2021年12月期中間決算後のW-SCOPEの株価の行方

2021年12月期中間決算後のW-SCOPEの株価の行方やダブルスコープの増資を引き受けたマッコリー銀行とマッコリとの関係など解説しています。

■はじめに

にて

『おそらく710円(2021年4月には、マッコリ―銀行を引受先に公募増資した金額、4月7日の終値株価 750円から5.33%ディスカウントした価格)を超えての下落は一時的で、710円程度で下値を固めて、その後は、2021年11月の3Qの発表を受け、2021年年末ぐらいには、800円ぐらいまでの株価には戻る思っています。』

といった株価の行方という見方をお伝えしていますが、その根拠や今後の下値目途について、お話します。

 

■710円の下値の根拠


「おそらく710円(2021年4月には、マッコリ―銀行を引受先に公募増資した金額、4月7日の終値株価 750円から5.33%ディスカウントした価格)を超えての下落は一時的で、710円程度で下値を固めて、」
の部分の解説です。

まず下値とは下限として意識されるであろう値といった意味で、これ以上は下げは一時的なものと考えていい値段といい意味で使っています。
下値を固めてという意味は、「相場が底をつけてから、ある程度反発し、その後、小幅な上げ下げを繰り返している状態」といった意味で使っています。

 

増資を繰り返したダブル・スコープ!増資時の発行価格より安い今の株価は、買いかも! - 令和の未来カエルのブログ

で伝えている通り、
900万株、約60億円ものダブルスコープの株の買い手がいたわけで、機関投資家が、710円の株価は安いと思って購入したのです。


機関投資家は、インサイダー情報に抵触しない範囲で最大限ダブルスコープの情報を取得していると思います。
もしかしたら、取引先(サムソンSDI)や市場関係者(サムソンSDIのリチウムイオンバッテリー※の販売先となる自動車やIT機器の業界関係者)からの情報で、ダブルスコープのインサイダーより深い情報を知って投資しているかもしれません。

インサイダーぎりぎりの情報が何かは私もわかりませんが、海外の機関投資家が710円の株価は安いと思う根拠があったので、その時と比べて、ダブルスコープは、営業キャッシュフローが黒字化の定着(2020年12月期通期決算 0.8億円 2021年12月期中期決算23億円と黒字化しています)、最大の取引先のサムソンSDIリチウムイオンバッテリー事業の好調な状況が伝えられるなどは好転しています。
※今まではブログで、リチウムイオン電池と表現していましたがリチウムイオンバッテリーと変更しています。英語での表現:lithium-ion batteryと合わせて、リチウムイオンバッテリーと表現されることが増えているので変更しています。

 

▼サムソンSDIのリチウムイオンバッテリーが好調な話

サムスンSDI、電気自動車バッテリーの黒字が「本格化」…年間の営業利益「1兆ウォン」を狙う(WoW!Korea) - Yahoo!ニュース

より引用です。

第2四半期の売上高は これまでの最高値を更新しただけでなく、営業利益は 金融情報企業 “FNガイド”が集計したコンセンサス(実績推定平均)2561億ウォン(約244億1700万円)を上回った。

このようなサムスンSDIの驚くような実績は、エネルギーおよびその他の事業のおかげだと分析されている。エネルギーおよびその他の部門の売上高は 昨年の第2四半期より41.2%増加した2兆7118億ウォン(2591億7500万円)、営業利益は 同期間より26倍増加した1687億ウォン(約160億8200万円)を それぞれ記録した。営業利益率は6.2%となり、昨年第2四半期の0.3%に比べ 大きく増加した。

サムスンSDIキム・ジョンソン経営支援室副社長は「上半期の累積でみても、電気自動車バッテリー事業は黒字であった」とし「半導体の受給状況が改善され 5世代バッテリーが量産されるなど、事業全般にわたって 下半期の収益性は一層 改善されるだろう」と語った。

 

2021年4月当時の機関投資家が安い(損はしないと考えた株価)と考えた710円で、この値段は、多少状況が好転している今においては、中間決算発表後でも、下値として有効だと考えています。

 

移動平均線でみる下値

中間決算後の8月13日の株価で、
13週移動平均:671円
26週移動平均:702円
52週移動平均:780円 
という状態です。

移動平均がなぜ重要かというと、それは過去の一定期間に変われた株価の平均値ですから、その平均値を下がると下落が止まることが多いです。

その平均値を大きく下がると損切の売りで下落がさらに大きくなる可能性がありますが、
13週 約3カ月の平均値が671円 26週 約6カ月の平均値が702円、52週 約1年の平均値780円ですから、これを下回っている状態では安いと思う人が多く、買いも入るでしょうから、移動平均価格の観点からも、710円付近が下値を固めるという見方は間違っていないようです。

 

移動平均などチャート、テクニカル的な株価の分析で有用かもと思われる本を紹介します。

 

▼著者の足立武志さんは公認会計士の方で、公認会計士のような硬い職業の方がチャート分析の本を書くのはめずらしいですね。

▼著書の高橋 ダンはYoutuberとして著名ですが、実践的なチャート分析、テクニカル分析を紹介しています。

 

■マッコリ―銀行とマッコリとの関係


勘違いしている方もいるかもしれませんが、マッコリ―銀行は、マッコリ(米を主原料とするアルコール発酵飲料で朝鮮半島の伝統酒)とは関係がなく、韓国の会社でもありません。

マッコーリー銀行(英: Macquarie Bank)は、シドニーに本拠地を構えるオーストラリア最大の投資銀行で、マッコリ―銀行のマッコリ―はラックラン・マッコーリー(1762年1月31日 - 1824年7月1日)というイギリス軍将校、オーストラリアのニューサウスウェールズ州の総督(1810 - 1821年)という人名からきています。

 

ニューサウスウェールズ州は、オーストラリアの中で人口が最も多い地域でオーストラリア最大の都市 シドニーやオーストラリアの首都キャンベラがあります。正確にいうとキャンベラは、オーストラリア首都特別地域という地方政府に属し、ニューサウスウェールズ州と別の地方政府に属しますが。

 

マッコリ―はオーストラリアの建国の偉人と呼ばれるような人で、
下記のようにラックラン・マッコーリーにちなんで命名された事物が多くあります。

ポート・マッコーリーニューサウスウェールズ州の都市

https://jp.sydney.com/destinations/north-coast/port-macquarie-area

シドニー近郊の港町として観光地としても人気があるようです。)

マッコーリー島タスマニアと南極の間の島。
マッコーリー病院
マッコーリー大学、シドニー
マッコーリー銀行

 

オーストラリアの歴史に興味ある方向けの本を紹介します。 

 

 

マッコリの語源は、 語源は「マッ+コルダ」(막 거르다、粗雑に+濾す)という韓国語から来ており、「粗く濾した酒」という意味で、オーストラリアのラックラン・マッコーリーとは関係なくようです。

 

 

どぶろく(にごり酒)の原料は、基本的に米のみですが、
マッコリの原料は主に米だが、ジャガイモやサツマイモ、トウモロコシなどが使われることもあり、日本のどぶろく(にごり酒)のより、酸味と炭酸がより強いのがマッコリの特徴のようです。

 

マッコリ―銀行でなく、韓国内で公募増資して、マッコリが好きな韓国人にダブル・スコープの株を買ってもらえばいいのにと思いますが、ダブルスコープは韓国からみて外資企業の国内投資の優遇策の一環として、税金や工業団地の賃料など優遇されているので、韓国人の株主比率が増えると、その優遇措置がなくなるなど、問題があるようです。

この辺の話はWSCの韓国市場への上場にも関係しそうなで、また別の機会に解説したいと思います。


マッコリの話のついで、お酒に興味のある方に向けて、本を紹介します。著書の小泉武夫さんは、発酵学の第一人者といわれる農学部の大学教授です。


■710円超えての下落は一時的の「一時的」の期間は


一時的とは、2か月程度の期間を考えています。

10月ぐらいから、11月中旬に発表される第3四半期の決算発表を期待した買いが入り
、2Qの決算発表は悪かったですが、3Qの決算発表で株価が持ち直す可能性が高いと考えるからです。

 

あくまで3Q決算がいい(1Qと2Qほど悪くない)と考えて、一時的ですので、そう考えない人は参考にしないほうがいいです。

 

3Q決算がいい(1Qと2Qほど悪くない)と考える根拠は、改めて別のブログ記事にします。

 

今年も7月から8月上旬ぐらいから、8月12日に発表される中間決算への期待から買われまれ、株価が8月12日終値の812円まで上昇しました。

2019年8月も株価は下落しました。

2019年8月13日に1062円を付けていましたが、13日取引時間後の決算発表を受けて、
8月14日965円、8月15日 894円とつけ、
その後8月29日には577円の年初来安値(おそらく当時の上場来最安値)をつけました。

3Q決算が発表される前の2019年11月5日に679円まで上昇し、
その3Q決算を受けて、2019年12月30日(2019年終値)1024円まで株価を戻しています。

 

その後2020年には、コロナショックがダブルスコープだけでなく、世界の株式市場を襲い、ダブルスコープも上場来安値 262円(2020/04/06)まで下落しますが、これは異常値と考えたほうがいいでしょう。ただ、コロナショックで市場が冷静さを失い異常値になった時でも262円だったので、これが底値の目途として使えるでしょう。

 

■大底の底値

大底の底値とは、3年ぐらいの長期でみて、最も安かったというされる株価という意味で使っています。

まず、年初来安値 568(2021/07/09)
が大底の底値として意識されると思います。

 

個別銘柄の短期のピーク・ボトムは、13週移動平均で±30%乖離近辺となることが多いといわれてるそうです。
流動性の低い小型株のダブルスコープの場合は±50%は見てもいいと思いますので、
8月16日時点の13週移動平均が671円なので、340円ぐらいまできたら、大底でしょうね。
私は、そこまで下げず、600円台の株価は一時的で、700円付近で下値を固めるイメージでいます。

個別銘柄のチャート分析は、流動性のある大型の株しか通用しないかもしれませんが、チャートを利用して株価を判断する人も多いので参考にはなるでしょう。

年初来安値 568(2021/07/09)・上場来安値 262(2020/04/06)
の中間値は415円です。

『さすがにコロナショックの時262円までは下がらないと思うけど、年初来安値は割るかも』と思っている人が多い想像されるので、
400円ぐらいまで下がるかもしれません。

中間決算後の数字で、1株当たりの純資産は、
301円(純資産164億3400万円 ÷ 発行済株式数 5446万1600株)
です。

この辺も意識されると思うので300円台の株価になったら大底かもしれません(そこまでの下げはないかと思いますが、)。

 

ただ、コロナショックの時に上場来安値 262円を割るよう株価になるといよいろ事業の継続性が危機的な状況、いわゆる倒産の予兆かもしれません。

ダブルスコープは継続企業の疑義注記がされている会社で、経営者、監査法人が倒産のリスクが高いと認めている会社です。

 

電気自動車、EVがブームで終わり、電気自動車用リチウムイオンバッテリーの需要をあてにした大規模な投資が大失敗になる可能性があります。

 

電気自動車用リチウムイオンバッテリー向け売上が大きいようですが、ダブルスコープのセパレーターが原因の自動車の人身事故、大規模リコールなど発生したら、本当に倒産するでしょうから、ハイリスクハイリターンな投資であることは肝に銘じておきましょう。

 

 

実際に、エアバッグの欠陥リコールから経営不振に陥いったタカタは、
2017年6月に負債総額1兆円を超えて製造業としては戦後最大の経営破綻をし、2017年7月に上場廃止になっています。その後、民事再生法の手続きで、株式の価値は無価値となりました。

 

▼タカタの倒産事例が紹介されている書籍です。


タカタも含めて、リーマン・ブラザーズエンロンコダック、トイザラス、MGローバー、山一證券、そごう……日米欧の25事例を分析している本です。

 

 

 ▼半沢直樹でおなじみの池井戸さんの著作で、自動車のリコール事故の関係者を登場人物にした小説があります。ドラマや映画にもありなりしたね。

 

 

 
▼リコール問題や燃費改ざんの問題で倒産瀬戸際まで追い込まれた三菱自動車を取り上げた書籍です。「空飛ぶタイヤ」は三菱自動車リコール隠しから着想しているという説があり、ドラマ化もWOWOWでされましたが、民放でドラマ化されないのは、
テレビのCMスポンサーでもある三菱自動車に配慮しているからだという噂があるようです。

 

 

 

 以上です。

参考銘柄コード 6619,7211 W-SCOPE,三菱自動車