自治体の行政あるあるかも(『地方を食いつぶす「税金フリーライダー」の正体 タカリと粉飾の日本病』を読んで)

 

京都市の課題は日本の市町村の課題かも】

 

『地方を食いつぶす「税金フリーライダー」の正体 タカリと粉飾の日本病 (講談社+α新書)』

 

という本は京都市議会議員から京都市という地方自治体の行政の問題提起をしている本です。

著者の村山祥栄さんは、現職の京都市議員、過去に京都市長選に立候補し、『京都・同和「裏」行政──現役市会議員が見た「虚構」と「真実」』という著書もあります。

京都市役所の部局の一つで、主にゴミの収集を行う部署である京都市環境局(現・京都市環境政策局)で1973年から2000年まで選考採用枠(同和枠)によって、部落解放同盟や全国部落解放運動連合会などの同和団体が推薦する者を大量に採用してきた問題が全国的にニュースになって注目を浴びましたが、京都市は、共産党が強いせいか、公平な効率的な行政というより、弱者保護の名をもとに不効率な行政が行われていて、同和行政に限らず、他の市政も問題が多いのかもしれません。

 

 

 

【議員の責任は】

第三章で、浸水被害が排水ポンプの操作を怠った委託業者、その管理監督を怠った市の怠慢、人災だったと非難していますが、行政の監視と指導が、議会、議員の仕事であれば、議員としての責任はあるはずで、その点の反省など感じられなかったのが少し残念でした。 

天災が発生すると、人災として行政を非難する議員がよくみかけますが、議会の仕事が行政の監視、指導であれば、議会、議員も非難されるべきで、議会の仕事が不十分だったことへの反省を感じることはありません。

 

【各章毎の要約】

以下に各章毎に要約をつけています。

この本の中の京都市の課題は、大小の差はあるが、どこの自治体でもあるような共通の課題でしょう。自分が住んでいる自治体の課題などを調べるときに参考になるかもしれません。

 
【はじめに】

議員の仕事は立法と行政のチェックと改善、地方自治体の課題の改善に著者は議員として取り組んでいる。

【序章 自治体破綻の真実】

京都市は公債(借金)を返すための貯金といえる公債償還基金を取り崩して、財政運営をしているという状態で、
夕張市のような財政再建団体となる可能性、いわゆる破綻する可能性もゼロではない。

【第一章 「人件費」が財政を食いつぶす】

 特殊勤務手当などの手当、職員OBの天下り関連団体、昇格しなくても昇給する給与体系、海外視察や政務調査費などの議員特権など、自治体の人件費(議員や関連団体への費用も含め)は高額で無駄が多い。

【第二章 誰も責任を取らない赤字の先送りー土地開発公社

 公営住宅、公園、道路のための土地を自治体の代わりに購入、保有する土地開発公社が、赤字、借金を抱え、無駄な利息を払っている。また、保有地が不正占拠、不正利用の事例も紹介している。

【第三章 大本営発表を疑え】

 京都市は、ボヤ(小火)を火事として計上せず、「日本一火事が少ない」とアピールしていたり、留守居は確認せずに設置済みにして「火災警報地設置率」を実際より高い数字にしていたり、自治体の統計、調査の数字が信ぴょう性がない。

【第四章 続・終わらない同和行政】

 旧同和地区には市営住宅、市営浴場、公民館などの過剰な公共施設の設定、運営、奨学金返済の市負担、同和関連団体への補助金など、同和行政への不公正な支出はまだ実施されている。

【第五章 改革に例外なし 徹底してやるべし】
 明治時代の遺物といえる計量検査所、府と市の二重行政の消防学校、雨水貯留施設への補助金、家あまり空き家問題の現在における公営住宅の新設、生活保護費の不正受給、朝鮮総連への固定資産税の減免など改革すべき対象は多い。

【終章 地方が生き残るために】
 小さな漁村が世界的な観光都市、金融都市になったドバイの先例に学び、都市の競争力を高める改革が必要だ。

 

【改めて、本の紹介です。】

 

 

『地方を食いつぶす「税金フリーライダー」の正体 タカリと粉飾の日本病 (講談社+α新書)』– 2015/2/20 村山 祥栄 (著)

内容紹介
「同和行政」の闇に単身斬り込み、センセーションを巻き起こした村山祥栄・京都市議が再び「触れてはいけないタブー」に迫る! 巨額な人件費と不明朗な手当、粉飾され続ける過去の事業の大赤字、信頼できない公表データや数字、しがらみだらけの不明瞭支出……お役所の奥深くで進行する恐るべき事態の数々。人口減少の前に、お役人文化によって地方の破綻はやってくる。この国を破綻させる「日本病」を白日の下にさらす!


「安全な場所で格好をつけるのが『改革』ではないと、吉田松陰と村山祥栄は知っている。」──藻谷浩介氏(『デフレの正体』『里山資本主義』著者)、推薦!

京都市の「同和行政」の闇に単身斬り込み、センセーションを巻き起こしたベストセラー『京都・同和「裏」行政』の著者、村山祥栄・京都市議が再び「触れてはいけないタブー」に迫る!
巨額の人件費、給与額に迫るほどの「不明朗な手当」、粉飾され続ける過去の事業の大赤字、信頼できない公表データや数字、しがらみにどっぷりつかった不明瞭支出……一般市民が知らない、お役所の奥深くで進行する恐るべき事態の数々。人口減少の前に、お役人文化によって地方の破綻はやってくる。
この国を破綻させる「日本病」を白日の下にさらす、いま必読の1冊。

内容(「BOOK」データベースより)
ほとんどの職員は一生懸命真面目に働いている。しかしいつの世も、悪貨は良質を駆逐する。税金・公金にタカり、フリーライド(タダ乗り)し、粉飾行為を働く一部の不良職員によって善なる議員まで否定されるハメになる。だから、悪貨は駆逐しなければならない。みずから歩いて集めた、呆れ返るような、“トンデモ事件”が満載。一部テレビ報道で明らかになった、全国が抱える第三セクターの負債、時代に逆行する公務員給与の引き上げ、生活保護の実態などなど、ベストセラー

『京都・同和「裏」行政 現役市会議員が見た「虚構」と「真実」 (講談社+α新書)』

でセンセーションを巻き起こした現役市会議員が再びタブーに切り込む問題作!!

 

 

 

著者について
村山 祥栄
村山祥栄(むらやま・しょうえい)
1978年、京都府に生まれる。15歳のとき、政治に命をかけず保身に走る政治家の姿に憤りを覚え、政治家を志す。衆議院議員秘書、リクルート(現リクルートホールディングス)勤務を経て、25歳の最年少で京都市議に初当選。唯一の無所属議員として、同和問題をはじめ京都のタブーに切り込む。変わらない市政を前に義憤に駆られ、市議を辞職。30歳で市長選へ挑戦するも惜敗。大学講師など浪人時代を経て、地域政党・京都党結党。現在、党代表、市議3期目。
主な著書には『京都・同和「裏」行政』(講談社+α新書)、『地域政党』(光村推古書院)などがある。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
村山/祥栄
1978年、京都府に生まれる。15歳のとき、政治に命をかけず保身に走る政治家の姿に憤りを覚え、政治家を志す。衆議院議員秘書、リクルート(現リクルートホールディングス)勤務を経て、25歳の最年少で京都市議に初当選。唯一の無所属議員として、同和問題をはじめ京都のタブーに切り込む。変わらない市政を前に義憤に駆られ、市議を辞職。30歳で京都市長選へ挑戦するも惜敗。大学講師など浪人時代を経て、地域政党・京都党結党。現在、党代表、市議3期目(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

 以上です。