日本から世界の金鉱株に投資するなら

金価格が上昇していますが、
金そものよりよりも金鉱株の方が高い上昇率が見込めるというお話を前回のブログで説明し、その中で、投資対象として、日本株の3つの銘柄を紹介しました。

 

金価格の上昇で、上昇すると紹介した銘柄

 前回紹介した銘柄は、2020年7月22日の株価から、8月7日の株価で比較すると、わずか2週間で10%以上の上昇率の銘柄が3銘柄のうち2銘柄あり、短期間での大きな上昇です。

株価 2020年7月22日 → 2020年8月7日
住友金属鉱山 3,374 → 3,374 ☆3%の上昇
アサヒホールディングス 3,000 →3,555 ☆18%の上昇
松田産業 1,510→1,725 ☆14%の上昇

 

 この間、日本株株価指数は、日経平均TOPIXともに
日経平均 22,751円 22,329円 2%の下落
TOPIX 1,572円 1,546円 2%の下落

 とわずかながら、下落しているので、

市場平均を大きく上回るパフォーマンス、大健闘だったと思います。

 住友金属鉱山すら金鉱株と言えないかも(日本では金鉱株はない。)

住友金属鉱山の株価がそれほど上昇していませんが、
日本で唯一ともいえる金鉱株(金の採掘を主な事業としている会社の株式)ともえる住友金属鉱山は、年間の生産高8トンで、世界ランキング10位にも含まれていません。

金の売り上げは、全体の10%以内で、金以外の非鉄金属などの扱いの方が大きいため純粋な金鉱山会社、世界的な規模では金鉱株というのは難しそうです。

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世界金鉱会社 金生産量のトップ10一覧
(2014年の情報:ゴールドサーベイ2015 トムソンロイターGFMSより。
 少し古い情報ですが大きな変動はないと思います。)
順位 金鉱山会社 金の生産量(単位トン)
1 バリック・ゴールド 194.4
2 ニューモント・マイニング 150.7
3 アングロゴールド・アシャンティ 138.0
4 ゴールドコープ 89.3
5 キンロス・ゴールド 82.2
6 ナヴォイMMC 73.0
7 ニュークレスト・マイニング 72.4
8 ゴールド・フィールズ 63.6
9 ポラス・ゴールド 52.8
10 ジバンエ・ゴールド 49.4

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調べたところ、上位3銘柄 ()内はティッカーシンボル、日本でいう銘柄コードです。
バリック・ゴールド(ABX)
アングロ・ゴールド・アシャンティAU
ニューモント・マイニング(NEM
ともに米国の株式市場で投資できます。

また、
ヴァンエック・ベクトル金鉱株ETF(GDX) 大手の金鉱株を投資対象にしたETF
ヴァンエック・ベクトル中小型金鉱株ETF(GDXJ)小規模な金鉱株を投資対象にしたETF
といった金鉱山の米国ETFも投資対象になります。

日本から金鉱株で投資するなら

 日本国内の日本人が、米国の金鉱株に投資する場合、
為替手数料や配当にかかる税金※が日本株より不利な扱いを受けます。

※投資家が受け取る米国株の配当の場合、現地で10%の税率が掛かっています。 これを日本で受け取る場合、さらに20.315%が課税され、米国と日本で2段階、約30%の課税がされます。 しかし申告することにより、米国と日本での課税合計を、20.315%に抑えることができ、還付を受けることができます。仮に還付を受けても、日本株での配当は20%なので、0.315%不利な扱いをうけます。

そして、そもそも、日本の証券会社で購入できる米国株は限りがあります。

SBI証券(日本の証券取引のシェア1位)の米国株取引でも、金鉱株のETF2銘柄は購入できましたが、上位3社の銘柄でも取引対象でなく、購入できません。

ドル円の間の資金の移動のタイミングや日本株信用取引の担保として利用できないため、レバレッジを効かせて投資効率を上げたい人には不向きといえます。

 

ブラックロック・ゴールド・ファンドがおすすめ

そこでおすすめなのが、
ブラックロック・ゴールド・ファンド※という投資信託です。

f:id:chanmabo:20200810163938j:plain

http://www.morningstar.co.jp/FundData/SnapShot.do?fnc=2003022501


※ファンドの特色
南アフリカ、オーストラリア、カナダ、アメリカ等の金鉱企業(主に金の採掘・精錬等を行う企業)の株式を中心に鉱業株式(貴金属・一般非鉄金属の採掘・精錬等を行う企業の株式)を主要投資対象として積極的に運用。地質学・金属工学者等のスペシャリストによるチームの綿密なリサーチに基づき、長期的に成長が見込まれ、割安と考えられる銘柄に厳選投資。原則として為替ヘッジを行わない。1月決算。

 

買付手数料、解約手数料はともに0円ですが、信託報酬 (税込)/年2.2%がかかります。
信託報酬は少し高いと思います。


ただし、自分で手数料を負担して取引するコストが節約でき、世界中の金鉱株の動向を常時監視して、より適切なもの、値上がりするものを年間2.2%のコストで選択し、運営してくれると考えれば、それほど高い信託報酬とは私は思いません。

また、積立投資も可能でドルコスト平均法で、投資中の価格の変動をそれほど気にしないで購入することも可能です。

さらに、SBI証券では、国内株式に加え、投資信託信用取引の担保(代用有価証券)として使用することができます。そのため、日本株信用取引の担保として、利用できます。

代用掛目は国内株式同様、原則80%です。国内株式だけでなく投資信託も担保として評価されることで、投資信託をお持ちのお客さまは信用取引の新規建可能額が大幅に増加します。 お持ちの資産をより効率的にご活用いただくことができ、投資のチャンスが広がります。

投資信託を100万円持っていたら、その80万円を担保に、約3倍 266万円の株式の信用取引が可能になります。

もちろん、金鉱株自体がハイリスク、それを担保にした信用取引自体がよりハイリスクです。信用取引では、売建てができるため、金価格に連動するETFリスクヘッジ(信用担保とした資産が下がった時の保険)で売建(売建だと金価格が下がれば得をする)で持つなど、リスク軽減も取引も可能になるため、信用取引自体がハイリスクとも言えないようです。

 

次のブログではシルバーの値上がりが期待できる銀鉱株の投資について、
もう少し、詳しく紹介したいと思います。

 

 

 

 

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