W-SCOPEの2021年12月期第2四半期決算説明会の文字起こし(後半の通期見通し)

 

 

に続けて、ダブル・スコープに関するブログ記事です。 


 2021年8月13日に実施された2021年12月期第2四半期決算説明会の内容(後半の通期見通し)を、いわゆる文字起こしという形で、文章にして紹介します。動画の内容を文章で読むと、新たな気づきもあると思います。

 今回のブログで文字起こしをしたのは、

「Ⅰ 2021年12月期第2四半期実績 ・Ⅱ 2021年12月期業績見込・ Ⅲ Appendix」といった全体の構成のうち、「Ⅱ 2021年12月期業績見込・ Ⅲ Appendix」の内容です。

全体で19分38秒の時間のうち、後半10分間の内容です。

 

2021年12月期通期見通しW-SCOPE決算説明会(大内取締役)

2021年12月期業績見込W-SCOPE決算説明会(大内秀雄取締役) 

 

 

2021年12月期通期見通し

2021年12月期通期見通し 

2021年12月期通期見通し 

(説明したプレゼンターは引き続き取締役 大内 秀雄氏 です。)

続きまして、通期の業績の見通しに関して、ご説明をさせていただきます。
上期の実績、先ほどお話ししました通り、売上高はほぼ計画通りで127億円弱というところですが、営業利益が届かなかったと、マイナス1億円という状況になっております。

先ほどもお話ししました通り、一番の原因としましては、生産数量を増やす計画を進めておる中でまだそれが準備が整っていないというところから、在庫を計画比13億円ほどを減らしました。この13億円減らしたところによっての、まあ、当期でのですね、売上原価が増えてきているという状況でございます。

それに加えまして、前回にも資料等でご説明をしましたけれども、コンテナ運賃が世界的に高騰している中で、私どももですね、2億弱のところ、コンテナ運賃の高騰等によっての費用を使って、費用増となっている状況でございます。

 

これに対して、第3四半期以降の推移としましては、売上高は比較的堅調に推移する見通しを持っておりますので、売上高の計画を変更する見通しはございません
一方で、上期の営業利益をつくることの遅れが出ている原因としまして、まああの、生産状況のご説明をさせていただいたわけですけれども、第3四半期以降、可及的速やかに14、15号ラインの量産を開始して、またWSKの ライン でも生産性最適な製品の生産品目に切り替えていく。これに伴って全体の生産量販売数量を増やしていきながら、収益の改善に取り組んでいくという状況になっております。

 

ただ、今の時点でですね、お客様側のライン 承認最終判断の時期が明確に決まっている、明確になっている状況ではない、お客様の側のご判断ももありますので。

まあ、遅くとも10月にはということですけれども、少しでもこれを前倒しできるように交渉をしながら全体の生産性を改善していくとそういったことを、第3四半期に取り組んでいくことになります。

 

これに伴って営業利益の見通しがですね、この生産改善の時期によって、数字が動く可能性がありまして、今今(いまいま)、具体的にどうなるという明確な数字をお示しできませんので、これが明確になる第3四半期の決算ではかならずの通期の見通しを明確にをお示しする準備をしていく計画となっております。

 

 

出でよベンチャー! 平成の龍馬!

ソニー執行役員上席常務も務めたソニーのものづくりの第一人者蓑宮武夫(みのみやたけお)氏の著作です。ダブルスコープへの出資したベンチャーキャピタルの会長も務めていました。

日本における起業をよく観察していると、多様化と個性化が同時進行している。本書では、実例研究として6社のベンチャー企業を取り上げ、成功の秘訣を具体的に解説する。企業の一社に、韓国のインフラ優遇措置を活用してグローバルな視点で立ち上げたリチウムイオン二次電池用セパレータ製造の企業として、ダブル・スコープが紹介されています。

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アプリケーション別販売上期実績と下期見通し

アプリケーション別販売上期実績と下期見通し

アプリケーション別販売上期実績と下期見通し

 第3四半期以降ですね、引き続きアプリケーション別にこういう売上高になりそうだという見通しをお示ししておりますけれども、特に新しく据付した ラインが これが車載用の供給量また増やしてまいります、引き続き車載用の売上高が伸びていく、コーティング製品の販売数量が伸びていく、そういった計画となっております。

 

中期計画開示の見通し

 

中期計画開示の見通し

中期計画開示の見通し

中期計画に関して、過去、毎年、この中間決算の開示の時期に、お示しをさせていただいておりましたが、2020年、昨年の8月の時点でコロナの影響がですね、世界的にどれぐらい、また私どもの事業にどれくらい影響が出るか不透明であったために、昨年の8月の時点で中計の修正の開示を控えさせていただいておりました。

 

現時点ではですね、逆に私どもの取り巻く環境の中で、私達の一番注力をしております EV のですね、まあ、拡大ですね、これが米国も含めて、従来は欧州、中国のEV市場を見ておったわけですけれども、アメリカも政権が代わって以降、 EV に対する支援というのが非常に活発になっておりましたので、米国も含めた EV 市場の中長期的な見通し、これがですねどんどんどんどんアップデートされていき、まーあの EV 市場全体の規模の拡大が続いている状況で、まだどこで着地するかというところがよく決まらない状況でございます。


これに伴ってお客様の側もですね、自動車メーカー様からのご要求に従って次から次に新しい増産計画を更新されている状況で、私どもに対してもセパレーターの需要というところがですね、比較的、期近(きぢか)なところでも、数量の要求が アップサイド に振れていくという、そういう状況が続いております。

 

その状況に合わせて私どもも設備の投資計画の見直しをしておるところもございます
。そういったところで中期計画を開示するための数字が、ちょうど今、変動をしている時期にも重なってますのでも、若干明確な数字をお示すするためにも、時間をおいた方がいいだろうと。

 

そのもう一つの背景としましては、長期的にはですね欧米の EV 補助金がかなり各国の政府から明確にですね大きな額をを示されてるわけですけれども、そのために電池に対するローカルコンテンツの規制ですね、例えば欧州であれば、電池のローカルコンテンツ50%以上が必要だと、あるいはアメリカでは75%のローカルコンテンツが必要だ、というような話が今、ではじめめたところでございます。

 

それからまあ、炭素課税の事もありまして私どもも先々の投資をどこにしていくのか、ということも含めての投資計画を急いで精査をしておる段階でございます。

 

設備投資計画の検討状況

設備投資計画の検討状況 

 

このような状況で当然、どこに設備投資をしていくか、どの国、地域に設備投資をしていくかということは、今後を考えていく必要があるわけですけれど、2024年までの今のお客様の需要をおうかがいしてる範囲では、年間生産量に換算すると6億へーべーほどを段階的に増やしていく計画を立てる必要がございまして、設備メーカーとの議論もすすめているところです。

この設備の納期等も含めて中期計画を考えていかなければならない状況となっております。

 

一方で、設備投資の資金に関しましてはですね、既にご案内の通り WCP の上場を来年の上期に予定しておりまして、これに伴って日本、韓国、それぞれのマーケットでの資金調達、方法が多様化してくるので、最適な設備投資を進めるための準備を引き続きしていくことになるという状況でございます。


このような状況でですね、まあ、需要見通しが継続して増加していく、お客様からの需要がどんどん増えていく環境になっておりまして、私どもも、新規の生産設備の投資にですね、設備メーカーとの納期の調整を引き続き、続けております。この辺のところもう少し、時間をかけさせていただきまして、明確な数字をお示しできる準備をしていきたいと思っております。 

梧倉(Ochang) 工場

梧倉(Ochang) 工場の航空写真(2021年3月現在)

梧倉(Ochang) 工場の航空写真(2021年3月現在)


引き続きご覧いただいてるところでございますが、オチャン工場の航空写真となっておりましてここには大きな変更はございませんが。

 

電池の覇者 EVの命運を決する戦い (日本経済新聞出版)

電池の覇者 EVの命運を決する戦い (日本経済新聞出版)

著者の佐藤 登氏は、本田技研工業入社、本田技術研究所基礎研究部門で、電気自動車用の電池研究開発部門のチーフエンジニアを経て、2004年に韓国サムスンSDIに常務として移籍。中央研究所と経営戦略部門で技術経営を担当された方です。

ダブルスコープのサムスンSIDへの売上比率は2019年 48%、2020年 77%と上昇しており、ダブルスコープはサムスンSDIのセパレーター部門のようになっています。サムスンSDIの常務を務めた佐藤登氏の著者は示唆に富むことが多いでしょう。

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忠州(Chungju) 工場

忠州(Chungju) 工場の航空写真(2021年3月現在)

忠州(Chungju) 工場の航空写真(2021年3月現在)

チュンジュの方の工場ですね、この一番左奥の建屋が新しい CP 5号6号のラインの建屋でございまして、設備そのものはもう準備万端整っている。その後もう少し左上の方に見えるところにもう2本ラインを引くスペースがありますので、来年末あるいは再来年早々ぐらいにここに新しい ライン を据付けていく準備を整えておるところでございます。

少し駆け足ではございましたがここまでで、一通りのご説明とさせていただきます。

 

人材を育てるホンダ 競わせるサムスン
 
 
 
 

 

人材を育てるホンダ 競わせるサムスン

ホンダは人材を育てるが、サムスンは競わせる。同様に、ホンダはゼロから研究開発に着手するが、
サムスンM&Aで時間を買う――。ホンダとサムスンで技術開発をリードした筆者佐藤登氏が見た日本と韓国の比較産業論。
なぜ日本の電機大手が韓国企業に負けたのか、日本の製造業がグローバルで勝ち抜くために何が必要なのか。
その一端が明らかにしている本です。ダブル・スコープ、その売上の約8割を占めるサムスングループが、日本企業に勝てるのか、将来の占えるような情報がありそうです。

2019年の売上:131億円 サムスンSDI 48% LG CHEM 21% 東北村田製作所 10%

2020年の売上:184億円 サムスンSDI 77% LG CHEMと東北村田製作所は10%未満なので開示なし

 

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参考銘柄:ダブル・スコープ6619,ホンダ7267,ソニーグループ6758

 

 以上