%ほどとり、年々シェアを上げています。そんなAMDのように、ギガフォトン下剋上のチャンスをとらえる候補として紹介しています。

 

Electronic Journal 2013年5月号の記事(微細加工研究所 湯之上ネットのサイトで紹介されています)

●EUV光源開発は日本人に有利
LPP方式のEUV光源開発における第1課題は、Snの液滴をいかに制御するかということである。
(中略)
例えば、ギガフォトンの発表では、まずSnの液滴をYAGレーザ(プリパルス)で細かく砕き、そ
こにCO2レーザを照射する2段階方式を検討している。
一方、Cymerは、昨年のSPIEの発表までは力づくでCO2レーザを照射していた。今年のSPIEで、はじめてプリパルス方式の結果を発表したが、波長の異なる2つのレーザを使う細かな芸当ではない。
Snの液滴をいかに上手く制御して、いかに上手く高密度プラズマを発生させ、いかにして350~500WのEUV光を得るか? 日本人は、液体材料を用いたデリケートなプロセス開発に、圧倒的な強みを発揮してきた。これが、EUV光源開発は日本人に有利と考える根拠である。


8年前とかなり古い記事ですが、EUV露光装置のような革新的な難易度の高い実用化されて歴史が浅く、まだまだ新しい技術的革新も期待されます。
もちろん、キャノンやニコンがASMLに敗れたように、ギガフォトンが負け組になる可能性もゼロではありません。

ただ、今後、10年、20年スパンと見た場合、ギガフォトンが、ASML(その子会社のCymer)に対して、下剋上ジャイアントキリングといった展開も期待できます。

半導体製造の前工程の検査装置の巨人KLA社に対して、レーザーテックが、EUV露光装置用検査装置で、技術的優位に立ち、圧倒的な収益力、成長力を獲得したように、ギガフォトンが、ASML(その子会社のCymer)に対し技術的優位に立って、圧倒的な収益力、成長力を獲得する可能性もあります。

 

■組み合わせ、擦り合わせの両方で高度な技術をもつギガフォトン

田路則子 氏(法政大学経営学部教授)・佐藤政之(法政大学経営学助教授)・榎波龍雄(ギガフォトン勤務)の共著で、『半導体露光レーザメーカの製品アーキテクチャ』という論文が、2017年3月に公表されています。

露光機の基幹部品として使われるエキシマレーザのプレーヤーは、現在ではアメリ
のサイマーと日本のギガフォトンとなる。両社の概要については次節で述べるが、設立当時、市場シェア 20%に満たなかったギガフォトンが、順調にシェアを伸ばし、2009 年には 50%を達成している。露光機メーカと比べると、日本勢が逆の立場で奮闘していることがわかる。
(中略)
コマツの時代から培ったレーザの技術開発の経験と実績を継承し、KrF、ArF(Dry)、ArF(Immersion)を中心としたエキシマレーザを販売する。特に ArF はインジェクションロックという方式による、装置に 2台のチャンバ(ツインチャンバという)を配置した技術により、安定した性能と低いランニングコストで高出力なパワーを実現する「GT シリーズ」製品を開発している。
(中略)
(ギガフォトンは)川上に位置することを利用して、外部に対してクローズな、新しいアーキテクチャを別組織で開発できたことが、競争優位性をもたらした
といえよう。


ギガフォトンの製品は、インテグラルの要素とモジュラーの要素があり、
それぞれ仕様が公開されていないクローズドのものであるため、参入障壁が高く競争優位性をを維持しているといった内容の記載もありました。

インテグラル(摺り合せ)型の要素:製品を作る際に特別に最適設計された部品を相互調整しないとトータルなシステムとしての性能が発揮されない製品がインテグラル(摺り合せ)型です。自動車やオートバイ、精密機械がその代表例。

※モジュラー(組み合せ)型の要素:既に設計された既存の部品を組み合わせて、最終製品とするのがモジュラー型です。モジュラー型の代表例は、自転車、PC。


■湯之上 隆氏の著書

今回記事を紹介した半導体・電機産業関係企業のコンサルタントおよびジャーナリスト湯之上 隆氏の著書を二つほど紹介したいと思います。

 


本書は2009年の出版ですが、主に1995年ぐらいから2008年までの半導体業界について分析されてます。本書でとりあげた「半導体敗戦」となった原因は今でも解決されておらず、半導体業界の復活のために10年後の今でも一読の値打ちあるようです。

なお、Kindle Unlimited 読み放題 の対象商品なので、Kindle Unlimited 読み放題 に加入している方は無料で読めます。

 

 日本の半導体業界はなぜ壊滅的状態になったのか? シャープなどの電機メーカーはなぜ大崩壊したのか? 京大大学院から日立に入社し、半導体の凋落とともに学界に転じた著者が、零戦サムスンインテル等を例にとりながら日本の「技術力」の問題点を抉るとともに、復活再生のための具体的な処方箋を提示します。

 

■田路 則子氏の著書

今回、論文を紹介した法政大学経営学部教授 田路 則子氏の著書を二つほど紹介します。

 

 
本書は企業の研究開発活動、その具体的事例、イノベーションの発生、成功を丁寧に取材し、経営学的考察を切り口に深堀りしている良書のようです。

 

 本書は、首都圏とシリコンバレーのWebビジネスを定量的に比較しつつ、成長を果たした日米の事例についてケーススタディを行っています。
この分野の書籍は起業家の体験談が多いが、本書のような学術的な研究をまとめたものは普遍性が高く、そこで語られるノウハウはWebビジネスに限らず、他のビジネスにおいても活用しやすいようです。起業を目指す方々の参考になるだけでなく、起業環境の整備にかかわる政策担当者、ベンチャーキャピタル関係者の業務にも貢献するような本のようです。

 

ギガフォトン本社

ギガフォトン本社

以上です。