ギガフォトンに注目したら、コマツの株価は割安で買いかも

 ギガフォトンに注目したら、コマツの株価は割安で買いかも。と思った話です。
なお、ギガフォトンコマツ小松製作所)の100%子会社です。 

 

 

ギガフォトンに注目したい理由 10個

 

① ギガフォトンの属する半導体製造装置市場は大きい。

2020年の半導体製造装置の世界での売上は、924億ドル、日本円にしたら10兆円近い金額で、非常に大きな市場です。

② ギガフォトンが主要なサプライヤーとなる露光装置の市場も最も大きい。

装置の分類別では、2019年以降は、露光装置(ステッパ―)が出荷額1位で、2020年は、150億ドル、日本円にしたら2兆円近い市場です。

③ 露光装置市場ではASMLの一人勝ち。

半導体性装置の世界売上ランキングの1位は約16億ドルの売上のApplied Materials(AMAT)、約2位は15億ドルのASMLです。
ASMLが露光装置(ステッパ―)の企業で、
今後は、売上高でASMLがAMATを抜き、トップに立つ可能性もあります。


AMATが、エッチング装置やCVD成膜装置、熱処理装置、CMP装置、イオン注入装置など多様の装置を手掛けて、それぞれの装置で、シェアが1位か2位の企業であるが、ASMLは、露光装置(ステッパ―)のみが主力事業の会社であり、露光機だけで2兆円近い売り上げがあるのだから、露光装置のマーケットのシェア8割から9割を持つ、露光装置(ステッパ―)の一人勝ちの会社です。

 

④ EUV装置や最先端の露光装置で圧倒的なシェアのASML 

1990年台、2000年代は、ステッパーはニコン、キャノンの2強時代で、この二社でシェアの8割ほど持ちトップを争っていました。
ニコン、キャノンを倒すきっかけは、ASMLが波長が非常に短い次世代のEUV露光装置を開発したことです。
超微細加工が必要な最先端の半導体は、ASMLのEUV露光装置がないと製造できず、EUV露光装置はASMLしか開発に成功していません。

EUV露光装置以外の露光装置も、比較的最新式の型では、
ArF液 97%、KrF型 65%とASMLの一人勝ち、一強という状況である。
ArFドライではニコンは67%、i線ではキャノンが55%と日本企業が強いが、いずれも旧式の技術でローエンド半導体向の製品です。市場規模はそれほど大きくないニッチな分野で、日本企業は生き残っているという印象です。

⑤ 露光装置の最重要パーツが光源

露光装置で最も重要なパーツとは、光を放つ光源です。
この光源で世界2位、世界シェア40%近くでシェアがあり、ASMLとも取引のがる会社が
ギガフォトンという会社です。
 世界シェア40%で世界2位というのも違和感があるが、ステッパの光源メーカーは2社しかない寡占市場で、非常に高度な技術が必要で、大きな参入障壁があります。

⑥ ギガフォトンは世界2位の露光装置用光源メーカー

世界1位の光源メーカーはASMLです。ASMLは、半導体露光装置の光源の開発・製造などを手掛ける米Cymer社を2013年に買収していますが、このCymer社(それを買収したASML)が露光装置用光源市場シェア1位企業ですが、徐々にギガフォトンはシェアを増やしています 

⑦ ASMLは調達力が強くサプライヤーを強みを生かす会社である。

 ASMLは自前主義でなく、サプライヤーとの共同研究、パーツを内製せずにシステムインテグレータ的な役割が強い企業といわれ、今後、ギガフォトンからの調達もASMLは増える可能性もあります。

ASMLは、1984年にオランダのフィリップス(Philips)の1部門と
ASM International(ASMI)がそれぞれ出資する合弁会社として設立されました。
ASMIが商社だったこともあり、調達力が優れている点が特徴だといわれます。

ASMLの企業文化から考えても、自部門の光源よりギガフォトンの光源が優れていれば、ギガフォトンの光源を採用し、調達をを今後増やしていくと考えられます。

⑧ ASML社から優秀サプライヤーとして表彰されるほど高く評価されている。

2020年9月17日、ギガフォトン株式会社は、世界最大の露光装置メーカーであるASML社主催の「ASML Supplier Day」(オランダ フェルトホーフェンにて開催:今年度はオンライン参加)にて、「品質が優れているサプライヤー」として”Quality Excellence Award”を受賞しました。ASML社からの表彰は2017年の同賞受賞に続き2回目となります。
今回表彰を受けたのは、世界中にあるASMLサプライヤーの中でわずか6社ですが、
その中でも品質に関する受賞はギガフォトン1社でした。
これは、ギガフォトンの長期に渡る高度な製品品質管理・洗練された性能管理体制・品質第一宣言 が評価された結果です

 

GIGAPHOTON社へASML社から贈られたウェハ―

GIGAPHOTON社へASML社から贈られたウェハ―

 

⑨ ギガフォトンの自信を感じる。 

最先端のEUV装置には、ギガフォトン社の光源は採用されていないもようであるが、
今後は期待できそうなことは、ホームページの会社概要にわざわざ書くぐらいでEUV露光装置用光源の開発に自信を感じさせます。

ギガフォトン社のホームページの会社概要に

ギガフォトンは、
次世代露光技術として有力な極端紫外線(EUV)光源の開発にも積極的に取り組んでいます。
2002年から2010年の間、技術研究組合極端紫外線露光システム技術開発機構(Extreme Ultraviolet Lithography System Development Association: EUVA))の発足メンバーとして露光用光源の開発において重要な役割を担いました。ギガフォトンは、ターゲットにパルスレーザを照射して発生する高温プラズマからEUV放射光を生成するレーザ生成プラズマ(Laser Produced Plasma: LPP)方式を採用したEUV光源を開発しています。
現在、量産機の開発段階にあり、着々と成果を上げております。

とある通り、現在、開発段階であるが、開発成功し、
ASMLのEUV露光装置に採用されたら、EUV露光装置用検査装置で100%のシェアを持つレーザーテックのように、ギガフォトン企業価値は高く評価されるでしょう。

⑩ 20%近い高い利益率

高度な技術力が求められる高い参入障壁がある製品を取りあつかっているので、高い利益率を誇ります。
ギガフォトンの決算公告で確認できる直近 2020年3月末決算で 売上高 351億円・営業利益 73億と約20%と非常に高い利益率です。

 

ギガフォトンコマツの100%子会社です。

現状、コマツの株価約3000円、時価総額約3兆円ですが
2兆円の時価総額のレーザーテックと同じ位ギガフォトンが評価されれば
、株価5000円、時価総額5兆円と評価されるかもしれない。
といった話(妄想)は、ギガフォトンの2021年3月末年度の算決算公告で確認できる時期に 、改めてブログで詳しく書きたいと思います。

 

以上、ギガフォトンに注目したら、コマツの株価は割安で買いかも。と思った話でした。

 

▼関連する本の紹介

 

コマツのことをもっと知りたい人は、おすすめな本が

 です。

 

タイトルにもなっている「ダントツ」。「コマツでないと困る」度合いを増やすことが肝要なのである。そのためには「ダントツ商品」を持つことが重要になる。「重要な性能やスペックで、競合メーカーが数年かかっても追いつけない」というのがダントツ商品の定義らしいですが、ギガフォトンの製品もダントツ製品ですね。

 

半導体製造装置、露光装置に興味を持った方におすすめな本が、

 です。

 

 半導体の分野はめっちゃ広いし堅苦しいものが多いので読むのも大変なのですが、この漫画はとっかかりには良いと思います。
後半は少し専門的になりますがその辺流し読みでもなんとなく理解しておくとその後の勉強の役に立つと思います。マンガでわかるシリーズの中でもトップクラスの良本だと思います。マンガもそれなりに面白く、いろいろな面で人に薦めやすい良本だと思います。

 

 著者は、京都大学大学院工学研究所修士課程修了。
1978年、東京電気化学(株)(現TDK)入社。1982年、ソニー(株)入社。一貫して、半導体や薄膜デバイス・プロセスの研究開発に従事。この間、半導体先端テクノロジーズ(セリート)創立時に出向、長崎大学工学部非常勤講師などを経験。
現在、ナノフロント研究所代表として半導体技術コンサルタントテクニカルライターとして活動。応用物理学会員。といった経歴の方です。

前工程、後工程、ウェーハなど普段、何気なく
使っている用語も定義からきちんと説明してある良書のようです。

 姉妹書の「図解入門よくわかる最新半導体製造装置の基本と仕組み[第2版]」 

で、個々の半導体製造工程や半導体製造製造装置も、より詳細に丁寧に解説しているようです。

 

▼関連ブログ

 

 

 

 

chanmabo.hatenablog.com

 

 

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以上です。