■はじめに
2022年9月19日のダブルスコープの韓国子会社WCPの公募価格決定を受けて、ダブルスコープの底値の試算や上場の評価をしたブログ記事です。
▼目次
- ■はじめに
- ■関係するブログ
- ■証券発行条件の確認書とは
- ■WCPの発行済株式数
- ■WCPの公募による資金調達
- ■ダブルスコープの売出について
- ■ダブルスコープのWCP持分
- ■WCPの時価総額
- ■ダブルスコープの株価の底値
- ■WCPの上場の評価
- ■WCPの上場の不安要素が消える
■関係するブログ
今回のブログは、↓の記事のアップデート版(最新の情報に基づき追記・修正した記事)となります。
日本が9月19日(敬老の日で祝日の月曜日)に、 ダブルスコープの韓国子会社
W-SCOPE CHUNGJU PLANT CO., LTD.(以下「WCP」)が「証券発行条件の確認書」を金融委員会に提出しました。上場日は9月30日(金)としていますので、上場は確定したと考えていいでしょう。
この確認書で、上場時の売出や新規発行の公募株数など具体的に正確な情報が把握することできました。
今までも他で正確な情報が把握できてかもしれませんが、サボってたらすいません。
▼韓国金融委員会(日本でいう金融庁)のサイトの証券発行条件の確認書
https://dart.fss.or.kr/dsaf001/main.do?rcpNo=20220919000100
■証券発行条件の確認書とは
日本では「公募又は売出予定書」という書類が該当し、新規上場企業が株式を公募(つまり上場)する前に証券取引所に提出します。
具体的な内容は
のサイトから書式などダウンロードできあます。
公募・売出株式の数・仮条件決定日、最終的な価格、申込期間、株式の交付日などに加えて、売出をする株主の情報を把握できます。
▼WCP証券発行条件の確認書の画像を日本語に翻訳したもの
ちなみに、上場目論見書(上場する企業・株式について詳細に説明したもの)も
韓国金融委員会のサイト
https://dart.fss.or.kr/dsab001/main.doで
더블유씨피
(↑WCPを意味する)と検索すると、WCP上場目論見書をダウンロードできます。
674ページの韓国語の膨大な資料です。翻訳するのを断念しました。
■WCPの発行済株式数
まず、上場目論見書で発行済み株式数は確認できます。
今回その部分だけ翻訳して確認しました。
まず、
(A) 公募前の発行済株式数:26,669,354
です。
(A)に
(B) 新株発行募集株式数:7,340,344
を加えると、
(C) 公募後発行済株式数:34,009,698
がわかります。
上場時の公募・売出株数は、
(D1):新株発行募集株式数:7,340,344
(D2):既存株式売出株式数:1,659,656
で、これを足した株数が
(D)上場時公募株数:9,000,000となります。
こういった情報に公募価格の1株6万ウォンを掛け算すると重要な情報がわかります。
■WCPの公募による資金調達
(D1):新株発行募集株式数:7,340,344 × 6万ウォン
= 約4402億ウォン ⇒約440億円
この金額を不安視する人もいるようですが、何をもって不安視しているのか私はわかりませんでした。
2021 年10 月14 日付 設備投資決定及び欧州法人設立に関するお知らせでは
「なお、2021 年~2025 年の 5 年間に欧州で総額約900 億円の投資を予定しています。」と記載があります。
文字通り2025年までと記載があり、この900億円が今すぐに必要なわけではありません。
また、2021年 2億円⇒2022年 13億円⇒2023年 19億円⇒ 2024年 27億円と営業キャッシュフローも2021年に黒字化して、拡大しています(2022年以降は、2022 年 8 月 22 日付SBI証券のアナリストレポートの予測数字を利用)。
他の設備投資が必要だとしても、韓国産業銀行との契約が報道されましたが、銀行借入など他の資金調達も可能だと思われます。
■ダブルスコープの売出について
全体から見るとごくわずかが、ダブルスコープ保有のWCP株式の売却もされています。
(D2):既存株式売出株式数:1,659,656
のうち、ダブスコ分:172836※ × 6万ウォン
= 約103億ウォン⇒約10億円
※公募後発行済み株式の0.5%程度です。
約10億の財務キャッシュフローのプラスで、特別利益はWCP株式簿価が1割の前提で、約9億円となります。
売上500億円程度の会社であれば、10億円のキャッシュは少ない金額でなく、資金の確保と言った財務政策に余裕が出てくると思います。
なお、他の既存株主は、
- エンピー成長第6号社モ投資合資会社
- 2019 ピーシー氏素材部品投資組合
といった純投資目的の投資ファンドが持ち株を25%程度売却してます。
上場した場合、投資ファンドの持ち株数は約1120万株から971万株に変わります。
現在、投資ファンドの持ち株比率は43%ですかが、公募による希薄化も考慮すると、28.7%まで下がります。
■ダブルスコープのWCP持分
ダブルスコープのWCP持分は
公募前:46.01%⇒公募後:35.57%
となります。
WCP株式公募前⇒公募後
分子のダブスコ持株:12,272,836⇒12,100,000 と減り、
分母の株式数:26,669,354⇒34,009,698が増える形ですが、分母が増えた影響が大きいです。
【WCPの株主構成】
▼上場前 ⇒ 上場後
ダブスコ :46%⇒35.6%
投資ファンド:43% ⇒28.7%
ハンラGr :11%⇒8.9%
新規株主 :0% ⇒26.7% となります。
計算の過程で1万株単位でしているので小数点の数字は少し自信がないのですが、
ダブルスコープが3分の1を超える筆頭株主である点は変化はないです。
■WCPの時価総額
WCPの公募価格ベースの時価総額
発行済株式数 34009698 × 公募価格60000
=約2兆405億ウォン ⇒約2040億円
です。
2022年09月19日 14:30 アジア経済
https://n.news.naver.com/article/277/0005149382?sid=101
と
2022.09.19 14:18 朝鮮日報
https://biz.chosun.com/stock/stock_general/2022/09/19/FSE736TGGBE7VDHMVO7DD757ZE/
の両者の韓国語メディアはWCP時価総額は公募価格ベースで約2兆2,180億ウォンと報じています。
私の計算:約2兆405億ウォンと韓国語メディアの約2兆2,180億ウォンの違いは判りません。その差は1775億ウォン 約177億円です。
仮説として、
韓国メディアの時価総額は、
企業価値(EV):時価総額+負債−現金同等物
で計算される日本でいうEVをさすものの可能性もあります。
2022年2Qのダブスコの連結の負債額 271億円 現金同等分 39億円で、
負債−現金同等物 は 232億円です。だいたいその3分の2がWCP分だとすると、
232億円 × 2/3 = 154億円で、時価総額の差 177億円と近いです。
これからの計算は、ダブルスコープの底値を試算するためのものなので、より控えめで単純な約2兆405億ウォン ⇒約2040億円をWCPの時価総額として利用します。
■ダブルスコープの株価の底値
WCPの公募価格ベースでダブルスコープの株価を考えてみると、
① WCPの時価総額:2,040億円(2.04兆ウォン)
② ダブルスコープの持ち分:734億円(2,000億円×上場後持分36%)
③ ②÷発行株式数=1,331円 【1】
となります。
WSKは売上、生産設備など資産的にWCPの3分の2規模程度の会社です。
WCPの半分程度の時価総額(企業価値)はあると思います。
WSKはダブスコの100%子会社です。
① WSKの時価総額:1,020億円(1兆ウォン)
② ダブルスコープの持ち分:1020億円(1,020億円×100%)
③ ②÷発行株式数=1,848円 【2】
WCP売却によるキャッシュ10億円 1株当たり18円【3】も加算します。
【1】 + 【2】 + 【3】 = 3197円です。(前回試算 3,469円 より-272円)
前回は【3】が200億円 1株あたり362円と多めに計算していた。
3,197円 × 0.6 = 1,918円( 前回試算 2081円より-163円)
です。
割引(ディスカウント)の60%は、底値の試算として、
『子会社の価値と現預金(キャッシュ)の合計の6割程度は親会社は評価されてもいいよね。』という数字です。
前回、2,100円位が底値だと確認できますと伝えましたが、1,900円位がWCPの時価総額などから考えられる底値、下値の目途といえそうです。
■WCPの上場の評価
2022年09月19日 14:30 アジア経済
https://n.news.naver.com/article/277/0005149382?sid=101
にて
チェ・ウォングンWCP代表は「確定公募家が希望に及ばず残念はあるが、惨敗とは思わない」とし「グローバルトップティア二次電池分離膜メーカーとして国内業界1位の営業利益、競争会社に比べ圧倒的な生産性と営業利益率など核心強みと主管社の努力で4000億ウォン以上の公募に成功したことは大きな意味があり、上場以後企業価値を高めることがさらに重要だと考える」と話した。
米国と同様にインフレ、金利高の影響で株式市場に逆風の韓国で、よく健闘したといえるのでないでしょうか。
私がした↓のような投稿をしたとろこ、共感する人も多いみたいです。
WCP:資金調達440億円
— 令和の未来カエル (@chanmabou) 2022年9月19日
ダブルスコープのWCP持分の希薄化:46.01%⇒35.57%
ダブルスコープ財務CF+10億円 特別利益9億円
株式市場の悪条件のなか、
これだけの仕事したら、5段階評価でSかAは確定。
サラリーマンの世界なら。
もし、これで評価Bなら会社辞めるパターン。#ダブルスコープ #ダブスコ
■WCPの上場の不安要素が消える
株式市場は、不確定、流動的な要素を嫌います。悪い材料でも確定すれば、悪材料出尽くしで、意外に株価が上がることもあります。
悪材料出尽くしで株価反発の可能性もありそうです。
少なくとも、↓のような懸念は消えたと考えて良さそうです。
今回の下落がWCPのIPO延期中止の報道で下落しているとしたら、
— 令和の未来カエル (@chanmabou) 2022年9月16日
ダブスコの出資比率が低いWCPの経営体制
やIPO時期の不透明感、投資家のダブスコに対する信頼感の低下によるものだと思っています。
前回のブログ(↓)で
●今後2週間位で底値からか反転する可能性が高い。
と伝えましたが2週間位というのはもっと早まる気がします。
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— 令和の未来カエル (@chanmabou) 2022年9月16日
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— 令和の未来カエル (@chanmabou) 2022年9月16日
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読んで頂き、ありがとうございました。
誤字脱字、乱文雑文、すいません。
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