ローコストと高いブランド価値の両立に成功した食のSPA 業務スーパー (神戸物産)の強さ

ローコストと高いブランド価値の両立に成功した食のSPA 業務スーパー神戸物産)は株価が5年で14倍とテンバーガーを達成。
割安成長株の投資としては、業務スーパーフランチャイズ企業が狙い目かも。

 

ローコストと高いブランド価値の食のSPA

 業務スーパーの強みは、ローコストオペレーションです。
スーパーは、労働集約的な産業で慢性的な人手不足に苦しみ、パートの時給上昇に加え、昨今は物流費の上昇やポイント還元など販促費用などコストが大きな負担になっています。

業務スーパーは、店内設備も簡素で、商品を段ボールに入ったまま陳列する「箱陳(はこちん)」で、人手のかからないオペレーションが可能になっています。

ポイント還元やなく、広告なども、レジに置いてあるポスターやチラシぐらいで販促費用もほとんど発生していません。

 

大手メーカーでない中小メーカーの製品(大手メーカーより安い)や海外工場との直接取引や自社製造により利益幅を確保しやすいPB商品の販売、廃棄ロスが出ない常温・冷凍商品メインのラインナップなど、他のスーパーと価格、価格競争力を支える仕組で優位に立っています。

 

この優位性に加えて、業務スーパーは製品がユニークで話題となり、ネット、テレビ、雑誌などで取り上げられることが多く、「日本のコストコ」と呼ばれるようになるまで一つのブランドのように認知さています。

 

業務スーパーに行こう!2021 (双葉社スーパームック)家族ふたり、食費は1か月2万円! 業務スーパー120%活用法など書籍が定期的に刊行されるほどの人気で、「業スー」といった略語も多くの人で定着しています。

 

ブランド向上は、広告宣伝費、店舗設備費、接客品質向上のための人件費などコストの負担が必要で、ローコスト経営と高いブランド価値は両立することも多いのですが、この両立に成功して、ローコスト経営と高いブランド価値の両方で優位に立った業務スーパーは、まだ伸びる余地がありそうです。

 

「会社四季報」業界地図 2021年版

 でもスーパー業界の注目の会社として、

神戸物産(3038) 「業務スーパー」をほぼ全国FC展開。国内外に自社・協力工場を持つ「食のSPA」。スーパー業界の課題である流通コストを削減し、圧倒的な低価格を一般消費者にも提供。冷凍タピオカも話題に。

と紹介されています。

 

「会社四季報」業界地図 2021年版 注目の会社 神戸物産 

会社四季報」業界地図 2021年版 注目の会社 神戸物産 

 

SPA(specialty stores of private label apparel:製造小売業)とは、もともとアパレル業界でメーカー自らが既存の卸売業者、小売業者に頼らず消費者に直接販売するショップを持つ業態です。 

SPAのメリットは、流通コストの中抜きによるコスト削減や、顧客ニーズが共有しやすく迅速な商品開発ができること、需要予測の精度が増すことによる適時適量の生産が可能になります。アメリカではアパレルのGAP、日本ではユニクロファーストリテイリング)がこの方式で急成長しました。


そういえば、SPAという意味で、食品スーパーのユニクロような存在と説明されることもあるそうです。

 

神戸物産の株価

神戸物産の株価は、2016年7月1日の終値256円(会社分割を考慮修正の株価)、2021年7月1日の終値 3,620円と5年で、約14倍の株価となり、いわゆるテンバーガー達成しています。

神戸物産の株価は5年で14倍に

神戸物産の株価は5年で14倍に

2020年10月末決算で一株利益が約70円ですから、PERでいうと50倍以上の株価で、株式市場でも、今後の成長が見込まれているようです。

  

投資先は身の回りから探せ

ピーター・リンチの株で勝つ―アマの知恵でプロを出し抜け

などの著作で、全米一のファンドマネージャーといわれた

ピータ・リンチ氏は、「投資先は身の回りから探せ」と、自分の生活の中で株式市場にはいつでもプロが見逃しているような成長を期待できる株価が割安な会社が見つけられる。といった趣旨の主張をしています。

 

自分も10年ぐらい前に業務スーパーを始めて利用して、安くて品ぞろえが多くていいお店だなと思って、お客様も結構入っていて、大量に買う人も多かったので、気になる会社、銘柄でしたが、株価がだんだんと上がっていき、もう上がっていて、買うの遅いと、結局買うタイミングを逃してしまいました。

  

神戸物産が、まだ、プロが見逃して成長が期待できて、株価が割安な株かは、PERの水準から考えると、割安とは言えないかと思います。

投資するなら、神戸物産より、神戸物産フランチャイズとして、業務スーパーを出店しているG-7ホールディングス(7508)、オーシャンシステム(3096)、エルアイイーエイチ(5856)、カンセキ(9903)、マキヤ (9890)の方が、プロが見逃して成長が期待できて、株価が割安な株のような気がします。

業務スーパーフランチャイズの上場銘柄については、別のブログでまたとりあげたいと思います。

 

関連本の紹介

 

 

 

 

銘柄メモ

神戸物産(3038), G-7ホールディングス(7508),オーシャンシステム(3096)エルアイイーエイチ(5856),カンセキ(9903) ,マキヤ (9890)ファーストリテイリング(9983)