「反面取材」と「裏付確認を取材」を徹底していないNHK(林原 破綻の特集番組で)

 『破綻──バイオ企業・林原の真実 』林原 靖 (著)という本に、『NHKは「反面取材」と「裏付確認を取材」を徹底していないNHK』という章を割いて、著者はNHKを批判しています。

 

■『林原の破綻・不正経理の実態に迫る』というNHK岡山地方版の番組

 2012年2月に放送された『林原の破綻・不正経理の実態に迫る』というNHK岡山地方版の三日連続の特注番組で、NHKは、「反面取材」と「裏付確認を取材」を徹底せず、事実と違う報道、簡単に言うと嘘の報道をされたと著者は訴えています。


■NHKが初めて入手した極秘情報

 番組の中で「NHKが初めて入手した極秘情報」として紹介した情報は、林原の外部調査委員会の報告書で、マスコミなどに公開されている情報だったということです。

 かわいい嘘ですが、嘘はいけませんね。

 

株式投資による三十数億円の損失

 「専務(著者)が主導した株式投資により三十数億円の損失を会社に与えた。」と報道されています。当事者本人に全く、心当たりがなかったことのようです。強いて言うと、会社が古くから所有していた株で評価が下がった株を、節税目的で売却、損出しをしていた事実を、専務(著者)が主導した株式投資により三十数億円の損失と表現していたようです。

 専務が株式の購入を主導していたなら別ですが、以前から所有していた株式を専務が売却することが、「専務(著者)が主導した株式投資により三十数億円の損失を会社に与えた。」と表現するのは、バランスの欠いた表現です。

 

■NHKは放送法 第四条を守っていない。

 

(国内放送等の放送番組の編集等)
第四条 放送事業者は、国内放送及び内外放送(以下「国内放送等」という。)の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。
一 公安及び善良な風俗を害しないこと。
二 政治的に公平であること。
三 報道は事実をまげないですること。
四 意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。

 林原 破綻の特集番組でも、NHK放送法 第四条を守っていなかったようです。『意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること』という放送法の趣旨から、少なくとも、事件の当事者の意見や情報を、番組で紹介する、番組内容に反映させることは必要ではと私は思いました。

 

■本の紹介

 

『破綻──バイオ企業・林原の真実』 2013/7/24 林原 靖 (著)

内容紹介
敗軍の将、兵を語る

“バイオの雄"として名を轟かせてきた岡山の世界的優良企業「林原」が、
突然、会社更生法を申請したのは2011年2月。
黒字を計上し続けてきた優良企業に何が起こったのか?
社長急逝が引き起こした混乱と反乱、
スキャンダルを境に失速、
襲いかかった銀行、弁護士、マスコミと弁済率93パーセントの不可思議な倒産——
専務取締役として渦中に身を置いた著者が
「不可解な破綻劇」の真実を語る!

内容(「BOOK」データベースより)
岡山の世界的優良企業「林原」は、なぜ潰されたのか!?弁済率93%の倒産の不可思議!?敗軍の将、兵を語る

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
林原/靖
1947年、岡山市生まれ。1969年、林原株式会社に入社。1978年、取締役経理部長就任。総務、人事、システム、広報、関連事業、各部長兼務。1985年、株式会社林原など基幹四社の専務取締役に就任。2000年、太陽殖産社長に就任。兼務の本体専務として管理、生産、営業、国際、関連子会社もあわせて管掌。2011年2月、会社破綻ですべての役職を辞任、今日に至る。2013年4月より(非営利)グローバル・リサーチ・アソシエイツ代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

以上