という本を読んで、その要点や感想など紹介します。
▼目次
- ● 良書。心より人にすすめたい。
- ● あとがきに感動。
- ● 子供の自立も大切だが、親の自立(子離れ)が大事。
- ● 競争は差別を減らす。
- ● 無料のサービスは品質が低下する。
- ● 比較優位の法則が大事。
- ● 事業所間の競争を。
- ● 〇〇の経済学。
- ● 改めて本の紹介
● 良書。心より人にすすめたい。
障害者施設の建設に対して強硬に反対した人が、施設からの説明を受けると、熱心な支持者に回ることが多いそうです。
反対運動は、地域への強い関心の裏返しで、施設も地域メンバーとして受け入れられると、積極的な協力関係が施設と反対していたメンバーに築かれる。
お客様からのクレームといわれるような要望、自分に反対する人がいたら思い出したい一節だなと思いました。
● あとがきに感動。
「本書を私の妻、長男、次男にささげるわがままをお許し頂ければ幸いである。」
こんな言葉を私が本を出すなら書きたいですね。
● 子供の自立も大切だが、親の自立(子離れ)が大事。
● 競争は差別を減らす。
例:オーナーが黒人選手への偏見、差別から、個人選手を採用しないメジャーリーグの球団は成績、人気が低下して、球団を手放すことになるだろう。
● 無料のサービスは品質が低下する。
無料のサービスは、身銭をきっていいものを選択するモチベーションが低下し、
サービスの提供者と利用者が、主客逆転し、サービスの品質低下を招く。
施設、学校の過剰な保護は、社会とのGAPを大きくし、自立を妨げる。
● 比較優位の法則が大事。
比較優位で、障害者の強み個性を生かした仕事を作るのが大事。
健常者がやった方が効率がいい仕事も、障害者がその仕事をして、健常者が別の仕事をすれば、経済的にプラスが大きいという話です。
● 事業所間の競争を。
参入者を増やし、事業者間の競争を促せば、サービスの品質向上が期待できる。
公的資格などの参入障壁で、サービスの品質を向上させるのは、生身の消費者の変化に対応できない。
● 〇〇の経済学。
著書の中島 隆信(ナカジマ タカノブ) 慶應義塾大学商学部教授は、「〇〇の経済学」という視点で、いろいろ面白い本を出しているので、紹介します。
● 改めて本の紹介
内容紹介
商品の説明
内容紹介
弱者として遠ざけるのか、読んで一歩近づくのか? ――新たな現場取材により障害者就労の章を書き下ろし、制度改正も反映した待望の増補改訂版。障害者福祉は本当に障害者本人のニーズに合っているのか? 子どもを自立させることをためらう親、設備は立派だかニーズにこたえきれていない施設、社会とのギャップが大きい養護学校など、障害者福祉はさまざまな矛盾を抱えている。
同情や単純な善悪論から脱し、経済学の冷静な視点から、障害者を含めたすべての人が能力を最大限に発揮できる社会のあり方を提言し、第49回日経・経済図書文化賞受賞した『障害者の経済学』(2006年)の増補改訂版。
【目次】
序章 なぜ『障害者の経済学』なのか
第1章 障害者問題がわかりにくい理由
第2章 「転ばぬ先の杖」というルール
第3章 親は唯一の理解者か
第4章 障害者差別を考える
第5章 施設は解体すべきか
第6章 養護学校はどこへ行く
第7章 障害者は働くべきか
第8章 障害者の暮らしを考える
第9章 障害者就労の現状と課題
終章 障害者は社会を映す鏡
内容(「BOOK」データベースより)
障害者を作っているのは私たち自身である 制度の問題点を経済学で一刀両断にする 障害者本人のニーズに合わない障害者福祉制度でいいのか? 選りすぐりの生徒だけ受けられる職業訓練、 補助金目当てで仕事をさせない障害者就労施設、 障害者雇用を肩代わりするビジネス……。 脳性麻痺の子どもを持つ気鋭の経済学者が、経済学の冷静な視点から、 障害者を含めたすべての人が生きやすい社会のあり方を提言 障害者だからと特別視して終わるのではなく、一般化した上で深く考えれば問題の本質が見えてくる。私たちに必要なのは、障害者に映し出されている社会の姿に気づくことである。これは障害者に学ぶといってもいいだろう。(終章より)
著者について
中島 隆信(ナカジマ タカノブ) 慶應義塾大学商学部教授。1960年生まれ。慶應義塾大学大学院経済学研究科後期博士課程単位取得退学。博士(商学)。専門は応用経済学。著書に、『経済学ではこう考える』(慶應義塾大学出版会)、『高校野球の経済学』(東洋経済新報社)、『お寺の経済学』(東洋経済新報社)、『大相撲の経済学』(東洋経済新報社)など。
以上です。