データや数字の意味を理解せず、かつ、他との比較がないデータや数字を用いた報道、主張などは科学的、合理的、客観的でない

 

福島原発処理水の処分や新型コロナの問題について昔読んだ本の読書録が参考になればと思い、ブログに公開します。

 

 

 

大事なことは、

『データや数字の意味を理解せず、かつ、他との比較がないデータや数字を用いた報道、主張などは科学的、合理的、客観的でない』

ということです。

なお、紹介する本は、2011年刊行(2011年3月11日に東北大震災)なので、シーベルトなどの数字はその当時のものです。

#読書録

 ▽感想、要点など

〇タイトルや本の一部の漫画は面白おかしく伝えるため、一部不真面目と思われる内容だが、
著者が伝えたいことは、非常に真面目で
『データや数字の意味を理解せず、かつ、他との比較がないデータや数字を用いた報道、主張などは科学的、合理的、客観的でない』
ということだと思う。

 

福島原発放射線被害について、非常に客観的な主張をしていると思った。

〇『原発の死者はゼロ、東海村の核燃料工場の死者2名をいれても、50年で年間0.04名、自動車事故の死亡者は年間5000名』
こんにゃくゼリーの窒息死の死亡事故は、14年間で22件、もちは、その30倍危険と食品安全衛生委員会が公表している。』
『喫煙者の年間の健康リスクと年間100ミリシーベルト福島県飯館村の健康リスクは同じぐらい』
と主張があるが、危険だと公表され、本人に選択の自由がある自動車事故、こんにゃくゼリー、餅、喫煙と、安全だと公表され、本人に選択の自由がない原発は、同一に論ずることができないと主張。

 

〇2011年に、焼肉屋えびすのユッケ食中毒事件で5名死んだ。
ユッケの規制が厳しくなり、そのコストで、800円ぐらいだったユッケが、2000円ぐらいでないとお店に出せない。

 

放射線健康被害疫学調査は難しい。致死量はネズミなど実験でわかるが、がんに増える確率の調査は、同一条件で、長い期間の統計がとれないから、科学的な正しいデータはなく、わからない。というのが正解である。と主張。正直な人だと思った。

 

風力発電を例にして、他の発電とのメリット、デメリットの比較で、原子力発電の現実的に必要性を議論をすることを主張している。

 

シーベルトとは

放射線量を表す単位としてよく報道されるシーベルトであるが、

ほとんどの人が理解していないと思う。

 

 シーベルトとは、『人間が放射線を浴びる量を表す単位』である。著名な作曲家シューベルトとは関係がない。
シーベルトは、1時間単位のシーベルトか、1日単位のシーベルトか、1月単位のシーベルトか、1年単位のシーベルトか、1人の浴びた総量としてのシーベルトなのか、報道では正確に伝わっていないことが多いらしい。また、多くの人が、マイクロ、ミリといった単位に注目していない。

 

自分で調べてみたところ、

福間原発2号機「1分弱で死亡」の毎時530シーベルト
東京電力は2日、福島第1原発2号機の格納容器内部で撮影した映像を解析した結果、グレーチング(金属製の格子状足場)に穴が2カ所見つかり、内部の放射線量は最大毎時530シーベルト(推定)だったと発表した。

人が1年間に受ける自然放射線量は、約2.4ミリシーベルトといわれます。1シーベルト(=1,000ミリシーベルト)を被爆すると、放射線酔いや吐き気といった症状がみられ、4〜5シーベルトで半数が1カ月以内に死亡。10シーベルトでは数週間以内に死に至るといわれます。毎日新聞2017年2月2日

 

東京電力福島第1原発事故で立ち入り制限が続く福島県内の「帰還困難区域」で昨年測定した空間放射線量を公表した。最高は双葉町の路上で、1時間当たり約8.48マイクロシーベルトだった。 毎日新聞2018年1月17日

 

⇒400年生きると、2.4ミリ(人が1年間に受ける自然放射線量) × 400 = 0.96シーベルト浴びるから、1シーベルトに近くなり、酔いや吐き毛をもよおす。

 

双葉町の路上の「帰還困難区域」の空間放射量最大値の場所に、14年間いた場合、24×365×14×8.48/1000000 = 1.039シーベルトという数字になる。

 


 

 

▽本の紹介

内容紹介

 原発健康被害は、自動車事故よりリスクが低い?
ガンダムにたとえるならベクレルがモビルスーツの台数で、
戦力の差を勘案したのがシーベルト
ツイッターのフォロワーが50万人いても、その影響力はテレビの視聴率でいえば1%にも満たない?
日本の原発の電力を全部風力発電に頼ると7万個の巨大観覧車が必要?
この本のカバーが赤いのはシャア専用だから??
あの動画「総統閣下シリーズ」が遂にに書籍化!
メディアの詭弁に騙されないための面白くてまじめな一冊!

著者からのコメント

3.11の直後、首都圏住民に冷静な行動を呼びかけたり、難解な放射線関連用語を解説したりして爆発的なアクセスとなった、あの「総統閣下シリーズ」の主に震災関連ネタが、ブラッシュアップされ書籍化されました。基本コンセプトはもちろん「毒入りの笑い」、分類は「空想科学ノンフィクション」(!?)。演説バージョン、作戦室バージョンの2つのアプローチで、総統閣下が放射能、ユッケ、自然エネルギーソーシャルメディア、科学コミュニケーションなどを切りまくる、実用的、かつ、抱腹絶倒の一冊です。YouTubeに投稿され、すぐに削除された幻の名作MAD動画「ベクレルについて解説します」は名匠・澤井健画伯によって漫画となって蘇りました。これだけにとどまらず、巻末付録では東浩紀氏との対談「情報社会のこれからと、原発と、お金と、オタク、その他の話」も掲載。電子出版も経験している(痛い目にあっている?)著者ならではの、註釈やコラムにまで笑いにこだわった、リアル書籍の良さを追求した一冊です。

出版社からのコメント

◇◇◇総統閣下シリーズとは?◇◇◇
映画『ヒトラー 〜最期の12日間〜』(2004年)の1シーンを利用した、ネット上のお行儀よくない遊びのひとつ。当初は、面白おかしい字幕をつけるのが主流だったが、
3・11前後から真面目な論旨の字幕をつけた動画が注目を浴び始める。
本書はこのシリーズを基にし、真面目な時事テーマを面白くわかりやすく紹介した書籍であり、著者及び弊社がヒトラー思想を認めたり礼賛しているものではありません。

内容(「BOOK」データベースより)
俺たちの周りにはインチキが溢れている。「よーし、俺は騙されないぞ」と、いつも気を付けることが大事だ。俺たちを騙そうとしているのはマスコミだけじゃない。ウェブサイトも、政府の発表も、身の周りの数字の多くが印象操作に利用されている。だから、数字に出会うたびに頭を使え。自分で考えて判断しろ。そうでなくちゃ、守るべきものが守れなくなるぞ。自分も、自分の家族も、自分で守るんだ。本書では、巷にあふれている数字のトリックを取り上げて、どんなインチキが行われているかを教えていく。

 

著者について


元木一朗(もときいちろう)。シンクタンク研究員、ラーメン評論家、経産省課長補佐、バイオベンチャー社長などを歴任の後、現在はITベンチャー代表取締役CEO、作家。主な著書に『遺伝子組み換え食品との付き合いかた』(オーム社)『Twitter後のネット社会』(アゴラブックス)。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
元木/一朗
シンクタンク研究員、ラーメン評論家、経済省課長補佐、バイオベンチャー社長などを歴任の後、現在はITベンチャー代表取締役CEO、作家、スキーチーム「赤い彗星」代表、蕎麦打ちの巨匠(ただし自称)、とんかつ評論家などを兼務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

 

以上です。