大軍に兵法なし、衆をもって寡を制するダブル・スコープ

に づづけてダブル・スコープという企業の強みを考えたいと思います。

 

「敵に倍する兵力と火力を予定戦場にあつめて敵を圧倒するということが戦術の大原則であり、名将というのは限られた兵力や火力をそのように主決戦場にあつめるという困難な課題について、内や外に対しあらゆる駆けひきをやり、いわば大奇術を演じてそれを実現しうる者ことを言うのである。」と司馬遼太郎は語っています。

ダブル・スコープの創業者・社長 崔 元根氏には、司馬遼太郎が語る名将の資質を感じます。

 

  

司馬遼太郎の名将の条件

司馬遼太郎は、その著作で名将の条件について次のように語っています。 

坂の上の雲 (3) 

 戦術の要諦は、手練手管ではない。日本人の古来の好みとして、小部隊をもって奇策縦横、大軍を翻弄撃破するといったところに戦術があるとし、そのような奇功の主を名将としてきた。源義経鵯越の奇襲や楠木正成千早城の籠城戦などが日本人ごのみの典型であろう。
 ところが織田信長やナポレオンがそうであるように、敵に倍する兵力と火力を予定戦場にあつめて敵を圧倒するということが戦術の大原則であり、名将というのは限られた兵力や火力をそのように主決戦場にあつめるという困難な課題について、内や外に対しあらゆる駆けひきをやり、いわば大奇術を演じてそれを実現しうる者をいうのである。あとは「大軍に兵法なし」といわれているように、戦いを運営してゆきさえすればいい。(P285)

 

坂の上の雲 (4)

 敵よりも大いなる兵力を終結して敵を圧倒撃滅するというのは、古今東西を通じ常勝将軍といわれる者が確立し実行してきた鉄則であった。日本の織田信長も、若いころの桶狭間の奇襲の場合は例外とし、その後はすべて右の方法である。信長の凄みはそういうことであろう。かれはその生涯における最初のスタートを「寡をもって衆を制する」式の奇襲戦法で切ったくせに、その後一度も自分のその成功を自己模倣しなかったことである。桶狭間奇襲は、百に一つの成功例であるということを、誰よりも実施者の信長自身が知っていたところに、信長という男の偉大さがあった。pp.256-257.

 

名将の条件を名経営者の条件に置き換えると

 

名将の条件を名経営者の条件に置き換えると

『敵に倍する設備、資本、人材を利用して、安価な商品を市場に投入して競合を圧倒することが経営の大原則であり、名経営者というのは限られた設備、資本、人材を、勝負する市場のタイミングにあつめるという困難な課題について、内や外に対し、あらゆる駆けひきをやり、いわば大奇術を演じてそれを実現しうる者をいうのである。』

『敵よりも大いなる設備、資本、人材を利用、集結して競合を圧倒するとうのが、古今東西名経営者といわれる者が確立し実行してきた鉄則であった。』

といった表現になるでしょうか。

 

 ダブル・スコープの製造するセパレータのような素材産業は、スケールメリット、規模の利益が大きいので、なおさら、「敵に倍する設備、資本、人材を利用して、安価な商品を市場に投入して」いう原則が大事になります。

自分が、ダブル・スコープ、その創業者・経営者 崔 元根氏に魅力を感じるのは、
「大軍に兵法なし」「衆をもって寡を制する」という経営の要諦をよく理解していると考えいるからです。

 ダブル・スコープ、崔 元根氏は、『限られた設備、資本、人材を、勝負する市場のタイミングに投入するという困難な課題』について、どんな駆けひき、どんあ奇術を実行をしてきたのでしょうか。

 

あえて韓国でなく日本で創業した理由

 そもそも日本で創業したのは、韓国政府から外資企業に対する優遇措置を得るためです。

 日本企業として韓国に工場を立ち上げれば、外資企業の優遇として工場用地の借地費用の50年間免除や法人税の大幅減免を受けられ、設備投資が韓国企業の数分の一で済みます。

 韓国政府との折衝で、外資企業に対する優遇税制や工場用地賃借料減免等の恩典を獲得に成功しています。独自技術を背景とする高い生産性と合わせ、競合大手に対し、利益を確保し、価格競争ができる仕組みを最初から考えて操業していたのです。

 

創業以来のどんな駆けひき、奇術を実行してきたのか、改めて、ブログで紹介したいと思います。

 

関連本の紹介 

 

  

 

夢の全固体電池は夢で終わるか(注目すべきは全固体電池より鉛蓄電池かも)

 

などのブログで旭化成(3407)と訴訟しているダブル・スコープ(6619)について、有望な投資先として検討の価値があるだろうというお話をしています。

このブログでは、『セパレータが不要な全固体電池が普及したら、ダブル・スコープやばくない。』みたいな心配が多いので、『夢の全固体電池は夢で終わるだろう』という話をします。

 

 

 

全固体電池とは

『全固体電池』とは「電解液を使わず電極間を固体で繋ぐ電池」のことです。電解液や電解液のイオンを正極材、負極材の間で分離させるセパレータが不要になります。

現状のリチウムイオン電池リチウムイオンバッテリー)が一部固体一部液体リチウムイオン電池なら、全固体電池は全固体リチウムイオン電池と呼ばれます。

 

リチウムイオン電池の仕組みは、 

 

でも簡単に解説しています。

現状のリチウムイオン電池の課題を全固体電池がどう解決するのでしょうか。

 

寒さと暑さに弱いリチウムイオン電池

リチウムイオン電池の課題は

リチウムイオン電池は寒さにも暑さにも弱い。』

ということにつきます。

リチウムイオン電池の充電時の使用温度範囲は、 0 度 〜 45 度で、放電時(電池を電気を利用するとき)の使用温度範囲は −20 度〜 60 度程度とされています。

リチウムイオン電池の性能が最も発揮されるのは最も理想的な使用温度範囲で16~25℃といわれ、劣化されないのは、10~30度程度と言われます。

0度以下だと極端に性能が悪化し、マイナス20度程度で電解液が凍結し利用できなくなります。

40度近い炎天下などの高温環境下での使用し、温度が高くなるとも劣化を加速させます。化学反応は温度が高いほど反応速度が上がるため、電池に過負荷(本来予定されていた性能を超えて過度に利用される状態)になり性能が悪化するからです。

 

全固体電池が、リチウムイオン電池より長寿命であること、超急速充電が可能(高温な状態に耐えることが可能)といのも、『暑さや寒さに強い』という理由からです。

 

圧倒的なコスト競争力で寒さも暑さも強い鉛蓄電池

 

自動車用バッテリー(ガソリン自動車やディーゼル自動車のバッテリー)や停電時の補助電源用の電池として、最も広く普及しているのは鉛蓄電池です。

 

鉛蓄電池(いわゆるガソリン自動車用バッテリ ー) 

鉛蓄電池(いわゆるガソリン自動車用バッテリ ー) 

鉛蓄電池は、正極材に二酸化鉛、負極材に海綿状の鉛、電解液として希硫酸を用いた電池です。正極・負極の双方から電解液中に硫酸イオンを利用して、充電、放電するので、硫酸イオン電池と呼べそうです。

 

この鉛蓄電池は、充電時は0度から40度まで、放電時にはマイナス15度から50度までの利用が推奨とされています。リチウムイオン電池より、10度ぐらいの幅でも寒さにも暑さに強いというメリットがあります。

 

ただ、リチウムイオン電池でなく、鉛蓄電池が利用されている一番の理由は製造コストで、鉛蓄電池の製造コストはリチウムイオン電池の10分の1程度です。

鉛蓄電池は鉛のようなリサイクルが可能で豊富に産出される資源を利用するため、安価に安定供給ができる点です。

 

リチウムイオン電池は、鉛蓄電池と比べコンパクトで軽い特性があり、ノートパソコンやスマートフォンなどのポータブル電子機器に利用が開始、普及しました。

その後、コンパクトで軽い⇒質量比の電池容量が多い⇒大型化すれば高出力・高容量の電池が可能ということで、電池自動車(EV)にも利用、普及しています。

 

全固体電池はリチウムイオン電池に勝てない

 

鉛蓄電池の話をしたのは、

リチウムイオン電池鉛蓄電池の市場を奪わないように全固体電池がリチウムイオン電池の市場を奪うことがない。』

と私は考えるからです。

リチウムイオン電池鉛蓄電池の市場を奪ったと言うより、リチウムイオン電池は従来の鉛蓄電池で実現が不可能だった用途で利用されたのが実情です。

 リチウムイオン電池が開発、量産化、普及して、鉛蓄電池の市場を奪えないように、全固体電池が開発、量産化、普及しても、リチウムイオン電池の市場を奪うことはないと考えています。

 おそらく全固体電池は、リチウムイオン電池では実現が難しかった用途に新しく利用され、新しい市場を確立されるでしょう。

2019年12月発表の少し古い資料(国立研究開発法人科学技術振興機構作成)だが、全固体電池の製造コストは、リチウムイオン電池の製造コストと比べて4倍から23倍程度高いようです

今後、全固体電池が研究開発、量産化が進み、コストは下がっていくでしょう。ただ、リチウムイオン電池のコストもまた下がっていくでしょうから、リチウムイオン電池の2倍から4倍ぐらいの製造コストに全固体電池がなるぐらいと想像してます。

 

国立研究開発法人科学技術振興機構 イノベーション政策立案のための提案書

(2019年12月)

-全固体リチウムイオン電池の製造コスト計算と研究課題-

固体電解質75Li2S-25P2S5を用いた全固体LIBの製造コスト計算値は、現状モデル
2:61~328 円/Wh、将来モデル1~3:6 ~17 円/Whであった。一方、従来LIB(現状モデル2と同サイズ)は14 円/Whである。

 

 自動車の素材はほとんどが鉄でできてます。30年前には鉄より軽量化が可能なアルミに、20年前には鉄より軽量で丈夫な炭素繊維に、鉄が置き換わるという話もありましたが、ほとんど置き換わっていません。一部の高級車の素材の一部にアルミや炭素繊維が使われている程度です。なぜ、鉄が利用されているかは、圧倒的なコスト競争力を持つからです。

 リチウムイオン電池が全固体電池に置き換わるという話も、自動車の素材が鉄からアルミに、鉄から炭素繊維に置き換わるという夢で終わった話のように思えます。

 

 リチウムイオン電池では実現が難しかった全固体電池の用途とは、宇宙や極寒地、酷暑地などの特殊な用途や安全・快適のためにはコストは度外視していいいような超高級車向けな用途や特殊な医療機器などごく一部であろうと推測します。

それはリチウムイオン電池の市場シェアの10%を超えることはないでしょう。

 

 電気自動車の最大の課題は、ガソリン自動車と比べて、製造コストが高いこと、そのコストの原因はリチウムイオン電池リチウムイオンバッテリー)です。

 

 世界的にリチウムイオン電池のコストを下げる努力に邁進している中、日本がコスト増につながる全固体電池の研究開発にリソースを割いているのは少し心配になります。

 

全固体電池より鉛蓄電池の銘柄が買いかも

 TDK(6762)、村田製作所(6981)、マクセルホールディングス(6810)、日立造船(7004)が脚光を浴び、株価も上昇している局面もありますが、

 

 リチウムイオン電池より、圧倒的なコスト競争力を持ち、新規参入もなく、値下げ圧力もなく、既存の設備を活用するので、新しい投資も不要で、いわゆる残存者利益を享受できるジーエス・ユアサコーポレーション(6674)、古河電池(6937)、昭和電工(4217)の方が投資先としては私として積極的に検討したいです。

 

 特に電力不足の問題が注目され、停電時の蓄電池の用途としても注目できそうです。

 

追記

財務体質の改善急ぐ昭和電工、鉛蓄電池事業は投資ファンドに売却の決め手|ニュースイッチ by 日刊工業新聞社

の通り、

昭和電工は、子会社の昭和電工マテリアルズの鉛蓄電池事業を投資ファンドアドバンテッジパートナーズ(東京都港区)と東京センチュリーに2021年12月に売却している。

関連書籍

 

著者(名古屋大学未来社会創造機構客員教授エスペック上席顧問の佐藤登氏)は日刊工業新聞の記事(2021年4月30日)で、

 「ただし車載用全固体電池は実現できても普及は10年ほど先。『普及』は今の液系電池の10%のシェアを全固体電池が取ると定義した場合。」

と述べています。車載用全固体電池の実現は難しいという前提で、例え、全固体電池の開発に肯定的に考えて、実用化量産化に無事に成功したと仮定しても、全固体電池が10%程度のシェアが取れるのが10年後というイメージでしょうか。

 
▲(概要)電池の基本解説から、リチウムイオン電池を含む二次電池の特徴、全固体電池など次世代電池についてわかりやすく解説します。
(こんな方におすすめ)・基本から現段階での最先端技術まで
二次電池の知識全般についてきちんと整理しておきたい人。今後の二次電池の技術動向について知りたい人。といった本のようです。
 

関連サイト

 

電気自動車の進化に必須といわれる「全固体電池」は実用化できない? | EVsmartブログ

 

『全固体電池』が電気自動車普及の切り札?〜基礎知識から最新情報まで整理してみた | EVsmartブログ

 

みずほリサーチ&テクノロジーズ : 蓄電池技術はどこに向かうのか?(4/6)

 

ホンダやサムスンで活躍した技術者が断言。「全固体電池の開発はトヨタが一番進んでいる」(ニュースイッチ) - Yahoo!ニュース

 

「全固体電池が優れていると思うのは、トヨタがそう言ってるからですよね」wwwww「先延ばしのための言い訳」wwww - テスラ カバコ (ガチ勢)

 

生き残りをかけた車載電池事業と次世代電池の開発動向…名古屋大学 未来社会創造機構客員教授 佐藤登氏[インタビュー] | レスポンス(Response.jp)

---:全固体電池が市販されるタイミングはいつ頃でしょうか。

佐藤氏:まず市販に漕ぎつけられるのかが問題です。市販するにはコストの問題を避けて通れません。電池を安くするには、7割を占める部材のコストを下げる必要がありますが、液系のリチウムイオン電池では、この10年で1/5ほどまで下がりました。

しかしそれが現在開発中の全固体電池では安くなる論理がありません。まず正極は今の液系と同じなのでコストは下がりません。負極も同じ。電解液とセパレーターがセラミック材料の固体電解質に代わるので、ここの比較になります。

電解液系は、どんどん安くなってきましたが、固体電解質はそもそも材料の量産すら始まっていません。それに製造プロセスもまったく違うので新たに設備投資が必要です。これで安くなるわけがありません。

---:技術的な問題ではなくて、製造コストの問題だと言うことでしょうか。

佐藤氏:いえ、技術的な問題もたくさんあります。生産技術的な問題、固体と固体間界面の低抵抗化、さらには有毒な硫化水素ガスの問題もあり、社会的合意形成も必要です。このように問題は山積みです。

全固体電池や次世代電池の関係者とよく議論しますが、いまの液系のリチウムイオン電池は、技術的にもこなれてきて、歩留まりもよくなってきており、コストや性能も含め、あまりにもバランスが取れていて、超えるのが難しいという話をよく聴きます。

 

 

 

 銘柄メモ

ダブル・スコープ(6619)、旭化成(3407)

TDK(6762)、村田製作所(6981)、マクセルホールディングス(6810)、日立造船(7004)

ジーエス・ユアサコーポレーション(6674)、古河電池(6937)、昭和電工(4217)

業務スーパーフランチャイズ銘柄でプロが見逃す成長・割安株は〇〇だった。

 

にて、

投資するなら、神戸物産より、神戸物産フランチャイズとして、業務スーパーを出店しているG-7ホールディングス(7508)、オーシャンシステム(3096)、エルアイイーエイチ(5856)、カンセキ(9903)、マキヤ (9890)の方が、プロが見逃して成長が期待できて、株価が割安な株のような気がします。

といったお話をしましたが、この記事では、
業務スーパーフランチャイズ銘柄(G-7ホールディングス、オーシャンシステム、エルアイイーエイチ、カンセキ、マキヤ )で、どの企業が買いか分析しています。

 

 

プロが見逃す成長・割安株の基準

ピーター・リンチの株で勝つ―アマの知恵でプロを出し抜け

などの著作で、全米一のファンドマネージャーといわれた

ピータ・リンチ氏は、「投資先は身の回りから探せ」と、自分の生活の中で株式市場のプロが見逃しているような成長を期待できる株価が割安な会社が見つけられる。といった趣旨の主張をしています。

 

  • A.プロが見逃しているか。
  • B.成長を期待できるか
  • C.株価が割安か。

という視点で、
神戸物産(3038)のフランチャイズ銘柄(G-7ホールディングス、オーシャンシステム、エルアイイーエイチ、カンセキ、マキヤ )を評価したいと思います。

 

プロが見逃している銘柄は、成長を期待できない、
成長が期待できる銘柄は、株価は割安でなく割高、
株価が割安であれば、成長が期待できない銘柄で、プロが見逃しているといった可能性が高くこの三つともに成立する企業は、実際には稀だと思いますが、神戸物産(3038)のフランチャイズ企業ではどうでしょうか。

 

A. プロが見逃しているか

プロが見逃しているかという視点は、
外国人持株比率と投信持株比率の合計が低いかという指標で評価したいと思います。
東洋経済 会社四季報の2021年夏号 7月販売の数字を利用しています。

 

順位は以下の通りです。

  • 1位 カンセキ 0.2%<外国0.1%投信0.1%>
  • 2位 エルアイイーエイチ1%<外国1.0%投信0.0%>
  • 3位 マキヤ 1.2%  <外国1.1% 投信0.1%>
  • 4位 オーシャンシステム 2.6% <外国2.4% 投信0.2%>
  • 5位 G-7ホールディングス 20%<外国14.6% 投信5.4%>

 

G-7ホールディングス以外はどれも低い数字で、G-7ホールディングス以外は外国人投資家や投資信託といったプロの投資家から注目されていない、見逃されている銘柄のようです。

 

株を買うなら最低限知っておきたい ファンダメンタル投資の教科書 改訂版

で、筆者 足立 武志 氏はこう述べています。

筆者が好むのは、外国人持株比率や投信持株比率が数%の低い銘柄です。
 こうした企業は、外国人や投資信託にようやく評価され始めた段階です。
外国人や投資信託もまだ買い始めたばかりですので、ここから彼らのさらなる買いにより、株価が大きく上昇する可能性があります。こうした企業に個人投資家が乗ってみるのも一つの戦略です。

 

B. 成長が期待できるか

2期前の3期前の売上成長率⇒1期前と2期前の売上成長率

を算出して、その平均で比較しています。

 

過去の成長が高ければ、今後の成長も高いという「可能性」、あくまで可能性からランキングしています。通常では業績予想を利用して、成長性を判断しまが、業績予想は各社の姿勢(慎重か、そうでないか)で大きくぶれるので、直近2期の業績の数字を利用しています。

 

  • 1位 G-7ホールディングス 15.8%(8.3% ⇒23.3%)3月末決算
  • 2位 カンセキ10.4%(8.1% ⇒14.6%) 2月末決算
  • 3位 オーシャンシステム 9.1%(7.9% ⇒10.2%)3月末決算
  • 4位 マキヤ 8.0%(6.0% ⇒10.0%)3月末決算
  • 5位 エルアイイーエイチ1.3%(マイナス1.0% ⇒3.3%)3月末決算


C. 株価が割安か

PBRという指標で評価、ランキングします。
PBRは、株価 ÷ 一株当たり純資産で計算でされますが、
株価は、2021年7月9日の終値で、
純資産の直近の決算(四半期決算含む)をもとに算出した数字です。
カンセキ以外は、2021年3月末の決算の純資産を、カンセキは、2022年2月期 第1四半期決算短信、2022年5月末の純資産の数字を利用しています。

  • 1位 マキヤ 0.57倍 (株価 888円÷1株当り純資産 1,549円)
  • 2位 オーシャンシステム 1.34倍 (株価 1,157円 ÷ 1株当り純資産 864円)
  • 3位 エルアイイーエイチ1.50倍 (株価 71.0円 ÷ 1株当り純資産 47.3円)
  • 4位 カンセキ 1.95倍 (株価2,872円 ÷ 1株当り純資産1,470円)
  • 5位 G-7ホールディングス 3.50倍 (株価3,350円 ÷ 1株当り純資産957円)

株を買うなら最低限知っておきたい ファンダメンタル投資の教科書 改訂版

で、筆者 足立 武志 氏はこう述べています。

一般に、PBRが1倍を割ると株価が割安と言われます。PBRが1倍を割るということは、株価が1株当たりの純資産より低い状態であることを表します。

1株当たりの純資産は、企業が解散した時の名目上、株主が受けとれる1株当たりの金額のことです。

ですから、PBR1倍割れの場合、「株価よりも、現時点で企業が解散したときに株主が受け取ることができる金額のほうが高い=株価が割安」であることを示しているのです。

 

総合ランキング:プロが見逃す成長割安株

それぞれの基準で、順位により ポイントを以下のように加算します。

1位 5点
2位 4点
3位 3点
4位 2点
5位 1点

 

総合ランキング
A. プロが見逃している B.成長を期待できる C.株価が割安な
業務スーパーフランチャイズ企業は、以下のような順位になりました。

  • 1位 カンセキ 13点(A:1位 B:2位 C:4位 5+4+2=11)
  • 2位 マキヤ 10点(A:3位 B:4位 C:1位 3+2+5=10)
  • 3位 オーシャンシステム 8点(A:4位 B:3位 C:2位 2+3+4= 9)
  • 4位 エルアイイーエイチ 7点(A:2位 B:5位 C:3位 4+1+3= 8)
  • 5位 G-7ホールディングス 7点(A:5位 B:1位 C:5位 1+5+1= 7)

 

カンセキについて

1位になったカンセキは、栃木県のエリアフランチャイズ企業(その地域の出店を独占できる権利ももつ)です。栃木県の人口は、約193万人(全国19位)の人口を有します。

 2003年8月に業務用食品スーパーの1号店として「業務スーパー佐野店」を開店して、現在栃木県内で21店舗の業務スーパーを出品しています。
キャンプ・アウトドア用品を販売するWILD-1事業が2020 3月は、九州地方初となる「WILD-1ブランチ博多店」を開店するなど好調です。

 

カンセキ 第2021年2月末期決算説明資料 より 

カンセキ 第2021年2月末期決算説明資料 より 


株主優待制度もあり、個人投資家からもっと注目されて、株価がもっと上昇してもいい企業だと私も思います。
ただ、株価は2020年3月に1343円(年初来安値)から、2020年9月に3820円と2倍近く上昇し、その後、2,872円と3割ほど下落して、下落、調整局面という印象です。

ホームセンター事業がコロナ特需の反動で、業績の低調なこと嫌気されているよですが。WILD-1事業や業務スーパーが属する専門店事業に期待したいです。

参考までに
2022年2月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)(2021年7月9日)
の経営成績に関する説明は抜粋します。
最初に各セグメント、事業の状況を簡潔に意訳します。

〔ホームセンター事業〕
『コロナ特需が消えました。もう大して期待できないよ。ごめんね。』
〔WILD-1事業〕
『キャンプブームに続いて、フィッシングブームで、絶好調!』
〔専門店事業〕
業務スーパー事業、頑張っています!』

 

2022年2月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)(2021年7月9日)

なお、当グループの報告セグメント事業別業績は次の通りです。


〔ホームセンター事業〕
ホームセンター事業では、新型コロナウイルス感染防止対策の関連品の供給不足は解消され、安定してきている 事から、商品カテゴリーによっては特需の発生した前年同四半期実績を割り込む場面が発生したものの、ゴールデ ンウィーク期間中では、園芸・ガーデニング用品やペット関連用品、エクステリア等の工事・サービス部門が安定 伸長しております。前年3月に新規開店した「栃木そのべ店」も同様の傾向にありますが、ほぼ計画通りの業績と なっております。 これらの結果、ホームセンター事業の営業収益は、45億48百万円(前年同四半期比6.3%減)、セグメント利益は 1億94百万円(前年同四半期比44.7%減)となりました。

 

〔WILD-1事業〕

WILD-1事業では、前年同四半期に緊急事態宣言による休業要請指定業種となった事から、ゴールデンウィーク の需要期に全店休業致しましたが、当第1四半期は都内2店舗を除き、概ね通常営業出来たことから、大幅に業績 回復を致しております。根強いアウトドアブームの流れは通年楽しめるレジャーとして認知され、主力のキャンプ 関連用品をはじめ、フィッシング関連用品他も大きく伸長しております。ネットショップのオンライン販売につい ても、前年同四半期を上回るペースが続いております。前年3月に新規開店した「ブランチ博多店」も既存店同様 の傾向にあります。 株式会社カンセキ(9903) 2022年2月期 第1四半期決算短信 ― 3 ― これらの結果、WILD-1事業の営業収益は、31億72百万円(前年同四半期比57.5%増)、セグメント利益は3億 94百万円(前年同四半期比268.0%増)となりました。

 

〔専門店事業〕

専門店事業の内、業務スーパー店舗では、業務需要回復が遅れておりますが、一般消費者の利用増加が安定して おり、業務需要の減少を上回る業況が続いております。当第1四半期は、前年同四半期の様な新型コロナ感染抑止 政策に起因する特別な需要増加の発生はございませんが、SNSやメディアを通しての紹介も活発化し、認知度も 更に高まって来た事で、一般のお客様のご利用増加と年齢層の広がりに繋がっております。前年6月に新規開店し た「業務スーパー小山ひととのや店」も既存店同様の傾向にあります。 オフハウス店舗では、WILD-1事業同様に前年同四半期はゴールデンウィークが上期の大きな需要期に休業要請対 象業種となった事から、この期間を休店いたしました。当第1四半期は、通常営業体制に戻り、出張買取りも再開 し、回復傾向にあります。また、フランチャイザーである株式会社ハードオフコーポレーションの主催するネット モールへの積極参加により、店頭販売以外での売り上げが大きく伸長しております。 これらの結果、専門店事業の営業収益は、23億87百万円(前年同四半期比2.2%減)、セグメント利益は1億92百 万円(前年同四半期比6.2%増)となりました。 〔店舗開発事業〕 店舗開発事業では、前年同四半期にアミューズメント施設が緊急事態宣言下での休業要請指定業種となった事で、 需要期の長期休店や時間短縮営業をしておりましたが、当第1四半期は通常営業に戻りつつあり、収益も改善して おります。また、賃貸物件の物件数も安定してきており、一定の利益水準を確保しております。 これらの結果、店舗開発事業の営業収益は、87百万円(前年同四半期比28.9%増)、セグメント利益は36百万円 (前年同四半期比94.1%増)となりました。

 

 

関連本の紹介

 

 

 

 

 

銘柄メモ

神戸物産(3038), G-7ホールディングス(7508),オーシャンシステム(3096)エルアイイーエイチ(5856),カンセキ(9903) ,マキヤ (9890)ファーストリテイリング(9983)

ローコストと高いブランド価値の両立に成功した食のSPA 業務スーパー (神戸物産)の強さ

ローコストと高いブランド価値の両立に成功した食のSPA 業務スーパー神戸物産)は株価が5年で14倍とテンバーガーを達成。
割安成長株の投資としては、業務スーパーフランチャイズ企業が狙い目かも。

 

ローコストと高いブランド価値の食のSPA

 業務スーパーの強みは、ローコストオペレーションです。
スーパーは、労働集約的な産業で慢性的な人手不足に苦しみ、パートの時給上昇に加え、昨今は物流費の上昇やポイント還元など販促費用などコストが大きな負担になっています。

業務スーパーは、店内設備も簡素で、商品を段ボールに入ったまま陳列する「箱陳(はこちん)」で、人手のかからないオペレーションが可能になっています。

ポイント還元やなく、広告なども、レジに置いてあるポスターやチラシぐらいで販促費用もほとんど発生していません。

 

大手メーカーでない中小メーカーの製品(大手メーカーより安い)や海外工場との直接取引や自社製造により利益幅を確保しやすいPB商品の販売、廃棄ロスが出ない常温・冷凍商品メインのラインナップなど、他のスーパーと価格、価格競争力を支える仕組で優位に立っています。

 

この優位性に加えて、業務スーパーは製品がユニークで話題となり、ネット、テレビ、雑誌などで取り上げられることが多く、「日本のコストコ」と呼ばれるようになるまで一つのブランドのように認知さています。

 

業務スーパーに行こう!2021 (双葉社スーパームック)家族ふたり、食費は1か月2万円! 業務スーパー120%活用法など書籍が定期的に刊行されるほどの人気で、「業スー」といった略語も多くの人で定着しています。

 

ブランド向上は、広告宣伝費、店舗設備費、接客品質向上のための人件費などコストの負担が必要で、ローコスト経営と高いブランド価値は両立することも多いのですが、この両立に成功して、ローコスト経営と高いブランド価値の両方で優位に立った業務スーパーは、まだ伸びる余地がありそうです。

 

「会社四季報」業界地図 2021年版

 でもスーパー業界の注目の会社として、

神戸物産(3038) 「業務スーパー」をほぼ全国FC展開。国内外に自社・協力工場を持つ「食のSPA」。スーパー業界の課題である流通コストを削減し、圧倒的な低価格を一般消費者にも提供。冷凍タピオカも話題に。

と紹介されています。

 

「会社四季報」業界地図 2021年版 注目の会社 神戸物産 

会社四季報」業界地図 2021年版 注目の会社 神戸物産 

 

SPA(specialty stores of private label apparel:製造小売業)とは、もともとアパレル業界でメーカー自らが既存の卸売業者、小売業者に頼らず消費者に直接販売するショップを持つ業態です。 

SPAのメリットは、流通コストの中抜きによるコスト削減や、顧客ニーズが共有しやすく迅速な商品開発ができること、需要予測の精度が増すことによる適時適量の生産が可能になります。アメリカではアパレルのGAP、日本ではユニクロファーストリテイリング)がこの方式で急成長しました。


そういえば、SPAという意味で、食品スーパーのユニクロような存在と説明されることもあるそうです。

 

神戸物産の株価

神戸物産の株価は、2016年7月1日の終値256円(会社分割を考慮修正の株価)、2021年7月1日の終値 3,620円と5年で、約14倍の株価となり、いわゆるテンバーガー達成しています。

神戸物産の株価は5年で14倍に

神戸物産の株価は5年で14倍に

2020年10月末決算で一株利益が約70円ですから、PERでいうと50倍以上の株価で、株式市場でも、今後の成長が見込まれているようです。

  

投資先は身の回りから探せ

ピーター・リンチの株で勝つ―アマの知恵でプロを出し抜け

などの著作で、全米一のファンドマネージャーといわれた

ピータ・リンチ氏は、「投資先は身の回りから探せ」と、自分の生活の中で株式市場にはいつでもプロが見逃しているような成長を期待できる株価が割安な会社が見つけられる。といった趣旨の主張をしています。

 

自分も10年ぐらい前に業務スーパーを始めて利用して、安くて品ぞろえが多くていいお店だなと思って、お客様も結構入っていて、大量に買う人も多かったので、気になる会社、銘柄でしたが、株価がだんだんと上がっていき、もう上がっていて、買うの遅いと、結局買うタイミングを逃してしまいました。

  

神戸物産が、まだ、プロが見逃して成長が期待できて、株価が割安な株かは、PERの水準から考えると、割安とは言えないかと思います。

投資するなら、神戸物産より、神戸物産フランチャイズとして、業務スーパーを出店しているG-7ホールディングス(7508)、オーシャンシステム(3096)、エルアイイーエイチ(5856)、カンセキ(9903)、マキヤ (9890)の方が、プロが見逃して成長が期待できて、株価が割安な株のような気がします。

業務スーパーフランチャイズの上場銘柄については、別のブログでまたとりあげたいと思います。

 

関連本の紹介

 

 

 

 

銘柄メモ

神戸物産(3038), G-7ホールディングス(7508),オーシャンシステム(3096)エルアイイーエイチ(5856),カンセキ(9903) ,マキヤ (9890)ファーストリテイリング(9983)

特許侵害で旭化成に訴えられたダブル・スコープに余裕を感じる(ダブル・スコープは下町セパレータではない)

 に続けて、ダブル・スコープへの投資検討材料の紹介です。

ダブル・スコープは、旭化成から特許侵害で訴訟を提起され、係争中ですが、このリスクはどの程度重くみるべきでしょうか。


双方のプレスリリースを見ると、旭化成とダブルスコープの特許裁判は、特許侵害と訴えられた被告のダブルスコープに余裕を感じます。

ダブルスコープにとって、今回の特許裁判は、たとえ、敗訴しても経営、事業に大きな実害がないのかもしれません。すくなくとも、現時点のプレスリリースや有価証券報告書の内容からは、そのように判断できます。

 

 

 

 

 

ダブル・スコープと旭化成のプレスリリースの紹介

『』の部分は口語調に分かりやすく意訳した内容です。

 
■2020年2月4日 旭化成 『ダブル・スコープ君、俺の特許を勝手に使って、製造、販売するな。訴えたぞ、コラ! 』

ダブル・スコープ株式会社等に対する特許侵害訴訟提起について

旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:小堀 秀毅)は、本年1月29日、リチウムイオン二次電池用セパレータの製造・販売会社であるダブル・スコープ株式会社及びその連結子会社であるW-SCOPE KOREA CO., LTD.(以下、ダブル・スコープ株式会社等)を共同被告として、特許権侵害訴訟をソウル中央地方法院に提起しました。

本件訴訟は、当社が所有するリチウムイオン二次電池用セパレータに関する韓国特許(特許第10-0977345号)に基づき、ダブル・スコープ株式会社等が製造・販売する電池用セパレータ製品の韓国における製造・販売差止と損害賠償を求めるものです。

 

■2020年2月4日ダブル・スコープ『ホームページ見たけど、訴状も来てないし、ようわからん』

特許侵害訴訟への対応に関するお知らせ
旭化成株式会社(本社:東京都千代田区)は、本年 1 月 29 日に当社及び当社連結子会社であるW-SCOPE KOREA CO., LTD.に対して、韓国特許(特許第10-0977345 号)に基づき、特許権侵害訴訟をソウル中央地方法院に提起し、当社が製造・販売する電池用セパレータ製品の韓国における製造・販売差止と損害賠償請求を、ホームページで発表しました。
現時点で訴状がまだ届いていないため、具体的な内容が把握できておりませんので、訴状が届き次第、改めて当社見解をリリースさせていただきます。

 

■2020年2月14日ダブル・スコープ『旭化成さんに質問していたけど、回答もないまま、裁判てどうよ。旭化成さん。業績にはほとんど影響ないけどさ。』

特許侵害訴訟に対する当社見解について

本年2 月4 日付で公表しました「特許侵害訴訟への対応に関するお知らせ」について、当社見解をお知らせいたします。

1.訴訟提起日
2020 年1 月29 日

2.訴訟提起者
旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:小堀 秀毅、以下「旭化成」)

3.訴訟原因及び経緯
2018 年 2 月 1 日付で旭化成から当社及び中国の当社販売代理店に当該特許権侵害に関する確認の書簡が送付され、当社は旭化成に対してその書簡についての質問書を返送しておりました。その質問書に対する回答がないまま、旭化成は 2018 年 8 月 13 日に中国の当社販売代理店に対して特許権侵害訴訟を提起し、当社の単層セパレータ製品の中国での販売差止と損害賠償を求めています
(現在係争中)。
そして今回、旭化成は中国での特許訴訟と同様の特許に基づいて、韓国での製造・販売を対象に、当社及び連結子会社であるW-SCOPE KOREA CO., LTD.に対して特許侵害訴訟を提起しました。

4.訴訟内容
旭化成が所有するリチウムイオン二次電池用セパレータに関する韓国特許(特許第 10-0977345号)に基づき、ダブル・スコープ株式会社等が製造・販売する電池用セパレータ製品の韓国における製造・販売差止と損害賠償を求めるものです。

5.業績への影響
訴訟対象は当社が販売している単層セパレータの一部製品に限られております。また、当社の主力製品は、新しい技術を使用したEV 用コーティングセパレータや高耐熱性セパレータに大きくシフトしていきますので、本年及び今後の計画に及ぼす影響も軽微なものに留まる事が見込まれます。
なお、本訴訟が結審するまでには数年以上かかる見込みであり、直ちに結論は出ない見通しです。また、主要取引先との協力関係にも全く影響は出ておりません。
現在、訴状が届いたW-SCOPE KOREA CO., LTD.で、弁理士法人や弁護士法人と対応を進めております。

 

■2020 年3 月12 日ダブル・スコープ『旭化成さんの特許はそもそも無効では!』

特許侵害訴訟への対応に関するお知らせ
当社子会社のW-SCOPE KOREA CO., LTD. は、旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:小堀 秀毅)が当社及びW-SCOPE KOREA CO., LTD.に対して特許権侵害を主張している韓国特許(特許第10-0977345 号))について、2020 年3 月11 日付で韓国特許審判院に特許の無効審判請求を致しましたので、お知らせいたします。

 

■2020年12月23日旭化成『ダブル・スコープ君から特許は無効といわれたけど、有効だったぞ!ドヤ!』

ダブル・スコープ株式会社等への特許侵害差止訴訟に関する当社韓国特許の維持審決について

旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:小堀 秀毅、以下、「当社」)は、本年1月29日、リチウムイオン二次電池用セパレータを製造・販売するダブル・スコープ株式会社(本社:東京都品川区)およびその連結子会社であるW-SCOPE KOREA CO., LTD.(以下、「ダブル・スコープ株式会社等」)を共同被告として、特許権侵害差止訴訟をソウル中央地方法院に提起致しました。
当該訴訟は、リチウムイオン二次電池用セパレータに関する当社の韓国特許(特許第10-0977345号、以下「当社特許」)に基づき、ダブル・スコープ株式会社等が販売するポリオレフィン製微多孔膜製品(「SB12D」、「SB16D」、「単層W-scope」などの品名のリチウムイオン二次電池用セパレータ製品を含む)の韓国における製造並びに販売差止等と損害賠償を求めたものです。
当社が当該訴訟を提起したのち、本年3月11日に被告の一社であるW-SCOPE KOREA CO., LTD.は、当社特許の無効を求め韓国特許審判院に特許無効審判請求を行いました。韓国特許審判院は双方の主張を十分に審理した後、本年12月2日にW-SCOPE KOREA CO., LTD.による無効審判請求を棄却する審決を示し、当社特許の有効性を認めました。
当社は今後も知的財産を重視し、必要と判断した場合には具体的な措置を積極的に講じて参ります。

 

■2021 年2 月1 日 ダブル・スコープ『旭化成さんの特許ほとんど使ってないし、業績に影響なし!ドヤ!』

特許訴訟に関するお知らせ
旭化成株式会社から 2021 年 1 月 29 日付でリリースされました「深圳市旭冉電子等に対する中国特許権侵害訴訟の終審判決について」に関しましては、判決により侵害していると認定された製品規格が“12 ㎛(厚さ)*150mm(幅)*200m(長さ)の単層セパレータのみに限定されました。当社が販売している通常製品は長さ 1,000m、またはそれ以上であり、深圳市旭冉電子等から出荷した該当製品(無償サンプル品含む)は民生向けのごく少量であるため、当社の業績及び今後の事業計画への影響はないことをお知らせ致します。

 

■2021年2月19日旭化成『ダブルスコープ君、嘘つくな。コラ!』

ダブル・スコープ株式会社が行ったプレス発表について

旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、社長:小堀 秀毅、以下「当社」)は、ダブル・スコープ株式会社から2021年2月1日付でリリースされました「特許訴訟に関するお知らせ」に関して、事実と相違する記載がありますので、下記のとおりお知らせいたします。

上記リリースには「判決により侵害していると認定された製品規格が“12µm(厚さ)*150mm(幅)* 200m(長さ)”の単層セパレータのみに限定されました。」との記載があります。 当社の「ZL200680046997.8 号特許権」は、製品の厚さを1µm以上50µm以下と限定しておりますが製品の幅及び長さは限定しておりません。

当社は今後も知的財産を重視し、必要と判断した場合には具体的な措置を積極的に講じてまいります。

 

ダブル・スコープの業績、事業への影響に関する考察


旭化成とダブルスコープの双方のプレスリリースを見ると、ダブル・スコープの対応に余裕を感じます。

特許というのは、「新規性のある有用な発明」に対し発明者(特許出願者)に独占的に製造、販売する権利が保障する制度ですが、通常、特許公報など公開されている技術だけでは、特許を利用した製品化は難しいといわれます。
ですので、特許のライセンスでは、特許だけでな、製造ノウハウなど、公開されていない情報など技術供与も合わせて実施されます。

仮にダブルスコープが特許を侵害したかは今後裁判で争われるでしょうか、ダブルスコープは旭化成の技術協力なしで、独力で、旭化成の特許技術と同等の製品を製造、販売し、それが、旭化成のシェアを奪うほど競争力のあったのでしょう。

旭化成のセパレータ製品は、ダブルスコープの製品と価格競争力で負けていて、
ダブルスコープとの競合する製品については、不調なのもかもしれません。

 

価格競争が厳しい分野であることが旭化成の第130期有価証券報告書(2020年4月1日 - 2021年3月31日)からも読み取れます。

旭化成の第130期有価証券報告書において、

各セグメント(3つのセグメント「マテリアル」「住宅」「ヘルスケア」)におけるリスクで、「マテリアル」のセグメントのリスクで

「Environment&Evergy」分野において、リチウムイオン電池用セパレータの世界的な需要変化及び競合他社の販売政策により販売量・販売価格が当社予測を下回る可能性があります。

といった記載があり、セパレータ事業で競合他社の販売政策で販売量、販売価格に影響を受けること、つまり、競合他社の常に価格競争力を強いられている価格下落を強いられる製品であることが読み取れます。

また、
旭化成の決算説明会(2021年5月13日実施)で 

SMBC 日興証券・宮本氏宮本氏 約1割の販売数量増とすると、営業利益への影響はあまり大きくないと考えてよいか。スペシャルティソリューション事業の 2021 年度営業利益予想は、2020 年度比で横ばいである。電子部品事業が減益で、セパレータ事業が増益ではないとすれば、何が増益要因になるのか。


スペシャルティソリューション事業本部 セパレータ事業統括部長 石川
LIB 用セパレータは価格下落があり、販売数量も約1割の伸びに留まるため、セパ
レータ事業としては 2021 年度は若干の増益という見込みである。
スペシャルティソリューション事業本部 企画管理部長 杉山
補足すると、セパレータ事業では若干先行投資的な固定費も増える見通しだ。電子
部品事業の減益を補って増益になる要因は主に旧高機能マテリアル系事業で、中でも電子材料製品だ。また、2020 年度は苦戦した自動車向け機能性コーティングなども増益になる計画だ。

といった質疑応答があり、旭化成のセパレータ事業は順風満帆で、高成長、高収益で強い競争力を持つ事業というわけでなさそうです。

 

2021年3月31日に開示されたダブルス・コープ2020年12月期 有価証券報告書には

事業等のリスク ⑤知的財産権について

当社グループではリチウムイオン二次電池用セパレータ製造技術に関する特許を保有しており、今後もさらなる研究開発を進め、必要に応じて特許を出願する方針であります。
しかしながら、当社グループが現在出願している特許及び将来出願する特許の全てが登録されるとは限らず、当社グループの技術やノウハウが必ずしも適切に保護できるとは限りません。
また、当社グループは、第三者知的財産権を侵害しないように常に留意し、定期的に外部の弁護士、弁理士等を通じて調査しておりますが、万が一、当社グループが第三者知的財産権を侵害した場合には、当該第三者より製造の差し止めや損害賠償などを請求される可能性があります。その場合、当社グループの経営陣が多大な時間と労力の投入を強いられ、弁護士費用が増加し、当社グループの評判が低下することにより、当社グループの事業、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

  

といった記載があります。

旭化成は、特許裁判で、ダブルスコープの経営陣が多大な時間と労力の投入を強いられ、弁護士費用が増加し、ダブルスコープ評判が低下することにより、ダブルスコープの事業、経営成績に影響を及ぼすことを目的かもしれません。

しかし、有価証券報告書公認会計士も監査する公的な報告書)で、
『特許裁判で、ダブルスコープの事業、経営成績に影響を及ぼす可能性がある。』
万が一の可能性のあるリスクとして説明しているということは、
少なくとも現時点では、旭化成との特許裁判は、ダブルスコープの事業、経営成績に影響を及ぼす問題にはなっていないうようです。

 


特許権は、生産者でなく、その違反した製品を部品、部材とした製品を
販売、利用したものも損害賠償や差し止め、場合によっては刑事罰の対象になりうる強い権利です。
つまり、特許侵害をしているダブルスコープの製品を利用したサムソンSDIなど電池メーカーやその先の自動車会社などまでリスクが及びます。
仮に特許侵害の可能性が濃厚なら、ダブルスコープの製品が売れないと思いますが、旭化成の訴訟の後も、売上は拡大しています。

この事実は、我々素人でなく、サムソンSDIなど電池メーカーやその先の自動車会社など技術開発、資材調達、知的財産、法務の責任者などの玄人がどう考えているかを示唆します。

2021 年2 月1 日 ダブル・スコーププレスリリースの通り、
旭化成さんの特許ほとんど使ってないし、業績に影響なし!ドヤ!』
という結論(裁判の判決か和解)に落ち着くのではと私は考えています

関連記事

旭化成の歴史やセパレーター事業の売上、シェアなどを調べたブログ記事です。

旭化成とダブルスコープの特許裁判のその後の話を調べたブログ記事(↓)です。

 

 

本の紹介

 特許や知的財産について興味を持った方へ、いくつか関連する本を紹介します。

 

ドラマ化もされた池井戸潤氏の小説、

ルーズヴェルト・ゲーム

下町ロケット では、大手企業から理不尽な特許侵害で訴えらえる主人公の会社が逆転勝利するようなストーリがありますが。
旭化成から訴えられたダブル・スコープは、あたかも青島製作所、佃製作所のように、資金繰りに困るような状況から、大逆転して、業績の急回復ができるのか楽しみです。W-SCOPEは、下町ロケットの小説のような特許紛争で取引停止、業績悪化という状況ではないようで、タイトルの(ダブル・スコープは下町セパレータではない)はそんな意味があります。
 

 

 

 

ちなみに、

 池井戸 潤氏の小説『半沢直樹』が有名ですが、以前、私は三菱UFJ銀行に半沢頭取の誕生を示唆していましたが、それが現実になりました。

 

 

知財戦略の中でも、特に重要なのは新規事業の武器となる特許を取得できる発明です。発明は、競争力のある製品・サービスの実用化・事業化とマネタイズを考える上で欠かせません。「先読み」の知財戦略の考え方、事業創出につなげるための企画の考え方を、具体的な企業の事例を挙げて解説している本です。

「控えめに控えめに言って最高すぎです。オモロい!!!オモロすぎる!」といった恋艇的なアマゾンのレビューが多いです。

ダブル・スコープ (6619) 旭化成(3407)

 

ギガフォトン(コマツ子会社)の企業価値は1兆円を超えるか(レーザーテック・JCRファーマと比較して)

 

といったブログ記事で、ギガフォトンの最新の決算や収益性の高さを紹介しました。

このブログ記事、ギガフォトン株式会社の最新の決算も含めて4期分の決算を参考に、同業種のレーザーテック、業種は違いますが同じぐらいの収益力、企業規模のJCRファーマ(医薬品の会社)の時価総額を参考に、ギガフォトン企業価値を計算(想像といっていいレベルかも)をしてみました。 

 

 

 

レーザーテック・JCRファーマ・ギガフォトンの業績と経営指標

 

レーザーテック・JCRファーマ・ギガフォトンの業績と経営指標


業績と経営指標

(金額の単位は100万円、▲はマイナスを意味する ―は省略を意味します。

連21. 6予の数字は会社四季報の予想を利用しています。それ以外はすべて実績を利用しています。)

 

直近4期の決算(レーザーテックだけ2021年6月末決算ということもあり、1期分は予想の数字を利用しています)を利用して、

レーザーテック、JCRファーマ、ギガフォトンの業績(売上と営業利益など)と

直近3期分平均の売上成長率、営業利益成長率、営業利益率、ROEROAといった経営指標にしたのが上記の表です。

 

ギガフォトン企業価値

レーザーテック・JCRファーマ・ギガフォトンの比較

レーザーテック・JCRファーマ・ギガフォトンの比較 

上の図は、レーザーテック・JCRファーマ・ギガフォトンの直近の業績、直近3期分の経営指標を比較のために並べた表です。

順位が1位の場合は青色に、2位の場合黄色、3位の場合灰色で表現してい

売上、純利益、売上成長率、営業利益成長率、営業利益率
がすべて1位(青色)がレーザーテックで、138倍という高いPERや2兆円近い時価総額も、その収益力、成長力からみると、それ程割高ではないようです。
売上成長率、営業利益成長率を除き、JCRファーマより、ギガフォトンはいい数字で、7個の項目のうち5項目で2位です。

ギガフォトンの売上成長率、営業利益成長率がそれほど高くない理由は、

  • 半導体露光装置市場は,EUV露光装置(ASMLのみ開発に成功した装置),ASMLがシェアの伸ばしている。
  • EUV露光装置用の光源が開発中でまだ収益に貢献していない。

だと推測していますが、ギガフォトンが、EUV露光機向け光源の開発に成功し、今後の高い成長が期待できれば、レーザーテックやJCRファーマ並みのPERも許容されるでしょう。

レーザーテックのPER138倍程度まで許容されると、企業総額は約1兆2900億円です。

JCRファーマのPER68倍まで許容されると、企業総額は約9400億円です。

成長力は劣りますが、営業利益率、ROEROAはJCRファーマより優れていることを考えると、JCRファーマのPERの半分 PER34倍程度までは、EUV露光装置向の光源開発に成功していない今でも、許容されそうです。その場合、企業価値は約4700億円です。ちょうど、JCRファーマの現在の時価総額(約4700億円)と同じぐらいです。

 

ギガフォトン企業価値コマツの株価に反映されるか

コマツ時価総額(2021年7月2日終値2809円)は、約2兆7千億円ですが、仮にギガフォトンがEUV露光装置の光源開発に成功した場合は、
ギガフォトン企業価値が注目され、コマツ時価総額、株価も上昇するきっかけ(カタリスト)になることが予想できます。

コマツ時価総額に、ギガフォトン企業価値は、現在、評価されていないように思えます。仮に、EUV露光装置の光源開発に成功しなくても、EUV以外の露光装置では高いシェアをもつギガフォトンが注目されるきっかけがあれば、コマツ時価総額、株価が上昇するきっかけになるかもしれません。 

仮にギガフォトンがEUV露光装置の光源開発に成功した場合は、
現状の株価からプラス1000円押し上げる程度(現在の株価なら4000円ぐらいまで)の株価上昇(時価総額1兆円増えるぐらい)すると私は想像しています。

 

ギガフォトンがEUV露光装置の光源開発に成功しない場合も、ギガフォトンの業績や技術力が株式市場から注目されるきっかけがあれば、
現状の株価からプラス500円押し上げる程度(現在の株価なら3500円ぐらいまで)の株価上昇(時価総額1兆円増えるぐらい)すると私は想像しています。

 

本の紹介

企業価値評価に関する本を紹介します。

 

 

株式投資でも企業評価の実務が学べる良本です。財務用語の専門知識の理解がない方だと難しく感じられれるようです。ただ、具体例も多く、文体も、口語体なので、読みやすいと評判です。

 

 

 

著者の企業価値評価(実践編)の基本パターンを一冊まるまる使用して解説した本で、。学生か、これから関連実務に携わる者が始めに読む本。企業価値評価の初学者向けに、前半でバリュエーションに必要なコーポレートファイナンス理論の基本を纏め、後半でモスフードサービスなどの事例を紹介しています。

 

以 上

 

 

日本の製造業で最高の営業利益率の高収益企業は栃木県にあった(コマツ子会社 ギガフォトン)

  

といった過去のブログで、「ギガフォトンの決算公告が出たら企業価値を計算したい」といった話をしましたが、 令和3年(2021年)7月1日にギガフォトン株式会社の決算が公告されました。

企業価値の計算をする前※に、ギガフォトンの決算(収益性の高さ)を紹介したいと思います。※次のブログで、同業種のレーザーテック、同じぐらいの企業規模のJCRファーマの時価総額を参考に、ギガフォトン企業価値を計算(想像といっていいレベルかも)してみました。

ギガフォトン第21決算公告

ギガフォトン第21決算公告 

超高収益企業でホワイト企業のギガフォトン

第21期の決算(2021年3月末決算)で、

売上:約371億円、営業利益:93億円、純利益:66億円 という結構な企業規模の会社です。売上は栃木県全体で10位ぐらいの規模(ちなみにトップ3は、カワチ薬品、コジマ、キャノンメディカル)ですが、純利益は、1位のナカニシ、2位のTKCに次いで、3位となるぐらいの規模です。

栃木県、すくなくとも本社がある小山市では、知名度の高い優良企業なのでしょう。

 

なお、上場企業の子会社なども含めて、投資、就職、営業などのために、一般的にはあまり知られていない地方の優良企業を探したいときは、

就職四季報 優良・中堅企業版 2022年版

がおすすめです。

ギガフォトンも 就職四季報 優良・中堅企業版 2022年版

に紹介され、  就職四季報 優良・中堅企業版 2022年版 の有給休暇取得ベスト100にもランキングされていました。

きっと、ホワイト企業なんでしょうね。

 

有給化取得ベスト100にランクインするギガフォトン_就職四季報優良中堅企業版より

有給化取得ベスト100にランクインするギガフォトン_就職四季報優良中堅企業版より

 

 

  

特筆すべき高さの営業利益率

 

決算公告された第21期(2021年3月期)の数字で、ROEROA、営業利益率といった企業の収益性を表す経営指標を紹介します。 

ギガフォトン4期分の業績と経営指標

ギガフォトン4期分の業績と経営指標

 

ROE

ROE自己資本利益率)は、当期純利益 66億6500万円を分子に、自己資本(純資産)258億8700万円を分母にして計算できますが、15.8%という数字です。

上場企業3785社のランキングだと、550位にランキングされる数字です。

ギガフォトンは未上場で親会社への配当などもされていないようで、利益剰余金が増え、自己資本(純資産)、総資産 が大きいので、ROEROAは、低くなりがちです。仮に上場していて、上場していなくても、親会社コマツへ配当などしていれば、もっと高いROEROAになるでしょう。

 

ROA 

ROA総資産利益率)は、当期純利益 66億6500万円を分子に、総資産421億6400万円を分母にして計算できますが、16.2%という数字です。

上場企業3785社のランキングだと、100位にランキングされる数字です。上位にランクされる企業は、巨額の設備投資が不要なITサービス企業などが多く、全上場企業でも、製造業に限るとベスト10にランキングされるぐらいの数字です。

 

営業利益率

ROEROAも高いのですが、特筆して高いのは25.1%という営業利益率です。

売上高371億7100円を分母に、営業利益 93億4500万円を分子に計算できますが、

医薬品を除く製造業で、25.1%という数字は、特別に高い数字のようです。

なお、医薬品以外の製造業の上場企業で、ギガフォトンの25%を超える営業利益率は、キーエンス(2021年3月末決算で、51.4%)とレーザーテック(2020年6月末決算で、35.4%)のみです。

 

ただ、キーエンスとレーザーテックともに、製造設備を持たないいわゆるファブレスの企業です。

ギガフォトンのサイトに

ギガフォトンのレーザは、本社に隣接する小山工場で製造されています。ギガフォトンの生産部は、最先端の情報技術と高度な生産技術が融合し、全員参 加の品質管理(QC)活動「KAIZEN」を推進し、最先端エキシマレーザの高生産性を実現しています。また、工場で働く従業員はもとより近隣の住民の皆 様が安心して生活できる環境を保証するために、最先端の環境管理を実施しております。

とある通り、ギガフォトンは、製造設備を持っており、ファブレス企業とはいえないようです。

ファブレスでない、製造設備を持つ日本の製造業では、営業利益率がトップ、1位の会社かもしれません。

そもそもファブレスの企業を製造業の範囲で比較することは妥当でないと思います。

 

営業利益率の重要性

営業利益が高いということは、買手が、高価格でもギガフォトンの製品を購入するしか選択肢がないほど、製品の競争力が高いことを示します。

 

BtoBの業界では、通常、複数の会社として、取引して、買手は複数の会社を比較、価格競争させます。また、買手となる会社は、営業利益率の高すぎれば、値引きを要求します。

高い営業利益率は、ギガフォトンの製品が、競合がいないような価格競争が不要な圧倒的な高い技術力、高付加価値の製品であることの証明です。

 

会社四季報の達人が教える10倍株・100倍株の探し方

 で著者の 渡部 清二氏は、

【実践編】10倍株探しの4つのポイントの一つとして、

稼ぐ力を示す「営業利益率」が高いことあげています。

2018年1月から12月期決算の金融を除く全産業の平均的な営業利益率は「約7%」と計算される。10%以上あれば、「稼ぐ力」のある優良企業と判断していい。

 と述べていますが、10%を余裕で超えるギガフォトンの営業利益率です。

同じく渡部 清二氏は

「会社四季報」最強のウラ読み術

という著作で、四季報の業績欄で、

『基本的には、見るべき数字は、売上高と営業利益でいい』と本業の利益、稼ぐ力を示す営業利益の重要性を説明しています。

 

本の紹介

関連する本の紹介です。 

 

 

 
関連銘柄:コマツ6301,カワチ薬品2664,コジマ7513,キャノン7751,TKC9746,ナカニシ7716,キーエンス6861,レーザーテック6920

 

  

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