W-SCOPEの2022年度2Q決算と今後の株価について(速報版)

■はじめに

ダブルスコープの 2022年度2Q決算と今後の株価について、考えたこと、気になったことを簡単にまとめました(速報版)。
結論から言うと『マイルドな決算だが、強気でみていい』と思う決算でした。その根拠など紹介する記事です。

 

(決算補足説明資料及び決算説明会内容の入手方法)
当社は、2022年8月16日(火)に機関投資家・アナリスト向けの説明会を開催する予定です。この説明会の動画及び当日使用する決算説明資料は、開催後速やかに当社ウェブサイトに掲載する予定です。

決算短信に記載があり、説明会の内容を把握して、解説、考察するブログを投稿しようと思います。そういう意味で速報版です。

 

▼目 次

■一言でいうと

「ワイルドな決算だぜぇぇぇぇ」といったTwitterでの投稿も見ましたが、
直近の上方修正とほぼ同じ業績で、想定外の過激さインパクトはなく、
いい意味で落ち着いた決算で「マイルドな決算だぜぇぇぇぇ」といえそうです。

▼2022年2Qダブスコ決算一言で

2022年2Qダブスコ決算一言で

 

決算発表後のPTFの価格も2,025円で始まり、決算前の終値1,987円付近で推移しています。現状の株価に反映されている想定の範囲内の決算であったことを示しています。

ただ、悪い決算か、良い決算かでいうと良い決算と考えて、強気で見てよさそうです。

 

■良い決算の条件

『じっちゃま』という愛称で著名な米国株アナリスト広瀬隆雄氏は、

①今期のEPS(1株当たり利益)がコンセンサス予想を上回る

②今期の売上高がコンセンサス予想を上回る

③来期以降のEPSのガイダンスがコンセンサス予想を上回る

上記①~③の3項目全てを満たす決算だけが「良い決算」だ。

と説明しています。

 

③はEPS以外に売上、営業利益なども見ることもありますが、最も重要なのはEPSなので、このブログではEPSだけ取り上げています。

 

なお、この記事は、

【米国株】「良い決算」の定義と判断に困ったときのヒント|じっちゃまの教え | ほむらのろぐ

の内容を参考にしています。

 

この良い決算の3項目の基準は、米国の機関投資家で常識(米国株の常識)とよべるような基準らしいです。

あだ、売上、EPSなど世界共通利用できる数値を利用しているので、日本でも利用できる普遍的な基準と考えていいと思います。

 

「コンセンサス予想」とはアナリストの企業業績予想の平均値、「ガイダンス」とは企業側が出す来期以降の業績予想を指します。

 

「コンセンサス予想」がアナリストの企業業績予想の平均値といっても、ダブルスコープの場合、私が入手可能なものは、SBI証券のアナリスト予想(他の証券会社より一番強気の予想をしていると思われる)しかありません。

この予想を利用して、いい決算だったのか確認します。

 

ただ、SBI証券アナリスト予想が、2022 年 6 月 30 日付レポート以降更新されず、7月25日付の業績予想上方修正を反映したコンセンサスはわからない状態です。

 

ただ、

業績予想修正が7月25日ですでに6月までの業績はわかっている中での発表ですので、上期の決算は、修正内容と相違はないというのが市場のコンセンサスだと思います。

 

したがって、

①今期のEPS(1株当たり利益)がコンセンサス予想を上回る

②今期の売上高がコンセンサス予想を上回る

コンセンサス予想は、7月25日付業績予想上方修正の数値と考えました。

今期というのは、決算の対象期期間ということで上期(1Qと2Q)と考えます。

 

③来期以降のEPSのガイダンスがコンセンサス予想を上回る

コンセンサス予想については、SBI証券のアナリスト予想(2022 年 6 月 30 日付)を採用します。

業績予想上方修正を考慮していない予想ですが、期初会社予想よりかなり強気な予想だったのこともあり、そのまま採用しました。

ここでいう来期は、次の決算期間という意味で下期(3Qと4Q)と考えます。

 

 

■良い決算の三つの基準に合格するか

●①今期のEPS(1株当たり当期純利益)がコンセンサス予想を上回るか

▼2022年12月期上期EPSの予想・実績の推移

2022/02/14会社期初予想: 8.26円
2022/06/30 SBI証券予想:18.26円 ※
2022/07/25会社修正予想:36.62円    
2022/08/12会社決算実績:37.80円(07/25会社予想比で+1.18円、+3.23%)

 

SBI証券は上期、下期と期毎のEPSの予想はしていないので、通期予想56.80を会社の期初予想の上期、下期の比率(上期32.14% 下期67.86%)で配分して計算した数字です。
上期の比率は32.14%、

 

上記の通り、
2022/07/25会社修正予想:36.62円を、
2022/08/12会社決算実績:37.80円は+1.18円、+3.23% 上回っており、
①    今期のEPS(1株当たり当期純利益)がコンセンサス予想を上回る

という基準は合格したと考えてよさそうです。

 

●②今期の売上高がコンセンサス予想を上回るか

▼2022年12月期上期売上高の予想・実績の推移

2022/02/14会社期初予想:170.00億円
2022/06/30 SBI証券予想:190.00億円 ※
2022/07/25会社修正予想:200.00億円    
2022/08/12会社決算実績:201.98億円(07/25会社予想比で+1.98億円、+0.99%)

 

SBI証券は上期、下期と期毎の売上の予想はしていないので、通期予想425億円を会社の期初予想の上期、下期の比率(上期44.74% 下期55.26%)で配分して計算した数字です。

 

上記の通り、
2022/07/25会社修正予想:200.00億円を    
2022/08/12会社決算実績:201.98億円は、+1.98億円、+0.99% 上回っており、
②    今期のEPS(1株当たり当期純利益)がコンセンサス予想を上回る
という基準は合格したと考えてよさそうです。

 

●③来期以降のEPSのガイダンスがコンセンサス予想を上回るか

▼2022年12月期下期EPSの予想・実績の推移
2022/02/14会社期初予想:17.44円 (通期25.70-上期8.26で計算)
2022/06/30 SBI証券予想:38.54円 (通期56.80-上期18.26で計算)
2022/07/25会社修正予想:17.78円 (通期54.40-上期36.62で計算)    
2022/08/12会社決算実績:16.60円 (通期54.40-上期37.80で計算、
2022/06/30 SBI証券比で-21.94円、-7%)

 

上記の通り、
2022/06/30 SBI証券予想:38.54円を    
2022/08/12会社決算実績:16.60円は、-21.94円、-56.93% と下回っており、
③    来期以降のEPSのガイダンスがコンセンサス予想を上回るか
という基準は不合格(未達成)だったことになります。

 

結論からいうと
①    今期のEPS(1株当たり利益)がコンセンサス予想を上回る
②    今期の売上高がコンセンサス予想を上回る
③    来期以降のEPSのガイダンスがコンセンサス予想を上回る
の基準すべては、①と②は合格だが、③が不合格で、すべて満たしておらず、
良い決算でなく、悪い決算だったことになります。

 

 

 

■来期のガイダンスはなかったと考えれば良い決算

【米国株】「良い決算」の定義と判断に困ったときのヒント|じっちゃまの教え | ほむらのろぐ

より引用

ガイダンスを出さない = 悪い決算 ではない
「良い決算」の定義の中に「③ガイダンスがコンセンサス予想を上回る」という項目がありますが、中にはガイダンスを示さない企業業もあります。
ガイダンスがないと「良い決算」の3項目全てを満たすことができなくなるため、「悪い決算?鼻くそピーン!?」と心配になるかも
大丈夫です。
企業側がガイダンスを出さないからと言って、決算ミス(悪い決算)とはなりません。
判断するためのデータ不足として、「良い決算」の基準から③のガイダンスを含む項目を除外しましょう。
したがって、ガイダンスがない場合には、それ以外の2項目(①の今期のEPS、②の今期の売上高)で判断してください。

 

ダブルスコープの今回の中間決算(2Q決算)は、

『今回はガイダンス(予想)がなかった』
『直近の業績を反映して予想を変えておらず、今回の予想はなかった』
と考えるのが適当かもしれません。

 

後述する、損益分岐点を超えて利益回収期に入ったことが明確であり、③の基準は除いて考えて、『良い決算で強気』と私は考えています。

 

下期売上の予想も

2022/07/25会社修正予想:240億円 (通期440億-上期200億円で計算)             

2022/08/12会社決算実績:238億円 (通期440億-上期202億円で計算)

と中間決算の実績から通期予想を引くと、-2億円、-0.83%という数字になります。

 

2022/07/25から2022/08/12の間で発表されたサムスンSDIの好業績や強い予想を考えると、『予想の売上値が下がることは考えにくいので、単純に予想を変えなかった。』というだけと考えられます。

なお、サムスンSDIは、2022年度1Qから2Q(2022年度上期)でダブルスコープの売上の91.6%を占めます。

 

サムスンSDI、2Qは営業利益初の4000億ウォン突破…過去最大の業績を達成 - コリア・エレクトロニクス

2022年8月10日付の記事
サムスンSDIは今年下半期、中大型電池は高付加価値製品を中心に販売成長を続けるものと判断した。自動車電池はハンガリー第2工場が稼動し、Gen.5バッテリーの販売が本格化し、次世代プラットフォームの受注活動も持続する方針だ。ESS電池は原油高の状況とエコ政策の拡大で、新再生エネルギー需要の増加の影響を受け、電力用ESS新製品の発売で販売が拡大するものと予想した。

小型電池はモビリティ用を中心に販売成長を続ける計画だ。円形電池は電気自動車、電気自転車などモビリティ用の販売が拡大するものと予想した。新規電気自動車プロジェクト対応のための46パイ(直径46mm)ラインも構築している。

 

2022 年 8 月 1 日付SBI証券アナリストレポートでも、
サムスンSDIのEnergy部門(リチウムイオン電池を含む部門)とダブルスコープの業績は連動しているから、
 大型 LiB は、xEV 向けにおいて大手 OEM 用 Gen.5 の電池が拡大
 xEV 向けの下期見通しは、ハンガリー第 2 工場の生産開始で拡販見込む
など、下期の予想も堅調なので、ダブルスコープにポジティブな要素が増えたという記事があります。

 

Samsung SDI 2Q 決算およびダブル・スコープ 2Q 会社計画の比較資料

2022 年 8 月 1 日付SBI証券アナリストレポートより抜粋。QoQは前四半期比、YoYは前年同期比の意味。

Samsung SDI 2Q 決算およびダブル・スコープ 2Q 会社計画の比較資料

 

こういった報道やアナリストレポートの内容を考えても、③の基準は除いて考え、

『良い決算で強気』と私は考えています。

 

損益分岐点を超え完全に利益回収期に

 

今回の2022年2Q決算を見ると、

-----

・売上は前年同期比で+59.2% +75億円(2021年126億⇒2022年201億円)、

前四半期比+26.9% +24億円 (1Q 88億 ⇒2Q 112億円)。

⇒ 売上が年200億円を超える規模でこれだけ成長している会社も珍しい。

 

・営業利益は前年同期比で黒字転換+28億円(2021年-1億 ⇒2022年 27億円)

、前四半期比+427.5% +19億円 (1Q 4億 ⇒2Q 23億円)。

⇒ 損益分岐点を超え、完全に利益回収期に。

----

固定費の高いダブルスコープは、損益分岐点を超えて、売上の成長が続く場合、売上以上に、営業利益率が改善され、営業利益が大きく成長しています。

 

ダブルスコープは、限界利益率(売上から変動費を除いた金額の比率、言い換えると売上のうち固定費と利益がどの程度占めるかを意味する)が60%程度と、固定費が高い会社です。

 

これは、固定費が変わらなければ、損益分岐点を超えた分の売上の営業利益率は60%になることも意味します。

 

例で示すと以下のようなイメージです。
売上 200億円 変動費  80億円 固定費 120億円 営業利益 0円 
損益分岐点は200億円
売上 300億円 変動費 120億円 固定費 120億円 営業利益 60億円
損益分岐点200億円を超えた、売上100億円分の営業利益率は60%!

 

ダブル・スコープの株価は下がるという人は、おそらく、成長株全般を高いという人だと思います。

こういった人は、固定費の高い会社が損益分岐点を超えて、売上の成長が続く場合、売上以上に、営業利益率が改善され、営業利益が成長することをよくわかっていない可能性があります。

 

私がダブル・スコープに注目した理由の一つが、限界利益率の高さ、言い換えると固定費率の高さでした。この点に着目した記事も紹介します。

 

ダブル・スコープがセパレータ事業で創業した理由-エルピーダメモリのような敗者になるのか- - 令和の未来カエルのブログ

セパレーター事業で創業した理由に「③高い利益率、特に高い限界利益率が確保できること」があります。

「セパレータ事業は限界利益率が7割以上と高いが、こんなビジネスはあまりない。」

という発言に注目です。

 

W-SCOPEの2021年度3Q決算と今後の株価について(速報版) - 令和の未来カエルのブログ

崔社長が強調するように、セパレーター事業は限界利益率(固定費の比率)が高い事業のようで、今後売上が増えれば、それが利益に直結するでしょう。

■説明会の予定や今後の株価

●説明会の予定

少し長くなってしまったので、その他気になった点などは、決算説明資料開示後に、別のブログで紹介しようと思います。

一番気になった点だけ紹介すると、

(決算補足説明資料及び決算説明会内容の入手方法)
当社は、2022年8月16日(火)に機関投資家・アナリスト向けの説明会を開催する予定です。

という記載です。

 

前回の中間(2Q)決算は、2021年8月12日(木)の決算短信開示後、翌日(次取引日)に2021年8月13日(金)に機関投資家・アナリスト向けの説明会を開催していました。

もしかして、8月15日(月)に別の開示がダブルスコープからあり、それを待って、説明会を開催する思惑でもあるのか思ってしまいました。

 

ただ、2022年2月も、決算短信開示から、2取引日後に説明会を開催していたので、
下種の勘繰りのような話かも知れません。

 

2022年8月16日(火)の機関投資家・アナリスト向けの説明会の動画及び当日使用する決算説明資料は、開催後速やかにウェブサイトに掲載される予定です。

●今後の株価

今後の株価の予測、売買は、説明会の内容を確認後に検討するのが、適当だと思います。

ただ、8月15日(月)と8月16日(火)の株価が5日移動平均線と25日移動平均線の中間点に近い位置(1920円から1950円位)にいるようであれば、買い場かもと思っています。

 

2022年7月21日時点で、25日移動平均価格が1823円のため、平均すると、このぐらいの価格で空売りしていると思います。

 

今回の決算で特に悪材料もなかったので、空売り勢も、多少の損失はあっても、このぐらいの価格で買い戻したいのではと推測しています。

 

▼2022/08/12の株価

 

■第2のダブスコはライフネット生命

 

 

良い赤字悪い赤字

最近、読んだ本で決算関連の良本として紹介している。

 

会計クイズを解くだけで財務3表がわかる 世界一楽しい決算書の読み方 [実践編]

のChapter4 Theme2 の「良い赤字」の例のライフネット生命の株価が最近、上昇しています。

先日8月12日も+52円 6.48%の大幅上昇でした。

 

ライフネット生命の株価

 

去年までのダブルスコープのイメージと近い会社です。

いい赤字、悪い赤字の事例なども紹介されていました。

 

 

↓の本で、赤字だけど有望な会社、ライフネット生命のような会社、第二のダブルスコープのような会社を探すのも楽しめると思います。

 

 

 

第1巻もありますが、おすすめは、第2巻の[実践編]です。

著者が1冊目(第1巻)の100倍の工数をかけたのもわかる気がします。

1冊目は基礎編という感じでどの本でも記載されているような内容を分かりやすくしているだけの印象でした。

2冊目(第2巻)の実践編は、投資先だけでなく、勤務先(案外、他部署のことなどわかっていない)、就職先、取引先、購入先、知人の勤務先がどんな会社、事業か知るためにに実践で利用できるとても中身が濃い本です。

 

■前回のブログ


読んで頂き、ありがとうございました。

誤字脱字、乱文雑文、すいません。

素人が趣味で書いているブログです。その点を留意して、情報の正確性などご容赦ください。

 

また、

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以 上です。

#ダブル・スコープ6619 ライフネット生命7157

 

W-SCOPE 決算前に上方修正したら決算後に株価はさらに上がる説

■はじめに

2022年8月12日にダブルスコープの中間決算があります。
7月25日に上方修正をしており、材料出尽くし、想定以下の業績予想など悪材料で
決算後株価が売られる可能性もあります。


過去の決算前に上方修正(売上、営業利益ともに)があったのは3回ありました。結論からいうと、その内2回は決算後、株価は半年で2倍となるぐらい大幅に上昇、1回は半年で25%近く大幅に下落しています。

▼目 次

■直近の株価(2022年7月の決算前上方修正後)

まず、直近の決算前の上方修正前後の株価の推移です。

直近8月10日の終値は、上方修正発表後の終値とほぼ同じ水準です。

 

  • 2022年07月25日:1,718円
  • 業績予想の修正および営業外損益の計上
  • 売上 プラス15.7% 営業利益 プラス10%
  • 2022年07月26日:1,994円
  • 2022年08月10日:1,951円

 

 

▼2022年07月25日付業績予想の修正および営業外損益の計上

2022年07月25日付業績予想の修正および営業外損益の計上

■2022年2月決算前上方修正後の株価推移

2022年2月も決算前に上方修正がありました。

まだ、記憶も新しいと思います。

決算の2取引日前での上方修正でしたが、

上方修正後に大きく上昇して、さらに決算後で大幅上昇しました。

株価の推移は以下の通りです。

  • 2022年02月10日:779円
  • 2021年12月期通期業績予想の修正
  • 売上 プラス6.78% 営業利益 プラス50%
  • 2022年02月14日:863円
  • 2021年12月期決算短信
  • 2022年02月15日:939円(2/14比 +76円 8.8%上昇)
  • 2022年03月31日:812円(2/14比 -51円 5.9%下落)
  • 2022年05月31日:1,125(2/14比 +262円 30.3%上昇)
  • 2022年07月29日:1,870円(2/14比 +1007円 116.6%上昇)

 

つまり、決算後も8.8%と大幅上昇して、
決算発表月の約半年後(5か月後の月末)に116%の大幅上昇となっています。

ただし、決算発表月の翌月末はわずかに下げています。

 

▼2022年02月10日開示2021年12月期通期連結業績予想の修正

 

2022年02月10日開示2021年12月期通期連結業績予想の修正

 

 

■2015年2月決算前上方修正後の株価推移

2015年2月も決算前に上方修正がありました。
上方修正後に株価はやや下げましたが、上方修正後の決算で大きく上昇しました。
株価の推移は以下の通りです。

  • 2015年02月02日:771円
  • 2015年12月期通期業績予想の修正
  • 売上 プラス0.5% 営業利益 売上 プラス3.9%
  • 2015年02月03日:742円
  • 2015年02月12日:810円    
  • 2015年12月期 決算
  • 2015年02月13日:870円(2/12比 +60円 7.4%上昇)
  • 2015年03月31日:824円(2/12比 +14円 1.7%上昇)
  • 2015年05月29日:1,059円(2/12比 +249円 30.7%上昇)
  • 2015年07月28日:1,625円(2/12比 +815円 100.6%上昇)

 

つまり、上方修正後の決算後も7.4%と大幅上昇して、
決算発表月の翌月末は1.7%上昇しています。

決算発表月の約半年後(5か月後の月末)に100%の大幅上昇となっています。

 

▼2015年02月02日開示2014年12月期通期連結業績予想の修正

2015年02月02日開示2014年12月期通期連結業績予想の修正

■2014年8月決算前上方修正後の株価推移

2014年8月も決算前に上方修正がありました。

上方修正後に株価はやや上昇しましたが、決算後は下落しました。

 

株価の推移は以下の通りです。

  • 2014年07月31日:830円
  • 2015年12月期通期連結業績予想の修正
  • 売上 +0.5% 営業赤字 黒字転換 
  • 2014年08月01日:843円
  • 2014年08月06日:841円
  • 2014年12月期第2四半期決算(中間決算)
  • 2014年08月07日:807円(8/7比 -34円 4.0%下落)
  • 2014年09月30日:819円(8/7比 -22円 2.6%下落)
  • 2014年11月28日:635円(8/7比 -205円 24.4%下落)

 

つまり、決算後も4.0%と大幅下落して、その後も決算発表月の約半年後(5か月後の月末)に24.4%もの大幅下落となっています。

 

▼2014年07月31日開示2014年12月期通期連結業績予想の修正

2014年07月31日開示2014年12月期通期連結業績予想の修正

 

■2022年8月12日の中間決算後の株価予想

過去3回のうちどのケースに近いのかは、中間決算後の株価はどうなるのか、わかりません。

ただ、

●上方修正後も、サムスンSDIの好決算や新規事業製品量産のための設備投資など好材料の開示が続いていること。

●WCP単体の好決算が予想され、好決算を受けたWCPの上場も9月に予定されていること。

空売り残の増加など需給も悪くないこと。

から、三井松島の決算後の上昇のように、ダブル・スコープも、急騰する可能性も当然あると思っています。

 

三井松島HDが続急騰、空売り買い戻しで上昇加速し23年ぶり高値圏を快走 | 個別株 - 株探ニュース

2022年08月09日10時19分の記事
【材料】三井松島HDが続急騰、空売り買い戻しで上昇加速し23年ぶり高値圏を快走

三井松島ホールディングス<1518>が続急騰、620円高の4590円まで値を飛ばした。同社株は業績上方修正を受けて前日に700円高ストップ高に買われる異彩人気となったが、きょうも買いの勢いは衰えず上値指向を強めている。石炭市況の高騰を背景に業績が様変わりしており、23年3月期営業利益は期初見通しを増額修正し前期比2.8倍の232億円と大幅ピーク利益更新を見込んでいる。時価は1999年7月以来約23年ぶりの高値圏を走るが、依然としてPERが4倍前後と超割安圏にあるほか、株主還元の強化で配当利回りも5%前後と高く、水準訂正高を狙う買いが高水準だ。また、直近は一部機関投資家経由の貸株調達に伴う空売りが急増していることも判明、これが踏み上げ相場の思惑を助長している。

 

少なくとも、買っている方は、決算の悪材料を心配して売るようなことしなくてもいいでしょう。

決算前に利益確定して下がったら、買い戻そうと思っても、決算後、三井松島のように急騰して、買い戻しすれば、結果的に大きな損失になる可能性もあります。

また、利益確定時の税金も考慮に入れる必要があります。

売却しなければ、税負担なしに、利益を繰り延べ、複利の効果もできます。

 

■決算が実務で生かせる本

税の繰延効果もないので、保有していない方は、決算を待って、決算の内容を確認して、投資するのが適当だと思います。

リスクも少なく、決算後も決算直後かどうかはわかりませんが、一時的に下がる買い場はあると思います。

 

最近、読んだ本で決算関連の良本を紹介します。

 

第1巻もありますが、おすすめは、第2巻の[実践編]です。

 

著者が1冊目(第1巻)の100倍の工数をかけたのもわかる気がします。

1冊目は基礎編という感じでどの本でも記載されているような内容を分かりやすくしているだけの印象でした。

 

2冊目(第2巻)の実践編は、投資先だけでなく、勤務先、就職先、取引先、購入先、知人の勤務先がどんな会社、事業か知るためにに実践で利用できるとても中身が濃い本です。

 

 

↑の本で、赤字だけど有望な会社、ライフネット生命が紹介さていました。
去年までのダブルスコープのイメージと近い会社です。

いい赤字、悪い赤字の事例なども紹介されていました。

 

 

 

■前回のブログ

 読んで頂き、ありがとうございました。

誤字脱字、乱文雑文、すいません。

素人が趣味で書いているブログです。その点を留意して、情報の正確性などご容赦ください。

 

また、

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以 上です。

W-SCOPEへの強気と弱気の見方-東証上場時の会社説明資料から

■はじめに

ダブルスコープは、2022年8月12日に2022年12月期の中間発表が予定されています。
予習の意味で過去のIR資料を確認しました。


ダブル・スコープの東証マザーズ上場時の会社説明資料(2011年12月発表)を見て、強気、弱気の両方の見方がわかる気がしたので、記事にしてみました。

 

▼目 次

■上場時の会社説明資料

ダブルスコープのIR情報のIRニュースから、2011年12月上場時の会社説明資料は確認できます。

IRニュース | ダブル・スコープ (w-scope.co.jp)

ダブルスコープのIRサイト

▼2011年12月16日付会社説明資料

https://ssl4.eir-parts.net/doc/6619/ir_material_for_fiscal_ym/21858/00.pdf

 

ちなみに、会社説明資料では、セパレータとなっているが、最近の資料ではセパレーターとなっています。なお、旭化成東レ住友化学はセパレータと呼んでいるので、セパレータの呼び方が日本ではメジャーなのかもしれない。いつもどちらが適当か迷います。

2011年12月会社説明資料よりダブルスコープの強みi

2011年会社説明資料セパレーター業界の参入障壁(W-SCOPEの強み)

 

 

■弱気(懐疑派)の見方

『この資料を見てみろ』

2015年にシェア1位ダブルスコープのビジョン(2011年12月資料より)

『2011年12月の上場時の会社説明資料や。』

『2015年シェア1位とよくも大口たたいたな。2022年の今、世界シェア6位だろう。』

『もう、いくら大風呂敷たたいても信用せんからな』

『また、韓国の子会社上場させるために、一時的に好業績をアピールさせて、絵空事の計画で上場ゴールねらってんちゃう。』

『ばればれやん。』

という見方をする人も不思議ではないです。

 

■強気(自信派)の見方

『この資料を見てみろ』

2030年にシェア1位のダブルスコープのビジョン(20211年12月資料より改ざん)

『お前が見せた資料をちょっと改ざんしたけど、計画が10年位遅れただけや。』

『投資や事業というのは長い目で考えろ。』

『令和の未来カエルさんのブログ(↓)も見てや。崔社長も社名の由来を語るときに、100年以上先の未来を見ながら、ビジネスを言っているやん。』

W-SCOPEの社名の由来を語る崔社長 - 令和の未来カエルのブログ

 

■私の見方

弱気(懐疑派)の反論

『令和の未来カエルのブログの宣伝はいい。』

『資料改ざんするな。お前、ダブスコ信者やろ。』

が聞こえてきそうです。

私の見方、ダブルスコープの崔元根社長だったら、こんな言い訳(?)もするだろうと想像した見方を紹介します。

 

●厳しかった2010年代

確かに上場時の計画は甘かった。
言い訳だが、市況があまりにも悪かった。

 

日本では、

2016年にソニー村田製作所リチウムイオン電池事業を売却して撤退、
2017年にNEC中国企業に売却してリチウムイオン電池事業から撤退した。

 

リチウムイオン電池の業界、その素材業界も2015年から2019年ぐらいまで厳しかった。

そして、2020年のコロナショックの影響があった。

2013年から2015年位に強気で増産投資をして、需給が緩くなり、供給側に不利になり、価格低下で苦しんだ。特に政策支援、電気自動車の補助金を狙った中国企業の増産で、世界的に価格低迷し、中国企業も苦しんだ。 

 

電気自動車(EV)向けの電池「リチウムイオンバッテリー(LiB)」シェアで当時世界4位のJ&Rオプティマエナジー(堅瑞沃能、本社・中国陝西省)も上場廃止まで追い込まれ、2019年には、上場子会社の車載電池を手掛ける深セン市沃特瑪電池は実際に破産した。

 

車載電池の沃特瑪が破産、業界の淘汰進む - NNA ASIA・中国・自動車・二輪車

エコノミストリポート:EV大国・中国「質の向上」にシフトチェンジ 地場メーカーに国際競争力求め=湯進 | 週刊エコノミスト Online

 

 

https://m.in-en.com/finance/html/energy-2246817.shtml

↑は中国メディア記事

国际能源网:International Energy Network(http://in-en.com):世界のエネルギー産業のアプリケーションに焦点を当てた中国のメディア、イーコマースサイトの2021年4月25日の記事。

 

据高工锂电数据,2015-2020年,湿法隔膜的价格从5.0元/平方米下滑至1.4元/平方米,行业内尾部企业开始出现亏损。前期巨额的资本开支拖垮了一些企业经营现金流,只能宣布停产或出售股权等来缓解生产经营困难。

二次電池リチウムイオン電池のデータによると、2015年から2020年にかけて、湿式セパレーターの価格は5.0元/平方メートルから1.4元/平方メートルに下落し、業界の下位企業は赤字となった。巨額の設備投資は、一部の企業のキャッシュフローを圧迫し、生産と経営上の問題解決のために、生産停止や株式売却を実施した。

 

2014年から2020年までのセパレーターの価格動向(単位:元/平方メートル)

上記の記事の文章の前段に価格下落の理由も解説していますが、中国のEV補助金政終了の影響と過剰な設備投資による供給が過剰になったためです。

 

 

韓国企業も同じだ。サムスンSDI、LGエナジー(旧LG化学)、SKオン(旧SKイべージョン)も2020年までは赤字の決算もあり、増産投資の負担も大きく、順風ではなかった。

「赤字脱出」Kバッテリー3社、営業利益合計は1兆ウォンを突破 - コリア・エレクトロニクス

 

 

●利益を伴う成長の2020年代の土台はできた

そんな状況だったが、5年赤字が続くほどの設備投資を実施した。

市場規模が拡大する中、シェアは5%程度を保ち、世界で6位クラスの地位を保っている。

シェアが大きく下がった旭化成など日本企業と比べてほしい。

 

電池部材「中国がシェア席巻」でも日本が動じない事情 | 特集 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース

セパレーターは、電池の正極と負極を分離しつつ、微細な穴からリチウムイオンを行き来させる重要な部材だ。2010年代半ばまでは旭化成東レといった日本メーカーの総出荷量が世界の過半を占めていたが、今では中国メーカーの総出荷量を下回る。

テクノ・システム・リサーチの調査によると、2020年のセパレーターのメーカー別シェア(出荷量ベース)の1位は上海エナジーの22%で、2位の旭化成のシェア11%の2倍。同社は2018年に旭化成を抜いて以来、3年連続で首位に立つ。

 

さらに、
私たちは量やシェア、売上でなく、質、価格、利益に重点を置く戦略に変えた。サムソンSDIに売上を集中させたのはその戦略だ。


実際に、その戦略は当たっている。サムスンSDIの好業績がその証明だ。

高付加価値のリチウムイオン電池事業がけん引している。

 

 

▼三元系高性能のサムスンSDIの電池が好調という話のブログです。

 

上海エナジーなどの中国企業との価格競争に巻き込まれる心配もない。

また、2025年ぐらいに供給過剰になる心配は今回はなさそうだ。

中国電池CATL「1兆円増資計画」を2割縮小の事情 | 「財新」中国Biz&Tech | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース

中国政府、電池業界の「生産能力過剰」防止へ牽制 | 「財新」中国Biz&Tech | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース

 

各社電池業界、その素材業界は増産投資をしているが、需給が緩むほどの無計画なものでない。中国政府、中国企業も過剰投資を警戒している。

 

長いセパレーター売り手優位の相場が続くとはずだ。

 

リチウムイオン電池業界は、コロナショックで投資を控えていた反動もあり、今は需給がひっ迫して、供給側有利だ。

EV需要も自動車メーカーや電池メーカーも堅調で、想定以上に強い。

供給プレイヤーが限られるセパレーターであればなおさらだ。これから、価格上昇こそ考えられるが、価格下落は考えにくい。

 

今までの10年は私たちは、利益という意味では、確かに厳しく見られるかもしれない。
しかし、利益を伴う成長のための土台はしっかりしている。

これからの10年を見てほしい。

セパレーター業界でシェア1位は目指していないが、生産効率、生産規模などコスト競争力も強く、利益でトップクラスの会社になれる自信がある。

 

●競合他社の時価総額について

 

上海エナジー擁する雲南恩捷新材料Yunnan Energy New Material Co Ltd 1900億元(日本円で3兆7373億円)、SK IE Technology6兆6800億ウォン(日本円で6680億円)という時価総額だが、ダブルスコープの時価総額1075億円(2022年㋇11日1951円で計算)だ。

 

競合他社との比較で株価は割安だが、今後の利益成長で業績が評価されるだろう。

 

今後の株価上昇にも自信がある。

 

▼競合他社の時価総額については、↓のTwitterの投稿のスレッドも参考にしてください。

■EVシフトが本物だと判断できる本

EVに消極的、懐疑的な人も多く、充電設備などインフラ面の整備も遅れ、それが2010年代にEVシフトが進まず、リチウムイオン電池業界苦境の一因となったようです。

ただ、最近のリチウムイオン電池の性能向上や充電設備の整備などで、EVシフトに消極的、懐疑的な人も減っているようです。

EVシフトが本物で、ブームで終わらないと確信できる本を2冊ほど紹介します。

 

↑の本は、EV懐疑派、推進派の両方におすすめの本です。

『(日本において)EV懐疑論は根強い。筆者も思っていた。5年間の取材を通じて得た結論は次の通りだ。EVは普及する。』

『新車販売台数の2011年EVシェア 欧州11% ノルウェー65% ドイツ14% 中国11% 韓国10% 米国 3% 日本0.5% 2022年はいよいよ日本のEV元年になりそうだ。』

といった内容が続きます。

本も読んだ感想ですが、脱炭素、環境関連の政策、補助金などなくても、好き嫌い、利便性、経済合理性でEVを選択する人が増えていて、つまりガソリン車からEVへの流れは止めることは難しいと思いました。

 

 

ガソリン車→EVの流れも理解できる本です。
著者はエネルギー問題の世界的権威、ピューリッツァー賞受賞。
アマゾンの書評や説明だけで読む価値あります。

 

第5部 自動車の地図より抜粋---
(前略)1900年ニューヨーク市ではガソリン車よりはるかに多くの電気自動車が街中を走っていた。しかも当時最大の電気自動車の支持者は偉大な発明家トーマス・エジソン(その後エジソンが敗れた理由など続く)

------------------

自動車、エネルギー問題に興味ある方は楽しめると思います。

ガソリン車に絶対的な優位性が最初からあったわけでなく、政治的な思惑でガソリン車が普及したこともわかります。

「資源」を軸に、現代世界政治をやはり人間のドラマで解説しています。
エネルギーの観点を中心に、現代及び未来の世界を描き出す本です。
宗教、政治、安全保障とエネルギー問題が関係性の深さがよくわります。

 

 

■前回のブログ

読んで頂き、ありがとうございました。

誤字脱字、乱文雑文、すいません。

素人が趣味で書いているブログです。その点を留意して、情報の正確性などご容赦ください。

 

また、

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以 上です。

W-SCOPEの中期経営計画『Vision 2021』の振り返り

■はじめに

ダブルスコープは、2022年8月12日に2022年12月期の中間(2Q)決算発表を予定しています。
その前に中期経営計画が開示される可能性もあり、前回の中期経営計画を振り返り、評価したいと思います。
5年先ぐらい長期の業績から株価が高いか低いか判断できる本も最後に紹介してまおす。

 

▼目 次

 

 

■そもそも、中期経営計画とは

中期経営計画とは、3〜5年後の企業のビジョン、目標を達成するための戦略、施策や具体的な数値目標も含めて表現される計画です。

企業の3〜5年後の目標に対して現状把握することを目的です。 売上や利益、経営指標など具体的な数値で決める計画するのが一般的です。

 

中経と略されることもあれば、企業の内部であれば、3カ年計画や5カ年計画と表現されることもあります。

 

ここから余談です。

少し不思議ですが、この中経とか、3か年計画や5カ年計画は、欧米など海外では存在せず、日本独自の慣習のようです。

海外ではAnnual Report(年次報告書)の中でStrategic Plan(戦略計画)として表現されることも多々ありますが、独立した開示資料として存在しないそうです。

どうして、日本企業だけあるのかはわかりません。

〇カ年計画というのは、歴史を振り返ると、日本の明治時代からあります。

明治時代は海軍の増強計画で、海軍は戦艦の購入など複数年度で巨額の予算がかかり、かつ、船の年齢に応じて、計画的な整備が必要になるので、5年から10年の期間で整備します。

日清戦争前1883(明治16)年度に海軍増強の 8 ヶ年計画を政府が承認されました。

日露戦争後、六六艦隊(戦艦6隻・装甲巡洋艦6隻からなる六六艦隊の実現するための計画)実現のためのため1896年度より1905年度までの10ヵ年計画もあります。

満洲産業開発五カ年計画:1937年(昭和12年)4月から開始された、日本の統制経済とも連動した満洲国における経済開発計画

経済自立五ヵ年計画 :後の日本における初の長期経済計画(アメリカの依存した日本経済の自立、復興を図る)

など、歴史的に政府でよく利用した〇カ年計画を民間が取り入れ、それが中期経営計画に発展したのもかしれません。

以上 余談終わりです。

■中期経営計画の開示は努力義務

上場企業でも、中期経営計画の開示は罰則のあるような義務でなく、努力義務のような扱いです。


金融庁東京証券取引所が共同で作成して開示する「コーポレートガバナンス・コード」(望ましい企業統治の方針)では以下のような規定があります。

 

【原則3-1.情報開示の充実】
上場会社は、法令に基づく開示を適切に行うことに加え、会社の意思決定の透明
性・公正性を確保し、実効的なコーポレートガバナンスを実現するとの観点から、
(本コードの各原則において開示を求めている事項のほか、)以下の事項について開
示し、主体的な情報発信を行うべきである。

(ⅰ)会社の目指すところ(経営理念等)や経営戦略、経営計画

 

【原則4-1.取締役会の役割・責務(1)】
 取締役会は、会社の目指すところ(経営理念等)を確立し、戦略的な方向付けを
行うことを主要な役割・責務の一つと捉え、具体的な経営戦略や経営計画等につい
て建設的な議論を行うべきであり、重要な業務執行の決定を行う場合には、上記の
戦略的な方向付けを踏まえるべきである。

 

補充原則 4-1① 取締役会は、取締役会自身として何を判断・決定し、何を経営陣に委ねるのか に関連して、経営陣に対する委任の範囲を明確に定め、その概要を開示すべき である。 4-1② 取締役会・経営陣幹部は、中期経営計画も株主に対するコミットメントの一 つであるとの認識に立ち、その実現に向けて最善の努力を行うべきである。

 

【原則5-2.経営戦略や経営計画の策定・公表】 経営戦略や経営計画の策定・公表に当たっては、自社の資本コストを的確に把握 した上で、収益計画や資本政策の基本的な方針を示すとともに、収益力・資本効率 等に関する目標を提示し、その実現のために、事業ポートフォリオの見直しや、設 備投資・研究開発投資・人的資本への投資等を含む経営資源の配分等に関し具体的 に何を実行するのかについて、株主に分かりやすい言葉・論理で明確に説明を行うべきである。

 

■過去のW-SCOPEの中期経営計画

ダブルスコープは、2018年08月09日を最後に開示されていません。
それまでは毎年、公表(2015年から2018年まで)していて、2018年を最後に開示されなくなりました。

開示されなくなった理由は、
売上利益計画の未達成、財務体質の悪化、新型コロナ問題などが続いて、流動的な要素が増え、具体的な数値を計画することが難しかったからかだと思います。

2020年以降は新型コロナ問題でいった説明が決算説明会でされた記憶があります。

なお、過去の中期経営計画はダブルスコープのIRサイトで確認できます。

 

▼ダブルスコープのIRサイト

ダブルスコープのIRサイト

 

2021年10月14日付『設備投資決定及び欧州法人設立に関するお知らせ』
2022年07月28日付『新規事業への取り組みに関するお知らせ』
と重要な計画は開示されています。

ただ、売上、利益の3から5年間の長期的な計画(業績予想の計画数値)が開示されていません。
そのため、来期以降の業績予測は、軸になる会社の業績予想の具体的な数値がない状態で、証券会社のアナリストや個人投資家経済雑誌が各自予測されるので、目標株価(理論株価)に大きく差がでるのかも知れません。

 

 

■W-SCOPEの中期経営計画『Vision 2021』の振り返り

それでは、中期経営計画『Vision 2021』 2018年8月9日開示時の内容をについて、各項目に評価したいと思います。

■ビジョン

1.ビジョン
メンブレンフィルム専業メーカーとして、リーディングカンパニーを目指します。

 

2022年07月28日付『新規事業への取り組みに関するお知らせ』で開示された通り、イオン交換膜の生産を計画しています。

ただ、まだリチウムイオン電池のセパレーターフィルムの専業メーカーで、メンブレンフィルム専業メーカーというイメージではありません。

なお、リチウムイオン電池のセパレーターフィルムでは、韓国2位、世界で5位から6位の会社という現状で、リーディングカンパニーとは通常、国や世界でシェア1位の会社に冠されるので、『セパレーターフィルム』に限っても、リーディングカンパニーと呼ぶのはまだ早そうです。


イオン交換膜などメンブレンフィルム(膜状のフィルム)の製品の種類を増やして、リチウムイオン電池のセパレータ-のシェアを拡大して順位を上げている現状です。

 

メンブレンフィルム専業メーカーとして、リーディングカンパニーを目指している』と『目指している状態』で現状では、その可能性も高そうなので、合格点を上げてもよさそうです。

 

■成長への基本戦略(セパレーター事業)

2.成長への基本戦略
リチウムイオン電池セパレーター事業
2015 年以降 スマートフォン用途等の民生用電池市場の安定成長に加え、中国のxEV 用途で成長速度を上げた リチウムイオン電池市場は 2018 年までの 3 年間で約 2 倍の市場規模に成長しました。今後更に各国の環境対策にも後押しされ、2021 年までの 3 年間に 2018 年比およそ 2 倍の市場規模にまで成長する見通しとなっております。
このような市場見通しの中、リチウムイオン電池主要部材メーカーとして以下の成長戦略を実行します。


  市場の拡大に伴う生産能力の拡大
  大型製造ラインによる生産性の追求
  製造原価低減へのチャレンジ
  電気自動車の安全性を担保する高品質の維持

 

 

『(リチウムイオン電池の市場規模が)2021 年までの 3 年間に 2018 年比およそ 2 倍の市場規模にまで成長する見通しとなっております。』

この見通しは正しかったのでしょうか。

 

リチウムイオン電池の世界市場は2025年に12兆円超え、EV向けや定置用がけん引:蓄電・発電機器 - スマートジャパン

↑のサイトで『2021年の市場規模は前年比57.0%増の10兆5126億円が見込まれる。』とあります。『見込まれる』とありますが、2022年5月16日発表の調査結果なので、実績に近い数字と考えてよさそうです。

 

リチウムイオン二次電池の世界市場 市場動向1 | マーケット情報 | エンプラネット

『2019年見込 4兆8446億円 2018年比 121.2%』とあるので、2018年の市場規模は3兆9972億円で計算できます。

 

10兆5126億円  ÷ 3兆9972円 =約2.63倍です。

リチウムイオン電池の約2.63倍はおよそ2倍と表現の中におさまる範囲で、かつ、見通しよりいい数字であり、『見通しは正しかった』と評価できます。

 

『  市場の拡大に伴う生産能力の拡大』
については後述する数値目標で評価したいと思います。
リチウムイオン電池セパレーター市場はサプライヤーが限られこともあり、顧客との長期契約で販売されますから、滞留在庫になることも少ないので、売上イコール生産能力と考えていいと考えるからです。

 

『  大型製造ラインによる生産性の追求

   製造原価低減へのチャレンジ』

については、達成(合格)としましょう。

 

https://www.hankyung.com/economy/article/2022072939751

↑は『WCP 2025年はセパレーター生産能力を3倍に拡大』といった韓国メディアの記事です。

崔氏は「独自の延伸工程を構築することで、品質を維持しながら生産歩留まりを向上させ、独自の技術で建設された世界最大の幅5.5mの生産設備も備えています」と崔氏は述べ、「両面同時塗装技術を適用することで、従来の断面コーティングに比べて生産性を2.2倍向上させました」と述べました。

といった内容があり、この内容が事実であれば、合格といっていでしょう。

 

『  電気自動車の安全性を担保する高品質の維持』

についても達成(合格)としましょう。

 

韓国電池3社、原材料高が重荷に LGエネは減収減益: 日本経済新聞

2022年8月4日付の

サムスンSDIは3社で唯一、増収増益。
電池部門売上高は50%増、営業利益は45%増と安定成長。
ニッケル含有量を高めた高性能な車載電池の販売が好調。
といった記事ですが、『高性能な車載電池』がポイントです。

 

サムスンSDIはダブルスコープの売上の8割程度を占めます(2021年87.5% 2020年77.5%)。

2022年07月25日『業績予想の修正および営業外損益の計上に関するお知らせ』
に2022年通期の売上予想を380億円から440億円に上方修正しています。
その中で、「民生系用途及び車載系用途ともに主要顧客の需要が安定して伸びたことにより販売数量が期初計画を 10%程度上回りました。」とありますの。安全性を担保して高品質の維持きており、三元系高性能のサムスンSDI向の売上も堅調だと考えられます。

 

▼三元系高性能のサムスンSDIの電池が好調という話のブログです。

 

『電気自動車の安全性を担保する高品質の維持』の計画は達成された、つまり、合格と考えてよさそうです。

 

■ 成長への基本戦略(新規事業)

② 新規事業への取り組み 
現状の当社の事業はリチウムイオン電池用セパレーターの単一セグメントとなっておりますが、当社の保有する生産技術が 基本的にはメンブレンフィルムの製造技術です。 今後更に以下の様なセグメントに取り組むべく製品開発を続けて参ります。 
 ●エネルギー関連用途 ︓ 次世代電池・キャパシタ等 
 ●水関連用途 ︓ イオン交換膜、水処理フィルタ等 
 ●空調関連用途 ︓ 不可逆フィルタ等 
 ●医療用途 ︓ 透析膜、人口皮膚等

 

製品開発を『続ける』ことが計画ですので、現在も続けており、イオン交換膜の量産化は着手していることので、及第点は与えられそうです。

イオン交換膜の用途(アプリケーション)は不明です。

2018年3月の株主総会の内容が

ダブルスコープ(6619)株主総会に行ってきた。 | 総会おじさんの株式投資ブログ

で記載されています。

『イオン交換膜は来年に早まる可能性がある。30~50%の利益率。売上の10%を占める予定。イオン交換膜は寿命が長い。発電所を作るのが難しい場所に発電所を作るのに必要。車向けにも販売できるはず。』

というた崔元根社長の発言があったようです。

『難しい場所での発電所』『車向けに』といった発言から、燃料電池で利用せれるイオン交換膜の可能性が高い印象でした。

 

https://www.yna.co.kr/view/RPR20220725000700353

↑のの韓国メディアの報道に、『イオン交換フィルムの応用分野は、水質改善、水の電気分解(水から水素や酸素を製造)、エネルギー貯蔵、給水など幅広い用途があり、特に水質改善の工程でイオンを選択、濃縮する技術は、海洋や湖沼からリチウムなどの主要鉱物を取り出すキーテクノロジーとして、国産化の最初の例となることが期待』とあるので、海水から塩やナトリウムなどの資源を抽出するときに利用さるものかもしれません。

 

崔元根社長の新製品、新規事業の話は、どこまでが夢に近い目標で、どこまでか現実的な目標かわからず、話、半分ぐらいで聞いた方がいいと思います。

正直なところ、現時点では期待できる内容か判断できません。

 

▼2021年12月期有価証報告書 研究開発活動

2021年12月期有価証報告書 研究開発活動

ダブルスコープは赤字、負債で苦しい時も将来の種をまいていました。2021年12月期有価証報告書 研究開発活動には上記の通り、未来素材: イオン交換膜の開発とあります。

イオン交換膜用の新規工場の投資額:約600億ウォン(約60億円)で、量産目的の投資です。

ROIC15%を目指すなら年間9億円から12億円程度の利益回収が目標でしょうか。

ただ、固定費先行のビジネスと思われ、5年後位に今のセパレーターのようなにキャッシュフローマシーンになれるか注目したいです。

 

 

こういった本で勉強するとダブルスコープの握力もあがりますし、今後の発表、開示も楽しめると思います。

ただ、イオン交換膜は、旭化成AGC(旧旭硝子)、東レ富士フィルムといった日本を代表する歴史のある大手の化学企業が、虎の子のように大事に敷いてる付加価値、利益率の高い製品のようで、本当に量産して、事業化する見込みがあるのか、私は半信半疑です。

 

↑は膜(メンブレン)分離に関する本です。

一般的に、膜(メンブレン)とは特定の物質だけ通して、分離するためための材質です。私たちの皮膚も、空気や水分なと特定のものだけ通すので、膜も一種です。

こちらの本ですが、Amazonのレビューを読むと、
海水から淡水を生み出すために使う「逆浸透膜」、燃料電池の溶液管理に使う「セパレータ」、CO2を分離することができる「CO2分離膜」など、最先端の「膜」の仕組みや使い方を簡易に
理解できる内容であり、「膜」のことを全く知らない人でも概要を理解できる。

膜分離の原理、どんなものが分離できるかなどを図解
を示してわかりやすく書いてあります。
基本的なこと分離についての概要をとりあえず知っておけばいいという人に最適です。

『イオン交換』の本より、こちらがいいかもしれません。
中古品の値段(2,000円ぐらい、新品3,080円)も結構するので評価が高いことがわかります。本の内容は、古本の値段とだいたい比例します。私も発注予定です。

 

新規事業、新製品に関するブログも紹介します。

 

 

 

■ 係数目標

● 低い目標だった前回の中期経営計画

まず、2018年8月に発表した中期経営計画の数値目標は、
前年2017年8月に発表した中期経営計画より大幅に下方修正しています。

 

▼中期経営計画『Vision 2020』 2017年8月9日開示

中期経営計画『Vision 2020』 2017年8月9日開示

 

▼中期経営計画『Vision 2020』 2018年8月9日開示

中期経営計画『Vision 2020』 2018年8月9日開示

2020年の計画の数値でいうと
2017年→2018年発表
売上 400億円→220億~300億円
営業利益 100億円 →8億円から69億円
とレンジの上限でも売上で75% 営業利益で69%の数字です。
中央値をとれば売上65% 営業利益38.5%という数字で半減に近い数字です。


中期経営計画『Vision 2020』 2017年8月9日開示時には、
8月9日 終値 1,750円 8月10日 終値 1,956 と+206円と大幅上昇しています。
中間決算を経て、8月24日終値2,350円まで上昇し、8月31日終値は2,326円でした。

 

中期経営計画『Vision 2021』 2018年8月9日開示時には、
8月9日 終値 1,284円 8月10日 終値 984 マイナス200円とストップ安を経験しています。中間決算を経て、8月21日終値791円まで下がり、8月31日終値は927円でした。

つまり、市場の期待を大幅に下回る非常に低い目標の中期経営計画でした。

 

 

● 低い目標だった中期経営計画も達成できず

↓の表は、計数目標の計画と実績、達成率を示したものです。

計数目標の計画と実績、達成率

単位:売上高、営業利益の単位は百万円
計画(2019年、2020年、2021年)は売上 15,000~20,000, 22,000~30,000, 38,000~48,000
営業利益は、100~3,500, 800~6,900, 7,000~15,000とレンジで開示していますが、
計算の便宜上、中央値を採用しています。


売上の4年間(2018年の予想と2019年から2021年までの計画)の達成率平均は78%です。
利益は黒字の年は2021年だけで、2021年の達成率は17%です。
結果としては、計画未達成(不合格)と評価されます。

 

2018年から2019年と計画実行の初期段階で、不調だったようです。

詳しく調べていませんが、
リチウムイオン電池、セパレーターの単価下落→対中国企業、米国企業の販売低下→LGへのシフト→サムスンSDIへのシフトといった過程で、計画通りに進捗しなかった点
があったのでしょう。

2020年以降は、新型コロナウイルスの問題など想定外のことも多かった点が考えられます。

 

ただし、売上については1年遅れて達成、営業利益については2年遅れて達成ということがわかります。
2020年の売上実績は、前年2019年の計画上の売上数値を超えています。
2021年の売上実績も、前年2020年の計画上の売上数値を超えています。
2021年の営業利益実績は、19億円は、2019年の営業利益計画18億円を超えています。

新型コロナウイルスの特殊事情を考慮すれば、それほど悪い結果ではないようです。

 

 

■中期経営計画の開示はあるか

以前と同じように8月9日(火)ごろに中期経営計画の開示があるかは不明です。

仮にあった場合は、株価は大きく上下する可能性がありそうです。

ただ、最近のダブルスコープの開示内容を見ると、株価をかなり意識していると思われます。

そのため、仮にあったとしても、株価を大幅に下落させるような中期経営計画とならない可能性が高そうです。

 

■長期の業績から株価が高いか低いか判断できる本

5年先ぐらい長期の業績から株価が高いか低いか判断できるようになるための書籍を紹介します。

伝説のファンドマネージャーの手法が初心者でも使える
機関投資家の投資判断がわかるとともに、
10倍株銘柄の選別法、売り時・買い時の見極め方も
5つのポイントでわかる画期的な1冊。

です。

『伝説のファンドマネージャーって多すぎない』と突っ込みを入れたくなりますが、将来の利益、割引率、成長率から、今の株価水準が適当か、売り時、買い時もわかる本だと思います。

奇を狙った本でなく、株式投資の基本的な知識は理解して、機関投資家のようなプロと同じレベルの思考をしたい方、機関投資家のようなプロの思考方法を知りたい方におすすめの本だと思います。

予想のいらないというのは、財務、業績の数字(予想も含む)から、株価は計算できるという意味だと思います。

大きな本屋だとだいたい置いてあるので、立ち読みしてもいいと思います。

電子書籍で試し読みもできます。

 

 

■前回のブログ

 

読んで頂き、ありがとうございました。

誤字脱字、乱文雑文、すいません。

素人が趣味で書いているブログですので、その点を留意して、情報の正確性などご容赦ください。

 

 

 

以 上です。

リバモアから学ぶ相場で勝つ秘訣について

■はじめに

バモア(ベア取引:空売りで巨額の利益を上げ「ウォール街のグレート・ベア」と呼ばれた)から学ぶ相場で勝つ秘訣、株式投資で『想定外』の下落で慌てない方法を紹介する記事です。

 

 

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ジェシー・リバモアとは

ジェシー・リバモア(英語: Jesse  Livermore、1877年7月26日 - 1940年11月28日)は、ベア取引(空売り)で巨額の利益を上げた「ウォール街のグレート・ベア」と呼ばれた1920年代の伝説的な投資家です。

 

1929年に世界大恐慌世界恐慌の引き金となった暗黒の木曜日1929年10月24日、突然発生した株式の暴落の局面で空売り仕掛け、1億ドルを稼ぎ、「ウォール街のグレート・ベア」「世界恐慌の引き金を引いた男」と呼ばれています。

ただ、J・P・モルガン(モルガン財閥の創始者)からの要請でリバモアは売りを控えて、買い戻しを進めて、株式市場は一時的には落ち着きを取り戻したそうで、「「ウォール街の救世主」ともいえるかもしれません。

 

4度の破産を経験し、晩年はうつ病に苦しみ、最期はピストル自殺を遂げた悲劇的な一生から、多くの投資家の興味をそそるのか、リバモアについては多くの書籍があります。

 

バモアの手法は、その時点で何をなすべきか、市場に語らせるというやり方だった。
自分が先を読むということはなく、株価が伝えてくるメッセージに従うことを信条とした。

 

 

 

■リバモアの相場で勝つ秘訣

 

最近手にした

伝説の7大投資家 リバモア・ソロス・ロジャーズ・フィッシャー・リンチ・バフェット・グレアム (角川新書)

といった書籍から、リバモアの名言、相場で勝つ秘訣を二つほどか紹介したいと思います。

 

●勝たなければならない相手は私自身、自分の中の感情の起伏です

ある人から「相場に勝つ秘訣が見つかったのか」と聞かれ、こう答えている。「いや、相場に勝つ必要はありません。勝たなければならない相手は私自身、自分の中の感情の起伏です」と答えたらしいです。

相場で勝つためには最も重要なのは、「冷静さを失わない自制心」ということです。

勝負である以上、思い通りにいかないこともあれば、予想以上の結果が出ることもあります。そんな時、我を忘れ突き進むのではなく、「冷静さ」「平常心」をいかに保つかが相場に勝つ秘訣らしいです。

 

●相場師には忍耐が必要だ

バモアが大切にしているのが「辛抱強く待つ」ことです。リバモアは市場をねじ伏せることなど絶対に不可能だとよく分かっていました。

勝つためには「勝つ条件」が揃わなければなりません。それも一つや二つではなく「すべての条件」が揃って初めて大きく勝利できると考えていた。

それには「待つ」ほかはない。「相場師には忍耐が必要だ」がリバモアの考えです。

 

「相場師は忍耐強く待ち、そして行動を開始するだけでなく、取引を開始した後も、再度気長に時の到来を待たなければならない」

「休みなく相場を相手に勝負し、勝ち続けるのは不可能であり、またそうすべきではない」

といった言葉をリバモアは残しています。

 

次の章で感情の起伏を抑え忍耐強く待つためには、具体的な方法を考えてみました。

 

 

 

■感情の起伏を抑え忍耐強く待つためには

感情の起伏を抑え忍耐強く待つことが難しいのは、想定外の株式の下落時であろう。

想定内の株式の下落であれば、感情の起伏を抑え忍耐強く待つことも容易であろう。

それでは、株式の下落の想定をどこまですればいいのか。

 

 

世界的な名著「道は開ける 」(D・カーネギー著)

では、悩みやストレスの対策として、

「起こりえる最悪の事態とは何か」

「無得ない場合は、最悪の事態を受け入れて覚悟をすること」

「落ち着いて、最悪の事態を好転させるように努力すること」

をやるべきだと説明されています(パート1.2 悩みを解決する魔術的公式)。

 

株式投資の場合、最悪の事態としては、株価が0円となり、株式の価値が無価値となることです。

『株価が0円となり、株式の価値が無価値となることもあり得る』

と想定しておけば、株価の暴落などで、パニックになりそうな時も、感情の起伏を抑え忍耐強く待つこともできそうです。

 

↓は、とりえあえずマンガ、とっかりはマンガという方へおすすめの本です。

 

 

■ダブルスコープの売り時は

『株価が0円となり、株式の価値が無価値となることもあり得る』

なんて当たり前のこと読むためにこのブログ読んでないぞ。

ダブスコの新しいネタがないのかよ。

という方もいると思います。

売り時の目安など、次のブログあたりで投稿したいと考えています。

■関連ブログ

世界的な名著「道は開ける 」(D・カーネギー著)に関しては、他のブログでも取り上げているので、興味があれば、読んで頂ければ嬉しいです。

 

 

 

 

読んで頂き、ありがとうございました。

誤字脱字、乱文雑文、すいません。

素人が趣味で書いているブログですので、その点を留意して、情報の正確性などご容赦ください。

 

 

 

以 上です。

W-SCOPE -8月、9月の相場は強いかも-

■はじめに

過去の上昇相場から、ダブルスコープの8月、9月の相場は【強気】でいいかもという【我田引水】的な考えを紹介するブログです。

 

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■前回のブログ

前回のブログ(↓)

W-SCOPE -買いは家まで、売りは命まで- - 令和の未来カエルのブログ (hatenablog.com)

できればもう少し理由など示したいですが、

2022年8月:2,000~2,500円

2022年9月:2,500~3,000円

と7月上旬時の予想と変わっておらず、8月に2500円付近ぐらいまで株価は上昇すると考えています。

の示したいとした理由について、紹介します。

 

現状の株価1,870円ですが、8月の株価は2000円を割ることは少なく、2500円位の水準(前回の高値を超える水準)を目指すと考えています。

 

 

 

■2016年の上昇相場

▼2015年1月から2016年12月までの2年間の月足チャート

2015年1月から2016年12月までの2年間の月足チャート

 

2015年の上昇相場の2000円付近の株価の動きを紹介します。

 

●2015年12月30日に終値で2250円、2016年1月4日に場中(取引時間中)に2295円の高値を付けた。

●2016年2月15日に場中1,505円、終値1,652円の安値とつけた。

●2016年3月23日に終値で2450円と12月30日、1月4日の水準を超えた。

 

別の表現すると、

 ● 高値から1か月程度下落して反発しています。

 ● 高値を超えて、再度上昇するまで2.7か月間(2カ月と20日の間)が必要だった。

といった状況でした。

 

 

■2022年の上昇相場

▼2021年7月から2022年7月までの約2年間の月足チャート

2021年7月から2022年7月までの約2年間の月足チャート


2022年の上昇相場の2000円付近の株価の動きを紹介します。

●2022年6月30日場中2,462円、終値で2,271円の高値を付けた。

●2022年7月12日場中1,576円、終値で1,634円の安値を付けた

といった株価の動きでした。

 

2016年1月の月足ローソク足と20227月の月足ローソク足が似ていますが、日足、週足のチャートを見てもよく似ていることがわかります。

2016年1月の月足ローソク足と2022年7月の月足ローソク足

 

2022年7月は、高値から2週間程度、下落して、その後、反発しています。

2016年当時は1か月程度も下落しましたが、下落して、反発した時の株価はだいたい同じです。

 

前回は2.7か月の調整期間が必要でしたが、その半分の今回は1.3か月(1か月と10日)程度の調整期間で終わる可能性があります。

 

もちろん、2016年の上昇相場の調整期間のように、7月の安値を超えて8月さらに下げる可能性もありますが、

 

サムスンSDIの好決算や上方修正、新規事業の開示などの好材料で株価が反発して、一時2000円を超える株価を付けていることから、その可能性は少ないと考えています。

 

そのため、8月12日の中間決算前後には、6月30日の高値を超えて、2500円付近の株価が期待できる可能性が高いと考えています。

 

 

■2020年の上昇相場(コロナショックから反発)と比較しても

コロナショック時に、2020年4月6日に場中で262円の安値を付けています。

その2倍の株価は524円ですが、6月3日に終値567円で越えています。

その3倍の株価786円ですが、6月9日に終値802円で超えています。

その後、この3倍の株価の水準を超えて800円から1000円の株価で横ばい相場(9か月)が続き、その4倍の株価1048円には、翌年2021年1月14日1052円で超えています。

 

今年は2022年3月15日に687円の年間安値をつけています。

その2倍の株価は1,374円ですが、6月3日(偶然同じ日)終値1380円でこえています。

その3倍の株価は2,061円ですが、6月27日 2288円で超えています。

その4倍の株価の水準は、2748円です。

 

直近の安値から3倍を超えた株価は、2倍を超えるとすぐに実現しそうです。

コロナショック時からの反発を考えても、2300円から2500円付近は、8月上旬ぐらいに目指す可能性が高いと考えています。

 

出来高が多い株価水準から2倍(安値から4倍の水準)になると、利益確定の売却も増え、上値をおさえるようです。

 

ちょうど2,000円から2,500円の価格帯は出来高も多いので、その2倍の水準の4,000円から5,000円ぐらいのの株価水準が、3か月から半年程度続くかも知れません。

 

ただし、3,000円位の株価まではそれほど、利益確定の売却も少なく、かつ、「新高値をつけた銘柄を買い、トレンドフォローで、チャートの波に乗れ」という投資手法の人も多いので、2500円を超えたら3000円位の株価は早期に実現すると思います。

 

▼新高値をつけた銘柄を買い、チャートの波になる」という投資手法に関する本

 

 

 

 

 

2500円超えたらオニールの狭いフラッグ実現になりそうです(以下のブログ参照)。

また同じブログで紹介していますが、東証市場の中で常に出来高ベスト10になるぐらい出来高が非常に多い日が続いているの、オニールのいう売り時ではないようです。

 

 

 

 

■2022年9月の株価予想

2500円を超えればトレンドフォローの波になるので

2022年9月:2,500~3,000円

といった株価の予想をしています。


10月以降の株価は、2022/08/12(金)のダブルスコープの中間決算の後に、予想したいと思います。

 

 

■2,500円、3,000円の株価は割高ではない

上場したWCPの時価総額を考慮すれば、2,500円、3,000円の株価は割高でなく、それぐらいの上昇余地はあるという考えは、以下のTwitterの投稿を参考にしてください(前後の投稿も参考にしてい頂けると嬉しいです)。

 

 

 

なお、2022/07/08付 SBI証券アナリストレポートで目標株価 3,250円としています。
業績予想の増額修正後に公表された
2022/07/25付SBI証券のアナリストレポートでも、「(業績期予想の上方修正後でも)下期計画は控えめとSBIは考える」
としながら、目標株価は3,250円のままでした。

 

こういった評価から2,500円、3,000円の株価はそれほど高くなく、需給面、トレンド面(チャートの方向性、出来高の多さ)からも8月から9月に達成する可能性も高いと考えています。

 

ダブルスコープの日足チャート(期間6カ月)

 

 

■リスク

株式投資なので、当然、リスクはあります。

 

ダブルスコープのリスク(悪い話)は、

以下のTwitterの投稿に返信する形でまとめていますので、参考にしていただければと思います。

 

長年の金融緩和の反動で、世界的に株式市場全体もリスクが高い状態だと思っています。

エミン・ユルマズ氏もその著作エブリシング・バブルの崩壊 (集英社学芸単行本)

で、アフターコロナショックみたいな、コロナショックみたいなことが起こりえる可能性(米国株式市場などすでに発生しているという考えもある)もあると思っています。

 

 

また、以下の本のようにEVシフト自体が誤った政策となり、EVがブームで終わり、EVバブルがはじけたといわれるかも知れません。

 

私は、ダブルスコープ自体のリスクより、

世界の経済、景気が急減速する可能性やリチウムイオン電池の業界(原材料などサプライチェーンなどの問題など)、EVシフトの動向にリスクが高いと考えています。

 

■本の紹介

ダブル・スコープに興味を持った方が興味がありそうな本や株式投資で自分の投資成績を上げたい人のための本をいくつか紹介します。

 

株を買うなら最低限知っておきたい ファンダメンタル投資の教科書 改訂版 足立 武志

は、低PERの株の危険性など、文字通り『株を買うなら最低限知っておきたいこと』がコンパクトにまとまっている良本だと思います。

 

著者の足立武志さんは公認会計士の方で、公認会計士のような硬い職業の方がチャート分析の本を書いています。移動平均などチャート、テクニカル的な株価の分析で有用かもと思われる本を紹介します。

 

 

 

 

日本の億万投資家名鑑 日経ホームマガジン

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ビジネスエリートになるための 教養としての投資

ビジネスエリートになるための 教養としての投資

  • 作者:奥野 一成
  • ダイヤモンド社日本人は投資を知らなさすぎる。投資と投機は違う。投資は危険なものではないし、いかがわしいものでもない。資本主義の健全な形態である。投資が盛んになり、優良企業にお金が集まるようになれば、日本の景気もよくなるはずだ。
    農林中金バリューインベストメンツで抜群の実績を上げるCIOが、本来の投資のあり方とその哲学、長期投資のコツ、優良企業の見極め方などを、歴史的な背景や実例を交えながらわかりやすく解説する。
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新取引ルール対応 信用取引の基本と儲け方ズバリ! | 福永 博之 著|  

は、アマゾンのレビューコメントに

信用取引は、現物取引と比べても売買そのものの必要スキルは大して変わりません。覚えるべきはその仕組みだと思います。その仕組みを学ぶには本書はかなりの良書と思います。」

信用取引を始める前には必読だと思う。読めば勝てるようになるコツは載ってないが、読まずに取引するのは危険。

とあり、信用取引の仕組み、用語など基本を理解して、リスクを小さくしたい人には、良書のようです。

 

 

市場サイクルを極める 勝率を高める王道の投資哲学

 

機関投資家だけが知っている「予想」のいらない株式投資法
機関投資家だけが知っている「予想」のいらない株式投資法
  • 作者:泉田 良輔
  • ダイヤモンド社
  •  世界の一流は将来に投資をしない過去を知ることが相場を制する条件!プロの銘柄選択ノウハウを簡略化「スクリーニング」5つのポイント
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読んで頂き、ありがとうございました。

誤字脱字、乱文雑文、すいません。

素人が趣味で書いているブログですので、その点を留意して、情報の正確性などご容赦ください。

 

 

 

以 上です。

W-SCOPE -買いは家まで、売りは命まで-

■はじめに

7月は空売り勢に対して【引き分け】といった印象の株価でした。

ダブルスコープの売り禁規制解除後、三井松島HDの例などを参考に8月以降の株価を予想するブログです。

 

▼目 次

 

 

■7月9日の予想

↑は、2022年7月1日の先週の終値2,234円から、7月8日の今週の終値1,673円
と週間で-561円、-25.11%と大きく下落した当時のブログです。

2022年7月:1,600~2,000円
2022年8月:2,000~2,500円
2022年9月:2,500~3,000円
位の株価の推移が期待できるのかもという願望も込めた推測です。

と予測を示しましたが、その後
7月の株価は、
始値 1,704(07/11)、 終値1,870 (07/29) 高値2,054(07/26)    安値1,576(07/12)
とだいたい予測通りの株価に推移しました。

 

7月の終値は、2000円近くで株価で終わると思っていたので、やや株価は予想より低調でした。 

その原因の一つに、売り禁規制解除の後の空売りがあります。

 

■売り禁規制について

売り禁規制とは、証券金融会社(現在は日本証券金融日証金のみ現存)が行う信用取引の申込停止措置で、新規の信用売り(カラ売り)および信用買いの現引きが禁止される措置。一般的に、信用買いに対して信用売りが極端に増え、日本証券金融が、株券の調達が困難に陥った場合などに行われます。

 

売り禁に関する格言に、「売り禁に買いなし」という言葉があります。売り禁になるほど空売りされている株は強い悪材料があり、みんなが値下がりを予想しているからで、買っても値上がりは期待できない、という意味です。

また、売り禁規制中は、売りが減るので、一時的に株価が上がることも多いようです。

 

一般的には、「売り禁に買いなし」ですが、ダブルスコープの場合はどうですか。

 

■ダブルスコープの売り禁規制解除後の動き

ダブルスコープは、2020年6月5日から6月30日に売り禁規制になっています。

 

株価日付 株価 信用残高日付  売り残株数 売り残比率

2020年6月 5日 670円 6月5日 1,899,200 4.18% 売り禁規制開始

2020年6月30日 797円 6月26日 1,101,100 2.42% 売り禁規制終了

2020年7月31日 675円 7月31日 1,456,400 3.20%

2020年9月30日 722円 9月25日 1,194,500 2.63%

2020年10月30日 696円 10月30日 1,086,700 2.39%

2020年11月30日 786円 11月27日 904,500 1.99%

2020年12月30日 940円 12月25日 868,000 1.91%

 

売り残比率は、発行済株式数 45,456,600を分母に計算(発行済株式数は2020年12月期有価証報告書より)。

 

上記のデータにように、2020年6月の売り禁規制のときは、売り禁規制後、4カ月間程度株価が下がっています。

 

●2020年4月の終値は364円(コロナショック時の安値は262円)で、この時も1か月程度で約2倍と急上昇しています。

●株価が670円の時、2020年6月5日に売り禁規制の対象となりました。この時の売り残の比率は4.18%です。

●売り禁規制解除時の2020年6月30日の株価は797円で、売り残の比率は2.42%です。売り禁規制中は株価が上昇しています。売り残の比率は大きく減っています。

●その後、4カ月間程度、株価は下落低迷して、売り禁規制時の株価の水準を超えるのは、売り残が2%以下と減った2020年12月です。

といった状況でした。

6619 ダブル・スコープ(株)|増担保規制|株式@hayauma.net

売り残の数字は、上記のサイトを参考にしています。

■6月22日から7月21日の売り禁規制解除後は

同じように考えると、売り禁規制解除後、空売りが増え、4カ月程度、株価は下落低迷する可能性もあります。

 

今回は、2022年6月22日から7月21日に売り禁規制になっています。

株価日付 株価 信用残高日付  売り残株数 売り残比率

2022年6月22日 1,780円 6月24日 4,812,800 8.83% 売り禁規制開始

2022年7月21日 1,690円 7月21日 4,274,300株7.75% 売り禁規制終了

2022年7月29日 1,870円 7月28日 5,613,300株 10.18%

(発行済株式数 55,140,600)

東京証券取引所が毎週第2営業日(火曜日)の16:30を目安に掲載する
「銘柄別信用取引週末残高」の残高を利用しています(株式投資情報サイトなどが利用しているものと同じです)。

 

●2022年4月の終値958円から、5月終値1,125円を経て、2倍程度上昇して、1,780円の時、2022年6月22日に売り禁規制の対象となりました。

 

ここまでは前回と似ています。

●売り禁規制対象になった6月22日の株価は1,780円で、売り残比率は8.33%です。

●売り禁規制解除になった7月21日の株価は1,690円で、売り残比率は7.75%です。

売り残の比率は減っておらず、売り禁規制中も株価が下落しています。

●2022年7月29日には株価は1,870円と売り禁規制解除の株価を大きく超えています。

●2022年7月28日 5,613,300株 10.18%と売り残も増えていますが、空売り勢がかなり苦戦していることがわかります。

 

空売りで収益を狙っている大口の機関投資家からすれば、

●上昇すれば空売りを増やして、株価に蓋をする。

●株価が下げていき、悪材料で株価が下がったときに、さらに空売りを増やす。

●短期の投資家が損切を売る、もしくは、パニック売りで大きく値を下げたときに、買い戻す戦略だと思います。

 

2022年7月27日のWCP上場延期の報道で一時ストップ安で下げたときは、まさに大口の機関投資家の戦略通りだったと思います。

 

ただ、上場延期について、「8月でなく、WCPの業績(予想)の発表後の9月に」という正式な開示がでて必ずしも悪材料でないことが確認されました。

その後、買い戻しのせいか、サムスンSDIの良好な決算が好感されたのか、株価は1,870円と先週比で+124円、+7.1%と堅調です。


現状の空売り残の比率から考えると、さらに空売りを増やして、株価の下落を誘発させるのは難しいでしょう。いわゆる踏み上げ、ショートスクイーズが起こる可能性がありそうです。


空売りは、理論的には発行済み株式数100%も可能ですが、実際には株を借りて、買い戻す形になるので、貸株の数だけしか売れません。後述する三井松島の例も考えると、空売り残の比率 10%程度が限界なのかもしれません。

 

■Integrated Core Strategies (Asia) Pte. Ltd.について


ダブルスコープの空売りの最大の残高を持つのは、Integrated Core Strategies (Asia) Pte. Ltd.という会社です。2022年6月24日 2.2% の空売り残を報告し、その後2022年7月21日で最大5.37%と空売り残を増やし、7月27日に、5.16%(-0.21%)と減らしています。

 

2022年7月21日時点で、25日移動平均価格が1823円のため、平均すると、このぐらいの価格で空売りしていると思います。

 

空売り残が減ったのは、2022年7月27日の一時ストップ安(安値1,594円)まで下げたときに、買い戻した可能性が高そうです。

ただ、これ以上、空売り残を増やすことが難しいことも示してそうです。

 

Integrated Core Strategies (Asia) Pte. Ltd.は、現物株の在庫のヘッジで空売りしているのでなく、純粋に収益目的で空売りしている機関投資家のようです。

 

以下のサイトで会社の概要や空売り手法を解説しています。

●上昇すれば空売りを増やして、株価に蓋をする。

●株価が下げていき、悪材料で株価が下がったときに、さらに空売りを増やす。

●短期の投資家が損切で売る、もしくは、パニック売りで大きく値を下げたときに、買い戻す手法のように、

といった典型的なな空売り機関投資家という印象です。

 

インテグレイテッド・コア・ストラテジーズの空売り手法とは?|投資の知識 | 株の本を100冊読んでみた

 

Integrated Core Strategies (Asia) Pte. Ltd.
空売り残は以下のサイトを参考にしています。

6619 ダブル・スコープ | 空売り残高 - Integrated Core Strategies (Asia) Pte. Ltd.

 

 

■三井松島HDの踏み上げ相場の再来も

 

「踏む」とは、信用取引で売った人が、株価が上昇している状態であるにも関わらず、損を覚悟で買い戻すことをいいますが、「踏み上げ」とは、この買戻しにより株価がさらに上昇することを意味します。踏み上げは、ショートスクイズ(英: short squeeze)とも呼ばれます。

 

三井松島HDが急反発、石炭火力発電見直しで外資経由のショートカバー誘発 投稿日時: 2022/07/19 10:08[みんかぶ] - みんかぶ

株式需給面では、ここ外資系証券経由の空売りが高水準でその買い戻し圧力が株価に浮揚効果を与えている

といった記事のように、最近では三井松島に踏み上げ相場が発生しています。

空売りする機関投資家も絶対でもないので、失敗することもあります。

 

株価日付 株価 信用残高日付 売り残株数 売り残比率

2022年3月7日 2,169円 3月4日 1,342,800株 10.27%

2022年4月6日 1,892円 4月8日 545,700株 4.17%

2022年6月3日 2,899円    6月3日 292,400株 2.23%

2022年7月29日 3,215円 7月22日 1,410,200株 10.79%

上記データは三井松島HDの株価や売り残の推移です。

 

2022年3月7日    から4月6日と2022年5月17日から6月3日、売り禁規制となり、最近7月22日から再び売り禁規制になっています。

今年の3月の売り禁規制解除後から69%、6月の売り禁規制解除後から10%も株価は上昇しています。

3月の売り禁規制発動時には、空売り残の比率は10%を超えていましたが、その後、6月3日の2.23%まで下げています。

 

ダブル・スコープも空売り残の比率も10%を超えています。三井松島HDの踏み上げのような相場が再来するかもしれません。

 

▼三井松島HDの6カ月日足チャート

三井松島HDの6カ月日足チャート

 

テスラ株の空売り投資家に1380億円超の損失か、好決算受けた上昇で - Bloomberg

21日の米株式市場で米電気自動車(EV)メーカー、テスラの株価は好決算を受けて約10%上昇したが、これによって一つの注目すべき負け組が生まれた。同社株の下落に賭けるトレーダーだ。

 テスラは世界で最も空売りされている株式で、浮動株の3%近くを空売りポジションが占める。S3パートナーズは空売り投資家の21日のテスラ株上昇に伴う損失が時価評価で10億ドル(約1380億円)余りに上ると推定。S3によると、今月に入ってからの損失は26億7000万ドルとなる。

ダブルスコープも、日本で最も空売りされている株式の一つといえます。

テスラに空売りしている投資家の戦略はわかりませんが、EV、電池関連の企業の業績を過小評価している人が多いのかもしれません。

 

 

■買いは家まで、売りは命まで

『買いは家まで、売りは命まで』という格言があります。

信用取引で買って失敗すると、家を売らざるを得なくなるほど大損する、そして信用売り(空売り)で失敗すると、家どころか命まで奪われるほどの損失を被る危険性があると説いています。

信用買いの場合、最大損失はレバレッジを着させているとはいえ、投資総額が最大です。 一方の空売りの場合、株価に天井はないため、投資総額以上の損失が出るリスクも多々あります。

 

実際に命まで奪われることはないと思います。

ただ、余計なお世話だと思いますが、ダブルスコープに空売りしている人がいたら、今が損でも早めに買い戻し(損切り)した方がいいように思います。

 

 

 

■8月以降の株価の動きについて

できればもう少し理由など示したいですが、

2022年8月:2,000~2,500円

2022年9月:2,500~3,000円

と7月上旬時の予想と変わっておらず、8月に2500円付近ぐらいまで株価は上昇すると考えています。

 

 

■ 2023年1月1日追記

▼ダブルスコープの売り禁規制解除の解説-令和の未来カエルのチャンネル(Youtube) 

youtu.be

令和の未来カエルのチャンネル(Youtube)

で、このブログ記事の解説や2022年12月30日からの売り禁規制解除で、株価は上がるのか、下がるのか、過去の事例や空売り機関の手口などを紹介しています。

■ 2023年1月2日追記

▼ダブルスコープの売り禁規制解除の解説その2-令和の未来カエルのチャンネル(Youtube)

 

空売り残の分析
空売り機関の戦略
● 株価が下がる要素 VS 上がる要素
売り禁:空売りの多さ VS 空売りの買戻し(が発生する株価)
株価の先行性:Li電池の悪材料・逆風 VS 織り込み済み・悪材料出尽くし
  -悪そうなやつはだいたい友達- 
買い残:買い残の多さ・信用売りの再開 VS 制度信用の現引き可能に
といった話をしています。

#ダブスコ

■本の紹介

このブログを読んだ方(ブログの中で紹介し本も含む)が興味を持ちそうな本をいくつか紹介します。

 

■このブログの記事に興味を持った方へ

ダブル・スコープに興味を持った方が興味がありそうな本や株式投資で自分の投資成績を上げたい人のための本をいくつか紹介します。

 

新取引ルール対応 信用取引の基本と儲け方ズバリ! | 福永 博之 著|  

は、アマゾンのレビューコメントに

信用取引は、現物取引と比べても売買そのものの必要スキルは大して変わりません。覚えるべきはその仕組みだと思います。その仕組みを学ぶには本書はかなりの良書と思います。」

信用取引を始める前には必読だと思う。読めば勝てるようになるコツは載ってないが、読まずに取引するのは危険。

とあり、信用取引の仕組み、用語など基本を理解して、リスクを小さくしたい人には、良書のようです。

 

 

 

株を買うなら最低限知っておきたい ファンダメンタル投資の教科書 改訂版 足立 武志

は、低PERの株の危険性など、文字通り『株を買うなら最低限知っておきたいこと』がコンパクトにまとまっている良本だと思います。

 

著者の足立武志さんは公認会計士の方で、公認会計士のような硬い職業の方がチャート分析の本を書いています。移動平均などチャート、テクニカル的な株価の分析で有用かもと思われる本を紹介します。

 

 

 

 

 

 

 

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読んで頂き、ありがとうございました。

誤字脱字、乱文雑文、すいません。

素人が趣味で書いているブログですので、その点、情報の正確性などご容赦ください。

 

 

 

以 上です。