童話でわかるプロジェクトマネジメント[第2版]を読みました。「はじめに」や「目次」について、要点、所感、関連する話題など紹介したいと思います。
本は「はじめに」で、その本の目的を、「目次」でその構成を理解するのが大事だと思います。
■プロジェクトマネジメントとは
プロジェクト マネジメント とは、「 チーム で 成果 を 出す 技術」 でしか あり ませ ん。
プロジェクト マネジメント を知ると、いろいろな人との仕事がうまくいきます。
ひとりぼっちにならず、チームで助け合いながら課題に取り組めます。
きちんと計画 することで、 トラブル を未然に防げます。
プロジェクト の 状況 を 見える 化 する こと で、 問題 の 発見 と 対策、 改善 を 可能 に し ます。 そして、 最初 に 決め た 目的 を、 きちんと 達成 する こと が でき ます。
といった形で、「はじめに」の中で、プロジェクトマネジメントの要点を、簡潔に示しています。
■チームで計画をたてて、目的を達成する
プロジェクトマネジメントをもっと簡潔にいうと、『チームで計画をたてて、目的を達成すること』といえると思いました。
まずは、目的を設定して、計画を立てることが大事で、これすらもできていないプロジェクトがあるように思える。
当初は設定された目的や計画が、プロジェクトの進行にともなって、メンテナンスされていないケースなどよくある。
目的がいつの間にか変わっていたり、目的が忘れられていることも多くある。
計画が、その進捗など管理されておらず、何が終わっているのかもよくわからい状態のプロジェクトもある。
■本書の目的
本書の目的は、『子供 の 時 から 親しみ の ある 童話 を通じて、 プロジェクト マネジメント の 基本 的 な 考え方 を 分かり やすく 解説 すること』でとしています。
著作も一つのプロジェクトと考えると、プロジェクトの目的達成のために、
著者の 小学校 6 年生 の 息子 に 読ん で もらい、 アドバイス も もらっ てたようです。
いわば、息子さんもプロジェクトメンバーだったようで、
RACIチャートでいうと、息子さんは 相談対応(Consult)の役割をになっているようです。
プロジェクト管理における人的資源マネジメントと調達マネジメント
RACIチャートはプロジェクトを進めていくにあたって、それぞれの役割を明確にするためのツールです。どのように役割分担を決めていくかの具体的な内容は以下の通りです。
1)実行責任者(Responsible)
作業を実行することに責任を負います。2)説明責任者(Accountable)
作業の進歩状況を説明することに責任を負います。3)相談対応(Consult)
作業の実行を支援し、必要なアドバイスを行います。4)情報提供(Inform)
作業の進歩状況の報告をします。
■人的資源管理
残念だが、本書の著作、出版というプロジェクトの計画、その過程などは詳しくは示されていない。プロジェクトマネジメントの本で、わかりやすさを目的とした本なら、そういった内容も詳しく触れるとより良いと思いました。
ただし、謝辞で、そのプロジェクトのメンバーは紹介されています。
最後 に、 今 の 僕 が ある のは 家族、 両親、 友人 の おかげ です。 特に、 僕 を いつも 支え て くれる 妻 の 麻衣 と 息子 の 煌志。 二人 が い なかっ たら、 この 本 は 書け なかっ た と 思う。 本当に ありがとう。
妻 の 麻衣さん と 息子 の 煌志さんも重要なプロジェクトメンバーだったことがわかります。また、出版元の秀和システムのスタッフや勤務先の関係者のさまざまの支援に感謝する旨記載されています。
ただ、その役割が、息子の煌志さんも含め、相談対応(Consult)になったことはわかりますが、PMOBKの人的資源管理と言った観点でもう少し詳しく話がされているとよかったかなと思います。。
■どんな童話で説明されているか
目次を紹介する形で、どんな童話が本の中で触れられているか紹介します。
第 1 章 3 匹 の 子 ブタ 〜プロジェクト を 成功 に 導く「 段取り」〜
第 2 章 ウサギ と カメ 〜みんな が 同じ 方向 を 向ける「 ゴール 設定 術」〜
第 3 章 桃太郎 〜チーム で 目的 を 達成 する「 仲間 術」〜
第 4 章 ヘンゼル と グレーテル 〜段取り よく プランニング し、 困っ た 時 に 対応 できる「 リスク 管理 術」〜
第 5 章 アリ と キリギリス 〜進捗 を 加速 さ せる「 情報 共有 術」〜
第 6 章 長靴 を 履い た 猫〜メンバー と 仲良く なる「 信頼 構築 術」〜
第 7 章 シンデレラ 〜ネガティブ な 状況 と うまく 関わっ て、 協力 を 得る「 付き合い 術」〜
付 章 PMBOK への 橋渡し
■古本で買うなら
第1版(2018年版)の本もあり、内容も大きく変わらないようです。
第2版(2022年版)の発売ととおもに、古本の価格は第一版は値下がりすることが予想されるので、紙の本で古本で安く入手したいなら、第一版でもいいかもしれません。
レビューの内容は第1版が充実しているので、そちらを参照してください。
■本について改めて紹介
PMBOK対応 童話でわかるプロジェクトマネジメント[第2版]
作者:飯田剛弘
「ウサギとカメ」など、誰もが知っている童話を通して、PMBOKに基づくプロジェクトマネジメントの難解な用語や考え方をやさしく解説した異色のロングセラー入門書が、PMBOK第7版に対応して増補リニューアル。
プロジェクトマネジメントのノウハウを、三匹の子ブタや桃太郎といった有名な童話にたとえて、初心者向けにわかりやすく解説した入門書です。三匹の子ブタからは段取りの大切さを、桃太郎からはチームで目的を達成する方法を学びます。第2版では、最新のPMBOK第7版に対応しました!
著者について
◎ファロージャパン㈱シニアマーケティングマネージャー。マーケティングポータルサイト『ビジネスファイターズ』運営。
◎愛知県生まれ。南オレゴン州立大学卒業。インサイトテクノロジー社にてインド企業とのソフトウェア共同開発プロジェクトに従事。約10名のインド人チームと協力し、4年間で8つのプロジェクトを行う。現在はNASDAQ上場企業FAROにて、日本、韓国、東南アジア、オセアニアの4カ国のチームをまとめるマーケティング責任者を務める。
◎プロジェクトマネジメントの国際資格(PMP)取得。プロジェクトマネジメント協会(PMI)の標準本『PMI標準 プロジェクトマネージャーコンピテンジー開発体系 第2版』を出版翻訳。日刊工業新聞、大河出版、日本工業出版社などの専門雑誌で記事を執筆するほか、メカトロテックや日刊工業新聞社主催の展示会での講演も多数。
以 上