W-SCOPE 崔元根社長の正義感と中日ドラゴンズの論理

■はじめに

ダブル・スコープ崔元根社長に強い正義感、高い倫理観を感じる話を紹介するブログです。EVの炎上事故報道は中日ドラゴンズの論理かもといった話も紹介しています。

京セラ、DDI(KDDの前身)の稲盛和夫氏やSBIホールディングス会長北尾吉考氏の話もあります。

 

 

 ▼目次

■業績などより経営者の人物

最近、ダブルスコープは、計画通りの業績の急回復、WCPの上場などで株価が上昇しています。

業績(予想)や子会社上場による財務内容の改善、テクニカル、需給分析などが話題になっています。

業績(予想)や財務内容、テクニカル、需給分析などは、プロの投資会、機関投資家が得意で、創業者(経営者)の人物、能力をどう判断するか、そして後者を重視する戦略の方が私たち個人投資家には、優位かも知れません。

私たち個人投資家は、特に創業者がオーナー経営者の成長企業などに投資する場合では、その創業者(経営者)の人物、能力を見定めて、株価が割安で投資する価値があるのか、考えた方が、結果的に高い投資収益を得られるのかもしれません。

 

▼オーナー経営者の企業の株は上昇するかも。といったブログ記事です。

 

■経営者に必要な正義感・倫理観

正義感とは、「不正を憎み、正義を尊ぶ気持ち。」のことで、正義とは「正しい道義。人が従うべき正しい道理。」を意味します。

同じような意味の倫理観とは、「倫理(人として守るべき善悪や是非の判断や判断基準)についての捉え方・考え方」を意味します。

倫理観は、万人が同意する普遍的な善悪・正邪よりも、むしろ立場によって意見の別れる(対立が生じる)ような話題を扱う文脈で用いられることが多いようです。 たとえば尊厳死の問題などです。

正義感も倫理観もだいたい同じ意味ですが、このブログでは正義感という言葉を利用したいと思います。

 

経営者には、独善的にならずに、柔軟性も大事です。
ただ、目先の利益や横並び、惰性の誘惑に勝って、信念をつらぬくためには正義感が必要でしょう。
また、正義感がなければ、利益や納期を重視する安易な妥協に走り、製品の品質、安全性も保つことが少ないでしょう。
特に人命に直結する製品である自動車関連の産業については、製品の安全性は、会社の存続にかかわります。

 

自動車エアバッグのリコール(隠し)で、2017年に経営破綻、上場破綻したタカタ(エアバッグ、シートベルト、チャイルドシートの世界的大手企業、負債総額1兆円で製造業としては当時戦後最大の経営破綻)のように、会社の存続にかかわります。

 

▼タカタの倒産の事例を学べる本です。

世界「倒産」図鑑 波乱万丈25社でわかる失敗の理由

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巨大倒産 ―「絶対潰れない会社」を潰した社長たち

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稲盛和夫氏の正義感を表すエピソード

京セラ、KDDIの前身であるDDIを創業し、会長として日本航空の再建を果たした稲盛和夫氏もそういった正義感が強い人物のようです。

京セラを創業する前に勤めていた会社では、労働組合からつるし上げにあい、暴行をうけたこともあったそうです。その理由は、必要のない残業をして、残業代を稼ぐことに反対したからです。


「みんなに迎合して、世の中をうまく渡っていく方が正しいのだろうか?」

「正しいと信じる道を貫き通すために、人間として何が正しいのか?」

と自問自答し、「会社のため、お客様のために製品コスト上昇となる必要のない残業に反対したそうです。

「そのような私の姿勢にひかれ、多くの上司、先輩、そして部下が私についてきてくれました」といったエピソードが

考え方~人生・仕事の結果が変わる | 稲盛 和夫著 本

紹介されています。

 
目先の利益(残業代)より、無駄な残業はしない。という些細なことでも安易な妥協をしない強い正義感を感じる話です。

 

■韓国の証券会社で日本のダブル・スコープを紹介するレポート

2021年2月の韓国の証券会社キウム証券リサーチセンターが、日本のダブル・スコープを紹介するレポート(↓)

https://bbn.kiwoom.com/bbs/jsp/upload/newres/CorpAnal/202102/1613336925974.pdf

を読む機会がありました。

レポートの内容は、
隣の国、列島に上場されている韓国メーカーの話だ。 W-Scopeはキウム証券リサーチセンターが4~5年間継続的に関心があるメーカ、 W-SCOPEは2005年10月設立以来、セパレーター事業を営んでいる企業です。

といった紹介ととともに、

稼働率が改善し、売上高、利益が成長していること。

旭化成との特許紛争は、業績に影響がないこと。

中国企業とは異なり、同社の分離膜(セパレーター)が利用されたEVは火災など発生しなかった点などEV用セパレーターの品質の安定性について優位性があること

などが紹介されています。

 

キウム証券は、韓国のプロ野球チーム:キウム・ヒーローズ(韓国語:키움 히어로즈、英語:Kiwoom Heroes)のスポンサーの韓国の証券会社でKOSDAQ市場にも上場しています。

ダブル・スコープの競争力の一つである、品質の安定性(火災事故がないという安全性)は、崔元根氏の正義感に支えれたものかも知れません。

 

 

中日ドラゴンズの論理

話は脱線します。
EV(電気自動車)の火災事項については、思うことがあります。

 

 

上記の本で紹介された中日ドラゴンズの論理(中日ドラゴンズの理論)を紹介します。

 

中日ドラゴンズ五十年史―ファンと歩んだ栄光の半世紀 中日ドラゴンズ (著)

には、「昭和22年、チームは中部日本新聞社社長の干支が「辰年」であるところから、それにちなんでニックネームがドラゴンズと決まった」
命名の理由、エピソードが紹介されています。

 

しかし、ここではドラゴン(竜)が、強いイメージを持ったチーム名に適切な伝説上の動物の名称であることは記載されていません。例え、オーナーがネズミ年でも、マウスズ、とり年でも、チキンズとは、ならなかったでしょう。

 

ドラゴンは強いイメージがあり、野球チームの名称として適切だったということは、
当たり前だったから、記載される必要もなかったのでしょう。

 

このように、井沢氏は、『当たり前のことは史料(資料)に記載されない。史料絶対主義では正しい歴史はわからず、史料に記載されていないことも重要だ。』という主張ですが、この主張をサポートするのが中日ドラゴンズの論理です。

 

ニュース・報道についても、同じことが言えます。

「当たり前のことは報道されず、珍しいことが報道される。」ということです。

青森県で雪が降っても報道されませんが、鹿児島県で雪が降ったら報道されるでしょう。

電気自動車(EV)の炎上事故が、報道されることが多いです。

ただ、ガソリン自動車の炎上事故も珍しくありません。

 

クルマはどんな状況なら炎上・爆発するのか? - 自動車情報誌「ベストカー」

⇧の記事によると、

平成29年版の消防白書によると、クルマの車両火災は、平成27年度に4,188件、平成28年で4,053件と、1年間に約4000件以上も起こっているという。

その出火件数を原因別にみると、排気管によるものが681件(16.8%)と最も多く、次いで放火が440件(10.9%)、交通機関内配線が392件(9.7%)の順となる。

といった自動車に火災事故は多いことがわかります。

平成29年は西暦でいうと2017年です。つまり、EVなど普及しておらず、ほとんどすべてガソリン車の事故でしょう。

 

『ガソリン自動車で火災事故があっても報道されず、電気自動車で火災事故があったら報道される。』というのは、

青森県で雪が降っても報道されませんが、鹿児島県で雪が降ったら報道される』

と同じように、

EV(電気自動車)の台数自体が少なく、まだEVの火災事故もまだ珍しいからかも知れません。

 

電気自動車炎上といったニュースがよく報道されます。
電気自動車(EV)は、ガソリン自動車より、危険と思ったときも実は私もありましたが、そんなことはないようです。

 

EVガラパゴス

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■崔元根氏の正義感を感じるエピソード

ガソリン車でも、電気自動車でも、安全性は大事なことには変わりません。
崔元根社長の正義感(倫理観)も大事になってくると思いますが、伝え聞く範囲では、その点についてはは心配しなくていいようです。

出でよベンチャー! 平成の龍馬! という本で書かれている崔元根氏のエピソードが紹介します。

出でよベンチャー! 平成の龍馬!
ソニー執行役員上席常務も務めたソニーのものづくりの第一人者蓑宮武夫(みのみやたけお)氏の著作です。ダブルスコープへの出資したベンチャーキャピタルの会長も務めていました。日本における起業をよく観察していると、多様化と個性化が同時進行している。本書では、実例研究として6社のベンチャー企業を取り上げ、成功の秘訣を具体的に解説する。の企業の一社に、韓国のインフラ優遇措置を活用してグローバルな視点で立ち上げたリチウムイオン二次電池用セパレータ製造の企業として、ダブル・スコープが紹介されています。出でよベンチャー! 平成の龍馬! Amazon
 
 
 

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●崔元根氏が、2000年に、サムソン電子の同期とワイド社(医療用ディスプレイの会社)を創設した(創設時から辞任まで副社長)。著者が在籍しているTPNパートナーズから出資を受ける。

●2005年にマザーズ上場予定であったが、架空売上、経費の不正流用を崔氏は知る。
(「崔さんは、韓国と日本を行き来して忙しい身だったから、ワイドのビジネスのすべてをパートナーである社長に任せてきりにしていたのがいけなかった」と崔元根氏を擁護しています。)●当時崔氏は、ワイドの株式を10億円保有し、上場すれば数倍になった。

●他の幹部は不正の隠蔽、上場を計画したが、崔氏のみ不正の公表、上場中止を求めた。
●他の株主も不正の隠蔽、上場を支持ししたが、TNPパートナーズのみ崔氏を支持した。
●崔元根氏は解任される。解任に反対した株主はTNPパートナーズだけであった。

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 立志伝的な話は、脚色された内容も多いと思います。

ただ、これは著者 蓑宮武夫(みのみやたけお、ソニー執行役員上席常務をへてTNPパートナーズ会長も就任)、著者に近い人が関係者として接した事件であり、その後W-SCOPE創業時のTNPパートナーズの出資につながる話なので、おそらく、本当の話でしょう。 

崔元根氏は、『ビジネスの99パーセントはお金の問題が占めるかもしれないけど、私は残りの1パーセントの名誉をとる。ワイドの上場はありえない。』

と他の幹部や株主に発言したそうです。

 

ダブル・スコープ創業時の話として、

耐熱性の面で「摂氏二百度の高熱に一分間さらされても破損しない」という厳しいレベルを求めていくことにした。先行他社の耐熱性は百六十度が限界であったから、かなり高めの目標であった。

といった話も紹介されています。

 

著者は、この高いレベルの品質を

『ビジネスの99パーセントはお金の問題が占めるかもしれないけど、私は残りの1パーセントの名誉をとる。ワイドの上場はありえない。』

こういったときの崔さんの面目がここにも現れている。
名誉とか、誇りとかは、血液と同じで、常に新鮮でよどみなく流れていかなければならない。そうした思考回路には、「この程度なら」という因子はなく、「どこまでも突き詰めていく」という因子しか存在しないのであろう。

と評しています。

 

北尾吉孝氏が語る投資すべき企業とは。

SBIホールディングス インフォメーションミーティング 22022年6月20日(名古屋会場)に参加し、71歳の北尾吉孝SBIホールディングス会長自ら2時間ものプレゼンを拝見しました。

個人投資家の質問にも親身に回答され、
「どんな情報に注目して株式投資すべきか。」という質問に対して
「まずは人物。経営者の人物、哲学を見て。しっかりしているか。」
そして、「時流にのっているか。」
という点を注目してほしいとのことでした。
株式投資で重要なのは、財務、業績、需給、テクニカルでなく、大事なのは経営者の人物かもと思い、今回のような記事を投稿するきっかけとなりました。人物がしっかりしている人には、お金や人や情報も集まってきて、結果的に時流に乗れるのかもしれません。
▼北尾吉考氏の著作
挑戦と進化の経営 SBIグループ創業二〇年の軌跡

挑戦と進化の経営 SBIグループ創業二〇年の軌跡

  •  

    本書では、SBIグループの20年にわたる挑戦と進化の軌跡を振り返るとともに、
    その根底に流れている理念や戦略、また経営トップとしての著者の考えをまとめた。
    SBIグループと著者の歩みをたどることを通じ、企業経営の要諦について実践的に学べる一冊。

  •  
  • 作者:北尾 吉孝
  • 幻冬舎
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■このブログの記事に興味を持った方へ

ダブル・スコープに興味を持った方が興味がありそうな本や株式投資で自分の投資成績を上げたい人のための本をいくつか紹介します。ブログの中ですでに紹介された本もあります。

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ソニー執行役員上席常務も務めたソニーのものづくりの第一人者蓑宮武夫(みのみやたけお)氏の著作です。ダブルスコープへの出資したベンチャーキャピタルの会長も務めていました。日本における起業をよく観察していると、多様化と個性化が同時進行している。本書では、実例研究として6社のベンチャー企業を取り上げ、成功の秘訣を具体的に解説する。の企業の一社に、韓国のインフラ優遇措置を活用してグローバルな視点で立ち上げたリチウムイオン二次電池用セパレータ製造の企業として、ダブル・スコープが紹介されています。出でよベンチャー! 平成の龍馬! Amazon
 
 

 

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読んで頂き、ありがとうございました。

誤字脱字、乱文雑文、すいません。

 

 

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以 上です。