W-SCOPEへの興味からサムスンとLGの創業について調べてみた

W-SCOPEへの興味から韓国の四大財閥について調べてみようと思いました。

まずはサムスンとLGの創業(創業時の歴史など)について紹介します。

 

 ▼目次

はじめに

で伝えていましたが、ダブルスコープの主要販売先が、LG財閥のLG化学からサムスン財閥のサムソンSDIに変わった話をしました。

ダブル・スコープの動向を知るためにも韓国4大財閥 サムスングループ、現代自動車グループ、SKグループ、LGグループについて勉強しようと思いました。
財閥という表現か、企業グループという表現が適当か迷いましたが、韓国の場合、家族、一族での株式の保有により、企業グループの支配権を維持しているようなので、財閥という表現が適当と思い、ここではそう表現しています。

 

SKグループのSKイノベーションは、リチウムイオンバッテリー(電池)の大手で、SKイーアイテクノロジーのセパレーター事業が主力で、ダブル・スコープの競合となる会社です。

現代自動車は、グループ化した起亜気動車と合わせるとは、 生産台数で2020年で世界5位719万台の企業です。EV(電気自動車)の2020年生産台数も、起亜自動車と合わせると、15万6千台となり、世界6位となり、リチウムイオンバッテリーの需要を大きくEVにも注力しており、その動向も注目です。
EV生産台数の日本企業のトップは6万2千台で日産が14位である、トヨタが5万5千台で17位です。日本企業がEV進出が遅れているのは生産台数から見ると、事実です。

現代自動車は起亜自動車の株式33%程度保有しており、日本でいうと日産と三菱自動車の関係が現代自動車と起亜自動車の関係が近いです。

 

イギリスの歴史学者アーノルド・J・トインビー氏は
「12・13歳までに民族の神話を学ばなかった民族は必ず滅びる!」という言葉を残したと言われます(出展は不明)。
ここでいう神話とは、民族の起源について古くから伝承された話のことだと思いますが、企業を知る上で、その神話といえるその創業者、社名の由来など創業時の話を知ることは有益でしょう。

 

 


そこで創業についてまず調べてみました。

韓国の財閥の資産総額の規模では、

韓国財閥ランキング(2019年10月1日付)

韓国公正取引委員会発表資料
1位 サムスン 415兆ウォン
2位 現代自動車 224兆ウォン
3位 SK 218兆ウォン
4位 LG 130兆ウォン
となっていますが、ランキングの順位と関係なく、
今回はダブル・スコープと関係が深いサムスンとLGを紹介します。

 

サムスンの創業


李 秉喆(イ・ビョンチョル、慶尚南道の大地主 李纘雨の次男として誕生、1910年2月12日 - 1987年11月19日 )が早稲田大学中退後、1938年3月1日に大邱で設立した三星商会が今日のサムスングループの創業と言われてます。干物、地元産の食料品や麺などを扱っていた食品商社のような事業をしていたそうです。

1947年に本社をソウルに移転し、1948年には三星物産公司(現在のサムスン物産)が設立され、1953年に釜山で第一製糖(現在のCJ第一製糖、サムスングループから分離)を設立。1954年に大邱で第一毛織(サムスンSDIの前身)を設立、国内で最大の羊毛工場を建設しています。ウール製品などの繊維事業や製糖などの食料品事業から発展します。


現在、サムスン電子副会長、サムスングループの経営トップは李在鎔(イ・ジェヨン、1968年6月23日 - )ですが、サムスングループ創業者李秉喆の孫にあたります。

サムソンの創業者李 秉喆(イ・ビョンチョル)の三男
現サムソントップの李在鎔(イ・ジェヨン)の父親が
サムソン電子を発展させた李 健煕(イ・ゴンヒ、1942年1月9日 - 2020年10月25日 )です。

創業者の李 秉喆(イ・ビョンチョル)は早稲田大学を中退していますが、李 健煕(イ・ゴンヒ)は、早稲田大学を1965年に卒業したが、早稲田大学出身で時価総額トップの企業経営者といわれてます。長男で後継者の 李在鎔は韓国トップのソウル大学出身ですが、慶應義塾大学大学院で経営管理研究科修士課程修了という経歴も持っています。こんな話を聞くと、日本人なら少し親近感を感じる韓国の財閥です。

 

創業者の 李秉喆 の自叙伝による、「三星」は、大きさ、多さ、強さを象徴し韓国人が一番好きな数字「三」と明るさ、高さ、永遠を意味する「星」を組み合わせて作ったとのことです創業当時は日本統治時代であることもあり日本語の訓読みの「みつぼし」「みつぼししょうかい」でだったそうです。

 

創業時の話から、衣食住全般が不足した当時の状況で、一番需要が高かった分野である砂糖と服地を生産する企業として、第一製糖と第一毛織を設立するなど、需要が高い成長が見込める分野に進出するのが得意な財閥という印象です。

 

サムスンについては、 

1年の休日は1日だけ!激務のサムスン電子で鍛えられた社長 崔 元根氏が率いるダブル・スコープは第二のサムソン電子になれるのか - 令和の未来カエルのブログ (hatenablog.com)

のブログ記事の読んでいただけると嬉しいです。

 

LGの創業


LGは祖業は釜山の小さな化粧品工場です。1947年1月に釜山で設立されたLuckyChemical Co.、Ltd(ラッキー化学、現在のLG化学)で、韓国初の国産化粧品「ラッキークリーム」を生産しました。歯磨き粉、歯ブラシ、プラスチック製ヘアブラシなど国産化し、化粧品事業から石油化学事業に1950年代は発展しました。

 

1952年:LuckyChemical Co.、Ltd。が韓国初の射出成形機(プラスチックなどの合成樹脂の加工で利用する工作機械)を製造

1956年:LuckyChemical Co.、Ltd。は韓国で最初のPVCパイプを製造しています。PVCはポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride、PVC)の意味である

1957年:LuckyChemical Co.、Ltd。がビニール床材を開発

といったように化学製品を国産化して会社を大きくしたのが1950年代でした。

 

1958年に設立されたゴールドスター株式会社(金星社、現LGElectronics)を中心に、
1960年代は、ラジオ、テレビ
1970年代は、電話交換機、電圧計、冷蔵庫、エアコンなど電気製品の国産化、輸出に成功し、事業を拡大させました。

1980年以降は、電気製品や化学事業にともに事業を拡大し、半導体や液晶事業にも進出します。
半導体事業は、現代電子産業(現在SKハイニックス)に吸収されましたが、液晶モニターは世界シェア1位です。

1995年に、グループ名をラッキーゴールドスターからその略にLGに変更しました。
LGエレクトロニクスの前身である株式会社金星社(GOLDSTAR)と総合化学メーカーの株式会社ラッキー(現在のLG化学)が、1995年に経営統合して誕生したブランドです。

今でもLGグループの二本柱は、LG ケミカルとLG エレクトロニクスです。

 

創業者は具 仁會(クー・イネ1906年8月26日から1969年12月31日)です。

1931年7月、慶尚南道晉陽郡智水面(キョンサンナムド・ジンヤングン・ジスミョン)で消費者共同組合の仕事をしていた24歳の青年が、慶尚南道晉州市(チンジュシ)の中央(チュンアン)市場で呉服店を開いた。主に絹を販売していた青年は、隣の商店に出入りする女性から、いわゆる「顧客の声」に耳を傾け始めた。
「夏に、絹製の服をまとっていたら暑くて我慢できませんよ。冬向け生地と夏向け生地が別々にあればいいのに」、「絹の絵柄は余りにも単純な上、種類も限られていますね」。

消費者の声に耳を傾けていた青年は、季節ごとにさまざまな厚さの絹や生地を用意し、さまざまな柄で染色した商品を発売した結果、大成功を収めた。

青年はほかならぬLGグループを設立した創業主の故具仁會(ク・インフェ)会長(1907〜1969)だ。LGグループの「顧客満足経営」は、すでにグループ創立前から、LGの経営哲学として位置づけられていたのだ。

と逸話があり、戦前から呉服店事業など起こし成功していたようです。上海臨時政府をはじめ、独立運動家の資金を支援したことが知られており、愛国心が強い方だったみたいです。

具仁会 会長は当時、経営陣の一部から、「ラッキー歯磨き粉の市場シェアは高いのにそれほど利益が出ない、安価な原料を使って利益を上げるべきだ」という意見が出ると、「利益が少なくてもいいから、奉仕するという姿勢でやれば、そのうちラッキーへの信頼は消費者の頭の中に焼き付き、結局それこそ我々の利益につながる」と反対した。

品質のいい韓国の国産品を消費者に適用することが大事だという意識があったみたいで、その辺が、韓国で消費者から支持をえて、事業が拡大して理由のようです。


現在のLGグループのトップは、具光謨(ク・グァンモ)で、創業者 具 仁会(クー・イネ)のひ孫にあたります。

 

LG財閥のトップの世襲 

LG財閥のトップの世襲 


日本企業(日本の資本)と直接関係ない、かつ、創業者の日本での留学、就業など経験がないのようですが、LGエレクトロクスは日立、富士電機NECと技術提携を受けるなど他の韓国企業と同様に日本企業との関係は浅くありません。

 

創業時の話から、LGで自社生産、韓国初の国産化にこだわりを持つ企業文化がある財閥かなと思いました。

 

参考書籍の紹介

このブログで読んでいただいた方が興味を持ちそうな本を紹介します。

 

 

 

 

 

 

銘柄メモ ダブル・スコープ6619 東レ3042 旭化成3407 住友化学4005 帝人3401 宇部興産4208 パナソニック6752 TDK6762

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