タイヨウ系ファンドがダブル・スコープ投資やめたってよ

  

に続けて、ダブル・スコープに関するブログです。


ダブル・スコープの大株主の変遷が確認して、興味深い点はいくつかあります。
今回は、タイヨウ・パシフィック・パートナーズ:Taiyo Pacific Partners(以下、タイヨウと略)系列ファンドがダブル・スコープの株式を売却した理由など推測して、ダブル・スコープへの投資について考えたいです。

結論から言うと、機関投資家が買えない理由、売らざる得ない理由がある銘柄は、個人投資家にとっては、チャンスだという話です。

 

タイヨウ系列のファンドは、全国保証、アルバックトプコンそーせいグループ、オープンハウス、Jトラスト、サイバーエージェントなどに投資し、2014年に電子楽器メーカー・ローランドの経営陣によるMBOにも出資しています。

▼ 目次

 

なお、上場企業の大株主の変遷は以下のサイトで一部有料のサービスもありますが、無料で確認できます。


https://irbank.net/

https://www.buffett-code.com/

https://e-actionlearning.jp/

 

■タイヨウ・パシフィック・パートナーズとは

タイヨウ・パシフィック・パートナーズ:Taiyo Pacific Partners(以下、タイヨウと略)は、投資先の「厳しい友人」(友好的アクティビスト)を標榜したアメリカに拠点を置く投資ファンドです。

TaiyoPacificPartnersは厳しい友人!TaiyoPacificPartnersのサイトより加工転載

TaiyoPacificPartnersは厳しい友人!TaiyoPacificPartnersのサイトより加工転載


日本のGPIF(今では世界最大の年金基金年金積立金管理運用独立行政法人、運用資産は170兆円を超える)や米カリフォルニア州職員退職年金組合(米国最大の公的年金基金:運用資産は40兆円を超える)の資金を運用し、日本を中心としたアジアの会社に投資しています。日本株の運用総額は2500億円を超え、オープンハウス、Jトラスト、サイバーエージェントなどに投資を行っています。

■タイヨウ系のファンドの売却時期

タイヨウ系のファンド
2019年12月末期では、
TAIYO HANEI FUND,L.P. 5.22%とTAIYO FUND,L.P. 3.78%
と合わせて、 9%ほど投資していたのが、
2020年12月末期では、0%になっています。

ただ、代わりに株主上位になったカストディアン(Custodian)といわれる、投資家に変わり、海外の有価証券の保管・管理業務を行う金融機関であり、が、タイヨウ系列のファンドが名義だけでなく、投資を中止して、実質的にも、株式を売却しているのか、
それとも名義だけカストディアンにしたのかは不明です。
おそらく、大量保有報告書及び変更報告書を提出していることから、実質的にも売却している可能性が高く、その前提でこのブログは記載します。

 

タイヨウ系のファンドが投資を始めた時期が、株主の推移をみると2017年で、
そのころのダブルスコープの株価は2,000円を超えていたので、ダブル・スコープへの投資は大きな損失となったと思います。結果的に2020年、2021年とダブル・スコープの株価は、1000円を割り、2021年6月22日終値で637円と低迷、下落しているので、損切としては、現時点では悪い判断でなかったようです。


ただ、ダブル・スコープを売却した理由は気になります。

■タイヨウ系ファンドが売った理由

 

ダブル・スコープの事業、外部環境や経営内容は、タイヨウ系ファンドが投資した当時と大きな変化はありません。外部環境という意味では、自動車のEV化の流れが、2019年の当時より、全世界的に強くなっており、外部環境はよくなっていると思います。

 

投資ファンドは、成長力もあり、高収益、株主還元に積極的な企業に投資しますが、タイヨウ系のファンドが投資した2017年当時も今も、成長力はありますが、成長投資の時期で、高収益な企業でも、株主還元に積極的な企業でもありません。

2017年も、現在も、成長力があり、将来は、高収益、株主還元に積極的になるであろう企業の候補というダブル・スコープの状況は変わっていないと私は考えています。

タイヨウ系ファンドが売却した理由はなぜでしょうか。 

タイヨウ系ファンドが売却した理由は、全くの推測(妄想)ですが、
ダブルスコープの資本政策に賛同できない箇所があったのか、
公的年金を資産を運用するTaiyo Pacific Partners系列のファンドでは、リスクの高い企業への投資を控える内部ルールがあり、その内部ルールに抵触したか、
どちらかだと考えています。

 

例えば、資本政策に賛同できない箇所があったという点は、

「Taiyo Pacific Partnersは、MBOを提案したが、ダブル・スコープの経営者はそれを拒否した」「Taiyo Pacific Partnersは、子会社の上場計画に反対したが、ダブル・スコープの経営者はそれを拒否した」などが考えらます。

 

MBOの提案は、上場会社で、赤字が3期に及ぶような事業改革をする場合、株価が大きく下落し、既存株主への不安や株価低迷によるデメリットなど実害が発生するので、市場価格より高い価格で株式を非公開化しようという話があり、タイヨウ系のファンドがそれを提案したのかもしれません。また、タイヨウ系のファンドが、ローランドのように、MBOに出資することで、通常の投資より、大きな収益を狙ったのかも知れません。

 

子会社の上場計画の話は、韓国の100%子会社W-SCOPE CHUNGJU PLANTが、韓国証券市場であるコスダックへの株式上場(2022年上期に上場)を計画中であり、
利益の外部流出、迅速な意思決定の阻害、経営効率の悪化を招く可能性があるので、投資ファンドが反対した可能性もあります

 

リスクの高い企業への投資を控える内部ルールに抵触した可能性についてですが、

- 継続企業注記企業になった。2019年12月期有価証券報告書において、「継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような状況が存在している」と注記されている。

- 特許訴訟リスクがある。2020年2月に、旭化成は、ダブル・スコープと同社の韓国子会社に対して、旭化成保有するリチウムイオン2次電池用セパレーターの韓国における特許を侵害したとして、WSCOPEに韓国での同製品の製造・販売の差し止めと損害賠償を求める裁判が提訴されている。

といったことが原因かもしれません。


継続企業注記企業になった件は、最新の有価証券報告書によると
 - 業績の黒字化
 - 新株発行による増資
に解消される見込みがたっているように思えます。

金融機関と返済期限の延長を交渉しているような記載がありますが、
これは、融資額の全額返済を求めるような、期限の利益の喪失を、契約上は金融機関を要求できるが、そんな要求はしないで当初の返済計画通りにしてもらうことを確認しているだけのようで、それほど心配しなくてもいいような状況と想像します。

 

特許訴訟リスクについては、裁判は継続中のようで、旭化成の特許の有効性について、
ダブル・スコープに不利な判決もでたようです。
ただ、特許訴訟で取引先が減っている、売上が減っているということは、ダブル・スコープの決算資料からは読み取れないので、大きな実害のある話ではないようです。

 

繰り返しになりますが、まったくの推測となりますが、投資ファンドが株式を売却した理由を考えて、その理由が現在も重要なものなのか、考えることは、
ダブル・スコープに投資する判断材料となりそうです。

長期的な視点で投資する年金の運用について、全米一の年金資産額の米カリフォルニア州職員退職年金組合や世界一の年金資産の運用をしているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)から運用の委託を受けているタイヨウ系列のファンドが投資していた企業であり、その投資していた当時と特徴や強みが変わっていないのあれば、そして、

その投資していた当時と比べて、株価が極端に割安であれば投資する価値も高そうです。

 

投資ファンドの投資手法などについて詳しく知りたい人へ

 

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また、個人投資家の多くは「外国人投資家はうまく儲けている」というコンプレックスを持っているため、外国人投資家モノは投資本では定番の売れ筋テーマとなっています。

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読んで頂き、ありがとうございました。

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