景気ウォッチャー調査2020年10月報告(2020年11月10日発表)から-日本株はまだ買いかも-

 

日経平均株価は、2万5000円を超え、29年ぶりの高値ですが、景気ウォッチャー調査2020年10月報告(2020年11月10日発表)からみると、日本株はまだ買いと言える状況が続いるようです。

 

のブログで2020年9月報告からコロナ禍の不景気の短期間で終わる見込みを予想しましたが、10月報告をそんな予想を裏づける展開となりました。 

 

1998年(平成10年)7月に小渕恵三内閣の堺屋太一経済企画庁長官が「景気動向をもっと早期に把握できないか」との問題意識から、「景気動向に関する情報を早く手に入れる仕組み」として、景気ウォッチャー調査が開発されました。

経済や景気の動向を見るうえで、よく当たる先行指標として、株式投資家、金融・市場関係者にも重宝されています。

 

株価は景気や経済の先行指標といわれますが、日経平均株価も11月11日も7日連続で続伸し、前日比444円高の2万5349円と、年初来高値を連日で更新。2万5000円の心理的な節目を上回り、1991年6月以来およそ29年ぶりの高値となりました。

理由、理屈はともかく、株価は、コロナ禍の不景気を短期間で終わり、史上空前と好景気をよべるかは自信がないですが、すくなくとも大型の好景気を見込んでいるようです。

 

2020年10月の動き

景気ウォッチャー調査2020年9月報告が2020年11月10日に

内閣府のホームページ

景気ウォッチャー調査 - 内閣府

から公表されています。

「10月の動き」として、経済や景気の動向の概要(サマリー)が

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10 月の現状判断DI(季節調整値)は、前月差 5.2 ポイント上昇の 54.5 とな
った。
家計動向関連DIは、住宅関連が低下したものの、小売関連等が上昇したこと
から上昇した。企業動向関連DIは、非製造業等が上昇したことから上昇した。
雇用関連DIについては、上昇した。
10 月の先行き判断DI(季節調整値)は、前月差 0.8 ポイント上昇の 49.1 と
なった。
家計動向関連DI、企業動向関連DI、雇用関連DIが上昇した。
なお、原数値でみると、現状判断DIは前月差 4.9 ポイント上昇の 53.6 とな
り、先行き判断DIは前月差 1.3 ポイント上昇の 48.4 となった。
今回の調査結果に示された景気ウォッチャーの見方は、「新型コロナウイルス
感染症の影響による厳しさは残るものの、着実に持ち直している。先行きについ
ては、感染症の動向を懸念しつつも、持ち直しが続くとみている。」とまとめら
れる。

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と報告されています。

DIとは、Diffusion Indexの略で、Diffusion は拡散、普及と意味があり、Indexは指標の意味がありますが、企業の業況感や設備、雇用人員の過不足などの各種判断を指数化したものです。拡散して集めた雑多な情報を指数化することから、Diffusionをいう言葉が利用されているのでしょうか。

 

 2020年10 月の景気の現状

全国の動向_景気の現状DI2020年10月

全国の動向_景気の現状DI2020年10月

 

現状判断DIとは、先月の景気の現状を示す指数ですが、3か月前と比較しての景気の現状に対する判断DIは、54.5 となった。家計動向関連、企業動向関連、雇用関連のすべてのDIが上昇したことから、前月を 5.2 ポイント上回り、6か月連続の上昇となっりました。現状判断DIは昨今では海外情勢や消費税率引き上げによる景況感の悪化を受け、基準値の50.0以下を示して低迷中でしたが、今月は前月に続き新型コロナウイルスによる影響を受けてはいるが、持ち直しの動きを継続中で、ついに基準値の50を超える強い回復値を示しています。

 新型コロナウイルス流行前の水準どころか消費税率引き上げ以前に戻ったと判断できる状態です。

 つまり、前月に続いて、新型コロナウイルスによる恐慌など発生せず、コロナ禍と言われる事象は景気的には半年間という期間で終わりそうなことを示しています。

 前月差 プラス6.9と大きく改善しているのが、企業動向関連の非製造業(非製造業経営者・従業員からの回答に基づく統計値で、建設業 輸送業 通信業 金融業 不動産業 サービス業 広告代理店・新聞販売店[広告] 司法書士経営コンサルタント・会計事務所職員等 コピーサービス業 などの経営者・従業員からの回答に基づく統計値)などです。

 モノの動きに加え、ヒトの動きも、活発になっているようです。

 

2020年10月以降の景気の先行き

全国の動向_景気の先行き判断DI2020年10月分

全国の動向_景気の先行き判断DI2020年10月分

先行き判断DIは、2~3か月先の景気の先行きに対する判断DIは、49.1 となった。家計動向関連、企業動向関連、雇用関連のすべてのDIが上昇したことから、前月を 0.8 ポイント上回った前の月を5.9ポイント上回る48.3となりました。

家計動向の飲食、サービス、企業動向の製造業が下落していますが、合計ではプラス0.8と持ち直しています。

 注目するのは、家計動向関連の住宅関連のプラス5.5で、在宅時間の増加や消費や旅行を控えたことによる貯金の増加などで、高額商品の住宅購入、住宅投資が増えているのかもしれません。

 

コロナ禍の不景気は終わり、好景気になるかもといった予感を強く示す調査結果となりました。経済や景気の先行指標ともいわれる株価も好調で、日経平均株価も、景気回復、好景気の予兆を示しています。

 コロナ禍、コロナ不況、コロナ恐慌と騒がれていましたが、深刻な不況、不景気は短期間で終わり、逆に、先行指標と呼ばれる株価の好調さから、バブル景気以来の、大型の好景気が現れる予感がします。 

 

毎月1回10分チェックで年20%らくらく儲かる 「景気ウォッチャー投資法」入門

では、

前回「買い」サイン(前回も①と②に該当していた場合)が出た場合、

① 現状判断DIの前月差が1.5ポイント悪化していない。

② 先行き判断DIが前月から改善している。

場合で、「今月の動き」で、天候などの一時的要因のコメントがないかどうかをチェックして、なければ、買いとしています。

日経平均は、2020年10月報告(2020年11月10日発表)の翌日にも、

11日の前日比444円高の2万5349円と、年初来高値を連日で更新していますが、まだ、

日本株は買いと言える状況が続いるようです。

本の紹

景気ウォッチャー調査は、投資や仕事で関係する分野に近い将来を示す情報として有益な情報かなと思います。景気ウォッチャー調査に関係する本を紹介しておきます。

 

毎月1回10分チェックで年20%らくらく儲かる 「景気ウォッチャー投資法」入門 

 

“街かど景気”の経済学―新観測システム「景気ウォッチャー調査」 (PHP新書)

 

 

■参考■

『景気ウォッチャー投資法入門』で紹介された売買ルール

『景気ウォッチャー投資法入門』で紹介された売買ルール

以 上です。