景気ウォッチャー調査2020年11月分報告(2020年12月09日発表)から-日本株は下落・調整局面か-

 

日経平均株価は、12月9日の終値で26,817円と、29年ぶりの高値局面ですが、景気ウォッチャー調査2020年11月分報告(2020年12月09日発表)からみると、日本株は下落局面となりそうです。おそらく政府の財政支援や日本銀行ETFREITの購入などで暴落といった下落はないと現時点では予測しますが、調整といった意味で25,000円近くまで下落する可能性も高いのではと考えています。

 

のブログで2020年10月分月報告からコロナ禍の不景気の短期間で終わる見込みを予想しましたが、日本株日経平均に強気の予想し、その予想は、1カ月で日経平均が25,000円から26500円近くと1,500円近く上昇したところ、外れていなかったと思います。

 

1998年(平成10年)7月に小渕恵三内閣の堺屋太一経済企画庁長官が「景気動向をもっと早期に把握できないか」との問題意識から、「景気動向に関する情報を早く手に入れる仕組み」として、景気ウォッチャー調査が開発されました。

経済や景気の動向を見るうえで、よく当たる先行指標として、株式投資家、金融・市場関係者にも重宝されています。

 

株価は景気や経済の先行指標といわれますが、12月9日の東京株式市場で日経平均株価は4営業日ぶりに反発し、前日比350円86銭(1.33%)高の2万6817円で終えています。1991年4月17日(2万6980円)以来29年8カ月ぶりの高値を更新した日経平均株価も11月11日も7日連続で続伸し、前日比444円高の2万5349円と、年初来高値を連日で更新。2万5000円の心理的な節目を上回り、1991年6月以来およそ29年ぶりの高値となっています。英国などで新型コロナウイルスのワクチン接種が始まり、経済が正常化に向かう期待から株価は上昇しており、日経平均は2020年年末「2万7千円にむかう」2021年の日経平均「3万円試す」と強気の予測が目立ちます。

 

理由、理屈はともかく、株価は、コロナ禍の不景気を短期間で終わり、史上空前と好景気をよべるかは自信がないですが、すくなくとも大型の好景気を見込んでいるようです。ただし、株価には調整局面といった下落が必ずありますが、大きな調整がここ半年間で発生していない点から、そろそろ1,000円から2,000円位の下げる局面が現れるのかもしれません。

そんな見通しが、景気ウォッチャー調査2020年11月分報告が裏付けられます。

 

2020年11月分の動き

景気ウォッチャー調査2020年11月分報告が2020年12月08日に

内閣府のホームページ

景気ウォッチャー調査 - 内閣府

から公表されています。

「11月の動き」として、経済や景気の動向の概要(サマリー)が

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11月の現状判断DI(季節調整値)は、前月差8.9ポイント低下の45.6となった。
家計動向関連DIは、飲食関連等が低下したことから低下した。企業動向関連DIは、製造業等が低下したことから低下した。雇用関連DIについては、低下した。
11月の先行き判断DI(季節調整値)は、前月差12.6ポイント低下の36.5となった。
家計動向関連DI、企業動向関連DI、雇用関連DIが低下した。
なお、原数値でみると、現状判断DIは前月差7.5ポイント低下の46.1となり、先行き判断DIは前月差12.3ポイント低下の36.1となった。
今回の調査結果に示された景気ウォッチャーの見方は、新型コロナウイルス感染症の影響による厳しさが残る中で、持ち直しに弱さがみられる。先行きについては、感染症の動向に対する懸念が強まっている。」とまとめられる。

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と報告されています。

DIとは、Diffusion Indexの略で、Diffusion は拡散、普及と意味があり、Indexは指標の意味がありますが、企業の業況感や設備、雇用人員の過不足などの各種判断を指数化したものです。拡散して集めた雑多な情報を指数化することから、Diffusionをいう言葉が利用されているのでしょうか。

 

 2020年11月の景気の現状

 

景気の現状判断DI_景気ウォッチャー調査2020年11月分報告

景気の現状判断DI_景気ウォッチャー調査2020年11月分報告

現状判断DIとは、先月の景気の現状を示す指数ですが、現状判断DIは前回月比マイナス8.9ポイントの45.6、詳細項目はすべての項目が下落。「飲食関連」のマイナス24.5ポイントが最大の下げ幅で、基準値の50.0を超えている詳細項目は皆無となかなか厳しい結果です。

 新型コロナウイルス流行前の水準どころか消費税率引き上げ以前に戻ったと判断できる状態です。

 つまり、日本経済全体に新型コロナウイルスによる恐慌と言われるような状況は発生していませんが、コロナ禍と言われる事象は飲食関連の外食産業など大きなダメージを受けています。

 

2020年11月以降の景気の先行き

景気の先行き判断DI_景気ウォッチャー調査2020年11月分報告

景気の先行き判断DI_景気ウォッチャー調査2020年11月分報告

先行き判断DIは、2~3か月先の景気の先行きに対する判断DIは、先行き判断DIは前回月比でマイナス12.6ポイントの36.5と現状以上に厳しい数字です。
詳細項目はすべての項目が下落。「飲食関連」のマイナス26.0ポイントが最大の下げ幅。基準値の50.0を超えている項目は皆無。といった状況です。

 やはり、忘年会シーズンで稼ぎ時のはずだった飲食関連の外食産業などは、会食、宴会の自粛により、大きなダメージが受けているようです。

 

 外食産業は約300万人近くの雇用者がおり、市場規模も20兆円以上あり、経済の影響は小さくありません。今後、ポイント還元のGo To Eat キャンペーンの復活など政府の支援が必要となりそうです 

 

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では、

前回「買い」サイン(前回も①と②に該当していた場合)が出た場合、

① 現状判断DIの前月差が1.5ポイント悪化している。

② 先行き判断DIが前月から横ばいか悪化。

場合で、『売り』としています。

日経平均は、2020年11月報告(2020年12月09日発表)の翌日12月09日は、前日比350円高の26,817円と、前日に付けた年初来高値26,894.円に迫る勢いですが、

日本株はそろそろ売り、ここ1か月間近くは調整、下落の可能性が高そうです。

 新型コロナウイルスに対するワクチンや、財政支出への期待から、新型コロナウイルスの感染拡大に絡む不安以上に大きいのか、株価は上昇してきています。『噂で買っている』というフェーズです。

ワクチン接種開始する国が増え、政府の財政支出の規模や内容が決定していく今後は、『噂で買って事実で売る』フェーズで売りも増え、株価な下落、調整、軟調になる予感がします。あくまでここ1から2ヵ月位の見込みで、3から5年後ぐらい長期的な視点は日本株の強気相場が続きそうですが。

本の紹

景気ウォッチャー調査は、投資や仕事で関係する分野に近い将来を示す情報として有益な情報かなと思います。景気ウォッチャー調査に関係する本を紹介しておきます。

 

毎月1回10分チェックで年20%らくらく儲かる 「景気ウォッチャー投資法」入門 

 

“街かど景気”の経済学―新観測システム「景気ウォッチャー調査」 (PHP新書)

 

 

■参考■

『景気ウォッチャー投資法入門』で紹介された売買ルール

『景気ウォッチャー投資法入門』で紹介された売買ルール

以 上です。