W-SCOPEへの興味からSKグループの創業者、二代目、三代目について調べてみた(SKのKは日本のとある都市名から)

ダブルスコープへの興味から韓国の四大財閥について調べてみようと思いました。

今回はSKの歴史、SKの創業者、二代目、三代目について調べてみた内容を紹介します。

SKのKは京都から由来するかもしれないという話は意外ですね。

 

 ▼目次

はじめに

 

 
で伝えていましたが、

 

SKグループのSKイノベーションは、リチウムイオンバッテリー(電池)の大手で、SKイーアイテクノロジーのセパレーター事業が主力で、ダブル・スコープの競合となる会社です。

 

イギリスの歴史学者アーノルド・J・トインビー氏は
「12・13歳までに民族の神話を学ばなかった民族は必ず滅びる!」という言葉を残したと言われます(出展は不明)。
ここでいう神話とは、民族の起源について古くから伝承された話のことだと思いますが、企業を知る上で、その神話といえるその創業者、社名の由来など創業時の話を知ることは有益でしょう。

 
そこで、サムスンとLGに続いて、SKの創業、その後の歴史についても調べてみました。

 

韓国の財閥の資産総額の規模では、

韓国財閥ランキング(2019年10月1日付)

韓国公正取引委員会発表資料
1位 サムスン 415兆ウォン
2位 現代自動車 224兆ウォン
3位 SK 218兆ウォン
4位 LG 130兆ウォン
となっていますが、ランキングの順位と関係なく、
今回はSKを説明します。

 調べていくうちに創業者でなく、二代目(創業者の弟)、三代目(創業者の甥)の実績などにつていも確認できたので紹介します。

 

SKグループについては

ダブル・スコープの競合 SKイノベーションとは- 『国策に売りなし』か『国策に売られるか』- - 令和の未来カエルのブログ

の記事で、SKイノベーションリチウムイオンバッテリーの大手)を

SKアイイーテクノロジー(SKIET)の時価総額が高すぎるのか、ダブル・スコープは安すぎるのか - 令和の未来カエルのブログ

のSKアイイーテクノロジー(セパレーターの大手)を紹介しています。 

 

SKの創業者

 SKの創業者は日本ではあまり知られていない方ですが、崔鍾建(チェ・ジョンゴン)という方です。彼は1926年1月9日に京畿道の水原(現在はサムスン企業城下町として有名でソウル近郊の都市)に生まれました。

 公立の実務教育を主眼とした京城公立職業学校機械科(ソウル科学技術大学 機械学科)で繊維機械を学び、1944年に韓国の水原に拠点を持つ「鮮京織物株式会社」に綿の生地を製造する機械技術者として就職します。

 この「鮮京織物株式会社」は、鮮は朝鮮を、京は京都を由来した可能性があり、朝鮮総督府時代の京畿道の水原市で日本資本として創業して織物を内地から輸入し満洲に織物輸出を行っていた「鮮満綢緞」と日本の「京都織物」という会社が合弁1939年に設立された会社です。

 もちろん、朝鮮の京(みやこ)といった意味もあったかと思いますが、合弁会社の出資者の会社名が、合弁会社の場合、出資者(親会社)の名前をそれぞれ取ることが多いため、「鮮京織物」と「京都織物」という会社名からそれぞれ一字を取ったと考えるのが自然でしょう。

 SKの会社名は、鮮京織物の鮮京(ソンギョン、朝: 선경、英: SUNKYONG)に由来します。 

 

その後、日本の敗戦、日本人経営者の内地引き揚げと現地残留資産の放棄後、朝鮮戦争を経た1953年当時、鮮京織物の製造部長だった崔鍾建が、設立間もない大韓民国政府より工場設備一切の払い下げを受け、1956年に株式会社化しました。

その後は紡績・繊維業に事業の主力を置く会社として発展しました。

 

崔鍾建(チェ・ジョンゴン)_ニューヨークで1958年撮影

崔鍾建(チェ・ジョンゴン)_ニューヨークで1958年撮影

上の写真はSKの創業者崔鍾建(チェ・ジョンゴン)が、32歳の頃、アメリカのニューヨークの出張時に撮影されたとされる写真です。180cmという長身だったそうで、スタイルがいいですね。

残念ですが、1973年11月15日に肺癌で 47歳の若さで亡くなります。

 

二代目(創業者の弟)

崔鍾建(チェ・ジョンゴン)の弟 崔鍾賢(チェジョンヒョン、1929年 11月21日〜1998年 8月26日68歳)が、SKグループ会長となります。

 

崔鍾賢(チェジョンヒョン)は、1950年にソウル大学農業機械学科に入学し、米国に留学し、その後1956年にウィスコンシン大学を卒業してシカゴ大学で経済学の修士課程を終えていますので、当時の世代としては、崔鍾賢(チェジョンヒョン)は超インテリで、たたき上げの経営者が多い韓国では珍しかったのではないでしょうか。

 

SKグループの二代目崔鍾賢(チェジョンヒョン)は、韓国で3位の財閥まで発展させたように、実績から見るとかなり有能だったようですが、主に大規模な国営企業の買収で事業拡大させます。

 

〇1980年に国営企業の大韓石油公社(略称:油公、ユゴン、유공、現SKイノベーション)の払い下げを受ける。

 

〇1994年には同じく国営の韓国移動通信の払い下げを受けて「SKテレコム」に改称。同社を韓国の携帯電話業界の最大手にまで成長させ、石油部門と並ぶグループの事業の柱を形成する。

 

三代目(創業者の甥)

SKグループの二代目 崔鍾賢(チェジョンヒョン)も68歳と若くしてなくなります。

 

後を継いだのは、二代目 崔鍾賢(チェジョンヒョン)の長男で、創業者から見ると甥にあたる 崔泰源(チェテウォン 出生 1960年12月3日 現在60歳)です。38歳でSKグループの会長に就任します。

 

〇2012年に半導体製造会社ハイニックス半導体を買収し、SKハイニックスとした。

 

〇2015年には韓国の産業用ガスメーカーのOCIマテリアルズを約510億円で買収した。2

 

〇2019年には主力事業である石油化学事業が石油を必要としない電気自動車の台頭で危機感を感じ、SKグループ系列の化学メーカーであるSKCは2019年8月、主力の化学部門を分離してSKC PICを立ち上げた後、この会社の株式49%を売却して、電気自動車バッテリー中核素材メーカーのKCFTを買収するという、化学部門を売却した資金でバッテリー事業に進出した。

 

〇2019年には、別の系列会社であるSK総合化学も、新たな収益事業を探るために、同月15日にフランスの石油化学メーカー・アルケマの高性能ポリマー事業を3億3500万ユーロ(約400億円)で買収した。

 

と3代目の崔泰源(チェテウォン)も、企業の大型買収により、半導体リチウムイオンバッテリーなどに順調に事業を発展させます。

 

創業当時の話やその後の歴史を見ると国営企業の買収も含めて、大規模な企業買収で事業を拡大させた会社であるといった印象を持ちました。

  

参考書籍の紹介

このブログで読んでいただいた方が興味を持ちそうな本を紹介します。

 

 

 

 

 

 

 

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