ダブル・スコープの業績予想は信頼できないし、8月12日(木)の中間決算発表は期待しない

  

 に続けて、ダブル・スコープ(W-SCOPE)に関するブログです。

 

ダブル・スコープの業績予想は信頼できないし(事実)、8月12日(木)の中間決算発表は期待しない(予想)という話です。
ダブルスコープや崔元根社長を評価するブログ記事が多かったのですが、今回は、厳しめな話、悪い話の紹介です。株価は短期的に加熱気味に上昇しており、そろそろ調整局面に入っていい頃と思われ、中間発表が調整のきっかけになる可能性もあると思います。

 

ダブル・スコープの業績予想は信頼できない

 

 残念な話ですが、ダブル・スコープの業績は、会社予想より、最近4年間は実績が下回っています。

以下は、2014年12月期以降の売上・営業利益の期初の会社予想と実績(決算)です。

------------売上・営業利益 会社予想  ⇒ 実績

2014年12月期 40億・  1億 ⇒ 45億・3億

2015年12月期 60億・  6億 ⇒ 75億・19億

2016年12月期 100億・21億 ⇒ 90億円・23億

2017年12月期 120億・24億 ⇒96億円・3億

2018年12月期 140億・7億 ⇒87億円・△33億

2019年12月期 175億・8億 ⇒131億円・△32億

2020年12月期 200億・20億 ⇒180億円・△3億

2021年12月期 280億・35億 ⇒ ? 

△は赤字。1億円以下は、千万円の桁で四捨五入

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2015年12月期までは売上、営業利益とも期初の会社予想を大きく上回る実績を決算で示しましていましたが、2016年12月期は営業利益が期初の会社予想を上回りたが、売上は会社予想に届きませんでした。2017年12月期から2020年12月期までは3期連続で、会社予想、営業利益ともに会社予想を大きく下回っています。
2016年5月に3775円の高値を付けて、それ以降は、2020年4月の262円まで下がました。そこから、徐々に上がっていますが、高値のまだ25%程度の水準です。
2016年5月は、会社予想を決算が売上、利益とも上回る会社とされていた時期ですが、そういった投資家からの信頼、期待が、高い株価に反映していたのでしょう。
しかし、その後、投資家からの信頼、期待を裏切り、今のような株価が低迷する事態になっています。
EV用市場への参入、そのための新規顧客獲得のためのサンプル品の出荷、発火事故対策の安全品質の向上、新型コロナウイルスの問題などいろいろな理由があったかと思いますが、会社予想は必達できる数字、余裕で達成できる数字といった保守的な予想を立てることが多いのですが、ダブル・スコープは保守的でないのか、そもそも見積が甘いのか、その両方なのかは不明ですが、改善する余地が大いにありそうです。


正直、ここまで下方修正が多いと、ダブル・スコープの業績予想、計画は信頼できないと思われて仕方がなく、そういった業績予想、計画から見積もれれる企業価値も大幅にディスカウントされても仕方がありません。実際に継続企業の疑義注記企業となり、いつ倒産してもおかしくてない会社と公認会計士からもお墨付きがもらっていますので、大幅にディスカウントされてしかるべきだと思いますが。


ただ、ダブル・スコープを擁護すると、単年度の売上、営業利益の決算で評価するとういことが、売上が毎年30%以上も成長している期間は難しいと思っています。前年同期比、または前期比で、売上が10%以上伸びて、赤字が減っているかといった指標、その会社の売上は急成長して、赤字(特にキャッシュフローの赤字)は減っているよということが確認できるぐらいの数字で評価してもいいかなと思っており、そういった観点から、急成長企業として、株価を評価できるという意味(PER30倍以上の評価はできる企業といった意味)で、合格点を与えらえる業績だと思っています。

 

8月12日の上期の中間決算発表は期待できるか

2021年8月12日(木)15:00 ダブル・スコープは、上期中間(1Qと2Qで上期分)決算発表を予定しています。

新規車載への供給拡大、SDI向け出荷拡大の確認できるような売上の数字であること、上期営業利益は、最低、10億円を超える数字であることが、800円近い株価(2021年8月6日終値797円)から、1000円台に向かう株価情報には、求められると思います。

 

2020年12月期決算説明資料より2021年12月期のポイント

2020年12月期決算説明資料より2021年12月期のポイント 

 


↑は今期の業績予想ですが、売上の目標は、上期で125億円ですが、この数字は、ほぼ1Qの実績60億円を2倍にした数字であり、達成可能と思われます。
おそらく、プラス10億円ぐらいの135億円を超えるような数字になれば、新規車載への供給拡大、SDI向け出荷拡大の確認できるような売上の数字といえるかもしれません。

 

営業利益は、上期で15億円ですが、1Qの数字が1.6億円といった数字※で、2Qのハードルが上がっているため、上期の目標達成は、厳しいかもしれません。

SBI証券のアナリスト予想で、1Q(1-3 月期)営業損益で7億円の黒字を予想していましたので、市場の予想より、1Q決算は悪かったようです。

 

最近、原材料費、運送費の上昇が話題になっていますが、ダブル・スコープのそういったコスト増を販売価格に転嫁しているのかが注目されますが、『年間280億円の売り上げ計画の内90%超が長期供給契約に基づく』という資料にある通り、販売価格も長期供給契約で、ある程度固定されている可能性があるので、ダブル・スコープにとっては苦しい決算になる可能性もあると予想されます。

とうことで、上期決算はあまり期待しないほうがいいかもしれません。

 

で初めてダブルスコープを紹介したときは、2021年6月18日の終値は608円でしたが、その時から 6週間程度で、30%程度上昇しています。マザーズ市場、TOPIX市場、日経平均などはいずれも横ばい、下がり気味であることを考えると、急上昇しており、そろそろ調整局面に入っていい頃と思われます。中間発表が調整のきっかけになる可能性が高いと思います。

 

最近、短期的(日足ベース)には株価は過熱気味を示すチャート、テクニカル指標もあるので、中間決算後に、一時的に下落した株価を安値で拾う戦略、そのためにキャッシュ温存しておく戦略の方が有効かもしれません。

少なくとも、買い急ぐ時期、ここで勝負するという時期でないように思えます。

 

リチウムイオン電池の関連本の紹介

 

▲「世界で今、リチウムイオン電池バブルが起きている。
スマホやノートPCのバッテリー、電気自動車やドローン搭載など、その市場規模は推定2兆円。旭化成で15年をかけて実用化にこぎつけた開発者にしか語れない裏話とは。
今、世界でもっとも注目されている第一人者による一冊!」といった紹介がされている本です。

ノーベル賞受賞者の吉野彰さんの苦労話や研究エピソードが豊富で楽しく読める本のようです。また、リチウムイオン電池の原理、仕組みを改めて確認します。どんな技術が重宝され、淘汰されるのかのイメージが湧くと思います。

 

▲(概要)電池の基本解説から、リチウムイオン電池を含む二次電池の特徴、全固体電池など次世代電池についてわかりやすく解説します。
(こんな方におすすめ)・基本から現段階での最先端技術まで
二次電池の知識全般についてきちんと整理しておきたい人。今後の二次電池の技術動向について知りたい人。といった本のようです。
 
以上です。