リアル半沢直樹 西川善文<にしかわ・よしふみ>氏の活躍、活躍というより苦闘という表現があっているかも、その苦闘を紹介します。
どんな活躍をしたのか、彼の回顧録
に従って、紹介しています。
今回は、『第七章 裏切りの郵政民営化』の中での、日本郵政社長としての苦闘、政治家、日本郵政の管轄の担当大臣だった総務大臣鳩山邦夫氏と対決し、鳩山邦夫氏が辞任、事実上の更迭になった話の最後です。
西川氏がリアル半沢直樹なら鳩山邦夫氏はリアル白井大臣というところでしょうか。
小説では、白井大臣は、的場総理大臣から、「私には任命責任がある。もし、国交大臣としての君の資質および言動が不適切であるのなら、君を罷免し、しかるべき人材を登用する責務がある。でも、その前に自主的に辞任するのであれば、話は別だ。」と更迭の前の辞任を迫ります。
鳩山邦夫総務大臣の最後も、半沢直樹の小説と似ています。事実上の更迭と言われる辞任をするのです。
鳩山対決 最終ラウンド 鳩山総務大臣 辞任へ
鳩山大臣は、西川社長が宿泊施設「かんぽの宿」のオリックス不動産への一括譲渡を進めたことなどに対して、一貫して批判しつづけた。そして、日本郵政の西川社長の再任を、総務大臣の権限で、認可しない意向を明言していた。
しかし、麻生太郎首相は首相官邸に鳩山氏を呼び、西川氏続投の方針を示したが、鳩山氏は受け入れを拒否し辞表を提出、事実上の更迭となりました。
簡単にいうと、鳩山邦夫大臣が、自分の進退をかけて、西川氏にケンカを売り、西川氏に負けたのです。
鳩山邦夫氏は、麻生太郎の総裁選で選挙対策本部長を務めるなど、鳩山氏は麻生氏を盟友と呼んでいましたが、その盟友も鳩山氏を支持せず、西川氏を支持したのです。
ちなみに、半沢直樹 1 オレたちバブル入行組 (講談社文庫) もKindleunlimited で無料で見れますので、本を買うよりお得かもしれません(2020年9月30日現在)。
西川氏はどう戦ったのか
西川氏は、日本郵政社長として、どう鳩山邦夫総務大臣と戦ったのでしょうか。
西川氏は、半沢直樹のように、公開の場で大臣を非難するようなことはせず、根拠なき批判にひるまず、直面する難題から逃げず、淡々と仕事をこなしたようです。
回顧録の中で当時をこう振り返っています。
『かんぽの宿の譲渡契約や東京中央郵便局の再開発計画やらで国会対応に忙殺されることになった。2009年は連日のように国会に参考人で呼び出され、落ち着いて仕事をできるような状況でなかった。』
『軋轢のない組織改革、一振りすれば完璧になる”民営化の素(もと)”などないのであり、批判を受けながらやっていくのは普通の状態である。』
次のブログで、半沢直樹のラスボスキャラ箕部(みのべ)幹事長を想像させる亀井静香郵政金融担当大臣の話をします。リアル箕部幹事長の登場ですね。
本の紹介
著者について
西川 善文<にしかわ・よしふみ>
元三井住友銀行頭取、前日本郵政社長。1938年奈良県生まれ。1961年大阪大学法学部卒業後、住友銀行に入行。大正区支店、本店調査部、融資第三部長、取締役企画部長、常務企画部長、専務等を経て、1997年に58歳の若さで頭取に就任し8年間務める。2006年1月に民営化された日本郵政の社長に就任するも、政権交代で郵政民営化が後退したため2009年に退任。現在は三井住友銀行最高顧問。
内容(「BOOK」データベースより)
私は悪役とされることが多かった―。顔が見える最後の頭取=ザ・ラストバンカーと呼ばれた著者が綴った、あまりに率直な肉声!安宅産業処理、平和相銀・イトマン事件、磯田一郎追放、銀行大合併、UFJ争奪戦、小泉・竹中郵政改革。現場にいたのは、いつもこの男だった。密室の出来事すべてを明かす!
逃げたらあかん!
「不良債権と寝た男」、死に物狂いの仕事人生
安宅産業処理、平和相銀・イトマン事件、磯田一郎追放劇、銀行大合併、UFJ争奪戦、小泉・竹中郵政改革……。現場にいたのは、いつもこの男・西川善文だった。「最後の頭取」=ザ・ラストバンカーと呼ばれた著者が綴った、あまりに率直な肉声!
マスコミ報道の騒乱の中で失われた金融史のミッシングリングを埋める。
<目次>
◎第一章 バンカー西川の誕生 ◎第二章 宿命の安宅産業 ◎第三章 磯田一郎の時代
◎第四章 不良債権と寝た男 ◎第五章 トップダウンとスピード感 ◎第六章 日本郵政社長の苦闘 ◎第七章 裏切りの郵政民営化
以上です。
#リアル半沢直樹 #日本郵政 #リアル半沢直樹 #西川善文氏 #三井住友銀行
# 鳩山邦夫 #東京中央郵便局の再開発問題 #麻生総理大臣 #白井亜希子大臣