『君の会社は五年後あるか? 最も優秀な人材が興奮する組織とは 』を読んで。

 著者 牧野 正幸氏は、ワークスアプリケーションズという会社を創業し、その企業念理念は、
『日本のクリティカルワーカーに活躍の場を』
『日本企業のIT投資効率を世界レベルへ』
の二つであることを、まえがき、あとがきで強調している。

 

君の会社は十年後あるか?

この著作が刊行されたのは、2010年8月であるが、その後5年後も牧野 正幸氏は、ワークスアプリケーションズのCEOであったが、2019年10月にワークスアプリケーションズのCEO、取締役に退任している。その前に顧客からの訴訟、業績不振、信用不安、主力事業の売却などがあり、現株主(投資ファンド)、その意向を受けた経営陣との対立があったのでは推察される。

10年後には、牧野氏の会社はなかったわけで、この本のタイトルが、『君の会社は十年後あるか?』というタイトルだったら、皮肉なタイトルだっただろう。

 

 ただ、どんな業種、どんな企業でも、5年後はあるかわからないし、全ての企業は、日々変化しているし、経営者、従業員も変わるし、5年間も全く変化しないも全く同じ会社なんて、ないだろう。そういう意味で10年後にCEOや取締役が変わっているなどは、小さな変化なのかも知れません。

 

ワークスアプリケーションズの企業理念

 ワークスアプリケーションズのホームページで現在の企業理念は、
『クリティカルワーカーに活躍の場を』
『日本企業のIT投資効率を世界レベルへ』
となっている。海外進出、海外拠点での採用に伴って、クリティカルワーカーの前の「日本の」は外れたが、『日本企業の』の日本は外れていない。
商習慣が世界的にみても細かく複雑な『日本企業』『日本の大手企業』に対して有用な製品、サービスを提供するということが、企業理念の説明に記載されている。

著者がそのような理念の会社を創設するに至った経緯、経験も記載されている。創業者の著者の本は、その企業の理念を深く知る上で参考になります。

 

 企業の文化や制度、事業を紹介している書籍は、いわゆる宣伝本のことが多く、その企業の内部で働いている人は違和感を感じる、実感と合わないこと多いように思えるが、この本の実際はわかりません。

 

改めて本の説明

 

内容紹介
大学生に絶大な人気の「問題解決能力発掘インターンシップ」、転職しても復帰可能な「カムバック・パス」、同僚の評価により年俸が決まる「相互多面評価」など、ユニークな組織戦略で急成長を続ける会社の秘密
内容(「BOOK」データベースより)
会社にしがみつく時代は、とうの昔に終わっている。優秀な人材が興奮するフィールドがここにある。働きがいのある会社第1位、創業者が語る組織戦略。
著者について
1963年兵庫県生まれ。大手建設会社、ITコンサルタントなどを経て、96年にワークスアプリケーションズを設立。大手企業向けの人事・給与システムで同社は国内トップメーカーとなる。また、独自の採用方法や人事制度を導入し、IT業界の風雲児として注目される。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)牧野/正幸株式会社ワークスアプリケーションズ代表取締役CEO。1963年、兵庫県神戸市生まれ。大手建設会社、ITコンサルタントを経て、96年に同社を設立。創業5年でJASDAQ上場。同社の製品「COMPANY」は、ERPパッケージ市場において国産パッケージNo.1となっている。イノベーションの源泉として優秀な人材の採用に注力し、「後輩にオススメしたいインターンシップランキング」4年連続1位(ジョブウェブ調べ)の「問題解決能力発掘インターンシップ」を実施(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

以上