W-SCOPE、ストックオプションの希薄化対策は大丈夫か。

■はじめに

300万株分の新株予約権(発行済株式総数の 5.50%に相当するストックオプション)の希薄化の対策やSBI証券との株価予約取引契約について、解説してみたブログ記事です。


崔元根社長と奥さんの会話(完全にフィクション)を利用して、解説しています。

 

↓のブログに続く、W-SCOPEに関係する記事です。

▼目次

 

 

ストックオプションの希薄化対策は

2022年6月中旬ごろの崔元根社長と奥さんの会話(完全にフィクション)。

 

奥さん『あなた きはくか、って知っている』


崔社長『こうはくか。紅白歌合戦なら知ってるよ。日本の大みそかのテレビ番組だろ。チョー・ヨンピルは、よく出てたよね。』

 

 

 

奥さん『昔か。チョー・ヨンピルの紅白でなく、きはくか、希薄化、英語でいうと Dilution. ダイリューション(Dilution)よ。』


崔社長『欧米か。』

 

奥さん『タカアンドトシか。真面目な話、あなた、ストックオプション発行して、株価が上げたいらしいけど、希薄化は大丈夫? 300万株の新たに株式が増えるって、今の発行済み株式数の5.5%の相当の株式数よ。』

 

希薄化/ダイリューション. 読み方: きはくか. 英語名:. Dilution:希薄化 は、「ダイリューション(Dilution)」とも呼ばれ、 発行済株式数 が増加することにより、一株当たりの価値が低下することをいいます。これは、 時価発行増資 や新株予約権の行使等による新株発行によって、発行済株式数が増加することに伴って、一株当たりの 当期純利益 や価値などが低下してしまうことを指します。

 

崔社長『大丈夫だ。だっふんだ。』

 

奥さん『20年ぐらい前に、日本のお笑い番組見て、日本語を勉強したからだと思うけど、古いギャグはいいわ。真面目な話をしているだから、その大丈夫な根拠を教えて。』

 

 

SBI証券との株価予約取引契約について

崔社長『「2022年5月12日付の募集新株予約権(株価コミットメント型有償ストック・オプション) の発行に関するお知らせで」、開示しているけど。

なお、本新株予約権がすべて行使された場合に増加する当社普通株式の総数は、発行済株式総数の 5.50%に相当しますが、本新株予約権の発行は、当社の既存株主の皆様の利益に貢献できるものと認識しており、株式の希薄化への影響は合理的なものであると考えております。

とあるだろう。

つまり、希薄化は想定の範囲内さ。』

 

奥さん『甘い、甘すぎるわ。スピードワゴンの例えで利用されるぐらい甘いわ。』

 

 

奥さん『あなたわかっていないわね。株価を上げるためのストックオプション新株予約権)でしょう。希薄化が実際に嫌気されて、株価が下がったらどうするのよ。つまり、想定外のことを考えてる?』

 

崔社長『2022年5月12日付(ストックオプションの開示と同じ日付)の「自社株価予約取引契約の締結に関するお知らせ」の開示 見た?』

 

奥さん『見たけど。よくわからなかった。そういえば、ストックオプションの株式数とSBI証券の取得上限が同じ3,000,000 株というのが気になったけど、何か関係あるの』

 

崔社長『株数が同じというのはよく気づいたね。』

 

奥さん『なんか関係あるの?』

 

崔社長『SBI証券が1000円以下で3,000,000 株を買ったら、1年後の2023 年 5 月 16 日に、その1割の利益を保証するような契約なんだ。』

 

崔社長『SBI証券が買ったW-SCOPEの株を、自己株式として購入して、それをストックオプション新株予約権)行使時に利用にすることもできるんだ。』

 

奥さん『なるほど。それなら希薄化は起こらないわ。』

 

崔社長『開示資料に

3.自社株価予約取引終了時における選択肢 
当社が本件取引のメリットを最大限に享受するため、本件取引の出口戦略としては以下の選択肢があり、当社の経営判断、株価の変動に応じて機動的に決定することができる仕組みとなっております。 
a)満期終了 
満期日においては、当社の業績回復が明確となると考えており、実態を反映した適切な株価形成を期待できることから、終了時基準価格によって決済する。また、満期日において当社の実態を反映した適切な株価形成になっていないと判断した場合には、他の選択肢を検討する。 
b)自己株式取得のキャッシュフロー・ヘッジ 
将来、当社が自己株式の取得を決定し、その時点での株価による自己株式の取得を行った際に、本契約についても同時に期限前解約し、終了時基準価格によって決済する。  
c)新しい投資家の発掘と株主構成再編 
本契約期間中において、当社が IR(インベスター・リレーションズ)活動を行い、当社の経営に賛同して下さる新しい投資家等が現れた場合、当該投資家と SBI 証券が合意することを条件に、SBI 証券が対象株式を当該投資家へ売却する。本契約についても同時に期限前解約し、終了時基準価格によって決済する。 
d)契約更改 
本契約期間終了時点における金融・経済情勢を勘案して、SBI 証券との合意を条件に、本契約を延長する。 
e)解約 
市場環境の変化等に応じて、本契約を期限前解約し、終了時基準価格によって決済する。

とあるだろう。』

 

崔社長『大事なポイントは

満期日において当社の実態を反映した適切な株価形成になっていな
いと判断した場合には、

( a)満期終了 以外の )他の選択肢を検討すると

という内容。つまり、希薄化など嫌気されて株価が下がっているようであれば、自己株式として取得することもできるんだよ。』

 

崔社長『あくまで、選択肢だから、どうするか、わからないけど、その時の株価や株式の需給状況、株主政策(誰に株主になってもらいたいか)で決めようかな。』

『開示にある通り、

今般、上述のとおり新株発行による発行済み株式総数の希薄化が進んだことから、当該ストック・オプション発行による潜在株式の顕在化による一層の希薄化を抑制するため、本契約を SBI 証券と締結し、SBI 証券による取引所金融商品市場からの本株式取得を進めることで、将来的な自己株式の取得に備えることといたしました。なお、SBI 証券との本契約終了時には、後述の3.自社株予約取引終了時における選択肢(b)による自己株式の取得を前提としていますが、市場環境の変化に応じて、後述の3.自社株予約取引終了時における選択肢(b)以外から、当社が決定致します。

とある通り、(b)自己株式の取得の可能性も高いけど。』

 

 

 

奥さん『なんか。あやしいわね。SBI証券に騙されていない。だったら、今、W-SCOPEが3,000,000 株を自己株式として購入すればいいじゃない。』

 

崔社長『30億円もキャッシュが必要だろ。前期は赤字、やっとキャッシュフロー黒字になった会社で、これから、設備投資もまだまだ必要だから、今はそんな余裕ないよ。』

 

崔社長『申込証拠金(株式買付金額の25%相当額の 110%)を払って、SBI証券に代わりに買ってもらうような話さ。申込証拠金は株価1000円で300万株分なら8.25億円。これぐらいなら出せるかなと。』

 

崔社長『それに証拠金なら、現預金から、預け金に資産の科目が変わるだけだし、純資産は変わりないし、バランスシートは悪化しないから。』

 

奥さん『証拠金なんてますます怪しいわね。』

 

崔社長『ただ、1割の利益を保証するだけで、仮に3割上がったら、2割分はSBI証券からもらえるんだよ。6月以降株価は1300円を大きく超えているから、損はしなさそうね。SBI証券が株を買付できるか不安だけど。』

 

奥さん『たしかに、株価が1000円を下割らないとSBI証券にとって、旨味はないわね。1000円以下に下がれば、SBI証券が買い支えるから下値は堅いわね』

 

崔社長『実際に買付する株の数は計画より、少ないから、買い付け期間を5月末から6月末まで1か月延長したよ。』

 

奥さん『でも株価は1000円を大きく超えて、1500円台まで上昇しているから。結局、300万株も買付できなさそう。』

 

崔社長『そうしたら、また期間をまた延長してもいいし、SBI証券との契約を変更して、1 株当たり 1,000 円の上限を上げるとかも検討するよ。他に復配を決定するとか、いくらでも対策は実施できるよ。』

 

崔社長『そもそも株価が上がっていれば対策をとる必要ないけど。希薄化などが嫌気されて下がった時の対策は考えるよ。』

 

崔社長『今期はドル高の要因で相当利益は上振れしそうだし、復配など株主還元の余力もでそう。』

 

奥さん『あなた、さすがサムスン電子にいただけあって、仕事できるわね。』

 

崔社長『ありがとう。令和の未来カエルさんからも、サムソン電子にいたから、期待できるかも。みたいなブログ書かれてたわ。ちょうど、1年ぐらい前(2021年6月20日)で株価は年初来安値の株価608円のときで、落ち込んでいたから、あのブログ見て、すごい嬉しかったわ。』

 

↓1年ぐらい前(2021年6月20日)で株価は年初来安値の株価608円のときのブログ

 

奥さん『でも、リスクは?なんか話がうますぎない。』

 

崔社長『1年度の株価は大きく下がってたら、SBI証券に払う金額が増えるよ。』

 

崔社長『SBI証券が1000円で買っていら、その110%の1100円が先渡価格となるから、1年後、700円になっていたら、400円の差金をSBI証券に支払う必要がある。300万株なら、12億円ね。』


奥さん『結構、リスクあるわね。』

 

崔社長『リスクをとって、今の株価の安いと具体的な行動で示すのが大事だよ』

 

崔社長『リスクがあるからこそ、市場や投資家はその決断を評価してくれると思うよ。実際に株価は上がってるだろ。』

 

奥さん『確かに、人からお店や商品をすすめられても、その人が行ったことないお店、買って使ったことない商品なら説得力はないわね。』

 

崔社長『そういえば、令和の未来カエルさんも、結構、W-SCOPEの株を買っているのかな。』

 

奥さん『そのうち、ドヤって証券会社の取引画面のスクショを投稿すると思うわ。』
『今日も、投稿してたし。』

 

 

 

崔社長『あれだけ、W-SCOPEのこと取り上げて、実は購入、保有していません。なら少し寂しいね。』

 

奥さん『ドヤって証券会社の取引画面のスクショを投稿したら、株価は下がるかもね。だいたいそんな自慢が増えると株価が天井って聞いたことあるわ。』

 

崔社長『やばい。今が天井かも。。』

 

 

■本の紹介

『インサイダーが買う株は買い』というピータリンチ氏の投資手法、投資哲学が解説している本をいくつか紹介します。

アマゾンのレビューや解説(概要)を読むだけでも参考になること、示唆を受けること、勉強になることがあることがあると思います。

 

 

 

 

誤字脱字すいません。この記事は、正確性を保証するものでもなく、投資を推奨、勧誘するものでもなく、筆者の個人的な見解を述べているものです。

 

以上