W-SCOPEの2021年12月期第3四半期決算説明会の文字起こし(後半の通期見通し説明)

に続けて、ダブル・スコープに関するブログ記事です。 


 2021年11月16日に実施された2021年12月期第3四半期決算説明会の内容(後半の通期見通し説明)を、いわゆる文字起こしという形で、文章にして紹介します。動画の内容を文章で読むと、新たな気づきもあると思います。

 今回のブログで文字起こしをしたのは、

「Ⅰ 2021年12月期第3四半期実績 ・Ⅱ 2021年12月期業績見込・ Ⅲ Appendix」といった全体の構成のうち、「Ⅱ 2021年12月期業績見込・ Ⅲ Appendix」の内容です。

全体で23分39秒の時間のうち、後半11分間分の内容です。

 

■冒頭

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W-SCOPE 2021年12月期通期見通し

(説明したプレゼンターは取締役 大内 秀雄氏 です。)

 続きまして、今年通期の見通しに関するご説明をさせていただきます。

 

 

■2021年12月期通期見通し

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2021年12月期通期見通しサマリー

 

 ここまでご説明させていただきました第3四半期までのところ、売上高ほぼ計画通り203億円ということ、それから営業利益に関しましてはいくつかの要素ございまして、期初計画に比べると足らないところございます。約4億円の営業利益をここまで計上してきております。

 特に輸送コストそれから在庫のところ、そういったところで大きな費用負担となっております。
 この第4四半期を見通してまいりますと、売上高に関してはですね、第3四半期からさらに私ども供給力をつけております。
 当然、お客様の需要があってのことですので、第4四半期には生産数量の増加に伴い、車載用、民生用ともに販売数量が増え、期初計画通りに280億円あるいはそれを超えるところの売上が見込める状況となっております。
 それを超えるところのと申し訳あげているのが、非常に曖昧で申し訳ないですけれども、やはり、輸送の問題ですね。12月の後半に、私どもが計画している出荷が計画通り出荷できればもう少し膨らんでいくだろうという見込みをもっております。

 まあ、この、これだけ売上が増えていく裏付けとなりますのが、成膜機ライン14号15号 ライン それからコーティング機ライン17号18号これらの ライン の量産稼働の開始により供給能力を大きくつけているということ、それから、車載用向けてはですね、新モデルの量産も順調に立ち上がってですね、さらに生産数量を増やしている、そういう状況にあるということです。
 さらに民生ハイエンド製品の受注はですね、これも拡大傾向が続いておる、そういったところでも、売上高に関してはかなりしっかりした実績を積み上げていくことができるというふうに判断しております。

 

 通期の営業利益のところですがまだ、第4四半期さらに売上高を増やしてですね、第3四半期以上の売り上げ80億円強となってくると計画しておりますけれども、これに伴う営業利益をしっかり出てくる計画ではあります。
 ただし、まあ、この、毎年のことですけれども、年末の輸送というのは、ただでさえ混乱が生じる時期であってですね、さらに今年、ずっと続いてきている状況の中で、輸送コストにどれだけ費用を使うことになるのかというのが、非常に読みづらいところではございます。
 もう、懸念材料としては輸送コストにつきるという状況になっております。

 ただ、通期では第3四半期までの影響をいろいろひきずるものもございますので、第4四半期になり、営業利益もかなり回復してきますが、通期での営業利益は12億円となる見通しというふうに修正をさせていただいております。

 

 さらに、営業外費用のところでございますけれども、ま、第3四半期では先に説明させていただきました通り、WCP の転換社債に関連してですね、ま、第三者評価が伴う営業外収益というところになるのですけれども、転換社債の評価性、オプション評価損を31億円計上しておりますが、それが第4四半期末、評価性の損失のところがですね、第4四半期終わった時点での評価を再度することになって参りますので、今の時点で確定ができないということです。まあ、営業外費用の開示、経常以下の開示を今回差し控えさせて頂いております 。ここまでのところが通期の見通しとなります。

 

■アプリケーション別売上高3Q実績と4Q見通し

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アプリケーション別売上高3Q実績と4Q見通し

ここまでのところが通期の見通しとなります。データとしましては第4四半期にアプリケーション別で見ますと、自動車向けの売り上げが大きく伸びていく傾向にあるという状況でございます。

■設備投資計画

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設備投資計画

 つづきましてですね、先日来私ども新たな設備投資の計画を開示させて頂いております。これに関して少しご説明をさせていただきたいと思いますが。

 皆様ご存知の通り現状で世界的にですね、 EV 化が進み、さらにこれが加速されている世界的な枠組みの中でもですね、2040年までに新車販売を全てEVにしていこうという掛け声が上がったりする状況となっております。で、COPの宣言に米、中、日本とCOPの枠組みに、こういうCOPの宣言の手をあげなかったわけですけれども、一方でですねアメリカでの EV関連事業として、ヨーロッパの自動車メーカーさんでも、どんどんアメリカの自動車メーカーさんも活発化しております。当社の、当社のお客様とうよりですね、まあ、多くの電池メーカーさんもですねヨーロッパでの増産であり、またあるいはアメリカでの現地生産という計画を次から次に発表されるような状況となっております。

 私ども本当、成長していく市場に対応するということでですね、10月14日付でアナウンスを出しておりますけれども韓国 WCPにおいては16号、17号ラインこれを2024年に量産開始ができるように準備を進めてまいります。

 さらには新たに欧州法人を設立してですね、ヨーロッパのお客様に対する供給力をしっかりつけていくということを計画しております。

 今回4本の製造ラインの投資を発表しましたけれども、2025年までにはさらに投資を続けてですね、合計成膜ライン8本、コーティングライン16本までのところの投資を計画をしておるところでございます。

 このような投資をですね、25年まで総投資額約900億円ということになりますけれども、25年の連結売上高ですね、私ども、売上高全てドル建てとなっておりますので、こちらの方はドル表示に7億ドルを超えるところを見込むという状況となっております。

 

 

■設備投資決定の背景となる需要の見通し

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設備投資決定の背景となる需要の見通し


 この、こういった投資の背景となる、私どものマーケティングの状況という言い方が一番適してるかと思いますけれども、お客様群からですね、各社様からの需要を集計してまいりますと、今21年のところ今年のところを100%表記とさせていただきまして、25年になるとですね、需要の方はまあ、300%を超えるところ、3倍超の需要がある。これに対応していくための設備投資を続けていく計画となっております。
やはり、民生系のところの需要も伸びては参りますけれども、自動車系の需要ですね、  

 この伸びが24年以降、ぐんぐんと大きく伸びていくという状況となっております。

 

 

■生産規模拡大計画

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生産規模拡大計画

続きまして、私どもこれまでのところの、保有する生産設備、あるいは工場とですね、今後欧州で設立していく工場の生産能力をまあ、あの、グラフにして表しますと左上の方で見て取れるようなグラフとなります  
 WSK、これから先大きな増産計画というのは今の時点ではございません 。
 WCP の方では先程と申しました通り、今年の第3四半期から稼働を始めたラインが来年はフルで稼働しますので、若干伸びていく。
 さらには23年ですね、24年と、まあ、23年には新しいラインが稼働できるんじゃなかろうかというころでの表示をしております。24年以降、欧州工場の稼働が始まり、25年には設置したラインするかフル稼働の状況を前提にすると2倍強の生産能力となる計画でございます。

 グループ全体の生産量25年にはですね、21年、2021年比で2倍強はですね、これでも、先ほどのページでの需要の方に追いつかない可能性があります、頑張って作らなきゃいけない、そういう状況でございます。

 まあ、こうやって、工場を地域展開していく中でそれぞれの工場の役割分担も変わってくることになりますけれども、まだWSK、WCP、この2社に、おいては現在ヨーロッパも含めて供給を続けておりますけれども、ヨーロッパの工場設立と同時にアジア域内の電池メーカさんの工場向けの供給に注力をしていくことになろうかと。

 これは、民生系、車載用両方ですけども同時に ESSなどの新しいアプリケーション、こういった引き合いも沢山頂いており状況ですので韓国の工場をフル稼働を続けられるように準備をしているところでございます。

 ここまでのところで私もからのご説明は終わらせていただきます。

■Appendix

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WCP忠州工場

 この先のページは毎回お付けしております会社概要の資料それから工場の航空写真ですねえ。

 この WCPのところ、この写真で行きます一番奥の所にもう一棟を向上させて2本の製造ラインを入れることができるんですが残るだけとなりました。

 非常に早い期間でこの20万平米の土地に対する設備投資が来年いっぱいぐらいで完了するという状況ですかね、来年、23年ですねに、完了するという状況となっております 

以下の記事(前半の業績)と合わせてご確認ください。。

■このブログの記事に興味を持った方へ

ダブル・スコープに興味を持った方が興味がありそうな本をいくつか紹介します。

電池の覇者 EVの命運を決する戦い (日本経済新聞出版)

電池の覇者 EVの命運を決する戦い (日本経済新聞出版)

著者の佐藤 登氏は、本田技研工業入社、本田技術研究所基礎研究部門で、電気自動車用の電池研究開発部門のチーフエンジニアを経て、2004年に韓国サムスンSDIに常務として移籍。中央研究所と経営戦略部門で技術経営を担当された方です。

ダブルスコープのサムスンSIDへの売上比率は2019年 48%、2020年 77%と上昇しており、ダブルスコープはサムスンSDIのセパレーター部門のようになっています。サムスンSDIの常務を務めた佐藤登氏の著者は示唆に富むことが多いでしょう。

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人材を育てるホンダ 競わせるサムスン
 
 
 
 

 

人材を育てるホンダ 競わせるサムスン

ホンダは人材を育てるが、サムスンは競わせる。同様に、ホンダはゼロから研究開発に着手するが、
サムスンM&Aで時間を買う――。ホンダとサムスンで技術開発をリードした筆者佐藤登氏が見た日本と韓国の比較産業論。
なぜ日本の電機大手が韓国企業に負けたのか、日本の製造業がグローバルで勝ち抜くために何が必要なのか。
その一端が明らかにしている本です。ダブル・スコープ、その売上の約8割を占めるサムソングループが、日本企業に勝てるのか、将来の占えるような情報がありそうです。

2019年の売上:131億円 サムスンSDI 48% LG CHEM 21% 東北村田製作所 10%

2020年の売上:184億円 サムスンSDI 77% LG CHEMと東北村田製作所は10%未満なので開示なし

 

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参考銘柄:ダブル・スコープ6619,

 

 以上