『全固体電池の将来性やメンベレンフィルムの新規事業』をダブル・スコープ崔元根社長が語る。

ダブル・スコープ崔元根社長 が『全固体電池の将来性やメンブレンフィルムの新規事業』について語っていた個人投資家セミナーでの発言を紹介し、その発言の真偽など解説します。2017年と少し古い話ですが、全固体電池など新電池の可能性は、2021年から見ても、リチウムイオン電池への代替が進んでいない点など、崔氏の予測ははずれていないようです。新規事業への進出は当時の話と違い、具体化されていませんが、リチウムイオン電池のセパレーター事業に集中しており、需要が急拡大にしている昨今、間違った選択でもないようです。

   

 

 の記事に続けて、

[2017年10月18日撮影]ダブル・スコープ(株)(6619) 野村IR合同 個人投資家セミナー - YouTube

にて、ダブル・スコープの崔 元根 (チェ ウォングン)社長が登壇した個人投資家セミナーでの話を紹介します。

▼目次

 

崔 元根 (チェ ウォングン)社長の説明は櫻井英明氏の質問に答えるような形で進めらえれています。 
これから記載する内容は、動画の内容(崔社長の発言)の文字起こしというより、要約であり、一部表現を伝わりやすいように修正しています。

 

櫻井英明氏:1980年明治大学卒。日興証券での機関投資家の運用トレーダー、「株式新聞Weekly編集長」などを経て、2008年7月からストックウェザー「兜町カタリスト」編集長。櫻井英明の株式透視論2019 など株式投資に関係する著書も多い。


全固体電池など新電池の可能性について

櫻井氏:スマホ、家電、自動車など電池が必要だが、電池に正極材、負極材をわけるセパレーターが必要が、この未来像は?(30分位後)

崔氏:全固体電池、水素電池、空気電池など次の電池だと話がされるが、ソニーが30年前リチウムイオン電池を開発し、リチウムイオン電池ニッケル水素電池マンガン電池から置き換わるのに20年から30年かかった。

全固体電池も含めて新しい電池が開発されても、リチウムイオン電池におきかわるのは約30年以上ぐらいかかるだろう。今から20年から30年は、リチウムイオン電池の主流になる。

リチウムイオン電池で必要なのは、正極材、負極材、分離膜(セパレーター)、電解液があるが、リチウムイオン電池のコストは35%は正極材で、15%はセパレーターと言われる。

 

メンベレンフィルムの新規事業について

櫻井氏:コストが高いのがわかるが、利益率もいいのか(33分位後)

崔氏:ダブル・スコープは、ガソリン自動車、電気自動車、リチウムイオン電池の会社の中で、セパレーターが一番利益率がいい会社である。

櫻井氏:セパレーター、分離膜は、自動車(リチウムイオン電池の分離膜以外)にも、将来的に応用できるのか。

崔氏:セパレーター、分離膜は難しいイメージあるが、セパレーターはメンブレンフィルムと呼ばれるが、メンベレンフィルムは皮膚のような役割があるフィルターである。

半導体が急成長しているが、セパレーターに利用されるメンブレンフィルムは半動体の100倍以上マーケットある。エアコンの空気フィルターや水のフィルターにも、利用される。
ダブルスコープは水関連分野のイオン交換膜に進出するため準備中である。
イオン交換膜は、非常に難しい技術で1平方メートルで5万円分の価値がある2020年以内に商品化できると思う。人類が必要となる水、空気、エネルギーに関わる分野に進出する。

 

櫻井氏:水、空気、エネルギー安全安心、密着している。ないと困る分野が、ダブル・スコープの製品が活躍する分野といえるのか。(35分位後)

電子工学の出身だが、分離膜はケミカル、化学の分野、スイッチングした理由は、
バッテリー、その素材のメンベレンフィルムが人類の未来に必要不可欠であるからである。人間に例えると半導体は脳、顔がディスプレイ、心臓、ハートがエネルギーでバッテリーである。人類の未来にはこの三つが必要であるが、バッテリーは、石油、石炭でなく、クリーンエネルギーで発展するのためには、必要な分野である。
半導体、ディスプレイは、何兆円の投資が必要だが、メンベレンフィルムは巨額の投資がいらないし、より付加価値が高く安定的に成長できる。

 

メンブレンフィルムのマーケットについて

ここからは私の解説ですが、崔社長の『メンブレンフィルムは半動体の100倍以上マーケットある。』というのは、何かの言い間違えだと思います。

2020年の半導体市場規模は全世界で4640億ドル(約50兆6224億円)
5272億ドル 日本ん円では約60兆円あるといわれるます。
自動車の市場規模でも、トヨタ自動車の2020年の売上は27兆円で、世界シェアが14%といわれているので、自動車の全世界の売上は、192兆円程度で、半導体の3倍から4倍程度です。

半導体の100倍の市場規模の製品など存在しません。

 

好意的に解釈すると、セパレータが必要とされる分野は、電池、自動車、水、食料、発電、医療、空調・換気など住宅分野、原油や水素などエネルギー分野や建材など多岐にわたります。こういった分野の全て合わせた関連する業界の市場規模、半導体の百倍ぐらいマーケットになるという意味かもしれない。

メンブレンフィルムに関係する製品、業界は、電気、自動車、水、食料、住宅、エネルギーなど多岐にわたりそういった製品、業界の売上を合計すれば、半導体の100倍以上マーケットあるのかもしれない。』
と伝えたかったのかと思います。

 

メンブレンは膜という意味で、メンブレンフィルムは、特定の物質だけを通す膜の役割があり、コーヒーのドリップ用フィルターがイメージしやすい。
確かにそういった膜は、原油の精製(原油からガソリンや灯油など石油製品に分離する)、浄水下水に必要な水のろ過、食品やアルコール(酒)の製造、エアコン、換気システムのフィルターなど多岐にわたります。

 

水関連イオン交換膜の進出について

 水不足問題の解消として、海水淡水化にも利用される水関連イオン交換膜は、成長する分野でもあり、製造できる会社も東レ日東電工などに限られ、付加価値、利益率も
高い分野だと思われます。2020年の水ろ過用イオン交換膜の進出するといった話でしたが、その後、開発、販売に関するプレスリリースなどされていません。

崔社長は2017年10月(説明会の時)から、その後、電気自動車市場の拡大に伴うリチウムイオン電池のセパレーター市場の急拡大に合わせて、しばらくリチウムイオン電池のセパレーターに集中する戦略に変わったのでしょうか。

2018 年8 月に発表された中期経営計画※でも、リチウムイオン電池のセパレーターの設備投資についての話が中心で、新規事業の取組みについては具体的な話がなく、その後の決算説明会でも同じように新規事業については具体的な話がありません。

2018 年8 月に発表された中期経営計画は、
成長への基本戦略(以下に記載)に新分野への進出は記載がありますが具体的な記載は記載がありませんが、リチウムイオン電池のセパレーター事業については、具体的な設備投資、売上や営業利益の係数目標もあります。


残念ながら、売上や営業利益の係数目標(2019年12月期から、2020年12月期までの実績は、その目標(目標の下限でさえ)が大きく下回っており、それが株価の低迷の原因でしょう。中期経営計画と実績との差異などの分析はまた別にしたいと思います。

その差異が、売上増より新規顧客獲得のためのサンプル出荷など優先したなど、
将来の成長、競争優位性確保のために必要であったのか、それとも、単純に競合他社との競争に負けたのかなど分析できればと考えています。


おそらく、自己資本比率も製造業の危険水域といわれるまで下がっている現状(リチウムイオン電池のセパレーター事業の設備投資にそれだけ資金を割いている)なので、新規事業への進出する余裕がないのであろうし、リチウムイオン電池のセパレーター事業の方が優先順位が高いのでしょう。
子会社の韓国市場の上場が成功した後に、上場して調達した資金の用途として、新規事業の具体的な話もでてくるかもしれません。

 

中期経営計画に
1. ビジョン
メンブレンフィルム専業メーカーとして、リーディングカンパニーを目指します

コーポレートサイトのトップページにも、
ダブルスコープは人々の暮らしに必要な「メンブレンフィルム」専門メーカーです
と自社を紹介していますので、リチウムイオン電池のセパレーター以外のの新規事業への意欲、願望は高く、そういった新規事業への進出ができる投資余力があるぐらいに、
リチウムイオン電池のセパレーターで盤石の地位を築いてほしいと思っています。

 

▼2018 年8 月に発表された中期経営計画に記載された成長への基本戦略

リチウムイオン電池セパレータ事業
2015 年以降 スマートフォン用途等の民生用電池市場の安定成長に加え、中国のxEV 用途で成長速度
を上げた リチウムイオン電池市場は 2018 年までの 3 年間で約 2 倍の市場規模に成長しました。今後更
に各国の環境対策にも後押しされ、2021 年までの 3 年間に 2018 年比およそ 2 倍の市場規模にまで成長す
る見通しとなっております。
このような市場見通しの中、リチウムイオン電池主要部材メーカーとして以下の成長戦略を実行します。
 市場の拡大に伴う生産能力の拡大
 大型製造ラインによる生産性の追求
 製造原価低減へのチャレンジ
 電気自動車の安全性を担保する高品質の維持

② 新規事業への取り組み
当社の事業はリチウムイオン電池用セパレータの単一セグメントとなっておりますが、当社の保有する
生産技術は基本的にはメンブレンフィルムの製造技術です。この技術を応用し、今後更に以下の様なセグ
メントに取り組むべく製品開発を続けて参ります。
 エネルギー関連用途 : 次世代電池・キャパシタ
 水関連用途 : イオン交換膜、水処理フィルタ等
 空調関連用途 : 不可逆フィルタ等
 医療用途 : 透析膜、人口皮膚等

 

続きは、↓をご参照ください。

 

関連書籍の紹介

 新規事業となる水関連のイオン交換膜、水処理フィルタの興味が持った方向に、
21世紀の最大の資源といわれる水のビジネス、水ビジネスに関係するイオン交換膜などの書籍を紹介します。

ちなみに、み水ビジネスも、半導体リチウムイオン電池と同じく、半導体リチウムイオン電池など最終的な用途製品、システム製品全体では日本企業は強くなく、
半導体の部材(シリコンウィハーやフォトマスク)やリチウムイオン電池の部材(正極材やセパレーター)に日本企業が強いように、
浄水場、下水処理施設、水道事業などシステム全体では日本企業は強くなく、水のろ過、淡水化に利用される部材やポンプなど装置などに日本企業は強いようです。

 

よく悪くも日本の製造業は、特定の一分野の狭い領域、ニッチといわれる分野で勝負して、高い負荷価値、利益率が上げる戦略が有効なようです。
半導体リチウムイオン電池など最終的な用途製品、システム製品となると、企業の競争力より、国策が重要になり、日本の国策が他国のそれより、日本企業にそれほど有利でないのでしょう。

同様に、水のビジネス(浄水下水場を運営し、水道水を供給するビジネス)も国策的(日本の政策として、水道事業は公共性が高く民間化企業の参入をあまり歓迎しない民意に配慮したものが採用される)に日本企業にはそれほど有利でないのでしょう。

 

 

 

 

 

以上です。

 
銘柄メモ ダブル・スコープ,旭化成,東レ,日東電工
6619,3407,3407,6981,6999

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