大木 隆生 先生の新型コロナ対策『非常事態宣言・外出自粛は二度と繰り返すべきでない。』

■ 大木 隆生 先生 について 

2009年4月14日に放送されたNHK総合 『プロフェッショナル仕事の流儀 すべてを捧げて命をつなぐ 血管外科医 大木隆生』というドキュメンタリー番組でも取り上げられた著名な先生です。 

 

 

Wikipediaの記載より、以下引用です。

大木 隆生(おおき たかお、TAKAO OHKI、1962年(昭和37年)8月12日 - )は、日本の外科医。東京慈恵会医科大学医学部外科学講座統括責任者(チェアマン)、血管外科教授、診療部長。専門は血管外科(大動脈瘤、閉塞性動脈硬化症)。高知県観光特使


血管外科の専門医として年間400件の手術をこなし、その多くが他の病院で手術不能と宣告された患者で「最後の砦」の異名を持つ。大動脈瘤手術を1日3件・年間500件以上、世界でも屈指の経験を持つ。独自の手術、手術器具、ステントグラフトなどを多数開発[3]し不可能を可能にしてきた。日米において、最年少で外科教授に就任。これまでに世界13か国で招待手術を施行してきた。

一つ、著書を紹介しておきます。

 

医療再生 日本とアメリカの現場から (集英社新書)

 

 

 

■大木 隆生 先生の新型コロナウイルス対策の要点

そんな大木先生が、内閣府首相官邸)の未来投資会議※で2020年7月30日に


◆緊急事態宣言・外出自粛は繰り返すべきではない。

◆新型コロナは季節性インフルエンザと同程度の日本では、日本独自の対策を。

◆早急に「第二類感染症からダウングレード」すべき。

◆新コロナは日本人にとって怖くない。国民にそれを啓蒙するべき。

といった要点で、発言をされています。

 

※未来投資機会議は、新型コロナウイルス感染症の時代、さらにはその先の未来の
新たな社会像、国家像を構想するため、産業競争力会議及び未来投資に向
けた官民対話を発展的に統合した成長戦略の司令塔になるため設置された会議で、
議 長 内閣総理大臣が務めます。

 

■大木 隆生 先生の発言(未来戦略会議の発言骨子全文)

首相官邸ホームページ
 トップ > 会議等一覧 > 日本経済再生本部 > 未来投資会議 > 第42回 配布資料

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/miraitoshikaigi/dai42/index.html

に記載されたいいる7月30日の発言骨子を以下に記載しておきます。

自分が大事だと思った箇所を赤字にしています。

 新型コロナウイルスとは専門外の心臓外科医が大木先生だからこそ、客観的に的確に新型コロナウイルスについて分析して、合理的な対策を提言されているように思いました。

 

第 42 回未来投資会議での大木隆生発言骨子
慈恵医大 外科統括責任者・対コロナ院長特別補佐 大木隆生

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(1)外科医療崩壊について

1) 外科診療はいわゆる3K であるため、全国的に最も不足しているのは外科医。

2) このままだと国民に被害が及ぶ上に、2024 年から施行される医師の働き方改革に対応することは不可能である。

3) 現状は3K の外科医になっても内科医と待遇が変わらないので、この流れを止めることはできず、外科医へのインセンティブ付与を含めその対策を検討したい。

 

(2)COVID-19 感染症(新型コロナ)に関して


1)経済と国の財政に多大な負担を強いた非常事態宣言・外出自粛により、新型コロナ患者数を一時的に減少させることができたがその効果も 2 か月しかもたなかった。2 度と繰り返すべきではない。


2)現実的ではない「新コロを封じ込める」という考えから発想を転換し「新コロと共共生」をめざすべき

 

3)新型コロナは欧米においては恐ろしい感染症であるが、なぜか日本人にとっては季節性インフルエンザ程度の病気で新型コロナは怖くない。それは日本での人口当たりの死者数が欧米の約 100 分の一である事やオーバーシュートが起こらなかった事など、過去半年間の経験とデータをみれば明白。
従って欧米での経験・政策、それに基づいた WHO の見解は日本にとって参考にならないものが多い。日本独自の対策が求められる。

 

4)これまで実施された一般を対象とした抗体検査(0.1%-8%)、PCR 検査(1-3%)から日本には既に数百万人単位の感染者がいたことになるが、それこそ多数の無症候性患者がいる事の証明である。
したがって死亡率は季節性インフルエンザと同程度の 0.02―0.04%前後。

 

5)また、日本における 2020 年上半期の死因別ランキングで新型コロナは第 41 位(約 900 人)。毎年3000 人ほどの死者が出る季節性インフルエンザは 37 位。

 

6)いわゆる第 2 波に関して。7 月に入って全国的に感染者数が増えたが、それは PCR 検査実施数が増えたので PCR 陽性者も増えた事が主因であり、死亡者増、医療崩壊など実害はでていない。

 

7)1-2 週間遅れで増えるはずの重症者、死者は第 1 波のように増えていないことから現状は無症候性・軽症の PCR 陽性者が主たるもので、第一波で医療者が新型コロナ対応に慣れた事と併せて医療はひっ迫している状況にない。よって第 2 波とは言えない。

 

8)ICU 使用率をモニターし、占有率 50%以下にコントロールされていれば医療崩壊には至らないし「救える命が救えない」という事態は回避できる。なお、慈恵にある新型コロナ専用 ICU は 7 床あるが過去 2 か月の使用実績はゼロである(2020 年 6 月~本日)

 

9)ただ、別な観点から医療崩壊リスクは現状存在する。日本の対人口当たりの医師数も、医療費の GDPに占める比率も G7中最低であり、そのためもあり、新型コロナ以前から救急患者のたらいまわしに代表される医療崩壊が叫ばれていた。そこに新型コロナが上乗せされたので受け皿は小さい。
新型コロナを受け入れた病院の 9 割が赤字で、新型コロナが恐るるに足らずとは言え、このままでは「新型コロナのたらい回し」が起きる。従って、新型コロナに対応している病院への思い切った財政支援をすることで新型コロナを病院にとって「貧乏クジ」から「当たりクジ」に変えることで医療崩壊閾値を格段に上げることができ、国民も安心して経済を回せる。なお、徹底したゾーニングなど真摯にコロナ対応をした慈恵医大の今年度の赤字額の見通しは 30 億円であり存亡の危機にある。

 

10) 高齢者施設や病院での院内感染による死者数が全体の 20-40%を占めているのでこれら弱者を守ることで死亡率をさらに下げることができる。そこで公費負担で入院する患者と共に、施設・病院従事者に対して毎週一回程度の PCR を実施すべき。

 

11) 新型コロナは第二類感染症に指定されているので PCR 陽性と判定されたら隔離等が必要となり、これが保健所も医療も無駄に圧迫している。今後は高齢者を中心とした中等・重症者が徐々に増える事が想定され、無症候性、軽症者を極力入院させず、新コロナ病床に常に余裕をもたせ、治療の必要のある患者に入院を特化させる体制を築く事が医療崩壊を防ぐ上でもう一つのポイントとなる。
罹患し症状が出たら、いつでも受診・入院加療が出来る事で国民の安心感も担保できる。

 

12) 冒頭の「新型コロナは季節性インフルエンザと同程度」を疑いのないレベルで証明するには「真の患者数」と「真の死亡率」を算出すること以外に方法はなく、より広く一般人を対象に PCR 検査を試験的に実施すべきである。そして早急に「第二類感染症からダウングレード」すべき。なお、日本人が自然免疫で駆逐した場合には獲得免疫・抗体が動員されないので抗体検査は有用ではない。

 

13) 結論として、新コロナは日本人にとって怖くない。国民にそれを啓蒙し、実害のない「新規陽性者数」に一喜一憂せず、経済的に新コロナ対応病院を援助し、第2類感染症指定をはずすことで医療崩壊は防げる。そしてこの「日本の特権」を活用し、このまま基本的な感染対策を遵守し、国民の生活と経済優先で進めるべきである。詳しくは HP、Facebook にアップしてある「大木提言」を参照されたし。

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発言骨子の画像はこちらです。

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大木 隆生 先生新型コロナ対策の発言骨子

HP、Facebook にアップしてある「大木提言」

この大木提言は、以下のリンクから確認できます。

drive.google.com

2020年5月7日発表の要旨は以下の通りです。自分の思いを代弁しているようで嬉しかったです。

マスコミ、マスメディアはこういう意見をもっと紹介してほしいです。

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1)新型コロナパンデミックにおける唯一のゴールは集団免疫の獲得である。
2)その手段としてワクチン接種が基本だが速やかに実用化される保障はなく代替プランが必要。
3)代替手段として制御された自然感染・集団免疫ルートがある。
4)日本を含む東アジアでは施策の種類にかかわらずオーバーシュートは起こっていない。
5)実際、専門家会議も本邦におけるCOVID-19 の感染のピークは4 月1 日だったと認めている。つまり日本では4/7 に非常事態宣言・外出自粛が発出される前にピークを越えていた。非常事態宣言がなくても結果は同じだった可能性を検証すべき。
6)日本での新型コロナの死亡率は欧米に比べて著しく低く、さらに筆者が推定した真の感染者数から計算した死亡率は季節性インフルエンザと同等レベル。したがって「東京もNY 化する」という前提で「感染増→ロックダウン→感染増→再ロックダウン」と欧米に右習え、をする必要はなく、日本の状況に合わせた独自プランを立てるべき。
7)日本では医療崩壊リスクは過大評価されていて実際は一部のコロナ受け入れ病院に集中しているだけ。その上、新型コロナを受け入れた病院の赤字は大きく(約20%の減収)、医療体制を強化するために
予算措置をとる必要がある。新型コロナ患者が今のまま経済合理性のない状態だと引き受ける病院も減り
「たらい回し」が悪化するばかりでなく医療崩壊をまねく。
8)これまでにクラスターが発生した状況を再検証し根拠のある、「ほぼ通常の社会経済活動」を提案すべき。クラスターが発生したライブハウス、カラオケ店、ナイトクラブは要注意だがそれ以外はマスク着用、手指衛生などの基本的な感染対策だけで大丈夫。
9)もし、不幸にして新型コロナに罹患したら強化された医療が全力で国民を守る。「ほぼ通常の社会経済活動」を中止するリミッターに基本的に感染者数は不要で、医療崩壊度とオーバーシュート兆候のみをチェック。
10)非常事態宣言と「徹底した行動変容の要請」を解除し、「ほぼ通常の社会活動」に戻すことで社会経済活動への影響を最小化しつつ、人的被害を拡大させずに、社会経済活動を再開する。その結果、集団免疫を獲得してしまったら歓迎すべき副産物である。スローガンは「stay at home」から「back to school, back to work」へ。日本以外の各国が集団免疫獲得に手間取る中、いち早くゴールインした日本がリーダーシップを発揮してアフターコロナ時代のNew World Order を形成する好機かもしれない。
11)考察。日本でオーバーシュートが起こらず、死亡率が低い原因として1)高性能のJapan Strain を用いたBCG 接種、2)1-3月に弱毒の武漢ウィルスによる第一波が到来の際にPCR 抑制政策のために「見えざるオーバーシュート」が起こっており、多くの日本人が感染し「天然ワクチン」として作用したため集団免疫を既に獲得した可能性、HLA の人種差、アジアの風土病的コロナ感染による新型コロナに対する交叉免疫、等が考えられるがいずれも推論の域をでない。

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 ■関係する本の紹介■

このブログを読んで頂いた方は興味深く読める本だと思います。

 

 『テレビ界「バカのクラスター」を一掃せよ』

恐怖を煽った番組を徹底検証!
マスメディア、政治家をファクトに基づき論評する人気ブロガーが、テレビ番組をメッタ斬り!
【本書で論評されている方々(敬称略)】
『モーニングショー』・玉川徹・羽鳥慎一・岡田晴恵・渋谷健司
サンデーモーニング』・青木理関口宏
報道ステーション』・後藤謙次
報道特集』・金平茂紀
NEWS23』・星浩ほか

「リアルタイムの視聴を前提とするテレビは、新聞・週刊誌・月刊誌のように検証されることもありません。…私たち国民は、政治家と同様に、常にテレビ報道を監視する必要があります。その意味で、報道番組のアーカイヴ化は極めて重要と言えます。国民の電波を使う限りにおいて、テレビ局は報道番組のアーカイヴ化に真摯(しんし)に応じ、その内容を国民が自由に検証して批判する機会を確保する必要があります」(「エピローグ」より)

 

-▼AMAZON レビューより抜粋---------------------------

本著は『月刊Hanada』寄稿分に、藤原氏御自身のSNS・連載記事を加えて再構成したものですが、記述の根拠が明快で、統計も豊富で視覚化されていて大変読み易いです。内容的には
 ・民放ワイドショーに見るコロナ報道の低劣さ、その手法
 ・各番組の定点観測的な検証、浮き彫りになったオールドメディアの病巣
 ・有名コメンテーター二人の時代遅れなコメントの数々
の3つに分けられます。
 各章のタイトルは刺激的ですが、内容的には様々な角度から検証されており地道に積み上げられた痕跡が伺えます。コメンテーターの言説を時系列的に整理した上で矛盾を指摘し、その矛盾が単発的なミスや不作為ではなくて、許されない無知・無責任・恣意的加工に基づくものであることを論証しています。

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『ウイルスVS人類 (文春新書)』 

 

 日本の英知が未曽有の災厄に立ち向かう。
新型コロナウイルスの世界的な流行。未知のウイルスにいかに立ち向かうか? 第一線の専門家が語り尽くす。顕わになった現代文明の脆弱性を克服する道はあるのか。

NHK BS1スペシャルで放送された「ウイルスVS人類」の2回にわたる放送内容をまとめ、さらに未放送の内容も収録。

第1部 未知の敵と戦うために 押谷仁/五箇公一/瀬名秀明

第2部 ワクチンと治療薬 岡部信彦/河岡義裕/大曲貴夫/瀬名秀明

第3部 パンデミックと総合知 瀬名秀明

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AMAZON レビューより抜粋---------------------------

【実りの多かったテレビシンポジウムのまとめ】新型コロナウィルスのパンデミック感染についてNHK BS1での3月19日『未知なる敵と闘うために』と4月25日の『カギを握るワクチンと治療薬』との2回のシンポジウムをまとめたものです。 たまたま2回とも視る機会を得ました。一回目はウィルス感染症とその拡がり、二回目はその治療と予防にそれぞれフォーカスを合わせて、薬学者でもあるSF作家の瀬名秀明さんをMCに、各分野の専門家を3名ずつ交えて熱い討論が展開されました。瀬名氏の冷静な進行が光った有意義なものでした。本書はそれを編集文章化したものの様ですが、放送後の新型コロナの状況も書き加えられ、たいへん示唆に富むものに仕上がっています。番組を見られなかった方にもお薦めいたします。。

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chanmabo.hatenablog.com

 

 

chanmabo.hatenablog.com

 

以上です。