1年の休日は1日だけ!激務のサムスン電子で鍛えられた社長 崔 元根氏が率いるダブル・スコープは第二のサムソン電子になれるのか

 

ダブルスコープの株価と2年チャート

ダブルスコープの株価と2年チャート

ダブルスコープ株式会社(英語名:W-SCOPE Corporation)の株価は、ここ数年さえません。2021年6月18日の終値は608円と年初来安値更新しています。2016年5月の上場来高値3,675円の株価から8割以上下落しています。

 

 

ダブルスコープは、2018年12月期から2020年12月期まで、過去の三期連続で赤字を計上していますので、株価の下落もそういった業績が反映しているのでしょう。

ただ、3期連続の赤字といっても、小さな利益より、大きな成長を得るための設備投資による赤字、いわば計画的な赤字ですが、そういった赤字を許容できるほど、株式市場はダブルスコープの成長性をあまり評価していないようです。

 

しかし、私はサムスン電子出身というダブルスコープの経営者の経歴から、期待しています。

ダブルスコープの製品は、リチウムイオン電池の素材(セパレータ)で、日本企業の競合は、旭化成東レ宇部興産・マクセル社(宇部興産・マクセル社の合弁企業 宇部マクセルで生産)となりますが、いずれも日本を代表する大企業で、その経営者、社員も優秀だと思いますが、日本の競合以上に、能力の高い人がダブルスコープに多いのではと思っています。

 

 


サムスン電子(サムソン)出身の経営者

ダブル・スコープ取締役は5名ですが、うち社外取締役は2名で、
経営に直接関与する取締役は3名ですが、そのうち2名は、サムスン電子出身の経営者です。


創業者で代表取締役社長 崔 元根氏と取締役 趙 南星氏です。

崔 元根氏の略歴(有価証券報告書より)-----
1990年6月 韓国三星電子株式会社入社
2000年5月 韓国ワイド社取締役副社長就任
2005年10月 当社代表取締役社長就任(現任)
2011年1月 W-SCOPEHONGKONGCO.,LIMITED取締役社長就任(現任)
2016年10月 W-SCOPECHUNGJUPLANTCO.,LTD.代表理事就任(現任)
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趙 南星氏の略歴(有価証券報告書より)-----
1975年1月 韓国第一毛織株式会社入社
1977年9月 韓国三星電子株式会社入社
1996年1月 韓国三星電子株式会社理事就任
1998年3月 韓国第一企劃株式会社監事就任
2001年3月 韓国UGCOM株式会社社長就任
2004年12月 韓国石榮商社副社長就任
2008年3月 W-SCOPEKOREACO.,LTD.監事就任
2011年3月 当社取締役就任(現任)W-SCOPEKOREACO.,LTD.理事就任(現任)
2011年1月 W-SCOPEHONGKONGCO.,LIMITED取締役就任(現任)
2016年10月 W-SCOPECHUNGJUPLANTCO.,LTD.理事就任(現任)
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崔氏は、1990年6月から2000年4月まで勤務し、液晶事業で勤務していており、

日本企業との取引もあり、日本企業が高い技術力をもつ素材部材分野の重要性を痛感したことが、リチウムイオン電池の素材(セパレータ)の会社を起業するきっかけになったそうです。

趙氏は、1977年9月から1998年2月まで 1996年1月に理事就任で、その後いくつかの会社の社長を歴任しているので、経歴から考えると、三星電子(サムソン電子)の創業メンバーの一人と言っても、許されるような人かもしれない。


サムスン電子出身の経営者に期待する理由

■超ガリバー企業のサムスン電子

サムスン電子は、売上高が韓国のGDPの20%、時価総額は韓国株式市場の25%、韓国の輸出額の20%以上を占める韓国の圧倒的なNO1企業、最大の企業です。
韓国を象徴する企業であり、フォーチュン・グローバル500では、
世界企業ランキング12位(2018年)、イギリスの調査会社ブランド・ファイナンスが発表するブランドランキングでは、ブランド価値923億ドルで世界4位(2018年)で、世界的な有名な企業で、トヨタソニーなど日本のどの企業よりも世界的な知名度が高いかもしれません。

 

2021年5月の時価総額は、世界で11位の5163憶ドルで、日本では最大の時価総額トヨタ自動車は世界で43位の2126憶ドルであるから、トヨタ自動車の倍以上の時価総額の企業です。電機業界最大の時価総額企業 ソニー時価総額が1292憶ドルである。
おそらく、日本の電機産業(サムソンと事業、製品が同種の企業)全ての時価総額、売上、時価総額を足しても、サムソンのそれにに及ばないような超巨大ガリバー企業です。

サムスン電子の社員は超優秀

1969年に創業され、わずか30年程度で、世界的に超巨大ガリバー企業に成長したサムスン電子ですが、そんなサムスン電子の社員は超優秀といわれています。

 

大学生が就職したい企業 1位サムスン電子・2位大韓航空=韓国
記事一覧 2019年12月26日 【ソウル聯合ニュース
大学生の就職先として最も人気を集めている企業は1位サムスン電子・2位大韓航空のようです。人気企業1位ということで、応募者も多く、採用試験で、能力の高い人が採用されるのでしょう。

 

日本企業の技術者を積極的に採用し、最先端の技術を獲得した話は有名ですが、
国外の他企業からのスカウトも積極的に、それだけ、人材の採用に力を入れている企業のようです。

採用後も、社内で成果主義能力主義の企業文化で、激しい競争がある企業のようで、そんな企業で勤務した人は鍛えられて
超ハードワークに耐えうる超優秀な人が多いと実際に取引関係があった人から聞いたことがあります。

なお、週刊エコノミスト 2016年1月19日号のインタビュー記事で、

Q 30代の頃はどんなビジネスマンでしたか
A サムスン電子の企画部で商品企画やIR(投資家向け広報)などをやり、
1年の休日は1日だけの激務でした。
37歳で独立し、友人と医療機器モニターを作る会社を立ち上げました。

といった社長の崔氏が経歴を紹介しいている。

1週間の休日が1日だけでも、まあ大変で、
1か月の休日が1日だけでも、過労死レベルですが、
1年の休日は1日だけというのは、少し誇張しているかもしれませんが、
そういった誇張が明らかな嘘とも思われないのですが、当時のサムソン電子の激務、ハードワークだったのせしょう。

 

ダブルスコープ社長崔元根氏

ダブルスコープ社長崔元根氏

ダブルスコープの主要な事業拠点(連結従業員 1,179名のうち韓国子会社の従業員がほぼ99%1,170を占める)は韓国ですが、韓国の従業員も、崔 元根氏や趙 南星氏の人脈などを利用して、優秀なサムソン電子の出身者が多いかもしれないと思うと、ますます期待してしまいます。

サムスン電子の経営も超優秀

サムスン電子は、社員だけでなく、もちろん経営も超優秀です。

おそらく長くサムスン電子に勤めた社長ですがので、ダブルスコープもサムソン電子の経営哲学、企業文化の影響を強く受けていると思います。

崔 元根氏やダブルスコープに関する取材記事など見ると、ダブルスコープは、その経営哲学や経営手法も、古い日本企業の家族的文化を取り入れて、サムスン電子のいい面、悪い面をよく理解して、それに発展的に改善しているように思います。

第二のサムスン電子の存在の企業となり、10年後に世界的企業に、20年後にガリバー企業、30年度に超ガリバー企業に成長しているかもしれません。

ということでサムスン電子出身の経営者が率いるダブルスコープには、期待しています。


サムスン電子の社員、経営の優秀さを理解するために

サムスン電子の社員、経営の優秀さを理解するために、いくつか本を紹介します。

 

 サムスンの幹部として人事戦略にかかわってきた著者が、東京大学の博士論文としてまとめたものを、一般読者にわかりやすく書き直した労作らしく、
サムスンといえば苛烈な昇進競争が話題ですが、人事戦略と経営戦略の主要な構成要素であることがわかります。
創業から40年で世界トップ企業に上り詰めたサムスン電子。その積極果敢な経営を支えたのは戦略パートナーとなった人事部と優秀な人材群であった。知られざるサムスンの人事戦略を貴重な資料に基づいて初めて解明した本のようです。

 

 役員から平社員にいたるまで、常に新鮮で破格ともいえる人材途用を基本とする経営が、今日の躍進の鍵だと述べています。世界各地から韓国人に限らず、優秀な人材をスカウトし、徹底的な社内研修で「サムスンマン」に仕立て上げる様子を綴るとともに、不況下でも人材の獲得・育成に惜しみなく資金を投入して躍進していく様を内部の人間の目を通して語っています。

 

1カ月で競争する社員に育てるSVP研修、不可能を可能にするPDCAの原則、目標を確実に達成させるアプローチ戦略、短時間で必ず結果を出す会議のルール―チームの競争力を100%引き出し結果を出し続けたいリーダー必読の書らしいです。

 

サムソン電子躍進の秘密は、「サムスン士官学校」とまで呼ばれるその独特の人材育成制度にあるようです。

 

 家電や半導体における韓国企業の世界的躍進を支えたもの、それは「すばやい意思決定」で、詳細なリサーチや顧客ニーズの把握により、新興市場を素早く制圧することを可能にしてきた韓国流の意思決定術を解説しています。

 

2009年の出版で少し古いですが、著者は韓国、米国、日本で教えた経験を活かした良書で、特に比較する視点が的確でその説明も核心突いているようです。
ソニーサムスンのお互いの長所と短所、成功と失敗が網羅的に記述されているため、サムソン電子の成長の理由、その経営の特徴も理解できるようです。

 

以上です。