W-SCOPEの2021年12月期第3四半期決算説明会の文字起こし(前半の実績説明)

に続けて、ダブル・スコープに関するブログ記事です。 


 2021年11月16日に実施された2021年12月期第3四半期決算説明会の内容を、いわゆる文字起こしという形で、文章にして紹介します。動画の内容を文章で読むと、新たな気づきもあると思います。

 今回のブログで文字起こしをしたのは、

「Ⅰ 2021年12月期第3四半期実績 ・Ⅱ 2021年12月期業績見込・ Ⅲ Appendix」といった全体の構成のうち、「Ⅰ 2021年12月期第3四半期実績」の内容です。

全体で23分39秒の時間のうち、前半12分間分の内容です。

■冒頭

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W-SCOPEの2021年12月期第3四半期決算説明会

(説明したプレゼンターは取締役 大内 秀雄氏 です。)

それでは時間になりましたので、ただいまから ダブルスコープの2021年12月期第3四半期の決算説明会を開催いたいします。お手元に、ホームページのほうから決算説明資料をご覧頂いていると思いますが、まず、ページをめくっていただきまして、今第3四半期決算サマリーのご説明をさせていただきます。

 

■2021年12月期第3四半期決算サマリー 

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2021年12月期第3四半期決算サマリー 

この期までのところ、今年はですね、売上高、非常に順調に伸びております。
概ね計画通り進んでおりまして、え、まあーすでに200億円を超える売上高となっております。
前年同期比71.5%増ということですけれども、まーあの営業利益もそうなんですけれども、昨年の同期はまだですねコロナ禍からの回復途上の期にありましたのでは、なかなかこの単純比較はできませんけれども、売上高、今年に関しまして、これまでのところでほぼ、計画通り進んでおる状況となっております。

中身と致しましては、韓国のお客様向けの売上高、車載用と民生用とともに増えておりまして190億円超ですね、前年同期比で81.9%の増加という状況になっております。
特にまた車載用途ですね、マーケットの後押し、当然ございます、自動車業界再編の中ですね 、EV に関しては各社様と計画通りあるいは市場での引きが強い中ですね、計画を前倒しという状況も見られるようです。
私共の車載用電池に関わるところの売り上げは100億を超える状況となっております。これと同時に民生系のところ、ハイエンド用の電池、ハイエンド電池のセパレーターの売り上げこれもコーティング製品の売り上げが非常に伸びております90億円を超えるところになっております、こういった状況でですね、売上高、非常に順調なところで、営業利益ですが、まあ、第2四半期のところでは、残念ながら赤字となったわけですけれども、第3四半期で黒字に戻り、ここまでで4億2200万円の営業利益となっております。まあ、これも前年同期比で見ますと37億円強の改善ということでございます。

 

ただ、まあ、期初計画、後程、この比較の所はご説明しますが、期初計画から比べますと、営業利益の回復が遅れています。主な要因として、二つご説明させていただきますが
一つは、私どもだけでなく、輸出産業全ての皆様、影響受けていると思いますが、世界的に海運事情、非常にわるくなっておりまして、私ども、韓国で生産した製品をですね、まあアジア各国もそうですけど、 ここ数カ月、1年超のところ、欧州向けの売上を非常に伸ばしておるわけですけれども、韓国からヨーロッパへの、まず船のスペースを取ること自体が非常に難しい状況で、そのような状況で当然、輸送コストも高止まりをしているところ、さらには船のスケジュールが遅れたり変わったりすることに対してですね、お客様の製造ラインを守るという意味でも、私ども、やむを得ず エアー での、航空機での出荷ということをせざるを得ない状況もございます。そういったことあいまって、輸送コストが、まあ、当初計画よりも大きく膨らんでおります。

 

さらにはですね、ま、これまでもご案内してきましたけれども、今年の増設の新しい ライン の稼働に伴って、グループ全体での生産最適化、改善ということに取り組んでいく計画でございましたけれども、この計画は若干遅れたこともございまして、第3四半期末のところでの在庫、これが計画より不足をした状況ということでの営業利益改善の遅れの主要因となっております。

 

えーまあ、設備の稼働状況に関しましては、今少し触れさせていただきましたけれども、需要増に伴い車載案件用の既存ラインこれは WSK 、WCP ともにフル稼働を継続している状況です 。WCPの新しい ライン の据え付けも完了し、またあの10月以降には少し遅れていたところですけれども量産稼働開始ということで、出荷も始まっている状況でございます。 

WSKの ライン まあ、車載用途生産分をですね、 WCPの方にも移管してですね、さらに供給量を増やしていくということです。

一部の WSKの ライン では、生産設備に最適な製品の量産をすでに開始しました。第2四半期までのところから生産品目を入れ替えることによってですね WSKのもつ生産設備の能力を最大限に生かした生産ができる状況となっております。こういった事によってですね 、WSK、WCPともに生産能力を大きく拡大しております。
第3四半期以降、第4四半期もさらに販売数量が増えていく準備が整っている状況でございます。


また、新設のコーティング ラインもですね、あの以前も、ちょっとご紹介したことあると思いますけれども、私ども独自の新しい技術を取り込んだところで、従来の設備に比べまして1ライン当たりの生産量約2倍にする、そういった量産がすでに成功しております。

こういった技術を用いてですね、生産数量、効率的に拡大していく、こういったところに取り組んでおります。

■実績(連結)

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連結(実績)2021年12月期第3四半期決算 

これらの内容を次のページで数字にまとめたものをお示ししております。先ほど前段のところで営業利益までのところをご説明しておりますけれども、経常利益以下のところ、これもまた後ほど詳しく説明はさせていただきますが、えー、WCP の転換社債に関わるオプション負債の計上、これが大きな影響となっております。オプション負債の詳細の説明は、この場でちょっと時間の都合でできませんが、元々、転換社債を発行した時の WCPの評価価値 これがですね、これまでのところでおよそ8倍にまでふくらんできている、子会社の企業価値、評価価値が高まることによって、会社の側では、オプション負債という名目での評価性の損失を計上する状況になっております。

■B/S主要項目の推移 

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021年3Q_B/S主要項目の推移

 

一方、BSの方ですけれども、この期で、特にですね、私どもWCP、私どもの保有するWCPの株式の一部の売却により、資金調達をいたしております。 約160億円相当の売却額となっております。このキャッシュフローによって

、私どもダブルスコープ単体で申し上げますと借入を全て返済し、今現在のところも無借金の状況となっております。
同時に WSKの増資、約520億ウォンですね、これ韓国ウォン相当、520億ウォン強の増資を実施しております。
そういったことで、まあ、負債の方がですね、長期借入、短期借入大きく減って、資産のところが増やしているという状況となっております。

 

■営業利益増減要因

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2021年3Q 営業利益増減要因

 

 続きまして営業利益 増減要因ですけけれども、これ冒頭にも申し上げた通り、前年同期、まだコロナ禍の影響から回復しきれない状況にございまして、前年同期との比較が 説明材料として、少し難しいところもございますけれども、売上高はですね販売数量の増加と販売構成の変動、付加価値の高いコーティングセパレーター等の販売数量が増えているということ、こういったところからですね、84億円8200万円の増加となっております。

まあ当然これだけ売上高が増えることに伴っての原材料費の増加人件費の増加等 ございます。


それから、先ほどもご説明しました通り今年通じてですね、運送費の負担が非常に増加しておるというところでございます。

その他費用の増加、26億円強という大きな金額でくくっておりますが、これに関しましてはですねで、主に今年の販売数量の増加に伴うその他の費用というところ、それからまぁ昨年第3四半期との比較になりますので、ちょうど昨年第3四半期から開始した新規案件というのがございまして、この案件、今年はずっと1月から第3四半期まで順調に安定成長しておりましてこの部分の製造原価上昇分を切り分けて計算しておるものでございます。

 

まあ、さきほど申しましたし、繰り返しにはなりますけれども、ちょうど私でもこうやって売上高を伸ばしていく中でですね、輸送費高騰の影響というのは大きな額になってきているという状況でございます。

 

■地域別販売シェア の推移

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2021年3Q 地域別販売シェア の推移

 売上に関してましし、もう少し詳しく、販売の状況に関してもう少し詳しくグラフでご説明しております。
 地域割ですが圧倒的に韓国のお客様ですね、地域割に関してはですね仕向地というよりもお客様の国籍別、韓国のお客様の海外工場を全て韓国のお客様と記載した グラフとなっております。

 第三四半期までのところ順調に韓国のお客様の売上を大きく増やしております。

 一方、中国のお客様、まあ、中国ではマーケットがまた少し状況が変わってきておりまして私共の得意とする三元系用のコーティングセパレーターというよりも、自動車案件においてもコスト重視ということでまたリン酸鉄系の電池に回帰をしてきている、そんな状況が伺えるようになってきました。

 今そういたところも含めて中国での売上を今大きく増やす状況ではないということでございます。

 

■アプリケーション別販売推移(前期比)

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アプリケーション別販売推移(前期比)

続きまして昨年の同期、今年、第3四半期でのですね、今のアプリケーション別の販売推移、えー、自動車案件コーティングセパレーターが大きく増やしていく、これは、もう、当初から数年前から私どもの計画通りですけれども、ま、ここに来まして民生用のところも、ハイエンド製品の売上、コーティングセパレーターがいうものが非常に伸びてきている状況をお示ししております。

 

後半部分の文字お越しの記事は↓のリンクをご参照ください。

 

 

■このブログの記事に興味を持った方へ

ダブル・スコープに興味を持った方が興味がありそうな本をいくつか紹介します。

電池の覇者 EVの命運を決する戦い (日本経済新聞出版)

電池の覇者 EVの命運を決する戦い (日本経済新聞出版)

著者の佐藤 登氏は、本田技研工業入社、本田技術研究所基礎研究部門で、電気自動車用の電池研究開発部門のチーフエンジニアを経て、2004年に韓国サムスンSDIに常務として移籍。中央研究所と経営戦略部門で技術経営を担当された方です。

ダブルスコープのサムスンSIDへの売上比率は2019年 48%、2020年 77%と上昇しており、ダブルスコープはサムスンSDIのセパレーター部門のようになっています。サムスンSDIの常務を務めた佐藤登氏の著者は示唆に富むことが多いでしょう。

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人材を育てるホンダ 競わせるサムスン
 
 
 
 

 

人材を育てるホンダ 競わせるサムスン

ホンダは人材を育てるが、サムスンは競わせる。同様に、ホンダはゼロから研究開発に着手するが、
サムスンM&Aで時間を買う――。ホンダとサムスンで技術開発をリードした筆者佐藤登氏が見た日本と韓国の比較産業論。
なぜ日本の電機大手が韓国企業に負けたのか、日本の製造業がグローバルで勝ち抜くために何が必要なのか。
その一端が明らかにしている本です。ダブル・スコープ、その売上の約8割を占めるサムソングループが、日本企業に勝てるのか、将来の占えるような情報がありそうです。

2019年の売上:131億円 サムスンSDI 48% LG CHEM 21% 東北村田製作所 10%

2020年の売上:184億円 サムスンSDI 77% LG CHEMと東北村田製作所は10%未満なので開示なし

 

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参考銘柄:ダブル・スコープ6619

 以上