給与計算実務能力検定2級のサンプル問題と解答・解説

 

 

【給与計算実務能力検定2級のサンプル問題】

  1 賃金支払いについて、次のうち誤っているものの組み合わせを選びなさい。

賃金は、直接労働者に支払わなければならず、労働者が未成年者であっても直接本人に支払う必要がある。
賃金は、いかなる場合でも通貨で支払わなければならず、小切手や、自社製品などの現物で支払うことはできないとされている。
賃金は、その全額を支払わなければならないが、労働組合または労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合はこの限りではない。
賃金の支給日は、毎月1回のみにする必要がある。
 
イ、エ
イ、ウ
ア、エ
ア、イ
 
  2 割増賃金と割増率について、次のうち誤っているものはどれか。

週2日の所定休日を定める会社においてその2日とも労働させた場合、労働基準法上、休日労働について3割5分以上の割増賃金の支払いが必要とされるのは、そのうちの1日のみである。
始業時刻が午前8時、終業時刻が午後5時、休憩時間が正午から午後1時までの会社において深夜残業を行わせ、翌日の法定休日の正午に残業が終了した場合、法定休日残業がつくのは、法定休日の午前8時から正午までである。
割増賃金の計算の便宜上、1か月における時間外労働、休日労働および深夜業それぞれの時間数の合計に1時間未満の端数がある場合、30分未満の端数を切り捨て、それ以上を1時間に切り上げることは認められている。
所定労働時間が8時間の場合、9時間働いた人には9時間-8時間=1時間については、通常支払う賃金の2割5分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
 
 
  3 就業規則と労働契約について、次のうち正しいものはどれか。

労働者を使用するすべての事業場において、使用者は就業規則を作成し届け出る必要がある。
使用者は、就業規則の作成または変更について、その事業場に労働者の過半数で組織する労働組合がある場合にはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合には労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならない。
労働契約は、期間の定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは2年(一定の場合には5年)を超える期間について締結してはならない。
使用者は、労働契約の締結の際に、労働者に対して、賃金、労働時間等の労働条件を明示する必要があり、就業場所や労働時間に関する事項のほか、昇給に関する事項も書面で明示する必要がある。
 
 
  4 社会保険の給付について、次のうち誤っているものはどれか。

健康保険の傷病手当金は、最大1年6か月の間、標準報酬日額の3分の2に相当する金額が支給される。
雇用保険に加入し、会社員として働いていた期間が5年以上ある人が60歳到達時に比べて75%未満の賃金で再雇用された場合には、最大で給与の15%が高年齢雇用継続給付として支給される。
労災保険の業務災害により労働することができず会社を休んだ場合は、会社を休んだ連続4日目から休業補償給付が支給される。
老齢厚生年金の支給開始年齢が65歳となるのは、男性は昭和36年4月2日以降に生まれた人、女性は昭和41年4月2日以降に生まれた人である。
 
 
  5 下記の条件で求められる割増賃金として、次のうち正しいものはどれか。

【条件】
〇1日所定労働日数:8時間
〇賃金締め日:毎月末日
〇賃金支給日:翌月25日
〇給与:時間給1,000円
〇勤怠状況
 9月11日(水):残業42分
 9月13日(金):残業90分
 9月17日(火):残業164分
 9月18日(水):残業95分
 9月20日(金):残業175分
 9月22日(日):休日出勤490分
 9月25日(水):残業240分、残業(深夜)60分

①27,500円   ②27,750円   ③28,550円   ④28,750円

 
 
  6 ①~④のうち、休憩時間の時間数として正しいものの組合せはどれか。

労働時間が6時間である場合、その途中に少なくとも45分
労働時間が7時間である場合、その途中に少なくとも45分
労働時間が8時間である場合、その途中に少なくとも1時間
労働時間が9時間である場合、その途中に少なくとも1時間
 
①ア、ウ
④ウ、エ
③イ、エ
②ア、エ
 
  7 ①~④のうち、年次有給休暇に関する記述として、正しいものの組合せはどれか。

年次有給休暇の権利の発生要件は、1年以上継続勤務し、その間の出勤率が8割以上であることである。
1年間の出勤率が8割未満である場合は、次の1年間については、年次有給休暇の権利は発生しない。ただし、継続勤務年数には影響しない。
1週間の所定労働時間が30時間未満である者は、1週間の所定労働日数のいかんを問わず、比例付与の対象となる。
使用者が時季変更権を行使することができるのは、労働者から請求された時季に年次有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合に限られている。
 
①アとウ
④ウとエ
③イとエ
②イとウ
 
  8 ①~④のうち、割増賃金に関する記述として、正しいものの組合せはどれか。

法定休日でない休日の労働について、割増率を2割5分として割増賃金を支払うことは、労働基準法に違反しない。
月60時間を超える時間外労働が行われた場合、その月60時間を超える時間外労働に関する割増率は、事業規模を問わず、5割以上の率とする必要がある。
法定休日に労働させ、その労働が8時間を超え時間外労働となった場合、その時間外労働となった時間分の割増率は、6割以上の率とする必要がある。
法定休日に労働させ、その労働が午後10時以降となり深夜労働となった場合、その深夜労働となった時間分の割増率は、6割以上の率とする必要がある。
 
②アとエ
④ウとエ
①アとイ
③イとウ
 
  9 ①~④のうち、労働契約の期間等に関する記述として、正しいものはどれか。

契約期間の上限が3年である労働者と6年の期間を定めた労働契約を締結した場合、その労働契約はすべて無効となる。
満60歳以上の労働者との間に締結される労働契約については、契約期間の上限に制限はない。
3回以上更新された有期労働契約(当該契約を更新しない旨は明示されていない)を更新しないこととしようとする場合、使用者は、少なくとも当該契約の期間の満了する日の30日前までに、その予告をしなければならない。
いかなる有期労働契約であっても、それが更新されなかった場合に、労働者が更新しなかった理由について証明書を請求したときは、使用者は、遅滞なくその証明書を交付しなければならない。
 

 

【給与計算実務能力検定2級 サンプル問題 解答・解説】

【問 1】正解 ④イ、エ
 ア ○ 賃金は、労働者が未成年者であっても直接本人に支払う必要があります。
 イ × 労働協約に定めがある場合は、通貨以外のもので賃金を支払うことができます。
 ウ ○ 書面による協定があれば、会社が立て替えた購買代金など給与から控除する(差し引く)ことができます。
 エ × 賃金は、毎月1回以上支払う必要があるとされ、支給日を同月中2回に分けることも可能です。

 

【問 2】正解 ②
 ① ○ 週2日の所定休日を定める会社の休日労働については、そのうちの1日(週1回の法定休日)について3割5分の割増賃金の支払いが必要になります。
 ② × 休日の午前0時までは前日の労働時間の延長として割増賃金の計算が行われ、午前0時から終了時刻までは法定休日残業として割増賃金の計算が行われます。
 ③ ○ 1か月における時間外労働、休日労働および深夜業それぞれの時間数の合計に1時間未満の端数がある場合には30分未満の端数を切り捨て、30分以上の端数を1時間に切り上げることは認められています。
 ④ ○ 所定労働時間を超える時間については、通常支払う賃金の2割5分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければなりません。

 

【問 3】正解 ②
 ① × 常時10人以上の労働者を使用する事業場においては、使用者は就業規則を作成し、届け出る必要があります。
 ② ○ 使用者は、就業規則の作成または変更について、労働組合または労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければなりません。
 ③ × 労働契約は、期間の定めのないものを除き、3年(一定の場合には5年)を超える期間について締結してはなりません。
 ④ × 使用者は、労働契約の締結について、労働者に対して、就業場所や労働時間に関する事項は書面で明示する必要がありますが、昇給に関する事項については、必ずしも書面で明示する必要はありません。

 

【問 4】正解 ③
 ① ○ 健康保険の傷病手当金は、私傷病により労務不能である場合に最大1年6か月の間、標準報酬日額の3分の2に相当する金額が支給されます。
 ② ○ 60歳到達時に比べて75%未満の賃金で再雇用された場合には、最大で給与の15%が高年齢雇用継続給付として支給されます。
 ③ × 労働することができず会社を休んだ場合は、会社を休んだ通算4日目から休業補償給付が支給されます。
 ④ ○ 老齢厚生年金の支給開始年齢が65歳となるのは、男性は昭和36年4月2日以降に生まれた人、女性は昭和41年4月2日以降に生まれた人です。

 

【問 5】正解 ③28,550円
勤怠状況より、時間外・深夜・休日の労働時間数を求め、それぞれの割増賃金を計算します。

<普通残業手当>
806分÷60分=13.433・・・ →13時間26分 ※30分未満切り捨て →13時間
<深夜残業手当>
1,000円×1.5×1時間=1,500円
<休日勤務手当>
490分÷60分=8.166・・・ →8時間10分 ※30分未満切り捨て →8時間
1,000円×1.35×8時間=10,800円
<割増賃金合計>
16,250円+1,500円+10,800円=28,550円

 

【問 6】正解 ③
 ア × 労働時間が6時間である場合は、休憩を与える必要はありません。
 イ ○
 ウ × 労働時間が8時間である場合、その途中に少なくとも「45分」が正しいです。
 エ ○
したがって、③(イとエ)が正解。

 

【問 7】正解 ③
 ア × 「6か月」以上継続勤務し、その間の出勤率が8割以上であることです。
 イ ○
 ウ × 比例付与の対象者は、1週間の所定労働時間が30時間未満であって、かつ、1週間の所定労働日数が4日以下(又は年間の所定労働日数が216日以下)の者です。
 エ ○
したがって、③(イとエ)が正解。

 

【問 8】正解 ③
 ア ○
 イ × 一定の中小企業については、当分の間、月60時間を超える時間外労働に関する割増率を5割以上の率とする規定は適用されません。
 ウ × 法定休日が時間外労働となっても、割増率は、休日労働に関する割増率(3割5分以上の率)で足ります。
 エ ○
したがって、②(アとエ)が正解。

 

【問 9】正解 ③
 ① × 契約期間は3年に短縮されるが、他の部分については有効です(無効部分のみ、労働基準法の基準に引き上げ)。
 ② × 上限に制限がないわけではなく、上限が「5年」とされます。
 ③ ○ 「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」により、「3回以上更新し、又は雇入れの日から起算して1年を超えて継続勤務している者に係る有期労働契約(あらかじめ当該契約を更新しない旨明示されているものを除く)」については、雇止めの予告が必要とされています。
 ④ × 「有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準」により、証明書の交付の対象となるのは、「3回以上更新し、又は雇入れの日から起算して1年を超えて継続勤務している者に係る有期労働契約(あらかじめ当該契約を更新しない旨明示されているものを除く)」とされています。

 

 

 

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