『鉄は国家なり』から『くず鉄は国家なり』へ

 『素材は国家なり ―円高でも日本経済の圧倒的優位は揺るがない 

2011/10/13長谷川 慶太郎 (著), 泉谷 渉 (著)  

 という本を読みました。

 

 

 

印象に残ったのは、

 □ 鉄・フィルター・炭素繊維・電池・海水淡水化用の水処理膜などの素材の技術力が、日本は高い

 □ 田中貴金属のワイヤー(配線材)の工場は、喫煙者は製品にニコチンが付着するから、従業員として雇わない。タバコはやはりよくないですね。

 □ 東京製鉄のような電炉が、日本製鉄、JFE神戸製鋼のような高炉を駆逐する可能性がある。

といったことです。

 

 電炉は、利用しなくなった鉄のゴミ、いわゆる屑鉄(くず鉄)を電気の炉で溶かして、鉄にする。それに対して、高炉は、石炭、鉄鉱石から、鉄をつくります。

電炉のほうが、品質は高くないが、圧倒的に安い鉄が作れますが、品質も、高炉と差がなくなるかもれないという話でした。

 鉄は、高速道路、鉄道の線路、建物、自動者、船から生活、産業の至るところにつかわれています。銃、弾丸、戦車、戦艦、戦闘機で鉄を利用するから、軍需品でもも多くは鉄を使う。そんなことから、誰かが『鉄は国家なり』といった言葉を言ったそうです。

 

 

あらためて、本の紹介です。

 

『産業の中核をなす「素材」を支配する日本に黄金期がやって来る!
自動車、家電に代表される高度な組み立て加工技術で世界をリードしてきた日本だが、韓国、台湾などの猛追にあって苦戦を強いられている。
一方、部品・素材の分野では、依然、他国が追いつけない圧倒的な技術力を誇っており、今回の東日本大震災では、日本の部品・素材の供給がストップすることで、世界の工業製品生産に深刻なダメージを与える事態が生じた。また、世界規模で展開されるインフラ整備や、環境・新エネルギー事業においても、日本の素材力はその存在感を示している。
産業の中核をなす「素材」を支配する日本に黄金期がやってくる。「本書では、新産業に不可欠な日本の素材技術を紹介するとともに、1ドル60円時代」を見据えた日本の技術力を最大限に活かす国家戦略について考える。』

といった内容です。

 

 

著者は、
長谷川慶太郎(はせがわ けいたろう)
1927年京都市に生まれる。l953年大阪大学工学部卒業。新聞記者、証券アナリ
ストを経て、現在、多彩な評論活動を展開。最先端技術、政治・経済・国際情
勢についての先見性に定評があり、その見通しには常に軍事的な視点が含まれ
ている。ソ連の崩壊を予想するなど、軍事評論家としての評価も高い。
1983年『世界が日本を見倣う日』で第3回石橋湛山賞を受賞。軍事小国としての
日本の防衛政策のあり方を高く評価しており、以後の論議に大きな影響を与えた。

近著に、『千載一遇の大チャンス』(講談社インターナショナル)、『「経済戦勝
国」日本の底力』(出版文化社)、『2010年 長谷川慶太郎の大局を読む』(李
白社) 、『デフレは大好機』(東洋経済新報社)等がある。


泉谷 渉(いずみや わたる)
株式会社産業タイムズ社 代表取締役社長兼編集局長/半導体産業新聞 特別編集委員
神奈川県横浜市出身。中央大学法学部政治学科卒業。
1977年産業タイムズ社に入社、1991年に半導体産業新聞を発刊し、編集長に就任。
現役最古参の半導体記者としてキャリア33年を誇る。

主な著書には、『これが半導体の全貌だ! 』、『これがディスプレイの全貌だ! 』
(以上、かんき出版)、『日本半導体 起死回生の逆転』、『電子材料王国 ニッポンの逆襲』、
『次世代ディスプレイ勝者の戦略』、『図解 半導体業界ハンドブック』、
半導体ベンチャー列伝』、『ニッポンの素材力』(以上、東洋経済新報社)、
『日の丸半導体は死なず』(光文社)、『100年企業~だけど最先端、しかも世界一』 (亜紀書房)などがある。 
日本半導体ベンチャー協会 理事としても活躍。』

といった方です。

銘柄メモ

5423東京製鐵 5440共英製鋼 5444大和工業 5410合同製鐵 5445東京鐵鋼

5449大阪製鐵 5482愛知製鋼 5461中部鋼鈑 5401日本製鉄 5406神戸鋼 5411JFE

5423,5440,5444,5410,5445,5449,5482,5461,5401,5406,5411

 

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 #素材は国家なり #長谷川慶太郎 #泉谷渉,#鉄は国家なり #くず鉄は国家なり