韓国財閥の漢拏(ハンラ)グループと自動車のバッテリーが車体になるという話
W-SCOPEの韓国子会社W-SCOPE CHUNGJU PLANT CO., LTD.(以下、WCP)の株式譲渡のプレスリリース(2021年9月)で発表されましたが、WCPの10%以上(約11%)株式を所有することとなったNext Level Co., Ltd.、Next Level Co., Ltd.が属する漢拏(ハンラ)グループについて、調べた内容を整理して、記載しています。
韓国の産業界や世界の自動車、リチウムイオン電池産業、ダブルスコープの今後を知る上で、参考になれば幸いです。
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▼目次
- 【ハルラとハンファは違う】
- 【漢拏(ハンラ)の名前の由来】
- 【漢拏(ハンラ)グループの創業者】
- 【漢拏(ハンラ)グループの現会長(二代目)】
- 【WCPへの出資について】
- 【自動車のバッテリーが車体になる電気自動車の今後】
- 【本の紹介】
【ハルラとハンファは違う】
まず、漢拏(ハンラ、ハラとも呼ばれる)グループとよく名前(発音)がよく似た韓国財閥にハンファグループがあります。
ハンファグループは、火薬メーカーの韓国火薬株式会社として設立され、のちにハンファと社名変更しますが、これは「韓」と「火」の発音をつなげたものです。現在は製造・建設、金融、サービス・レジャーの3つの主要分野において、国内の系列会社61社を所有し、韓国の10大財閥の9位にランクされる大財閥です。
ハンファQセルズジャパンは日本でのソーラーパネルのシェア1位です。2017年度日本国内に太陽電池モジュールを770MW出荷し、日本市場で2017年度シェア1位を獲得しています。
創業者は、金鍾喜(キム・ジョンヒ1922年11月12日 - 1981年)で、1941年1年間程度、日本の明治大学に留学していた経験があります。現在は、創業者の次男にあたる金升淵(キム・スンヨン 1952年2月7日-)が経営トップです。
主力の事業会社は、ハンファ(産業用火薬や防衛製品、工作機械など製造する会社で、旧韓国火薬)やハンファソリューションズ(石油化学や太陽電池を製造)です。
WCPの株式を取得した漢拏(ハンラ)グループ名前が似ているだけで、関係はありません。
漢拏(ハンラ、ハルラ、ハラとも呼ばれる)グループの概要については、
W-SCOPEのWCP株式売却のプレスリリース(売却先 漢拏(ハンラ)グループやWCPの時価総額など) - 令和の未来カエルのブログ
のブログで紹介しています。
その内容を引用します。
漢拏グループは、鄭周永(現代グループ創業者)の弟 鄭仁永(ジョンインヨウン、1920年 5月6日〜2006年 7月20日)を創業した韓国の財閥企業グループです。
創業者が現代財閥 創業者の弟で、創業時の会社が、現代洋行という社名でもわかる通り、源流は現代自動車と同じく、現代財閥です。
主力の事業会社は、マンド(Mando Corporation・万都)という韓国の大手自動車部品企業です。マンドは、ブレーキ装置、ステアリング装置、懸架装置の生産、販売に加え、最近は先進運転支援システム(せんしんうんてんしえんシステム、英: Advanced driver-assistance systems、略称ADAS〔エイダス〕)にも注力しています。
売上高 約5.5兆ウォン(日本円で5000億円程度)の会社で、約1万2千人の従業員で、韓国54.10%、中国23.24%、米国15.85%、インド市場7.91%が主な販売市場です。現代自動車は、Hyundai Mobis Co., Ltd.[現代モービス (株)]という自動車部品会社があり、マンドの販売先でもあると思いますが、マンドの競合する部分もありそうです。
ただ、マンドは、2002年07月 一部の事業を現代モービスに売却していますので、現代自動車、現代モービスとは、良好な関係を築いているのではと察しています。
なお、「現代自動車、現代モービスとは、良好な関係を築いているのではと察しています。」と記載しましたが、良好な関係か不明ですが、ビジネス上の強い関係は確かなようです。
https://www.mando.com/eng/media/news_view.jsp?page=1&pk_seq=55649
といったマンドの公式ホームページのプレスリリース(「Mando’s AEB inside Hyundai, Kia and Genesis! 」というタイトルで、2020年2月28日付の記事)
2米国道路安全保険協会(IIHS)という米国非営利団体から、
マンドのAEB(衝突被害軽減ブレーキ、自動ブレーキ)が利用された現代自動車の車種が「最も安全な車」と評価されたという記事があります。
また、万度の売上が多い地域は、現代自動車グループの売上が多い地域と重なるので、
万度は、現代自動車の主要なTier1(一次取引先)の一社として、重要な部品を供給するサプライヤーとなっているようです。
ただ、現代自動車グループに依存している日本でいう『系列』の会社というわけでもなく、フォルクスワーゲン、GM、フォード、日産、スズキなど欧米、日本との自動車会社との取引があり、米国、ポーランドにも工場を持ち、世界の自動車会社を相手に幅広く事業をしています。
漢拏グループ/万都機械、GMと2億ドルの部品供給契約|日本海事新聞 電子版 (jmd.co.jp)
韓国の漢拏グループの自動車部品メーカーである万都機械は(1998年8月)二十六日、米国のゼネラル・モータースと二億ドルの自動車部品供給契約を結んだ
という記事の通り、世界4位クラスのGMとのTier1として、直接取引があるようです。
MANDO社、フォルクスワーゲンから1兆規模でブレーキ受注 - もっと! コリア (Motto! KOREA)
といった2014年12月に、
漢拏(Halla/ハルラ)グループの自動車部品子会社マンド(Mando)社は、独フォルクスワーゲン社から1兆ウォン規模のブレーキ部品を受注したと18日、明らかにした。
といったニュースもあり、世界シェア第1位の自動車メーカー、フォルクスワーゲンのTier1の有力サプライヤーでもあります。
【漢拏(ハンラ)の名前の由来】
漢拏(ハンラ)の名前の由来は、韓国の済州島にある韓国で一番高い山である漢拏山(ハンラサン、韓国語:한라산、Hallasan Mountain)から来ています。
済州島については、
が私は印象に残っています。
蒙古が元として中国・韓国を統治していた時代に、日本に襲来していきた蒙古軍がこの島の漢拏山麓の草原で蒙古馬(モンゴル馬)を放牧し、その当時の蒙古馬が形を変えず、いまだに生息しているという話が印象的でした。
【漢拏(ハンラ)グループの創業者】
故鄭周永氏の実弟、鄭仁永・漢拏名誉会長が死去
鄭名誉会長は故・鄭周永(チョン・ジュヨン)現代(ヒョンデ)グループ創業主の弟で、1920年に江原道通川郡(カンウォンド・トンチョングン)で生まれた。 日本留学後、一時は言論(東亜日報・大韓日報記者)の道を歩んだが、51年に兄の要請で現代建設に入社した。故人は現代建設社長などを歴任し、62年に設立した現代(ヒョンデ)洋行と万都(マンド)機械の経営に専念するため、76年、現代建設を離れた。 72年に京畿道軍浦(キョンギド・グンポ)に掘削機・ブルドーザーなど建設重装備を뚐産する総合機械工場を国内で初めて設立した。
その後、セメント・建設・造船所・製紙・自動車部品・重装備などを生産する企業を相次いで設立し、86年に漢拏グループの会長に就任した。 主力企業は萬都機械・漢拏重工業・漢拏建設・漢拏セメントなどだった。
というニュースの通り、
は、鄭周永(現代グループ創業者)の弟 鄭仁永(ジョンインヨウン、1920年 5月6日〜2006年 7月20日)が創業者です。
1920年に生まれ、1934年から36年にソウルの夜間YMCA英語科で2年間勉強した後、日本に留学、青山学園大学夜間英語科を通って(1943年から44年)、2年目を中退して帰国、東亜日報の記者(1944年から1947年まで)として働きました。
兄 鄭周永は小学校卒業でしたが、弟たちには学費を支援し、大学などに通わせたそうです。
兄の支援もあって、鄭仁永は、日本語はもちろん英語も堪能だったようで、1950年には、朝鮮戦争で家族と一緒に釜山で避難生活をしている途中、米軍工兵隊の通訳として勤務を始めました。米軍工兵隊の通訳生活をしながら、米軍発注工事を兄 鄭周永に紹介して、これが現代建設が飛躍するきっかけとなりました。戦争が終わった1953年に現代建設に入社して副社長を務め、兄の事業を支えました。
1962年には、「天然資源のない国で重工業開発なしに経済発展を遂げることができない。」と、漢拏グループの母体となる現代洋行を設立し兄から独立し、同年、万度機械(漢拏グループ主力の事業会社 マンドの母体)を設立します。
鄭仁永(ジョンインヨウン)は、非常に人間関係を大事にしたそうで、取引先や社内外の多くと、直接関係がなくなった後も、長い間、手紙のやりとりを続けたそうです。
また、能力主義、実力主義の人だったらしく、入社5年目の人を周囲の反対を押し切って、常務に昇進させた話が逸話となっています。
1989年には、脳卒中で倒れた後、車椅子の生活となりましたが、1990年代には年間200日近く海外出張をぐらい仕事に熱心に取り組んでいたそうです。当時のマスコミでは「車椅子のブドオン(だるま)」と呼ばれていました。障害者に車いすを寄贈する社会貢献活動をしています。
1992年に日本の中央大学の客員教授として講義をした経験もあります。
その後、1997年に次男鄭夢元(チョン・モンウォン)に経営を譲ってから名誉会長となり、2006年7月にに死去しました。
とても優秀で人柄もよかったようで、日本でいうと豊臣秀吉の天下取りを助けた弟豊臣秀長的な存在でしょうか。
ただ、秀長は、秀吉より早くなくなりましたが、兄の鄭 周永(チョン・ジュヨン、1915年11月25日 – 2001年3月21日)より、鄭仁永(ジョンインヨウン)は長く生きて、現代グループ、韓国財界の長老的な存在となっていたようです。
【漢拏(ハンラ)グループの現会長(二代目)】
漢拏(ハンラ)グループの現在会長(経営トップ)は、創業者の次男である鄭夢元(チョン・モンウォン)です。
2014年8月のニュースで少し古いですが、鄭夢元(チョン・モンウォン)に関するニュースを紹介します。
創業半世紀の漢拏グループ、「百年の計」は電気自転車|韓国経済.com
鄭会長が1997年に漢拏グループの会長に就任した後、初めて開始した新事業が、海外で日の目を見はじめているという評価が出ている。鄭会長は、鄭周永(チョン・ジュヨン)故現代グループ創業主のすぐ下の弟である鄭仁永(チョン・インヨン)故漢拏グループ名誉会長の次男だ。万都(マンド)は09年、知識経済部の国策課題として、自転車向け電子制御装置(ECU)や発電機(オルタネーター)を開発した。これらの製品は10年、「ソウル国際バイクショー」で熱い反応が寄せられると、鄭会長は、事業化を推進した。
(中略)
厳しい時期を耐えてきた漢拏グループに、復活の動きが見えている。1997年、万都機械が不渡りを出し、00年、自動車部品事業(現在の万都)をJPモルガンに、キムチ冷蔵庫やエアコンなどの家電事業(現在のウィニア万都)を、UBSキャピタルに売却した。唯一に残った事業部門の建設部門も、世界的金融危機で打撃を受けた。
08年、万都を取り戻し、立ち直りの足がかりを作った。万都は今年、中国や中東事業を中心に、収益性が改善される見通しだ。
といった内容です。
電気自動車でなく、電気「自転車」に注力するというニュースですが、新技術を用いた新規事業に意欲的なことがわかります。
他にも、漢拏(ハンラ)グループ、鄭夢元(チョン・モンウォン)のニュースを紹介し、その実績など知ってもらいたいと思います。
韓国の30大財閥のリストを教えてください。 : 韓国おもしろQ&A - もっと! コリア (Motto! KOREA)
といった記事で、2012年韓国の30大財閥の企業数や総資産のランキングが紹介されていますすが、ちょうど、どちらも、30位とランクされており、大財閥というよりは、中堅財閥という規模の企業グループのようです。
[韓国100大CEO] 鄭夢元漢拏グループ会長…万都・漢拏の両グループで再建に成功 - もっと! コリア (Motto! KOREA)
漢拏グループは故チョン・イニョン名誉会長が1962年に設立された現代洋行が前身である。以後、自動車・部品・建設・流通・港湾・投資・教育・スポーツなど様々な分野に進出してきた。鄭夢元会長は1997年の通貨危機のときにグループ不渡りを発表したあと、強靭なリーダーシップでいち早くグループ再建に成功した人物として評価されている。
漢拏グループの成長を担保するのは主力系列会社である万都(マンド)だ。万都は昨年に市場の予想を超えるアーニングサプライズをプレゼントした。万都は、2016年連結基準の売上高の5兆8664億ウォン・営業利益3051億ウォン・純利益2106億ウォンを達成した。前年同期比でそれぞれ10.7%・14.85%・62.55%ずつ増加した数値だ。現代車と起亜車販売不振で国内の他の部品メーカーが不振な実績を出したのとは全く違う。万都の成長を支えたのは鄭夢元会長の果敢な研究開発(R&D)投資のおかげだ。鄭夢元会長は今年初め、「万都の売上高に対してR&D投資の割合を5.5%まで引き上げた。今後のR&D投資の割合を5%以上に維持する」と伝えた。一見すると高くなく見えるが、「売上高に対してR&D投資の割合は5%」は韓国の自動車業界で最も高い水準だ。自動車部品メーカーや現代モービスの売上高に対するR&D投資の割合は1.4%にとどまっている。
2017年の記事ですが、漢拏グループの中で、マンドが順調であり、その理由が研究開発(R&D)への投資があり、今後の成長の柱であることがわかります。
2017年11月7日の記事ですが、労組破壊専門CEOと呼ばれるなど、評判のよくない記事もありますが、それだけ、悪評がたつということは、オーナーシップ、リーダシップを発揮していることの裏返しだと思います。
漢拏グループが組織改編、第2の飛躍に向け - NNA ASIA・韓国・自動車・二輪車
大手自動車部品メーカー・万都を傘下に持つ韓国の漢拏グループが22日、新産業を推進するための新組織「WGキャンパス」を建設部門に新設し、組織改編を完了させたと発表した
自動運転トラックのスタートアップTuSimpleが約270億円調達へ | TechCrunch Japan
TuSimple(ツーシンプル)は、Sina、Nvidia、UPS、ティア1サプライヤーのMando Corporationが投資する自動運転トラックのスタートアップだ。同社は投資家からの新しい資金を求めて市場に戻る。この動きに詳しい複数の情報筋によると、同社は投資銀行のMorgan Stanley(モルガンスタンレー)を起用して2億5000万ドル(約270億円)を調達する。
といった上の二つの記事はいずれも2020年8月の記事ですが、漢拏グループや万度は自動運転のスタートアップ企業にも投資して、電動自動車や自動運転車への変化に向けた改革、投資も着実に実施しているようです。
【WCPへの出資について】
http:// https://www.news1.kr/articles/?4436465
といった2021年9月16日付の韓国語のニュースで、
漢拏グループホールディングスは二次電池分離膜の製造・販売の専門企業」WCP」に戦略的投資を実行したことが16日、明らかにした。投資額は1000億ウォンである。
今回の投資は、子会社ウィコ(100%)に出資することで推進し、投資額はノエンパートナーズ設立PEF(ネクストレベル第1号私募投資)持分90.74%に相当する。
今回の投資は、子会社ウィコ(100%)に出資することで推進し、投資額はノエンパートナーズ設立PEF(ネクストレベル第1号私募投資)持分90.74%に相当する。
WCPは、EV二次電池材料膜専門の生産企業である。高分子フィルムの製造方面独自技術を保有しており、生産面で世界1位「旭化成」よりも高い競争力を認められている。生産工場は、忠清北道忠州にある。2024年の量産を目指し、サムスンSDIと一緒に欧州の生産拠点を準備している。来年上半期企業公開(IPO)のために、年末までに上場予備審査を申請する計画である。市場では、公募興行を予想している。WCP独自技術競争力、グローバル展開性、二次電池産業成長性などを考慮すると、十分に可能だという評価だ。
一方、今回の投資を契機に漢拏グループホールディングス・WCP共同営業網の構築など、両社間の戦略的協力も続く見通しだ。
といった内容が報道されています。
世界1位のフォルクスワーゲングループ、世界4位のGMグループ、世界5位の現代自動車グループのTier1の有力サプライヤーである漢拏グループの出資をうけ、提携したことはダブルスコープの飛躍のきっかけとなる可能性が高いです。
出資を受けたということは利害関係が一致する関係になったわけです。単なる業務提携より強い協力関係が期待できます。今後、漢拏グループとの合弁による海外進出、漢拏グループを通した自動車メーカーへの販売なども期待できます。
Tier1は、ティアワンやティア1ともかきますが、メーカーに直接納入する一次サプライヤー(一次請負)のことを意味します。トヨタやホンダ、日産をはじめとする自動車メーカーに自社で製造・開発したものを直接メーカーへ納入する立場にある会社をTier1と呼びます。
自動車は高い安全性が求められ品質やそれを保証する企業の技術力、品質管理能力や財務体質なの信用力が重視されますから、自動車メーカーの審査が厳しく、Tier1になるのは相当、敷居が高いといわれます。
トヨタ自動車だと、Tier1は200社から300社程度ですが、Tier1以外のサプライヤー(下請、Tier2,Tier3)は、日本国内だけで3万社以上あるといわれます。
つまり、自動車の部品などのサプライヤーの100社の1社程度しか、Tier1になれないのですが、Tier1になると、Tier1同士や自動車会社から直接、生産、販売の動向や、新製品の技術や情報が取得できるので、責任が重い分、Tier1以外の会社と比べて、有利な取引ができると言われています。
また、現代自動車グループの弟分的な財閥の漢拏グループと提携したとういことは、現代自動車との取引において、営業上、技術上の観点で、有利な立場になる可能性になります。
既に、サムスン系のベンチャーキャピタルから投資を受けて、売上のほとんどをサムスンに依存するダブルスコープは、サムスンとの取引において有利な立場になっています。
もし、今回の提携で、サムスングループに加えて、漢拏グループはもちろん、現代自動車グループに対しても他の競合と比べて有利な立場になった可能性があります。サムスングループに加えて、現代自動車グループが、ダブル・スコープの味方になったかもしれません。
だとすると、韓国の四大財閥の上位2つの財閥グループの支援が期待でき、韓国リチウムイオンバッテリー業界のオセロで4つの角の2つをとったともいえるでしょう。
ダブル・スコープの競合となるSKグループに対して、セパレータの独自生産の計画を発表しダブルスコープの競合なるかもしれないLGグループに対して、漢拏グループのWCPへの出資は、ダブルスコープにとって『いい話』であることは確かなように思えます。
漢拏グループは、すぐにWCPの株を売ることはないでしょうから、WCPの安定株主として期待できます。漢拏グループの保有株のおかげで、WCPの上場後の需給も引き締まり、WCPの株価の高値が期待でき、この点は、W-SCOPEの今後の財務戦略に有利に働くかと思います。
【自動車のバッテリーが車体になる電気自動車の今後】
電気自動車にとって電池は、重要なことに異論はないですが、その重要性は動力源としてでなく、車体(ボディ)としての重要性も増しそうです。
マツダ新型EV「電池パックをがっちり守る」強度と剛性のボディー | 日経クロステック(xTECH)
このニュースは2021年5月のニュースですが、
電池パック「を」がっちり守る車体でなく、電池パック「が」がっちり守る車体をマツダが設計したというニュースです。マツダは、電池ケースをボディー骨格の一部として利用した電気自動車を販売しています。
どんな自動車のパーツもモジュールも、車体(ボディ)の中で利用されますので、電池が車体となった場合、その相性が重要となります。
Tier1と呼ばれる自動車サプライヤーにとって、バッテリーとの相性、もしくはバッテリーを自分の得意なパーツやモジュールに組み合わせる、もしくはバッテリーに代用させる発想、自社の製品をバッテリーの長寿命化、高性能化に役立たせるような発想が求められていきそうです。
例えば、自動車の塗料も、これから求められるのは、車体となった電池、電池パックと相性がいい塗料が求められそうです。
自動車や飛行機のボディを電池に変える――「二刀流」カーボンファイバーの可能性 - fabcross for エンジニア
未来のEVスーパースポーツカーはボディー自体に蓄電する! | EMIRA
といった記事の通り、2016年頃から、電池をボディ自体として利用する発想はありましたが、それが現実化しています。
といった記事をみると、BYDのブレードバッテリー、それを利用した電気自動車は、大型化したバッテリーを車体として利用することでバッテリーだけでなく、電気自動車の低価格化を実現しているようです。
ブレードバッテリーも車体として利用せれることも想定して開発されているようです。
BYDの開発したブレードバッテリーは、リン酸鉄リチウムイオン電池で、安全性が高く、ただ、従来のリチウム、コバルトを利用した電池より大型になりますが、安価に生産できる点が特徴です。鉄板のような構造ですから、今後、車体の一部としての活用も広がりそうです。
【本の紹介】
電気自動車への潮流がわかるような、自動車関係の本を2冊ほど紹介します。
以上
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銘柄 ダブル・スコープ6619 マツダ7261
以 上