オーナー経営者はハイリスク(『破綻──バイオ企業・林原の真実 』林原 靖 著を読んで)

 

以前は会社ごとの肩書を刷り込んだ英語と日本語の名刺を使い分けていたが、いまはそのすべてを処分させられ、使うあてのない、名前と連絡先だけのぺらぺらの薄紙を手作りで用意している。 「お名刺をいただけますか?」と言われ、手渡すときの惨めさといったら。

 

『破綻──バイオ企業・林原の真実 』林原 靖 (著)という本を読んで、一番、印象に残った一説です。

 

■オーナー経営者はハイリスク

著者は岡山の地方財閥の一族として生まれ、株式会社林原など基幹四社の専務取締役や関連会社の社長を務め、地元の名士、優秀なベンチャー経営者と評価されていた人ですが、会社が破綻すると、私財も提供し、名刺も買えないような状況になるのです。

 

オーナー経営者は、事業が破綻すると、刑事責任も追及される可能性もあり、かつ、私財提供も求められ、失うものがあまりに多いということを改めて感じます。

まさに、ハイリターンです。

『ハイリスク、ハイリターン』という言いますが、リスクに見合うほどのリターンが、オーナー経営者にあるのか、疑問に感じました。

オーナー経営者本人一人、もしくほその家族が使えるお金というのは限られてて、人が幸福を感じるかは、収入や資産の有無にそれほど影響しないので、金銭的なリターンはそれ程、意味がないのかもしれません。

大事なのは、事業の成功、失敗も賞賛、評価する文化が社会に必要だと思います。

 

 

■本の紹介

 

『破綻──バイオ企業・林原の真実』 2013/7/24 林原 靖 (著)

内容紹介
敗軍の将、兵を語る

“バイオの雄"として名を轟かせてきた岡山の世界的優良企業「林原」が、
突然、会社更生法を申請したのは2011年2月。
黒字を計上し続けてきた優良企業に何が起こったのか?
社長急逝が引き起こした混乱と反乱、
スキャンダルを境に失速、
襲いかかった銀行、弁護士、マスコミと弁済率93パーセントの不可思議な倒産——
専務取締役として渦中に身を置いた著者が
「不可解な破綻劇」の真実を語る!

内容(「BOOK」データベースより)
岡山の世界的優良企業「林原」は、なぜ潰されたのか!?弁済率93%の倒産の不可思議!?敗軍の将、兵を語る

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
林原 靖
1947年、岡山市生まれ。1969年、林原株式会社に入社。1978年、取締役経理部長就任。総務、人事、システム、広報、関連事業、各部長兼務。1985年、株式会社林原など基幹四社の専務取締役に就任。2000年、太陽殖産社長に就任。兼務の本体専務として管理、生産、営業、国際、関連子会社もあわせて管掌。2011年2月、会社破綻ですべての役職を辞任、今日に至る。2013年4月より(非営利)グローバル・リサーチ・アソシエイツ代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

以上