ダブル・スコープ崔 元根 社長はヨン様ペ・ヨンジュンの〇〇だった

このブログは、 ダブル・スコープ創業者崔 元根 (チェ ウォングン)社長の卒業大学  成均館(ソンギュンガン)大学について、紹介します。

崔 元根 社長の出身大学、成均館(ソンギュンガン)大学に興味を持っていただき、 成均館大学サムスンとの関係、韓国の産官学の関係の深さなど知っていただければと思います。

 ▼目次

 

 

チェ ウォングン氏は生年月日 1963年5月30日生まれで、
1990年2月 韓国・成均館(ソンギュンガン)大学 工学部 電子工学科卒業で、
1900年6月 韓国 サムスンン電子に入社して、2005年にを退社し、
医療機器モニターを作る会社(韓国ワイド社)を立上げ、その後、2005年10月にダブル・スコープを創業しています。成均館(ソンギュンガン)大学の特徴について紹介します。 

① 成均館は東アジア最古の大学

 西暦1398年に設立された李氏朝鮮(朝鮮王朝)の最高教育機関である成均館を母体とし、東アジアで最古の大学といわれています。

 『トキメキ☆成均館スキャンダル』(トキメキ ソンギュンガン スキャンダル)は、2010年に韓国KBSで放送されたテレビドラマでも日本でも放送されました。このドラマの原作はチョン・ウングォルの小説『成均館儒生たちの日々』で、ドラマも原作も、成均館大学の前身が舞台になっています。

 皇族、貴族の教育機関だったという意味では、日本の学習院大学とその出自が似ているかもしれません。

 

 

② ヨン様ペ・ヨンジュンも在学

日本で韓国ブーム、韓流ブームといった社会現象を引き起こした「冬のソナタ」主演したヨン様ことペ・ヨンジュン氏(1972年8月29日生まれ)も在学していました。

2000年に成均館大学芸術学部 演劇映画学科に入学し、2005年中退しており、ペ・ヨンジュン氏の最終学歴は成均館大学中退と紹介されることが多いようです。

ダブル・スコープ社長 崔 元根氏は、在学期間は重複していませんが、ヨン様ペ・ヨンジュン氏の同じ大学の先輩になります。

 

医学部や芸術学部もある総合大学という意味では、日本では、規模や学部の多様さという意味では、 日本大学がイメージに近いかもしれません。

 

③ 韓国の私立大学ランキングでは、3位クラス

 韓国の私立大学では、高麗(コリョ)大学、延世(ヨンセ)大学

が有名で偏差値も高く、この二つが日本の早慶早稲田大学・慶応大学)のイメージです。偏差値や人気などで、私立大学では、高麗大学延世大学の次のランクとなることが多い大学のようです。偏差値、人気などの点では、日本では、上智大学のイメージが近いでしょうか。

 ちなみに韓国は、日本以上の学歴社会で受験戦争が激しいと言われていますが、そんな学歴社会が韓国の国際競争力を支えているという見方もあるようです。

 

 

④ サムスングループが運営、投資する大学

 この点が、今回のブログで強調したいことなんですが、成均館大学は、サムスングループがその運営をして、サムスングループが巨額の投資をしている大学として有名なんです。サムスングループが成均館大学の運営する財団に出資し、本格的に運営に関与したのは1996年です。ただ、1965年に、サムスン財閥の創業者李 秉喆(イ・ビョンチョル、1910年2月12日 - 1987年11月19日)が成均館大学理事長に就任していますので、崔社長の在学時、卒業時にもサムスングループと成均館大学は今ほどの強い関係はないと思いますが、強い関係があったようです。

 

トヨタ自動車会長豊田喜一郎氏の意思で1981年(昭和56年)にトヨタ自動車の社会貢献活動の一環として設立された豊田工業大学や、初代理事長が三菱財閥の当時の総帥岩崎小弥太氏で、三菱金曜会三菱金曜会は、三菱グループ各社の会長、社長を会員とする親睦会です)のトップが成蹊学園の理事長を務めている成蹊大学のようなイメージでしょうか。

 

李健煕(イ・ゴンヒ) ──サムスンの孤独な帝王

李健煕(イ・ゴンヒ) ──サムスンの孤独な帝王

  • 作者:李慶植
  • 東洋経済新報社
  • サムソン財閥の創業者李 秉喆の息子で、李健煕(イ・ゴンヒ)氏の伝記です。

    サムソンの創業者李 秉喆(イ・ビョンチョル)氏の話とサムソンを世界的大企業にした李健煕(イ・ゴンヒ)氏の話が記載あれています。

Amazon

 

 ただ、もともとサムソン電子での勤務経験に加えて、成均館大学のコネクションもあり、サムソングループと深い関係を構築しているのかも知れません。

 ダブル・スコープの販売先1位のサムソンSDIですが、サムソンSDIの業績は絶好調です。ダブル・スコープの直近(8月)発表される四半期決算にも、注目したいです。

 

サムスンSDIの純利益6倍 4~6月、車載電池初の黒字化: 日本経済新聞

 

サムソングループと成均館大学との関係が知れる記事をいくつか紹介します。


 

成均館大学だけの話ではないですが、

こんな記事を読むと、韓国が半導体で世界のシェアを制したように、リチウムイオン電池やその重要部材のセパレーター(分離膜・絶縁材)でも、国策による産官学一体となった研究開発で、日本の技術力に追いつき、それを超えるのはそう遠くない将来に思えます。2020年代には、セパレーターを始めリチウムイオン電池の技術は、両国の政策や企業の投資額などをみると、韓国が日本を超えるのは確実かもしれないと思えます。

 

 

 

以 上 です。


銘柄メモ ダブル・スコープ,ソニー,パナソニック,マキタ,旭化成,東レ,村田製作所
6619,6758,6752,6586,3407,3402,6981

タグメモ ダブル・スコープ,ダブルスコープ,W-SCOPE,Wスコープ,サムスン,三星,サムソン,成均館

ダブル・スコープが日本で創業した理由-その技術は本物か-

このブログは、  ダブル・スコープが日本で創業した理由や、ベンチャーキャピタルの出資の決め手となった技術の価値について考察しています。また、ソニーとダブル・スコープの意外な関係が知れます。

 

にて解説したように特許侵害を旭化成から訴えれているダブル・スコープですが、日本で創業した理由を調べると、その技術は独自性、革新性が強く、他のセパレータ(セパレーター・分離膜・絶縁材)のメーカーと比べても、十分、優位性があるものが感じられます。

 

 ▼目次

 

 

 上場直後(2011年12月にマザーズ市場に上場)の2012年3月1日付の週刊ダイヤモンド記事を紹介されている崔社長の発言を引用しながら、解説していきます。 

韓国で破れた夢、日本で咲かせるリチウムイオン電池の部材で急成長ダブル・スコープ社長 崔 元根 | 起業人 | ダイヤモンド・オンライン

当初は韓国で創業

2000年、サムスン電子を退社すると旧知の化学メーカーの技術者らと共同で、高機能フィルムの開発に乗り出す。そして03年、リチウムイオン電池に使うセパレーターの生産に成功したのだ。

 ポイントは、生産効率とコスト力に的を絞った、独自の材料と生産工程にあった。「行ける」。05年に起業を決断した。

ところが、韓国の電池メーカー、ベンチャーキャピタルを訪ねても、誰からも見向きもされなかったのだ。

「これ、(業界トップメーカーの)旭化成のフィルムじゃないの」。サンプル品を手渡し、ていねいに技術の説明をしても、自分たちで作ったことすら信じてもらえない始末だった。「あの人は詐欺師だ」。心ない陰口をたたかれて、泣いた。

 当時、サムスンやLGを筆頭にした韓国の電池メーカーは、重要な部材については、日本の材料メーカーに頼っているのが実情だった。

「できるわけがない」。門前払いの連続に、夢は頓挫しかかっていた。

最初から日本で創業したのでなく、最初は韓国で創業していました。

創業した2005年当時は、リチウムイオン電池リチウムイオンバッテリー)自体が日本企業が圧倒的に強い状況でした

 

リチウムイオン電池の世界シェアの推移(2000年⇒2005年⇒2012年)出典:2014年9月19日 経済産業省商務情報政策局

リチウムイオン電池の世界シェアの推移(2000年⇒2005年⇒2012年)出典:2014年9月19日 経済産業省商務情報政策局

上記にリチウムイオン電池の世界シェアの推移(2000年⇒2005年⇒2012年)を記載していますが、2005年当時は、世界ランキングの1位から5位まで日本企業で、日本のシェアは72%です。

2005年は三洋電機が世界シェア1位です。

2011年に、経営破綻した三洋電機パナソニックが買収した理由は、三洋電機が持つリチウムイオン電池事業が獲得しかかったからだとと言われています。

リチウムイオン電池自体の製造技術自体が、韓国は日本より劣っているような時代で、そのリチウムイオン電池の主要部材で最も技術的難易度が高いと言われるセパレータを、

リチウムイオン電池が開発し、売上が2兆円近い旭化成が製造し、世界シェア1位となっている部材を、財閥や大手メーカーの何も技術支援を受けない中小企業が開発に成功したといわれてもにわかに信じられなかった状況は想像できます。

化学業界韓国最大手で財閥の中核企業のLG化学すら、セパレータの開発・製造は軌道に乗らず、2015年にその設備を東レに売却しています。

 

日本で創業した理由 

そこで目をつけたのが、リチウムイオン電池の材料の8割を生産していた日本だった。ベンチャー支援に注力する知人を頼みに、技術を売り込んだのだ。

 反応は早かった。元ソニー幹部などが運営するベンチャーキャピタル、TNPパートナーズが、早々に出資を約束し、すぐに10社計10億円の資金が集まった。「石、金、ダイヤモンドを見分ける“目”があった」。唯一の条件は、日本企業として起業することだった。

日本のベンチャーキャピタルの出資について、日本企業として起業することが条件だったようで、その条件で日本で創業したそうです。

裁判管轄の問題やベンチャーキャピタル(投資組合)と出資者(投資組合の構成員)との契約などで、韓国企業に投資することが難しいベンチャーキャピタルが多かったのでしょう。

 

ベンチャー支援に注力する知人」とは、どのような人物か興味があります。

ダブル・スコープの崔社長は、サムスン電子時代に、液晶事業に従事して、日本企業との取引で訪問する機会もあったそうです。サムスン電子ソニーは、液晶事業で韓国で合弁で液晶パネル製造会社を設立しており(現在はソニーは撤退)、ソニーに知人が多かったと考えられます。この「ベンチャー支援に注力する知人」もソニーOBなどソニーの関係者だった可能性が高いと思います(妄想レベルの勝手な想像です)。

 

ダブル・スコープに出資したベンチャーキャピタル

 ダブル・スコープに出資を最初に決めたTNPパートナーズとは、どんなベンチャーキャピタルなのでしょうか。

 ビーマップ(2002年上場)、アップガレージ(2004年上場、2011年MBOにより上場橋)、エフオーアイ(2009年上場、2010年上場廃止、その後は破産)、シンバイオ製薬(2011年 上場)などに投資していたい独立系のベンチャーキャピタルです。

 2013年には、独立行政法人中小企業基盤整備機構が、TNPパートナーズのベンチャーキャピタルに24 億円を出資しているので、社会的信用のあるベンチャーキャピタルのようです。

 当時のTNPパートナーズのソニー出身の元幹部が誰かはわかりません。

 ただ、TNPパートナーズの子会社、ベンチャーキャピタルのファンド(投資組合)毎に会社が分かれているようので、実質同一会社に近い、TNPスレッズオブライトの取締役に、現在、ソニー 元執行役副社長の吉岡 浩氏が就任していることは注目したいです。

 吉岡氏は、現ソニー社長の平井氏とともにソニー社長候補といわれ、ソニーのテレビなどのエレキ部門(ハード部門)の統括役員だった方です。ダブル・スコープ出資時にはソニーの役員で、TNPパートナーズには在籍していなかったと思いますが、ソニーとTNPパートナーズの関係の深さがわかります。

 

ソニー次期社長レースの号砲、平井SCE社長が最右翼、吉岡浩副社長の声も | 企業戦略 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース

 

 ソニーは、リチウムイオン電池の商業化(実用化)を1991年に世界で初めて成功しています。旭化成リチウムイオン電池の開発で2019年ノーベル化学賞を受賞した吉野彰氏が在籍)が商業化(実用化)したのは1993年で、ノーベル賞旭化成より2年早く商業化(実用化)したわけですから、リチウムイオン電池の技術は相当蓄積したものがあったようです。

 そういった蓄積した技術を背景に深い知見のあるソニーの出身者が、ダブル・スコープの技術が出資に値する評価したのでしょう。

 

 なお、ソニーは、出資をした2005年当時のリチウムイオン電池の世界シェアは7%で、2位でした。2017年にリチウムイオン電池事業を村田製作所に売却して撤退しています。

 

 ダブル・スコープの主要販売先の東北村田製作所の前身はソニーエナジー・デバイスです。日本国内ではリチウムイオン電池のシェアは3位(1位パナソニック、2位TDK)です。東北村田製作所は、電動工具のマキタも主要販売先ですが、近年マキタ製の人気のコードレス充電池型掃除機は人気ですが、その電池も東北村田製作所で製造しているのかもしれません。

 東北村田製作所が製造している日本製の高品質・高価格と言われる電池にも、ダブル・スコープの製品が利用されているので、ダブル・スコープのセパレータも高品質なのでしょう。 

 

設立前、売上0円でも出資に値した技術

 ベンチャーキャピタルは、設立直後、成長初期に投資するのが通例ですから、設立前、つまり売上0円の状態で、出資を決めるのは極めて異例です。それだけ、ダブル・スコープの技術に、独自性、革新性があり、市場で相当なシェアがとれ確実な成長が見込めると、自信をもって評価、判断したことがわかります。

 実際に、2005年10月に創業後、旭化成東レなど日本の大企業のシェアを奪い、設立15年で2020年12月決算では売上184億円と、世界シェアを5%ほどのセパレータの主要企業となっているので、TNPパートナーズの評価は間違いがなかったのでしょう。

 

TNPパートナーズ以外の出資者は

「早々に出資を約束し、すぐに10社計10億円の資金」を提供したベンチャーキャピタル(VC)が、TNPパートナーズ以外にどこだったかはわかりません。

ただ、上場時の株主を見ると

TNPパートナーズ系のVCに加えて、

伊藤忠商事やSVIC NEW TECHNOLOGY BUSINESS INVESTMENT(韓国サムスングループ系のVC)の名前があります。

他にも以下のような日本の有力ベンチャーキャピタルの名前があります。

----------------------
ニッセイ・キャピタル(日本生命系)
ジャフコ野村証券系)
三井ベンチャーズ三井物産系)
KSP投資事業組合(神奈川県や川崎市も出資する神奈川サイエンスパークを運営するKSP系)
SMBCキャピタル(SMBC系)
大和企業投資(大和証券系)
NIFベンチャーSMBC系)
エーシーベンチャーズ三菱UFJグループのアコム系)
安田企業投資(明治安田生命

-------------------

セパレータのような大企業が既にシェアの過半を占める市場にゼロから新規進出する会社で、これだけ多くのVCから出資を受けるのは異例です。

 ソニー関係者が、出資するベンチャーキャピタルにダブル・スコープの技術が将来性や収益性が抜群であるという、『保証』に近い評価をした

 または、ソニー(現東北村田製作所)のセパレータに採用予定(の内示)であった

なんていう話があったのかもしれません。

 

関連書籍

 このブログを読んだ方が興味がありそうな本を紹介します。

 

 

 

 

 

 

以 上 です。


銘柄メモ ダブル・スコープ,ソニー,パナソニック,マキタ,旭化成,東レ,村田製作所
6619,6758,6752,6586,3407,3402,6981

タグメモ ダブル・スコープ,ダブルスコープ,W-SCOPE,Wスコープ

W-SCOPEは、『国策に売りなし』か『国策に売られる』か。

このブログでは、ダブル・スコープが韓国の政策の支援で業績向上が確実視される『国策に売りなし』の銘柄となるか、逆に韓国の政策で業績が阻害される『国策に売られる』銘柄となるか、予測しています。

 ▼目次

 

国策に左右されるリチウムイオン電池(バッテリー)産業

 上記のブログにて、エルピーダメモリの破綻、サムスン電子やSKハイニックスの成功、日韓のDRAM産業の逆転劇を例に『国策』の重要性については説明しています。

企業の経営努力以上に、国の政策が、その国の産業の盛衰、企業業績に影響を与える産業は少なくありません。

技術進歩が激しく、かつ需要が毎年急激に増える市場で、多額の設備投資(固定費)が必要なリチウムイオン電池のセパレータ(分離膜・絶縁体)のような事業は、国の政策、国家の直接、間接的な支援が重要となります。

 

リチウムイオン電池産業は、温暖化対策の脱炭素化(二酸化炭素の排出抑制)、自動車のEV化といった世界的な潮流、国際公約があり、成長が確実視され、現時点でも需要に対して十分な供給ができていない状況です。

そういった理由から日中韓ともに東アジア主要参加国とも、リチウムイオン電池産業の振興は、主要な産業政策の一つとなっています。

 

リチウムイオン電池、日本は中韓に苦戦 「川下」商売下手、弱み象徴 - SankeiBiz(サンケイビズ):自分を磨く経済情報サイト

 【独自】EV次世代電池、開発促進へ…国内拠点支援で中国に対抗 : 経済 : ニュース : 読売新聞オンライン

 [特集]韓国大統領がバッテリー戦略について報告 「第二の半導体に」(全文) - コリア・エレクトロニクス

 

上記に関連するニュースを紹介しています。

まさに『国策に売りなし』か『国策に売られる』かが重要となるわけです。 

政府支援も受け、EV市場が急成長(ハンガリー) | 地域・分析レポート - 海外ビジネス情報 - ジェトロ

最近では、ハンガリーのEV市場、EV用電池(リチウムイオン電池)も『国策に売り』なしとなっているようでうす。

ダブル・スコープの売上地域は、1位は韓国ですが、2位はハンガリーです。

ダブル・スコープ2020年12月期有価証券報告書より抜粋 

ダブル・スコープ2020年12月期有価証券報告書より抜粋 


『国策に売りなし』となる企業は

国策に売りなしのリチウムイオン電池大手韓国三社

ムン・ジェイン文在寅)大統領が

2021年7月8日に「K-バッテリー発展戦略報告」に発表しています。

[特集]韓国大統領がバッテリー戦略について報告 「第二の半導体に」(全文) - コリア・エレクトロニクス

 で全文を確認できますが、重要な部分について、抜粋、紹介します。

企業がまず果敢に立ち上がりました。
LGエナジーソリューションは、工場を増設し、今日梧倉2工場を着工します。
LGエナジーソリューション、サムスンSDI、SKイノベーションが中小企業と力を合わせて、2030年までに計40兆ウォン以上を投資します。
いつも一足先に挑戦する企業の皆さんの勇気に敬意と応援の拍手を送ります。

 

韓国政府がLGエナジーソリューション(LG化学グループ)、サムスンSDI、SKイノベーションの活動を評価しています。

韓国のいずれもリチウムイオン電池大手で、この三社が韓国政府の支援の中心になりそうです。

2020年度の車載電池向の市場は

LG化学:世界2位 世界シェア約23%

サムスンSDK:世界5位 世界シェア約6%

SKイノベーション:世界6位 世界シェア約5%

といった状況で、この三社は世界的にも大手に名を連ね、世界市場で十分な競争力のある会社といえそうです。

 

補足:車載電池向の市場世界1位(世界シェア約25%)は、CATL(寧徳時代新能源科技)であり、創業者は日本のTDKの香港法人出身で、日本のTDKと縁が深いです。まさに中国の『国策に売りなし』で急成長した会社で、中国市場が中心でしたが、最近では欧米日本など先進国にも販売が広がっています。2019年は、パナソニックが2位であったが、LG化学に抜かれ、2020年はパナソニックが3位となっています。今後も中国企業や韓国企業の躍進が続けば、パナソニックなど日本のリチウムイオン電池DRAMのように駆逐される可能性がありそうです。

 

2020年世界上位車載電池メーカーの出荷量(搭載ベース)

2020年世界上位車載電池メーカーの出荷量(搭載ベース)


コロナ禍で加速する新エネルギー車市場(中国) | 地域・分析レポート - 海外ビジネス情報 - ジェトロ
 より上記画像は抜粋しています。

 

リチウムイオン電池大手韓国三社のセパレータ

素材・部品・装置技術の海外依存と人材不足の問題も確実に解決します。
バッテリー製造大企業と当該中小・中堅企業がともに重要な技術の開発に乗り出すことができるように協力し、R&D事業を集中的に支援します。

ムン・ジェイン文在寅)大統領が2021年7月8日に発表した「K-バッテリー発展戦略報告」の抜粋ですが、韓国政府がリチウムイオン電池の素材、部品、装置技術にも支援することもわかります。

セパレータは、リチウムイオン電池のコストの1割から2割程度を占める重要素材で、かつ、原材料が韓国でも世界的な競争力を石油化学製品であることあから、間違いなく、政府支援の対象となりそうです。

 

LG化学は、セパレータを製造していましたが、最終的に設備を東レに売却して、2015年に撤退しています。察するに製造コストを下げる技術的難易度が高く、日本企業のセパレータに、価格、品質ともに勝つのが難しかったのでしょう。

東レ、LG化学の工場買収 エコカー向け電池材料生産: 日本経済新聞

 また、2020年に東レとセパレータの合弁企業を検討しているようです。

LG化学、東レと分離膜合弁会社設立へ - 韓国経済新聞国際版

こんな記事から東レと縁が深いようです。また、ダブル・スコープからも供給を受けていますが、量はそれほど多くないようです。 

 

サムスンSDIは、主にダブル・スコープがセパレータを供給しています。

以下は、2020年12月末決算でのダブル・スコープの有価証券報告書の抜粋ですが、 ダブル・スコープの販売先1位は、サムスンSDIで、売上の77%近くを締めています。

ダブル・スコープ有価証券報告書2020年12月末決算の抜粋

ダブル・スコープ有価証券報告書2020年12月末決算の抜粋

SKイノベーションは、グループ会社にSKアイイーテクノロジー(SKIET)があり、SKIETからセパレータの供給をうけているようです。

LG化学、サムスンSDI、SKイノベーションが韓国政府の支援を受けるのであれば、

そこにセパレータを製造、提供している東レ、W-SCOPE、SKIETが、韓国政府の支援を受けて、『国策に売りなし』となる可能性が高いです。

 

仮に1社に絞られた場合

セパレータ事業の国際的競争力の確保のため、仮に韓国政府が、韓国内でのセパレータ製造事業を一社に絞り、支援した場合、支援する先は、東レ、W-SCOPE、SKIETのいずれかになるでしょう。

その場合、東レは、研究開発部門を日本に置く、日本の伝統的案大企業ですから、反日感情の強い韓国で、東レのみを支援して、W-SCOPE、SKIETを支援しないのはあり得ないでしょう。

そうなると支援先となるのはW-SCOPEか、SKIETのどちらかになるでしょう。

SKIETのみを支援した場合、LG化学、サムスンSDIに不利に働くことから難しいであろう。

また、富を独占していると財閥に対する反感も韓国内には根強く、中小企業や韓国内のベンチャー企業を積極的に支援しようとする最近の韓国の政策から、財閥グループでないW-SCOPEを捨てて(W-SCOPEに不利な政策を実施し)、SKIETのみを支援することは難しいでしょう。

 

W-SCOPEは、日本の証券市場に上場している日本法人が親会社ですが、筆頭株主の崔元根社長も韓国国籍の韓国育ちの韓国人であり、主要技術も、日本企業からライセンスを受けず、韓国人が開発したものです。製造研究拠点も韓国内のみで、韓国内の設備投資、採用に積極的ですので、日本の証券市場に上場している日本法人が親会社であることはそれほど問題視されないでしょう。

 

私が韓国の国民であれば、財閥のグループ会社と徒手空拳・裸一貫といった状態から操業したベンチャー企業であれば、韓国政府に後者を応援してほしいです。

そんな韓国国民を多いと願いたいです。

 

国民情緒法国民感情法)が憲法に優先する』と国民世論次第で司法判断が決まるなど罪刑法定主義法治主義・法の支配が崩れがちな大韓民国の政治・社会体質を皮肉った言葉があるように、国民世論、国民感情が大事な国のようで、その点、ダブル・スコープの崔社長はPR活動も上手なように思え、崔社長の手腕を期待しています。おそらく、サムスン電子時代にIR(投資家向け広報)の仕事に従事していたことも関係しているのでしょう。

 

結論からいうと、リチウムイオン電池産業を保護、育成に国策として掲げる韓国が保護、育成する企業は、ダブル・スコープは、SKIETの両方になるでしょうし、もし1社に絞られる場合は、ダブル・スコープの可能性が高いと考えています。

 

2021.03.11 適時開示 韓国連結子会社の株式上場準備開始に関するお知らせ W-SCOPE

にてニュースリリースされた

 W-SCOPE CHUNGJU PLANT CO., LTD.(以下、WCP)の上場計画は、韓国政府から支援を受けやすくするという目的もあるのかもしれない。

 

参考書籍の紹介

このブログで読んでいただいた方が興味を持ちそうな本を紹介します。

 

 

 

 

 

銘柄メモ ダブル・スコープ6619 東レ3042 旭化成3407 住友化学4005 帝人3401 宇部興産4208 パナソニック6752 TDK6762

タグメモ  ダブル・スコープ ダブルスコープ WSCOPE 崔元根 W-SCOPE
W-SCOPE Corporation ダブル・スコープ株式会社 

 

SKIETとW-SCOPE、勝者はどちらか。

このブログでは、ダブル・スコープと、そのコンペ (競合)でもあり、韓国市場でIPOしたSKアイイーテクノロジー(SKIET)の安全性に関わる財務指標や企業規模を比較するとともに、最終的に生き残る勝者、倒産せずに残存者利益謳歌するのはどちらか検討します。 

 

 

 

財務の健全性と企業規模が重要な理由

 

に続けて、ダブル・スコープ(W-SCOPE)とSKアイイーテクノロジー(SKIET)に続いて比較したいと思います。

 

で記載した通り、リチウムイオン電池のセパレータ(分離膜)事業のような、

  • 市場が急拡大している。
  • 最先端の製品を大量に供給する必要。
  • 売上を急拡大させて、生産コストを下げるために巨額な設備投資が必要。

といった性格な事業では、設備投資をしても倒産しない財務体質、いわば財務の健全性が重要になってきます。エルピーダメモリのように倒産し、負け組にならなければ、勝ち組になり、巨額な残存者利益を確保できる可能性が高いです。

また、シェアを確保し生き残るためには企業規模も大事ですから、売上高、総資産、株主資本、従業員数も比較したいと思います。

 

SKIETとW-SCOPEの財務健全性を比較する

それでは、株主資本比率流動比率といった指標で、SKIETとW-SCOPEの財務健全性を比較してみます。

1円=0.096ウォン(2021年7月23日時点の為替相場)で計算しています。なお、SKIETの決算は、

Financial Status < Investors < Company < SK ie technology

といったSKIETのコーポレートサイトで確認しています。

 

株主資本比率(株主資本÷総資産×100(%))

SKIET:1兆2028億ウォン÷1兆9916億ウォン × 100 = 約60.3%

W-SCOPE: 99億円 ÷ 702億円 × 100 = 約14.1%

 

製造業では40%を超えていれば安全で、30%を下がると危険水域と言われますから、

W-SCOPEは危険水域と呼ばれる水準まで、低下しています。

この比率は収益変動のバッファの保有状況も意味しており、業績変動の大きい企業の場合、この比率が低いと、業績変動によって債務超過となりやすく、倒産の可能性も高まります。

 

株主資本比率は株主資本÷総資産×100(%)
の計算式で総資産の額に対する株主資本の割合を計算したものです。負債(=他人資本)によって資金調達している企業はこの割合が低くなります。

 

流動比率流動資産÷流動負債×100(%))

SKIET:5668億ウォン ÷ 2727億ウォン × 100 = 約207%

W-SCOPE :165億円 ÷ 231億円 × 100 = 約71%

流動資産は、キャッシュ、1年以内にキャッシュできる資産で、

流動負債は、1年以内にキャッシュでの支払いが必要になる負債ですから、

W-SCOPEは、流動資産をすべてキャッシュして、流動負債を支払えない資金繰りが非常に苦しい状態です。

一般的には120%を超えていれば安全とされます。

 

流動比率は、流動資産÷流動負債×100(%)の計算式で算出します。

企業の資産には、内容が常に変動していくものと、長期間に渡って固定するものがあります。流動性の高いもの、および、1年以内に受け取り・支払いが可能な資産・負債を流動資産・流動負債といいます。流動資産の流動負債に対する比率を示す指標を流動比率といい、短期的な企業の資金繰り状況を示す指標とされています。流動比率は100%以上であることが必須とされており、その割合が崩れていると、資金の回収・支出のタイミング次第では、資金ショート、つまり倒産の可能性が懸念されます。

 

SKIETとW-SCOPEの企業規模を比較する

財務健全性と同じく、いずれも、2020年12月末決算の数字を利用しています。

1円=0.096ウォン(2021年7月23日時点の為替相場)で計算しています。

売上高

SKアイイーテクノロジーの売上は4,693億ウォン、日本円で換算すると約450億円です。

対してダブル・スコープの売上は約184億円です。

総資産

SKアイイーテクノロジーの売上は1兆9916億ウォン、日本円で換算すると約1911億円です。対してダブル・スコープの総資産は約702億円です。

従業員数

SKアイイーテクノロジー218名、W-SCOPEは1092名です。親会社の日本のW-SCOPE本体には、9名しか在籍しておらず、ぼぼ社内取締役の数だと思います。W-SCOPE-KOREA に、643名、W-SCOPE CHUNGJU PLANTに437名在籍しており、W-SCOPEの従業員の99%は韓国国内で雇用されています。

 

SKアイイーテクノロジーの従業員数が少ないのは、SKイノベーションなどグループ会社の出向社員が含まれていないせいかもしれません。

ただ、少なくとも従業員数という意味で企業規模では、W-SCOPE は、SKアイイーテクノロジーに対して、劣っていることはなさそうです。

W-SCOPEが、設備投資だけでなく、採用など人材投資にも注力していたことがわかります。

 

SKIETとW-SCOPE、どちらが勝者として生き残るか

 

財務健全性や企業規模といった点では、勝者として生き残るのは、SKIETと思われるでしょう。SKIETは、韓国の第3位の財閥グループ、W-SCOPEは、継続企業の疑義注記企業ですが、当然かもしれません。

ただし、民間企業の一社の企業体力や経営努力以上に、国策による影響が、その会社が勝者として生き残れるかは大きいと思います。

つまり、『国策に売りなし』の会社になるか、『国策に売られる』会社になるか、どちらかですが、以前のブログで記載しましたが、SKIETも、W-SCOPEも、『国策に売りなし』と会社となる可能性が高いす。仮にどちらが、『国策に売られる』会社となる場合、意外にも売られる銘柄は、SKIETの可能性が高い、つまりW-SCOPEの方が、韓政府の支援、保護を受けて、勝者として生き残る可能性が高いと私は想像しています。この想像は、希望的な妄想かも知れませんが、理由はまた、別のブログで紹介したいと思います。

 

SKIETのコーポレートサイト抜粋-CEOのメッセージ-

SKIETのコーポレートサイト抜粋-CEOのメッセージ-

『SKIETは、特徴的な技術的な競争力を有して、トップクラスの先端機能材料のプロバイダーとなります。』

 

参考書籍の紹介

このブログで読んでいただいた方が興味を持ちそうな本を紹介します。

 

 

 

 

 

 

銘柄メモ ダブル・スコープ6619 東レ3042 旭化成3407 住友化学4005 帝人3401 トヨタ7203 マツダ7261

タグメモ  ダブル・スコープ ダブルスコープ WSCOPE 崔元根 W-SCOPE
W-SCOPE Corporation ダブル・スコープ株式会社 

 

SKアイイーテクノロジー(SKIET)の時価総額が高すぎるのか、ダブル・スコープは安すぎるのか

  このブログでは、ダブル・スコープのコンペ でもあり、韓国市場でIPOしたSKIETについて取り上げます。『SKアイイーテクノロジー(SKIET)の時価総額(株価)が高すぎて笑う 。ダブル・スコープの時価総額(株価)が割安すぎて、悲しいです!』といった記事です。

 

で記載した通り、SKイノベーション子会社でリチウムイオン電池用セパレータ事業のSKアイイーテクノロジー(SKIET)が、2021年5月11日に上場している、その財務内容、業績なども公開されており、ダブル・スコープとの有益な比較ができそうです。

今回は、PSR、PBRといった指標でダブル・スコープの株価が割安か簡単な検証をしたいと思います。 

 

 

SKアイイーテクノロジー(SKIET)の時価総額が高すぎて笑う 

二次電池分離膜製造会社の公募株に歴代最多8兆円 - 韓国経済新聞国際版

の記事の通り、SKイノベーションの子会社でセパレータ事業がメインのSKアイテクノロージズの株式が、が2021年5月に韓国証券市場に公開されました。

 上記の記事の通り、日本のバブル経済の象徴と1987年のNTT上場のように、SKアイテクノロジーの上場は、韓国ではSKアイテクノロジーの株式が、『全国民宝くじ』と呼ばれるなど、社会現象となっているようです。

上場したSKアイイーテクノロジー(SKIET)の株価

上場したSKアイイーテクノロジー(SKIET)の株価

 

上場初日のSKアイイーテクノロジー株、高騰の後に下落 - 韓国経済新聞国際版

の記事の通り、上場直後は乱高下しましたが、上記のチャートのようにその後は堅調に株価は上昇しています。

 

SKアイイーテクノロジー時価総額は、 約16兆4300億ウォン(2021年7月22日終値216ウォンで計算)で、1円=0.096ウォンで換算すると、日本円で約1兆5700億円です。

対して、ダブル・スコープの時価総額は、約389億円(2021年7月21日終値725円で計算)です。時価総額でSKアイイーテクノロジーは、ダブル・スコープは40倍という状況です。

 

ダブル・スコープの株価(6カ月チャートなど)

ダブル・スコープの株価(6カ月チャートなど)

 

SKIETとW-SCOPEスコープをPSRとPBRで比較

 時価総額40倍というのはものすごい差です。

 トヨタ時価総額が約31兆円7300億円 マツダ時価総額が約6300億円で、約50倍の差がついています。それぐらいSKアイテクノロジーとダブル・スコープの時価総額の差のイメージになるかと思い紹介します。

 トヨタの直近の売上高は27兆2千億円でPSRは1.16倍、マツダの直近の売上は2兆8千億円でPSR2.22倍です。PBRはトヨタは1.16倍、マツダは0.56倍です。

 トヨタが高いのか、マツダが安いのかは簡単に結論はつきませんが、指標から見るとマツダは割安に放置されているようです。

 しかし、マツダ以上に割安に放置されているのが、ダブル・スコープのようです。

 

SKアイイーテクノロジーの2020年12月末期決算の売上は4,693億ウォン(日本円で換算すると約450億円)です。PSRは、約35倍です

対してダブル・スコープの売上は184億円で、SKアイイーテクノロジーの4割程度の規模(トヨタマツダのような大きな差はない)で、PSRは約2.1倍です。

 

SKアイテクノロジーの株主資本(2020年12月末期決算)は1兆2000億ウォン(日本円で換算すると1152億円)なので、この数字を利用してPBRを計算すると、約13.7倍です。

ダブル・スコープの株主資本(2020年12月末期決算)は105億円なので、この数字を利用してPBRを計算すると、約3.7倍です。

 

 PSRとはPrice Sales Ratioの略で、株価売上倍率と訳されます。 時価総額を年間売上で割って、算出されます。 PSRが低いほど、株価が割安と判断することができます。

 PBRとはPrice Book-value Ratioの略で、株価が1株当たり純資産(BPS:Book-value Per Share)の何倍まで買われているか、すなわち1株当たり純資産の何倍の値段が付けられているかを見る投資尺度です。現在の株価が企業の資産価値(解散価値)に対して割高か割安かを判断する目安として利用されます。PBRの数値は、低いほうが割安と判断されます。

 

 PERは、企業価値の妥当性を図る場合よく利用されますが、時期的な変動、特殊要因による変動が大きく、新興企業でかつ市場、売上が急拡大にしているSKアイテクノロジーダブル・スコープのような会社の場合は、PSR、PBRによる比較が妥当だと思っています。PSRは、新興企業でかつ市場、売上が急拡大にしている会社で計画的な赤字(もしくは単年度、今年度の利益を考慮しないで)で設備投資をしている会社に有効な指標と言われています。

 PBRは、設備投資に耐える株主資本があるか、設備投資をし、売上、収益を伸ばせる余地があるか、という点を検討するために、競合に打ち勝つ設備投資が必要なSKアイテクノロジーダブル・スコープのような会社でも参考になる指標と考えています。

 

ダブル・スコープの株価は安すぎる

 ダブル・スコープは売上の規模が4割程度ですが、競争力や成長力といった点で、SKアイテクノロジーにそれほど見劣りする会社とは思えないので、やはりダブル・スコープの株価、企業価値は、SKアイテクノロジーに比べて、評価が低すぎる、割安すぎるように思えます。

 SKアイテクノロジーは、韓国の4大財閥の一つSKグループの会社であること、それに対して、ダブル・スコープは継続企業の疑義注記とされていて信用力に不安があること。

 SKアイテクノロジーはすでに営業利益も純利益も単年度で黒字の会社であること(2020年度の営業利益は1,252億ウォンで日本円で約120億、純利益は882億ウォンで日本円で84億円)、対して、ダブル・スコープは3期連続で営業利益、純利益も赤字の会社であること。

こういった理由がダブル・スコープの株価を割安にさせていると思いますが、

- 2021年度の黒字決算

- 韓国の製造子会社の上場

が確実視され始めたら、現状の株価700円台、時価総額300億円台は割安さに多くの投資家が気付き、SKアイイーテクノロジーのように株価の上昇が期待できると思います。

 

ダブル・スコープの予想株価の自分の見解は

 を参考にしていただきたいですが、SKアイテクノロジーPER164倍(直近決算の実績の利益)と100倍を大きく超えるPERも市場が認めているなら、ダブル・スコープのPERは30倍程度まで評価されても高くはないので、4320円ぐらいまでの株価上昇も、現時点で予想されるようなリチウムイオン電池市場の拡大が見込めるならば、ありえそうです。

 

ただ、日本のセパレータ事業の会社は、旭化成東レ帝人住友化学宇部興産など、セパレータ事業以外の売上が大きく、コングロマリットディスカウントといった状況にあるので、PERは10倍台です。ダブル・スコープの株価も、日本の競合のセパレータ事業の会社のPERなどと比較され、それほど高い株価になりませんでした。しかし、今後、SKアイテクノロジーと比較されることが増えれば、株価の上昇はさらに期待できるかも知れません。

 

参考書籍の紹介

このブログで読んでいただいた方が興味を持ちそうな本を紹介します。

 

 

 

 

 

 

銘柄メモ ダブル・スコープ6619 東レ3042 旭化成3407 住友化学4005 帝人3401 トヨタ7203 マツダ7261

タグメモ  ダブル・スコープ ダブルスコープ WSCOPE 崔元根 W-SCOPE
W-SCOPE Corporation ダブル・スコープ株式会社 

 

ダブル・スコープの競合 SKイノベーションとは- 『国策に売りなし』か『国策に売られるか』-

 

 

に続けてダブル・スコープの投資の参考情報です。今回は、ダブル・スコープのコンペ(競合)となるSKイノベーションについて取り上げます。韓国の産業政策から考えて、ダブル・スコープの競合(コンペ)としてまず考えるべきは、SKイノベーションだと思います。

 

 

 

 

『国策に売りなし』韓国と『国策に売られた』日本

相場の格言に、「国策に売りなし」があります。「国の規制緩和、規制強化、産業保護育成が、その事業に向かい風となる会社は業績向上の確度が高いので、買いの対象、売る対象でない。」という意味です。

 

韓国の産業政策、というよりどの国も同じような産業政策であるが、自国の産業保護のため、世界的な競争力を持つ、世界シェア上位を目指せる企業を育成する傾向があります。そういった会社が国内に1社だと国内市場で独占市場の弊害もあるので、通常、国内でも健全な競争がある程度働くようなに2~3社までが保護、育成の対象となるようです。

 

その場合、リチウムイオン電池産業を保護、育成に国策として掲げる韓国が保護、育成する企業がダブル・スコープになるのか、SKイノベーションになるのか、その両方になるのか重要です。

 

ちなみに、エルピーダメモリが経営破綻し、日本のDRAM産業が壊滅し、韓国のサムソン電子やSKハイニックスが世界シェア1位、2位の企業として、営業利益で1兆円を超えるような残存者利益謳歌しているのは、日本政府がエルピーダメモリを保護せず、保護しなかったといより、円高、金融政策(銀行の貸しはがしを招くような規制強化)など敵視するような政策のおかげです。対照的に、韓国政府が自国通貨安への誘導や補助金や税金軽減、融資の政府保証など様々な保護を与えました。企業の経営努力を超える国家の政策が、韓国が日本を打ち負かしたのです。日本の政策、というより無策が、韓国に有利に働いたのです。

なお、ここでいう政策、国策とは、産業政策という狭い意味より、財政政策、金融政策、為替政策、外交政策、安全保障政策も含めた非常に広い意味でも政策で、『国家政策』、大げさな言葉でいうと、『国家意思』と呼んだほうがいいでしょうか。

 

この辺の経緯は、エルピーダメモリ会社更生法を申請した当事者であった坂本 幸雄氏の著書 『不本意な敗戦 エルピーダの戦い』 に詳しいが、メインバンクの不在が資金繰りに窮した理由というより、韓国との競合と比較して、国の支援がないエルピーダメモリ、日本のDRAM産業の将来性を、銀行が見限ったという見方が適当だと思います。

 

日本のDRAM産業、広く言えば、日本の半導体産業は、『国策に売られた』といってよく、韓国の半導体産業は『国策に売りなし』だったのでしょう。 

 

SKイノベーションとは

  SKイノベーション(SK Innovation Co Ltd)は、主に石油製品、石油化学製品の製造・販売を行う韓国に拠点を置く会社で、韓国の証券市場に上場しています。
 国営の石油精製事業を譲り受けて、石油精製事業を中心に発展したため、日本では、ENEOS(5020)や出光(5019)のような会社のイメージです。
 ガソリンなど石油製品の韓国内シェアは4割ほどあり、日本ではENEOSが、ポジション的に近いでしょうか。なお、日本でも東燃ゼネラル石油がセパレータを製造していましたが、2009年に東レとの合弁企業に事業は移管され、2012年にその合弁企業が東レが100%子会社することでセパレータ事業から撤退しています。セパレータの原料がプラスチックの一種ですから、石油精製企業、石油化学企業と親和性が高いようです。

 

 母体となったSKグループは、石油精製業や通信事業を軸とする韓国の財閥で、韓国4大財閥の中で第3位の位置にいます(1位はサムソン、2位は現代、4位はLG)。

 SKテレコムやSKハイニックスはSKグループの関連企業です。

 

SKイノベーションの事業内容

SKイノベーションの事業内容は、大きく5つのセグメントわけれれます。

  • ① 石油セグメント:鉛フリーガソリン、灯油、ディーゼル等の石油製品の製造・販売を行う。
  • ② 潤滑剤セグメントは、主に潤滑剤製品の製造・販売を行う。
  • ③ 石油開発事業・材料事業・その他の事業セグメントは、原油及び天然ガスの開発・製造・販売を行う。
  • ④ 化学セグメント:主にエチレン、ポリプロピレン、スチレンモノマー等の基本的な乳化剤、並びに合成樹脂等の化学物質の製造・販売を行う。
  • ⑤ バッテリーセグメント:リチウムバッテリー及び中型・大型バッテリーの製造・販売を行う。

もともと①の石油セグメントが中心でしたが、近年は、成長が期待できより付加価値が高い⑤の事業に注力しており、リチウムイオン電池市場で世界シェア1位のLG化学と競争しています。

 

SKイノベーションの1~3月期、和解金計上で最終赤字: 日本経済新聞

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM139390T10C21A5000000/

といった記事の通り、LG化学とは特許紛争も起こしていました。

 

SKイノベーションの車載用リチウムイオン電池のシェア

 

「会社四季報」業界地図 2021年版

によると

 

車載用リチウムイオン電池の2019年市場シェア 

車載用リチウムイオン電池の2019年市場シェア 

と車載用リチウムイオン電池の2019年市場シェアで3%で世界7位の売上があります。

 SKイノベーションリチウムイオン電池はほぼ車載用で、ノートPCやスマホなどの民生市場でシェアは1%も超えないようです。

なお、LG化学は、韓国の最大手の化学企業で、世界でも10位の売上規模を誇り、日本では三菱ケミカルが、その事業内容、規模などから近い企業です。

リチウムイオン電池のセパレータには、プラスチックの一種であるポリエチレン(超高分子量PE)やポリプロピレン(PP)が利用され、素材から開発、製造しているという点で、

SKイノベーション旭化成と同じく強みにもなり、逆に、他企業の安価・高品質の素材を利用するときの制約になるという点で弱みになるでしょう。
また、SKイノベーションは、セパレータのアプリケーションとなるリチウムイオン電池自体も製造しており、これも用途に合わせた開発、製造を迅速にでき、用途の知見を素材に応用できるという点で強みになるでしょうか、他のリチウムイオン電池の企業への販売が難しくなるという点、本来、他社で高く売れ利益が確保できるのに、自社内で安く取引され利益が確保できない可能性がある点では弱みになるでしょう。

SKイノベーションのセパレータシェア 

セパレータメーカー動向(2016年)WSCOPE 2017年12月期第3四半期決算説明会資料より

セパレータメーカー動向(2016年)WSCOPE 2017年12月期第3四半期決算説明会資料より

 

2016年と古い資料ですが、ダブル・スコープの決算説明資料で、SKイノベーションは湿式セパレータ市場で13.2%のシェアを持ち、旭化成に次いで、2位となっています。

乾式セパレータも合わせた全市場では、東レが2位になることが多く、旭化成について、東レリチウムイオン電池用セパレータでは2位を争う企業となります。

耐熱性や強度を改良する添加薬品である可塑剤を混入するのが湿式で、それをしないのが乾式です。乾式の方がコストが安くいのですが、湿式の方が耐熱性や強度が高いので、安全性が重視される自動車用リチウムイオン電池では湿式が主流で、ダブル・スコープの主力製品も湿式セパレータです。

  

SKとW-SCOPEを比較する

でも取り上げた通り、
リチウムイオン電池のセパレータ事業で勝者になるためには、
巨額の最新鋭の設備投資して量産効果でコストを下げ、売上を上げることです。そのためには、設備投資に耐える企業規模、財務体質が必要です。

SKイノベーションはセパレータ事業の比重が少ない、コングロマリット複合企業のため、セパレータ事業専業のダブル・スコープと比較が難しいと考えていたころ、

SKイノベーションリチウムイオン電池用セパレータ事業が担うSKアイイーテクノロジー(SKIET)が、2021年5月11日に上場しており、その財務内容なども公開されており、有益な比較ができそうです。(当初SKイノベーションとダブル・スコープとの比較を考えていましたが、SKIETの上場によりその単独の財務内容、業績も公開されていることを知り、方針を変えています。)

 

 

 とここまで書いて、結構な長文となってしまったので、こういった比較も、別のブログでしたいと思います。

おそらく、ダブル・スコープの数値が悪く、ダブル・スコープへの投資が心配になるような結果となるでしょう。

 

最新鋭の設備を揃え、最新技術の製品を大量に供給すること必要なセパレータ事業は、設備投資を支える財務体質や企業規模に加えて、その企業を支える国の産業政策も必要になり、それについてはまた別のブログでまとめますが、おそらく両方とも韓国の産業政策の保護、育成の対象となるでしょうが、セパレータ事業だけでみると、ダブル・スコープのほうがより、韓国政府の保護、育成の対象となる可能性が高いと考えています。

これについても、次のブログで自分の意見を紹介したいと思います。

 

関連本の紹介

 

 

 

 

 

  

 

 

関連サイト

SKイノ、創業以来最悪の赤字から黒字転換に成功 - 韓国経済新聞国際版

https://www.kedglobal.com/newsView/ked202105130007?lang=jp

 

東レが東燃ゼネラルとのバッテリーセパレータ次号の合弁を解消し子会社化に

http:// https://www.kankyo-business.jp/news/000368.php

 

韓国のSKイノベーションが電気自動車用バッテリーに約3兆円投資を発表 | EVsmartブログ

https://blog.evsmart.net/ev-news/sk-innovation-to-invest-30-trillion-won-to-manufacture-electric-vehicle-batteries/

 

韓国SKIET、ポーランドでEV向けバッテリーセパレータ工場の増設発表(韓国、ポーランド) | ビジネス短信 - ジェトロ

https://www.jetro.go.jp/biznews/2021/04/3c5bb72faf33d5ee.html

 

韓国「SKイノベーション」がアメリカの大規模電池工場で起工式を開催 | EVsmartブログ

https:// blog.evsmart.net/ev-news/sk-innovation-us-battery-factory-2/

 

韓国SKイノベーション、バッテリー事業の分離・上場を検討 | ロイター

https://jp.reuters.com/article/sk-innovation-batteries-idJPKCN2E73HB

 

이번엔 습식 분리막 시장…LG-SK, 또 다시 붙는다

https://www.sedaily.com/NewsView/22OXOU7AB0

韓国語のサイトですが、
LG化学は、東レとヨーロッパの分離膜合弁工場設立を進めていて、
韓国のSKイノベーションの子会社SKアイイーテクノロジー(SKIET)を追撃へ。

といった内容の記事です。 

 

銘柄メモ

ダブル・スコープ6619  出光興産5019 ENEOS 5020 三菱ケミカル4188 東レ3042 

旭化成3407 住友化学4005

タグメモ  ダブル・スコープ ダブルスコープ WSCOPE 崔元根 W-SCOPE
W-SCOPE Corporation ダブル・スコープ株式会社

 

ダブル・スコープがセパレータ事業で創業した理由-エルピーダメモリのような敗者になるのか-

 

に続けて、株式投資として参考になればと思い、ダブル・スコープがセパレータ事業で創業した理由について、紹介します。

 

 ダブル・スコープがセパレータ事業で創業した理由は、「サムスンDRAM半導体の成功モデル(勝ちパターン)を真似られる」と思ったからと私は推測しています。2012年に経営破綻したエルピーダメモリのように投資競争に負け敗者になるのか、サムスンのように勝者になるのか、考えてみたいです。

 

 

 

 上場直後(2011年12月にマザーズ市場に上場)の2012年3月に実施された個人投資家向の説明会でのセパレータ事業で創業した理由やセパレータ事業の強み、特徴を、 崔 元根社長は、大きく4つ挙げています。 

ダブル・スコープがセパレータ事業で創業した理由 

① 市場が成長している

リチウムイオン電池の大型バッテリー用途としては、乗用車や産業用の蓄電池需要などがある。2010年から2015年の年平均成長率は全体では22.8%だが、車載用は120%の伸び、スマートグリッド・蓄電などの産業用が360%という高い伸びが見込まれており、大型のリチウムイオン電池が市場を牽引していく。

と 崔 元根社長は語っています。

 

でも 説明していますが、ダブル・スコープのセパレータが高成長の市場であり、実際に高い増収率(売上高成長率)を示しています。

 

②参入障壁が高いこと

LiB主要4部材の中でセパレータの製造には、高分子設計、フィルム化、多孔質化など複数の技術が必要になり、最も参入障壁が高い。

リチウムイオン二次電池(LiB)を構成する主要4部材(正極材料、セパレータ、負極材料、電解液)のひとつであるセパレータの開発・生産・販売を行っている専業メーカーです。日本では旭化成東レ宇部興産がライバルになるが、専業メーカーはダブル・スコープだけ。

と 崔 元根社長は語っています。

 確かにリチウムイオン電池用のセパレータは、数多くの材料の擦り合わせが必要であり、組み合わせの比率、量、外部環境(湿度や温度など)の違いによって生産される製品が異なるので、大量生産ができる厳格な製造工程管理も難しいようです。かつ高度な安全性やも要求されるので、参入障壁が高いようです。 旭化成東レなどの日本を代表する名門の化学企業が世界シェアの過半をもっていることからもその参入障壁の高さも想像できます。

 

③高い利益率、特に限界利益率が確保できること

参入障壁が高いということに通じますが、日本企業もセパレータ事業で10%程度の営業利益を確保しているように、セパレータ事業は高い利益率が見込めます。

なかでも、

セパレータ事業は限界利益率が7割以上と高いが、こんなビジネスはあまりない。

という発言に注目です。

限界利益率が高いということでは、現時点でも赤字でも売上を増やせば最終的に黒字化させることが簡単です。

 

限界利益=売上-変動費です。

売上-変動費-固定費=利益ですから、限界利益には固定費と利益の合計とも一致します。

 

例えば、原価5万円の自動車でその原価は固定費3万円、変動費2万円で構成されます

固定費は1000台販売したときの1台あたり価格ですが、固定費の総額は何台販売しても変わりませんが、販売数量が増えるほど、1台当たりの固定費は下がります。

原価5万円の自転車を4万円で販売したら、1万円の粗利益(売上から原価を引いた利益)は赤字販売ですが、限界利益は1万円の黒字となります。

粗利益は赤字でも、限界利益が黒字なら、赤字販売は許容されます。なぜなら、赤字でも販売数量が増えれば、最終的に限界利益1万円近い数字まで利益が増える可能性があるからです。

 

原価5万円(当初は1000台分を生産、販売したとき)の自転車を4万円で販売した

10万台生産、販売できたとします。原価は固定費は3万円から300円に下がります。

すると、原価は5万円から2万300円になり、1台あたり3万9700円の黒字となります。

限界利益が高いということは、量産効果による利益の拡大が見込めるということです。

今までの赤字覚悟で、生産設備に投資していダブル・スコープの今後の業績が楽しみになります。

売上高-変動費の算出で求められる限界利益は、英語のlimit「限界」ではない。利益の限界、もうこれ以上利益がでない限界、という意味でなくい。もともと限界利益の英語は「marginal profit」で、境目といった意味のmerinalを和訳して「限界利益」という言葉になりました。マージナル利益といった方が日本人のマージンのイメージにも合い、限界利益のその意味も伝えるように前から思う。 

 

装置産業では原材料などの変動費より工場設備などの固定費の割合が高くなり、売上が増えれば増えるほど利益率が高くなるということである。

 

リチウムイオン電池以外の用途へ応用できること

セパレータのフィルムは電池だけでなく、その微細な気孔によって水や空気などをきれいにできるフィルターの機能も持っており、フィルター機能は、純水ろ過用フィルター、人工透析用フィルターなどへの進出も可能であると、崔 元根社長語っていますし、ダブル・スコープのホームページ(コーポレートサイト)にも、そんな内容が記載されています。

 

2021年現在も、リチウムイオン電池用セパレータに全経営資源を投入しているダブル・スコープを見ると、純水ろ過用、人工透析用フィルターなど別用途、別市場への進出は、『将来にはそんな可能性があるよ』というレベルの話で、投資家に多少、夢をもってもらうためのリップサービスだと思っています。

 

サムスン電子の成功モデルを真似る

サムスンの成功モデル

崔 元根社長は

『これからはコスト競争力が重要になるが、サムスンが成功したのもコスト競争力のある世界最大級のラインを持っているため。ダブルスコープも他社よりコスト競争力のある世界最大級のラインを作っていく。』

 

『ダブルスコープのビジネスコンセプトは、セパレータについては装置産業であり、需に応えられるよう生産キャパを適切に用意することが重要で、投資タイミングが大事になる。高い生産性を持つ設備に投資して、競争力のある製品を生産し投資の回収を図る。サムスンも市況の悪い時にも適切な投資を続けたので成功した。』

 

リチウムイオン電池は材料費が60~70%を占めているので、材料費が下がらないとコストがかがらない。1kW/hあたりの価格は現状600$だが、2015年には300$、2020年には200$、2030年には100$となると予測されている。価格を下げて普及させるためには材料費のコストダウンが重要になり、コスト競争力があるかが重要になる。』

と発言している。

 発言の通り、サムスン電子の成功モデルを意識しています。

 

補足:バッテリー価格は2019年から2020年におけるキロワット(kWh)あたり約120ドルであり、2030年までにキロワット(kWh)あたり60ドルに低下すると予想されます。

崔氏の示した数字は、100ドル単位の大まかな数字であり、個人投資家に価格の推移のイメージの伝えるという目的から考えるとそれほど誤った内容でない。

 

サムスン電子での経験がいきるか

崔 元根社長は、サムスン電子勤務で経験、見聞したサムスン電子半導体DRAM事業の躍進、その理由を考えて、サムスン電子半導体DRAM事業に進出した1990年台の当時の半導体事業に近い状態にあると考えて、サムスン電子の実現した勝ちパターンが、ダブル・スコープでも実現可能と考えたのでしょう。

 

1990年頃のDRAMは、、日本企業の稼ぎ頭で、新用途、新技術の開発、需要に伴う高い成長、高額な設備投資が必要な装置産業であることなど、共通点が多いです。

また、高度の製造技術や技術革新が激しく常に最新の巨額の設備投資が必要な点も似ています。DRAM事業は、もともと高度な製造技術や品質管理が必要で、日本の半導体企業の強みであったが、高度な製造技術や品質管理は、半導体製造装置や素材に取り込まれてしまい、日本の半導体企業の競争力はなくなりました。

セパレータについては、旭化成東レなどまだ、高い競争力を持っているようで、おそらく、日本の半導体企業の衰退を学習しているのか、高度の製造技術を自社でできるだけ囲い込み、最新鋭の設備で、最新の技術で生産し、その競争力を維持しようと努力しているように思えます

サムスン電子にダブル・スコープを重ねてしまう

 サムスン電子は、1983年2月に、DRAM事業に進出し、1993年にはDRAM市場で13.5%のシェアを確保し、12.8%に留まった日本の東芝を抜いてついにシェア世界1位となり、以来トップを維持しています。

 2010年頃のセパレータも世界シェア1位 34%の旭化成グループ、2位22%の東レグループと日本企業の独壇場・稼ぎ頭で、それに挑むダブル・スコープは、1990年頃の日本の半導体DRAM企業(1位は東芝、2位はNEC)に挑むサムスン電子と共通する部分が多いように思えます。

 

  半導体リチウムイオン電池、リチウムイオンの部材であるセパレータの価格は市場拡大とともに下がりますが、最新鋭の設備による量産効果でそれ以上にコストを下げて、利益率を向上させることも必要で、半導体に関してはサムスン電子が成功しています。

 

 崔元根社長は、サムスン電子の経験から、不況時でも、最新鋭の巨額の設備投資を果敢に実行、技術革新で市場が急拡大して需要が急回復、急上昇するタイミングまで耐えること、つまり倒産、経営破綻しないような資金を持つことの大切さを、肌感覚で知っているでしょう。

 

 セパレータも最新鋭の設備で、常に技術革新が求められる装置産業という意味で半導体DRAM事業(サムスン電子が最初に進出した半導体)と似ています。

 セパレータの設備投資は稼働まで 2 年ほどかかるといわれますが、ダブル・スコープは 1 年でできるのを強みで、生産設備もすべての工程を設計・開発できるメーカーはダブル・スコープのみで、それが強みと、崔社長は語っています。

 早く準備できるということはそれだけ、市場動向を読みやすく、需要が急上昇、急回復して強い時に、市場に商品を投入できる可能性が高いです。

 過大、過剰投資とも思えるような設備投資も近い将来を見据えたもののようです。 

 ダブル・スコープは日本のDRMA企業のように敗者になるのか

日本のDRAM企業は、サムスンやSKハイニックスとの投資競争に完敗しました。

ダブル・スコープが日本のDRAM企業のように敗者になる可能性もあります。

 数兆円の巨額の利益を毎年計上するサムスンやSKハイニックスのような勝者になるのか、結果がでるのは5年後ぐらいだと思っています。

 

日本のDRAM半導体の凋落について 参考になる記事です。

https://xtech.nikkei.com/dm/article/COLUMN/20080807/156215/

 

DRAMメーカの売上順位の推移1989年から2005年まで

DRAMメーカの売上順位の推移1989年から2005年まで 

上記のサイトから抜粋、加工した資料『DRAMメーカの売上順位の推移1989年から2005年』までを見て頂ければと思いますが、1989年売上1位東芝DRAM事業を撤退(Micronに設備を売却)、2位NEC、5位日立製作所DRAM事業は、エルピーダメモリに集約され、2005年世界で売上の5位だったエルピーダメモリも、2012年2月には会社更生法の適用を申請しました。負債は約4500億円で、製造業の倒産では過去最大といわれてます。その後、会社更生計画の中で、米国メーカーのMicronに買収されました。

 

流動比率自己資本比率の低すぎる点は、今後の投資、生産競争に競合と勝てるのか、心配ですが、エルピーダメモリのように敗者になる可能性もあります。

流動比率自己資本比率の低すぎる点やそれでもダブル・スコープは勝てるのかという点については、また、別の機会にブログにまとめたいと思います。

 

エルピーダメモリについて:

エルピーダメモリは、1999年12月に日本電気 (NEC) と日立製作所DRAM事業部門が統合して設立された、設立時の社名はNEC日立メモリです。
2002年11月年に坂本幸雄氏が代表取締役社長が務め、2003年3月には三菱電機からDRAM事業の営業譲渡を受けています。

坂本幸雄氏は、当時は半導体業界では日本体育大学卒業の異色のカリスマ経営者という印象の人で、
その経営手腕は大きく期待されました。

1970年日本体育大学卒業。野球の指導者を目指すも教員試験に失敗。外資半導体メーカーである日本テキサス・インツルメンツに入社。倉庫番として入社したものの、業務の改善とコストの削減で高い実績を出して頭角を現し、1991年、41歳にして同社取締役、1993年取締役副社長に就任した。1997年、神戸製鋼所に入社し、半導体本部長等を務めた後、2000年、日本ファウンドリー(旧:NMBセミコンダクター→日鉄セミコンダクター、後にUMCJapan)社長に就任。という経歴の方でした。

 

関連サイト

上場直後の2012年2月26日(日)に日興アイアール主催で行われたダブル・スコープ個人投資家向け会社説明会の内容を参考にしているが、その内容は下記のサイトから参照しています。

http://www.irweb.jp/movie/pdf/6619_s1203-slide.pdf

http://www.belletk.com/kigyounoirgatousikaniultutaerumono201203.pdf

http://sokai.seesaa.net/article/255223298.html

関連書籍 


本書は2009年の出版ですが、主に1995年ぐらいから2008年までの半導体業界について分析されてます。本書でとりあげた「半導体敗戦」となった原因は今でも解決されておらず、半導体業界の復活のために10年後の今でも一読の値打ちあるようです。

なお、Kindle Unlimited 読み放題 の対象商品なので、Kindle Unlimited 読み放題 に加入している方は無料で読めます。

 

 日本の半導体業界はなぜ壊滅的状態になったのか? シャープなどの電機メーカーはなぜ大崩壊したのか? 京大大学院から日立に入社し、半導体の凋落とともに学界に転じた著者が、零戦サムスンインテル等を例にとりながら日本の「技術力」の問題点を抉るとともに、復活再生のための具体的な処方箋を提示します。

 

以 上