プロトコルのポイント【ネットワークの午後問題・出る順15位・応用情報技術者試験】

 

 稼働率15位のプロトコル

情報処理教科書 出るとこだけ!応用情報技術者[午後]』によると、

 ネットワーク分野でプロトコルの知識問題はよく出題され、必要な知識とともに、ネットワーク全般の通信の仕組み、各階層の役割、プロトコルの処理のイメージを理解するが大事なようです。

 

■出る順15位のプロトコルのポイント

情報処理教科書 出るとこだけ!応用情報技術者[午後]

の出る順15位「ポイント」の内容を参考に、覚えるべきポイントをまとめています。

① OSI基本参照モデルの各層に名称と役割、機能を説明せよ。

▼第7層:アプリケーション層
 アプリケーションに応じた通信。
アプリケーション間で実際に行いたいことを実現するための通信手続き等を定義する。
例えば web サーバにある html ファイル等をダウンロードしたいときは GET メソッドを使うのはこの層の仕事である。

 

▼第6層:プレゼンテーション層
 文字コードなどのデータ形式・暗号化・データの圧縮伸張を実施する。

 

▼第5層:セッション層
 通信の開始から終了まで管理する。
SSLTLS とは、様々なアプリケーションレイヤ通信 (代表的なものは http) の認証および暗号化/改竄防止を行うプロトコルだが、SSL/TLS では「(主にサーバの) 認証」「鍵交換」「通信暗号化」「通信の改竄防止」が行われており、セッション層に該当する。

 

▼第4層:トランスポート層

 通信の信頼性を確保する役割。

 

▼第3層:ネットワーク層
 通信したい機器 (IP であれば宛先 IP アドレス) への通信経路を決定します。(ルーティングによる経路選択など)IP (インターネットプロトコル) がデファクトスタンダードである。

 

▼第2層:データリンク層
 同一ネットワーク内の通信方法を規定する役割である。具体的なビット列をどのようにするかなどの規定をしている。

 このレイヤーでの通信先は通信したい機器とは限らず、ルータや L3 スイッチ等のデータ転送機器の場合もある。実装としては Ethernet が一番有名で、他に PPP や PPPoE、ATM、フレームリレー等がある。

 ネットワーク層は宛先まで変化してはならないですが、データリンク層はその間、いくつ変わっても問題なく。ケーブル等の物理的な変化を吸収するのがデータリンク層の役割となる
 データリンク層は、物理層が何かによって、使えるものが限られますが、例えば光のマルチモードの OM3 という種類は 100 Mbps から 100 Gbps まで幅広く対応しています。

 

▼第1層:物理層
 電気信号の取り決め、ケーブルの形状を定める役割である。
ケーブルの種類やコネクタの形状等の物理的な要件、伝送媒体 (電気や光) での bit 転送を行なう上でのノイズの基準値等を定義する。
 具体的な実装は、UTP (Unshield Twist Pair) ケーブルの Category 5e/6/6a や、光ケーブルのシングルモード/マルチモード、同軸ケーブル、STP (Shield Twist Pair) ケーブル等の種類があります。

 

② TCP/IPモデルの各層と名称と代表的なプロトコルを説明せよ。

 

▼第4層:アプリケーション層
 OSI基本参照モデルでは、第7層アプリケーション層、第6層プレゼンテーション層、第5層セッション層に該当する。
 代表的なプロトコルは、HTTP、SMTPPOP3FTPDNSDHCPである。

 

▼第3層:トランポート層
OSI基本参照モデルでは、第4層トランスポート層に該当する。
代表的なプロトコルは、UDPTCPである。

 

▼第2層:インターネット層
OSI基本参照モデルでは、第3層ネットワーク層に該当する。
代表的なプロトコルは、IP、PCMP、ARPである。

 

▼第1層:リンク層
OSI基本参照モデルでは、第2層データリンク層、第1層物理層に該当する。
代表的なプロトコルは、Ethernetである。

 

③ カプセル化・非カプセル化とは何か。


 通信の規格(プロトコル)の役割を定めたOSI基本参照モデルTCP/IPモデルにおいて、「他の階層に依存しないこと」を実現するためにカプセル化、非カプセル化が行われる。

 

カプセル化
 送りたい情報にヘッダー情報を追加する処理を、階層別にそれぞれ実施する。
ヘッダー情報は、プロトコル制御情報(送信元アドレス、宛先アドレス、プロトコル名など)が確報される。
送りたいデータ1件につき、全体で1つのヘッダー情報を追加するのでなく、OSI基本参照モデル(7階層)ならば、
原則7つのヘッダ情報を、TCP/IPモデル(第4階層)ならば、原則4つのヘッダー情報を追加する。

 

▼非カプセル化
 伝送されたデータから元のデータを取り出す際に、カプセル化と逆の手順を踏み、
ヘッダー情報を削除する処理を階層別にそれぞれ行うことである。
 これにより、構造が冗長になるものの直前に階層のデータ内容にかかわらず、
自分の階層では必要なヘッダ情報を追加するだけで、プロトコルを差し替えしやすくなる。


④ コネクション型と非コネクトション型は何か、その違いを説明せよ。

 トランスポート層プロトコルは、送信データを宛先に正しく到着することを保証したり、
ポート番号によりどのような種類の通信がされるか識別する役割を担うプロトコルである。
 代表的なプロトコルは、コネクション型のTCPと非コネクション(コネクションレス)型のUDPがある
 
▼コネクション型
プロトコルTCP
信頼優先で、宛先への到着確認、不到着などエラーの回復を実施する通信方式。
用途として、Webページ閲覧、ダウンロード、電子メールなどがある。

 

▼非コネクション型
プロトコルUDP
速度優先で、宛先への到着確認、不到着などエラーの回復を実施「しない」通信方式。
用途として、ビデオストリーミングなどがある。


⑤ HTTP,HTTPS,POP3,SMTPのアプリケーション層プロトコルのウエルノウンポート番号を説明せよ。

 

HTTP:80番。Webのプロトコル
HTTPS:443番。TLSにより暗号化したHTTP通信。
POP3:110番。メール受信のプロトコル
SMTP:25番。メール送信用のプロトコル


⑥ TELENT,SSH,FTP,SNMP,NTPのプロトコルを説明せよ。

 TELNET:遠隔地のコンピューターを遠隔操作するためのプロトコル
Teletype Networkの略である。

SSH:遠隔地のコンピューターを安全に遠隔操作するセキュアプロトコル
Secure Shell の略である。
FTP:ファイルを転送するためのプロトコル
SNMP:ネットワーク機器を遠隔から監視、制御するためのプロトコル
NTP:正確な現在時刻を取得するためのプロトコル


⑦ IPアドレスの変換が必要なのは、どのような場合か。

 LANから、インターネット上にある機器と通信するためには、グローバルIPアドレスを実施する必要がある。そのためには、LANのプライベートIPアドレスから、グローバルIPアドレスに変換する必要がある。
 反対に、逆方向の通信では、グローバルIPアドレスからプライベートIPアドレスへ変換さえる。

このIPアドレスの変換は、次の機能により行われる。
 ・NAPT機能が搭載されたファイアウォール
 ・NAPT機能が搭載されたルータ

■参考書の紹介

午後問題を出る順に効果的な試験対策ができる良書かなと思っています。

基本情報技術者試験も、同じシリーズの参考書で勉強して、苦手な午後問題を克服して合格しました。

 

情報処理教科書 出るとこだけ!応用情報技術者[午後]

情報処理教科書 出るとこだけ!応用情報技術者[午後]

  • 作者:橋本 祐史
  • 発売日: 2019/01/16
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    応用情報技術者の午前試験の学習が一通り終わった人
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■ソフトウェア開発の名著の紹介

 

上記の本については、以下のブログでも紹介していますのでご参考になれば幸いです。

 

■関連ブログ

chanmabo.hatenablog.com

 

 以上です。