日本の製造業で最高の営業利益率の高収益企業は栃木県にあった(コマツ子会社 ギガフォトン)

  

といった過去のブログで、「ギガフォトンの決算公告が出たら企業価値を計算したい」といった話をしましたが、 令和3年(2021年)7月1日にギガフォトン株式会社の決算が公告されました。

企業価値の計算をする前※に、ギガフォトンの決算(収益性の高さ)を紹介したいと思います。※次のブログで、同業種のレーザーテック、同じぐらいの企業規模のJCRファーマの時価総額を参考に、ギガフォトン企業価値を計算(想像といっていいレベルかも)してみました。

ギガフォトン第21決算公告

ギガフォトン第21決算公告 

超高収益企業でホワイト企業のギガフォトン

第21期の決算(2021年3月末決算)で、

売上:約371億円、営業利益:93億円、純利益:66億円 という結構な企業規模の会社です。売上は栃木県全体で10位ぐらいの規模(ちなみにトップ3は、カワチ薬品、コジマ、キャノンメディカル)ですが、純利益は、1位のナカニシ、2位のTKCに次いで、3位となるぐらいの規模です。

栃木県、すくなくとも本社がある小山市では、知名度の高い優良企業なのでしょう。

 

なお、上場企業の子会社なども含めて、投資、就職、営業などのために、一般的にはあまり知られていない地方の優良企業を探したいときは、

就職四季報 優良・中堅企業版 2022年版

がおすすめです。

ギガフォトンも 就職四季報 優良・中堅企業版 2022年版

に紹介され、  就職四季報 優良・中堅企業版 2022年版 の有給休暇取得ベスト100にもランキングされていました。

きっと、ホワイト企業なんでしょうね。

 

有給化取得ベスト100にランクインするギガフォトン_就職四季報優良中堅企業版より

有給化取得ベスト100にランクインするギガフォトン_就職四季報優良中堅企業版より

 

 

  

特筆すべき高さの営業利益率

 

決算公告された第21期(2021年3月期)の数字で、ROEROA、営業利益率といった企業の収益性を表す経営指標を紹介します。 

ギガフォトン4期分の業績と経営指標

ギガフォトン4期分の業績と経営指標

 

ROE

ROE自己資本利益率)は、当期純利益 66億6500万円を分子に、自己資本(純資産)258億8700万円を分母にして計算できますが、15.8%という数字です。

上場企業3785社のランキングだと、550位にランキングされる数字です。

ギガフォトンは未上場で親会社への配当などもされていないようで、利益剰余金が増え、自己資本(純資産)、総資産 が大きいので、ROEROAは、低くなりがちです。仮に上場していて、上場していなくても、親会社コマツへ配当などしていれば、もっと高いROEROAになるでしょう。

 

ROA 

ROA総資産利益率)は、当期純利益 66億6500万円を分子に、総資産421億6400万円を分母にして計算できますが、16.2%という数字です。

上場企業3785社のランキングだと、100位にランキングされる数字です。上位にランクされる企業は、巨額の設備投資が不要なITサービス企業などが多く、全上場企業でも、製造業に限るとベスト10にランキングされるぐらいの数字です。

 

営業利益率

ROEROAも高いのですが、特筆して高いのは25.1%という営業利益率です。

売上高371億7100円を分母に、営業利益 93億4500万円を分子に計算できますが、

医薬品を除く製造業で、25.1%という数字は、特別に高い数字のようです。

なお、医薬品以外の製造業の上場企業で、ギガフォトンの25%を超える営業利益率は、キーエンス(2021年3月末決算で、51.4%)とレーザーテック(2020年6月末決算で、35.4%)のみです。

 

ただ、キーエンスとレーザーテックともに、製造設備を持たないいわゆるファブレスの企業です。

ギガフォトンのサイトに

ギガフォトンのレーザは、本社に隣接する小山工場で製造されています。ギガフォトンの生産部は、最先端の情報技術と高度な生産技術が融合し、全員参 加の品質管理(QC)活動「KAIZEN」を推進し、最先端エキシマレーザの高生産性を実現しています。また、工場で働く従業員はもとより近隣の住民の皆 様が安心して生活できる環境を保証するために、最先端の環境管理を実施しております。

とある通り、ギガフォトンは、製造設備を持っており、ファブレス企業とはいえないようです。

ファブレスでない、製造設備を持つ日本の製造業では、営業利益率がトップ、1位の会社かもしれません。

そもそもファブレスの企業を製造業の範囲で比較することは妥当でないと思います。

 

営業利益率の重要性

営業利益が高いということは、買手が、高価格でもギガフォトンの製品を購入するしか選択肢がないほど、製品の競争力が高いことを示します。

 

BtoBの業界では、通常、複数の会社として、取引して、買手は複数の会社を比較、価格競争させます。また、買手となる会社は、営業利益率の高すぎれば、値引きを要求します。

高い営業利益率は、ギガフォトンの製品が、競合がいないような価格競争が不要な圧倒的な高い技術力、高付加価値の製品であることの証明です。

 

会社四季報の達人が教える10倍株・100倍株の探し方

 で著者の 渡部 清二氏は、

【実践編】10倍株探しの4つのポイントの一つとして、

稼ぐ力を示す「営業利益率」が高いことあげています。

2018年1月から12月期決算の金融を除く全産業の平均的な営業利益率は「約7%」と計算される。10%以上あれば、「稼ぐ力」のある優良企業と判断していい。

 と述べていますが、10%を余裕で超えるギガフォトンの営業利益率です。

同じく渡部 清二氏は

「会社四季報」最強のウラ読み術

という著作で、四季報の業績欄で、

『基本的には、見るべき数字は、売上高と営業利益でいい』と本業の利益、稼ぐ力を示す営業利益の重要性を説明しています。

 

本の紹介

関連する本の紹介です。 

 

 

 
関連銘柄:コマツ6301,カワチ薬品2664,コジマ7513,キャノン7751,TKC9746,ナカニシ7716,キーエンス6861,レーザーテック6920

 

  

関連ブログ

 

chanmabo.hatenablog.com