ドラマ 半沢直樹(2020年度版)のスパイラルのよう株価上昇が期待できる会社として、
(株)オウケイウェイヴ(銘柄コード3808)
を紹介します。
の続きの話です。
敵対的買収の候補となるような株主構成か
前回のブログで、スパイラルのような会社の条件として、
① 創業者が経営者で、その創業者は、ハンディキャップや逆境の乗り越えて、会社を創業、上場させていること。
という条件に該当しているという話をしましたが、
次は、
② 競争力のあるIT企業であること、つまり強い独自のIT技術、IT製品、ITサービスを持っていること。
③ 現経営陣の株主保有比率が低く、敵対的買収の候補となるような株主構成であること。
という3つの条件を紹介しましたが、(株)オウケイウェイヴ(銘柄コード3808)が③の条件にも該当しているという話をします。
歴史の長い会社は、現経営陣の株主保有比率が低い会社がほとんどですが、
政策的な株式の持合関係を、取引先と維持していることが多く、現経営陣と良好な関係を維持している株主がほとんどがです。
ただ、歴史がそれほど長くない会社は、政策的な株式の持合関係はなく、創業者、現経営陣が株主となっていることが多く、そうでない場合は、買収の候補となりやすいといえます。
筆頭株主の松田 元 氏とは
現経営陣の株主保有比率が低くなった経緯というのが、ドラマのような話なので
興味深いです。
創業者の兼元氏が、筆頭株主で、全株式の25%近くの株を保有していましたが、
自分の保有株の半分以上の株(全株式の15%近く)を、2019年7月に、を松田 元 氏に譲渡しています。
そしてこの松田 元氏が、いまだ全株式の15%近くを保有する筆頭株主で、以前社長を務めた(株)オウケイウェイヴ社を退職しています。
(株式の所有比率は、会社発表の2019年9月30日時点の情報が最新の情報です)。
この松田 元 氏は、なぜ兼元氏から大量の株式を譲渡を受けたかその理由を、
オウケイウェイヴ社がIR情報として開示してす。
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当社は創業者である会長の兼元も代表権を有しており、社長である松田と2代表の体制をとっております。本譲渡は、松田を中心とした新規事業に力を入れていくために、当社筆頭株主として、さらに事業やステークホルダーに対するコミットメントを強化し、今後の成長に対する責任をもって取り組んでいくことを企図したものであります。
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過去のプレスリリースで、以下のような記載がありました。
ちょうどこの時期(2018年7月)が、オウケイウェイヴ社の株価の最高値(8000円台の株価)をつけていたころです。
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2018年7月25日付で新経営体制に移行し、松田 元(まつだ げん)が新たに代表取締役社長(以下、新社長)に就任いたしました。また、当社創業者の兼元 謙任(かねもと かねとう)は、代表取締役会長(以下、新会長)に就任し、代表取締役2名体制で当社の経営ならびに事業を推進してまいります。
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そして、松田 元 氏は、2020年4月に、自分自身のインサイダー疑惑の責任をとって、
オウケイウェイヴ社の社長を辞任します。
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インサイダー疑義で社長辞任、オウケイウェイヴ
2020年4月14日 日経新聞配信記事より
質問サイトのオウケイウェイヴは14日、松田元・社長による自社株売却行為がインサイダー取引にあたる可能性があるとして、第三者委員会による調査を始めたと発表した。同社は今年初め資金調達に関する検討をしていたが、そのさなかで松田氏が自社株を売却していた。松田氏は27日付で社長を辞任する。福田道夫取締役が社長に就任する。
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スパイラル社は、瀬名との経営方針の違いから、創業者で大株主で役員の加納と清田がスパイラルを退社し、所持していたスパイラルの株式を電脳雑伎集団へ譲渡し、電脳雑伎集団がスパイラルに敵対的買収が始まりました。
オウケイウェイヴは、大株主で社長を辞任した松田 元氏の持株の行方によっては敵対的買収も。と勝手に妄想しています。
松田元氏と兼元氏は、フィンテック、ブロックチェーン、仮想通貨に関する著者も出していますので、紹介しておきます。
松田 元氏のCEOを務めるビート・ホールディングス・リミテッド(ビート社)について
ビート社は、東京証券株式市場に外国株式として上場していますが、
株価は、2018年以降、オウケイウェイヴと同じように急落、低迷しています。
ビート社の事業は、会社のホームページを見ても、よくわかりませんでしたが、
ブロックチェーン技術などを中心に海外の知的財産の取得、管理などを事業としているようです。
そして、ビート社とオウケイウェイヴ社は、提携関係にあり、オウケイウェイヴ社はビート社の株式取得し、資本参加もしています。
ビート・ホールディングス・リミテッドの株式を取得
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ブロックチェーン技術を使用した暗号化技術の開発に関する業務受託契約を締結
株式会社オウケイウェイヴ 2019年10月08日 のプレスリリース
日本初、最大級のQ&Aサイト「OKWAVE」(https://okwave.jp)を運営する株式会社オウケイウェイヴ(所在地:東京都渋谷区、代表取締役社長:松田 元)は、ビート・ホールディングス・リミテッド(本店所在地:ケイマン諸島、最高経営責任者(CEO):レン・イー・ハン氏(以下、「レン氏」)、東証二部、証券コード:9399)(以下、「ビート社」)の普通株式及びA種優先株式の合計3.16%を取得することについて、ビート社の普通株主及びA種優先株主であるOne Heart International(以下、「One Heart」)と合意し契約を締結しました。なお、One Heartは、レン氏が100%保有する同氏の資産を管理する会社です。
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ブロックチェーン技術を中心とするオウケイウェイヴ社の
会社の期待通り、フィンテック事業の成長するか、期待に反して、他事業の足を引っ張り、会社の信用をなくしていくかにも、ビート社の存在がかかわっているようです。
なお、ビート社の松田 元氏に関しては、インサイダー疑惑の他にも
といった報道があり、オウケイウェイヴ社のフィンテック事業の将来が心配になります。
オウケイウェイヴ社の復活はあるか
オウケイウェイヴ社がフィンテック事業の不振から、
さらに業績悪化、信用不安、既存事業の営業不振、さらに業績悪化、経営破綻
、株価は0円にといった最悪のシナリオもゼロでもないと思います。
『元ホームレスの上場企業の社長 』でなく、『元上場企業の社長のホームレス』は、
さすがに残念です。
兼元氏、オウケイウェイヴの再起、業績の回復、株価の上昇を期待しています。
ホームレス ⇒上場企業の社長⇒ホームレスのような人生が
兼元氏に待っているとしたら、ドラマでも「そんなことあり得ない」と突っ込みたくなる展開です。
オウケイウェイヴ社が非上場の会社であれば、
創業者で会長で大株主の兼元氏が独走で経営が迷走して、経営破綻、再度、ホームレスに。という可能性もありそうですが、
上場企業であれば、独走、迷走するようであれば、株主の監視、圧力が強くなり、場合によっては敵対的買収で、過度のリスクをとらないバランスのとれた経営に軌道修正せざる得なくなるのではと考えています。
ただし、半沢直樹に登場する電脳雑技団のようにオーケーウェイブ社が粉飾決算など違法な不正行為をしていたら、株主、というより株式市場、金融機関からも見放され、信用不安、業績不振、経営破綻の悪循環の方向になることもありますから、少し心配ですね。
オウケイウェイヴ社に投資するなら、フィンテック事業の業績改善、もしくはリストラが進み、株式市場の評価が変わるタイミングを待つ、もしくは、その兆候がでてくるまで、待った方がよさそうですね。
以上です。