W-SCOPEのWCP株式売却のプレスリリース(売却先 漢拏(ハンラ)グループやWCPの時価総額など)


W-SCOPEの韓国子会社W-SCOPE CHUNGJU PLANT CO., LTD.(以下、WCP)の株式譲渡のプレスリリースからわかる、その譲渡先や今後の展開、WCPの株式数、時価総額など紹介します。

 

▼目次

【WCP株式の一部売却

当社は、2021 年 9 月 9 日に開催した取締役会において、当社の連結子会社である W-SCOPE CHUNGJU PANT CO., LTD.(以下、「WCP」といいます。)の一部の株式を、KB Securities Co., Ltd.と Next Level Co., Ltd.に譲渡することを決議し、本日、譲渡する株式数が確定しました

ので、下記のとおりお知らせいたします。 

といったプレースリリースが、ダブルスコープから出されました。

【譲渡先、譲渡株数は

譲渡(売却)先、譲渡株数は、

合計 2,206,764 株 
内訳

・KB Securities CO., Ltd.:510,644 株

・Next Level Co., Ltd.:1,696,120 株

となっています。

 

譲渡(売却)先は、

KB Scurities Co., Ltd. という韓国の大手の証券会社(投資銀行)と

とNext Level Co., Ltd.  という漢拏(ハンラ)グループの株式投資会社です。

WCP株式譲渡の相手先など-IR開示資料より抜粋

WCP株式譲渡の相手先など-IR開示資料より抜粋

 

WCPの10%以上(約11%)株式を所有することとなったNext Level Co., Ltd.、Next Level Co., Ltd.が属する漢拏(ハンラ)グループに注目したいです。

 

漢拏グループは、鄭周永(現代グループ創業者)の弟 鄭仁永(ジョンインヨウン、1920年 5月6日〜2006年 7月20日)を創業した韓国の財閥企業グループです。

 

創業者が現代財閥 創業者の弟で、創業時の会社が、現代洋行という社名でもわかる通り、源流は現代自動車と同じく、現代財閥です。

主力の事業会社は、マンド(Mando Corporation・万都)という韓国の大手自動車部品企業です。マンドは、ブレーキ装置、ステアリング装置、懸架装置の生産、販売に加え、最近は先進運転支援システム(せんしんうんてんしえんシステム、英: Advanced driver-assistance systems、略称ADAS〔エイダス〕)にも注力しています。

売上高 約5.5兆ウォン(日本円で5000億円程度)の会社で、約1万2千人の従業員で、韓国54.10%、中国23.24%、米国15.85%、インド市場7.91%が主な販売市場です。

 

現代自動車は、Hyundai Mobis Co., Ltd.[現代モービス (株)]という自動車部品会社があり、マンドの販売先でもあると思いますが、マンドの競合する部分もありそうです。

ただ、マンドは、2002年07月    一部の事業を現代モービスに売却していますので、現代自動車現代モービスとは、良好な関係を築いているのではと察しています。

 

 

現代自動車については、上記のブログも参考にしてください。

 

おそらく資本提携だけでなく、具体的な事業提携も期待できると考えています。

 

【WCPの株数は

100%子会社であったWCPの譲渡前株数 14,479,600 株 (約1448万株) とありますので、これが発行済株式総数と考えて良さそうです。

 

にて

有価証券報告書
第1回 新株予約権発行による潜在株式 33293株 ノエンパートナーズの分
第2回 新株予約権発行による潜在株式 16212株
第3回 新株予約権発行による潜在株式  6369株
第4回 新株予約権発行による潜在株式  5790株
と潜在株式数(転換社債分の株式数)合計61664株 約6万株という数字は確認できましたが、分母になるWCPの発行済株式数はわかりませんでした。

といった記事を記載しましたが、分母になる今回のWCPの発行済株式数がわかりました。

 

 

【W-SCOPEの持株比率は

転換社債新株予約権)を考慮した株式数は、

発行済株式数 + 転換社債新株予約権

14,479,600 + 61,664 =14,541,264

となります。

転換社債新株予約権)の潜在株式数は全体の割合、比率(転換前でも、転換後でも0.4%程度の比率)から考えると意外なほど少ないものでした。

 

転換社債新株予約権)の潜在株式の割合が意外なほど少ないこと、WCPの発行済株式数が約144万株と未上場の会社としては意外なほど多く、以前のブログで紹介した記事の転換社債分の株式の比率から、有価証券報告書記載時から大幅な株式分割が実施された可能性が高いので、転換社債新株予約権)の潜在株式が、0.4%という比率(割合)はあり得ないようです。

 


WCPの転換社債の転換価格 1株当たり3,454,134ウォン は、
今回のディールのWCP株価 75,445ウォンの約45倍で、分割されたと考えるのが合理的なようです。

1株を50株に分割したと仮定すると、
14,479,600 + 61,664 ×50  =17,562,800
転換社債新株予約権)を考慮した株式数(潜在株式も加えた株式数)となります。
この場合、W-SCOPE持株比率は、今回の譲渡前で約82%、譲渡後で、約69%となります。

1株を100株に分割したと仮定すると、
14,479,600 + 61,664 ×100  =20,646,000
転換社債新株予約権)を考慮した株式数となります。

 

この場合、W-SCOPE持株比率は、今回の譲渡前で約70%、譲渡後で、約59%となります。
今回の譲渡で、持ち株比率は100%から85%に下がり、上場時に株式の追加売却は難しいかもしれませんが、上場後も、6割程度の株式保有は可能なようです。

 

【WCPの時価総額

譲渡金額:166,490,000,000 ウォン (約1664億ウォン)

譲渡株式数 2,206,764 数
ですから、1株当たり約 75,445ウォンの時価がWCPの株式にあると算定できそうです

時価総額は、発行済株式数 × 時価で、計算しますので

14,479,600 × 75,445ウォン =1兆924億ウォン

日本円(1円 0.095ウォン で換算)で、約1037億円の時価総額となります。

譲渡後でも、約85%(12,272,836の株式数)のWCP株式を保有するW-SCOPEの持分は、

約880億円で、『この880億円を考えると現状の株価、時価総額が安い』と考えるか、

『現状の株価、時価総額に反映されている』と考えるか、人によって意見は分かれそうですね。

ただ、『現状の株価、時価総額が高い』という人は少ないでしょうし、私は、2倍、3倍とすぐになるようなことはないけど、2割、3割ぐらいの上昇は期待できると考えています。

 

【本の紹介】

企業価値評価に関する本を紹介します。

 

 

株式投資でも企業評価の実務が学べる良本です。財務用語の専門知識の理解がない方だと難しく感じられれるようです。ただ、具体例も多く、文体も、口語体なので、読みやすいと評判です。

 

 

 

著者の企業価値評価(実践編)の基本パターンを一冊まるまる使用して解説した本で、。学生か、これから関連実務に携わる者が始めに読む本。企業価値評価の初学者向けに、前半でバリュエーションに必要なコーポレートファイナンス理論の基本を纏め、後半でモスフードサービスなどの事例を紹介しています。

 

以 上