■はじめに
つばめ投資顧問栫井 駿介(かこい しゅんすけ)氏のダブルスコープの評価を私が評価する記事です。
つばめ投資顧問栫井氏が語る「想像力を働かせられない人は、そもそも投資には向いてない」の意味についても、解説しています。
▼目次
- ■はじめに
- ■悪名は無名に勝る
- ■ダブル・スコープ 連続ストップ安の裏側
- ■想像力を働かせたINPEXキャッシュフロー分析
- ■ダブルスコープの技術の評価する 栫井氏の想像力
- ■ダブルスコープの技術力
- ■つばめ投資顧問 栫井 駿介氏の想像力(悪名は無名に勝る)
- ■つばめ投資顧問 栫井 駿介 氏の著書
■悪名は無名に勝る
『悪名は無名に勝る』という言葉があります。
世に知られるきっかけが悪名、悪評であったとしても、まるで世に知られていない状態よりはずっとよい、無名よりは悪名高いほうが何かと有利である、といった意味です。世に知られることの重要さや困難さを示唆する言葉といえます。
ここ半年、ダブルスコープの株の上昇下落で、良くも悪くも日本の株式市場やTwitterで話題になりました。
中には悪名、悪評もあると思います。
ただ、悪名は、悪名の根拠が誤解であれば、その誤解を解くことがで、いい評価に変えられます。
無名より悪名の方が、高評価、好評価、有名にさせることが簡単なのかもしれません。
他人の批判はできるだけ避けたいですが、ダブルスコープの誤解を解く意味で、つばめ投資顧問栫井氏のダブルスコープの評価について、批判(評価)させてください。
■ダブル・スコープ 連続ストップ安の裏側
つばめ投資顧問 栫井 駿介 氏が、2022年9月23日に『ダブル・スコープ 連続ストップ安の裏側』というタイトルのYoutube動画を配信しています。
9月23日は、9月16日・20日・21日の3連ストップ安を経て、株価が終値で1,319円の時です。なお、現在12月2日終値で1768円(紹介時の株価比で、プラス449円・プラス34%)です。
動画(↑)の内容は↓のように記事化もされています。
栫井氏は記事の中で、
想像力が足りない人は、投資に向かない
何より想像力です。
自分がこの取引を行ったらどうなるのか?
この会社はこれからどうなるのか?という想像力を働かせられない人は、そもそも個別株の投資には向いてないと思います。
と想像力の大切さを語っています。
私はこの方は、本当に想像力が豊かな方かなだと『改めて』思いました。
■想像力を働かせたINPEXキャッシュフロー分析
栫井氏は、『何より想像力です。』と想像力の大切さを力説するだけあって、想像力がとても豊かな人のようです。
2021年10月24日に、INPEXについて、「原油価格高騰でINPEX買いか」というタイトルで、動画と記事を配信しています。
上記記事の中では最後に、『石油関連で長期で持つなら、以前解説したエネオスなどの銘柄をおすすめします。』と石油採掘企業INPEXより、石油精製企業(石油元売)のエネオス(ENEOS)が買いという結論になっています。
実際の株価の動きは真逆です。↓はINPEXとENEOSの直近1年間(2021年12月7日から2022年12月2日)の株価の動きです。
なお、記事配信直前の株価は、2021年10月22日終値 INPEX976円、ENEOS465円で、
現在の株価は、INPEX1497円(プラス521円 プラス53% ) ENEOS 457円(マイナス8円 マイナス1%)です。
実際の株価の動きは、石油精製企業(石油元売)のエネオスより、石油採掘企業INPEXが買いという話でした。
株価は多くの理由で変動するので、株価が下がっていたから栫井氏の分析が間違っていたとは言えません。
ただ、企業会計の原則、INPEXの開示資料と違う内容を、栫井氏が想像力を働かせて事実のように思い込み、それを理由にした分析なら、間違いだと言えます。
キャッシュフローを見ても、一方では採掘を続けなければならないので緑の投資キャッシュフローはどうしてもマイナスが大きくなってしまいます。
とINPEXのフリーキャッシュフローが悪い理由を説明しています。
採掘を続けるための費用は、営業キャッシュフローなので、投資キャッシュフローとは関係ありません。
これは、キャッシュフロー計算書、キャッシュフロー計算書の根拠資料となる損益計算書を見ればわかります。
損益計算書では、採掘費用は売上原価に含まれていますし、探鉱費とよばれる既存の油田・ガス田の坑井の掘削費用等、探査活動への費用(投資)は、販売管理費と同じく、費用計上されており、投資キャッシュフローとは関係ありません。
新規の油田・ガス田権益取得は、投資キャッシュフローはマイナス要因になりますが、採掘を続けるためだけであれば、投資キャッシュフローのマイナス要因になりません。
探鉱投資
原油及び天然ガスを発見するための坑井の掘削費用等、探査活動への投資。探鉱投資は、非常にリスクの伴う投資であるため、当社においては、その成果に拘わらず、作業発生時に「探鉱費」、「生産物回収勘定引当金繰入額」などの費用処理をしております。
この費用は、期中に全額計上しており、当期利益にも反映されます。営業キャッシュフローはこの当期利益から原価償却費を加算、配当や利息を減算します。
上記のようなことは営業キャッシュフロー、投資キャッシュフローの意味を理解していて、INPEXの有価証券報告書を読めばわかります。
想像力が強い栫井氏は、有価証券報告書と違う内容を、その強い想像力を働かせて『採掘費用は、投資キャッシュフローのマイナス要因だ』と事実と違う内容を創作したのかも知れません。
この動画を当時見たときも、この人は想像力が強い人だなと感心しました。
本当に想像力が豊かな方かなだと『改めて』思いました。
と記載していますが、『改めて』というのはそういう意味です。
Twitterで以下のようなやりとりがありました。栫井氏が何に対して、『申し訳ありません』と言っているのか不明ですが、この採掘費用の話かも知れません。
つばめ投資顧問は
— たーちゃん@バブルおじさん (@yhdgj675) 2022年4月15日
INPEX(左)をハイリスクだから投資不適格として
ENEOS(右)をキャッシュフローの安定から投資対象として良いとしていましたね。
そもそもINPEX のデューデリジェンスが採掘コストの考え方を理解してなくて間違っていましたが。 pic.twitter.com/NOdZTDMv3m
申し訳ございません。
— 栫井駿介(つばめ投資顧問代表) (@tsubame104) 2022年4月15日
私に対して謝る必要はありません。
— たーちゃん@バブルおじさん (@yhdgj675) 2022年4月15日
お金を払ってくれているお客様に対して出鱈目な分析をしてしまったと謝るべきだとは思いますが。
■ダブルスコープの技術の評価する 栫井氏の想像力
特に技術的な強みを持っているわけでもないと思われますから、今EVに対する需要、リチウムイオン電池に対する需要がたまたま盛り上がっているから、そこに一番最後発ながらうまく入り込めたというところがあります。
一方で技術的な優位性に関しては、技術の話なので、私はもちろん分からないところもあります。
しかしそれがついているような技術が見られず、あくまで価格競争を安く納入できるから採用されている側面がまだあるのかなというところがありました。
と栫井氏は語っています。
『技術のことは分からないが、技術的な強みと思われる。また、技術のことはわからいが、優勢性のある技術は見られない。』
という評価を栫井氏はしています。
『技術のことは分からないので、技術的な強みはわからない。また、技術のことはわからず、優勢性のある技術はわからない。』とするのが、論理的な思考方法ですが、栫井氏は論理的な思考方法より、独創的な想像力を大事にする人なのかも知れません。
また、『価格競争を安く納入できるから採用されている』と想像しています。
■ダブルスコープの技術力
まず、ダブルスコープは技術的な強みはある、優位性があるという意見を紹介しておきます。
▼ダブルスコープの韓国連結子会社のW-Scope Chungju Plant の直近2022年3Q四半期報告書(原文の韓国語を筆者が翻訳)
当社※は、湿式分離膜およびコーティング分離膜の生産に対して高い技術力と安定性を持っています。また、当社は世界最大5.5m幅の製造設備の 生産技術を確保し、競合他社(2.5m~4.5m) に比べ単位時間当たりの生産量が最も高いです。延伸のためのロス部分を切り出すトリミング比率が低く、競合他社(同時延伸方式)に比べ有効面積が優れた技術力を保有しています。当社の分離膜はその品質を認められ、国内のトップティア電池メーカーに 二次電池分離膜を供給しています。
※筆者注記:ここでいう当社はWCPの意味ですが、ダブルスコープも同様の技術力を持っていると考えて支障はないと考えます。
栫井氏とWCPの中の人のどちらが、技術性優位性があるか判断できるか私はわかりませんが、すくなくとも上記報告書に、『当社は技術のことはわかりませんが』といった栫井氏のような自信がなさげな表現はありませんでした。
栫井氏の記事執筆当時は、上記の報告書は開示されていませんでしたが、ダブルスコープの2022年2Qの決算は報告されていました。
栫井氏は『価格競争を安く納入できるから採用されている』と想像していますが、
2022年2Q単独の営業利益率:20.50%、経常利益率: 26.33%
という数字です(↓のブログ参照)。
製造業で、20%を超える利益率の会社を、『価格競争で安く納入できる』という表現が適当でないと思います。
もし、価格競争で安く納入できるというの表現が適当でも、それで利益率が20%を超えていたら、低コストが製造できる技術は、技術と考えないのでしょうか。
栫井氏は、製造業について、全く理解していない人のように私は思いました。製造業に多少関与している人なら、製造コストの削減、低コストで製造できる技術がどれだけ重要かわかると思います。
■つばめ投資顧問 栫井 駿介氏の想像力(悪名は無名に勝る)
つばめ投資顧問は、入会金3万円、通常の月会費だと1万5千円、年間会員プランの年会費は11万円の有料会員向サービスがあり、こちらでも推奨銘柄の紹介などをしています。
有料会員との差別化のため、無料のコンテンツは質を落としているのかも知れません。
『悪名は無名に勝る』作戦で、無料コンテンツで悪名で知名度を上げて、有料コンテンツへの入会者を増やす作戦かも知れません。
想像力が豊かな栫井さんなら、そんな作戦も考えそうです。
■つばめ投資顧問 栫井 駿介 氏の著書
せっかくなので、そんな想像力豊かなつばめ投資顧問 栫井 駿介 氏の著書を紹介します。
高額な会費の前に、著書の内容を理解して、有料会員向のサービスの内容を想像力を働かせて検討するのがよさそうです。
読んで頂き、ありがとうございました。
誤字脱字、乱文雑文、すいません。
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#ダブル・スコープ6619