「電気発見物語」を読んで ‐ 電流と電子の向きが逆の理由

『電気発見物語 見えないものが、どのように明らかになったか 』(ブルーバックス) | 藤村哲夫(著) 

を読みました。要点、所感、関連する話題など紹介したいと思います。

電流と電子の向きが逆の理由など紹介、考察しています。

 

 

 

■本を買ったきっかけ

のキャンペーンでこの本は知りました。
キャンペーン中だと、Kindle版:495円で購入可能でした。
かつ、198円分のポイントもついていたので、実質297円で大変お得でした。
現在、この本はキャンペーン対象外です。
 
コンピューター(半導体)・ネットワーク(有線・無線ともに)に
電気が基礎になっているが、電気ってそもそも何か、電気の歴史、電気の活用例とともに学べる本です。
 
①電流は電池の+極から-極へ流れる
②電子は電池の-極から+極へ移動する
という説明が中学校の教育などでもされています。
 
①の理由、経緯など詳しく知りたいと思って買ってみました。
電流は電気の流れで、電気は電子なのだから、電流は電子の流れのはずで、明らかに①と②は矛盾します。
この矛盾の歴史などを電気の研究の歴史とともに学べました。
 
 

■関連ブログ(書評について)

読んだ本は以下のような形にブログにて、読書録的、書評的な内容を紹介しています。

▼前回の書評のブログ

 

 

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■電気とは電子の放出(移動)

電気とは、原子から電子の放出(移動)です。

原子は、原子核と電子から構成されます。

電気は、電子の過剰な原子から電子が不足な原子に移動する状態といえます。

電池は、電子、電子が過剰な原子を陰イオンを蓄積するものです。

なお、電子が不足した原子を陽イオンといいます。(続)

電子が過剰な状態を陰イオン、マイナスイオンというのは違和感があります。

リア充な人を陰キャと呼ぶような感じです。

これについては、電子はマイナスの性質を有するから、電子が多い原子を陰イオン、マイナスイオンと呼ぶと説明されます。

 

「電子がマイナスの性質を有する」と言いましたが、実は、プラス・マイナスというのは、カミナリの正体が電気であると発見し、避雷針を開発したベンジャミン・フランクリンが便宜的に名付けた程度で、プラス・マイナスの語感・意義と電気のプラスとマイナスは関係はないようです。

ベンジャミン・フランクリンについて

(英語: Benjamin Franklin, 1706年1月17日- 1790年4月17日)は、アメリカ合衆国の政治家、外交官、著述家、物理学者、気象学者。

勤勉性、探究心の強さ、合理主義、社会活動への参加という18世紀における近代的人間像を象徴する人物。己を含めて権力の集中を嫌った人間性は、個人崇拝を敬遠するアメリカの国民性を超え、アメリカ合衆国建国の父の一人として讃えられています。『フランクリン自伝』はアメリカのロング・ベストセラーの一つです。

 

ja.wikipedia.org

 

 

ベンジャミン・フランクリンは、その証明のために、ガラスと樹脂(樹液を固体化したもの)を材料に静電気の実験をして、ガラスの方を正(プラス)の電気・負(マイナス)と便宜的に読んだだけのようです。

つまり、プラスとマイナスでなくAとBや甲と乙でもよかったことになります。

 

 

■電流の向きの逆に電子が流れる

電気は、電子の移動です。つまり、電流とは、電子の流れと言えます。

電子の流れが電流のはずなのに、どうして向きが逆なのか、多くの人が疑問に思います。
そういった疑問について、多くの人が調べています。

「電池 電流 向き 逆」で検索するとわかります。

電流と電子の流れの向き違いとは!なぜ逆方向になってしまった? | とはとは.net

上記のサイトは、「電池 電流 向き 逆」で検索して、私がわかりやすと思ったサイトを紹介します。

その他にも逆の理由はいろいろあるようなので興味を持った人は検索してみてください。

先ほど紹介のサイトでは、
フランクリンは電気の特徴を
①電気は1種類
②電気な流体
③その流体が過剰にあると+に帯電
④その流体が不足すると-に帯電
と提唱した旨の記載があります。

①を補足すると当時は電気は物質を引き付ける電気と反発させる電気と2種類あるという学説がありました。

 

■フランクリンを救いたい(フランクリンを擁護する)

フランクリンは、電気の種類は同じでも
+(-)同士の電気は反発し、+と-は引き付けるというプラスとマイナスの分類を提唱しました。


また、↓で紹介するYahoo知恵袋の記事のように、電気はプラスからマイナスと流れると間違い、勘違いをしたと言う人もいます。

 

電流の向きを決めた人は運が悪いですよね - 1/2を外したのですから - Yahoo!知恵袋

 

電子と電流が流れる向きって逆じゃないですか - 昔、教科書で最初に見つけた人... - Yahoo!知恵袋

 

 

フランクリンはどう、なぜ間違い、勘違いしたののでしょうか。

そんな疑問が生まれて、

『電気発見物語 見えないものが、どのように明らかになったか 』(ブルーバックス) | 藤村哲夫(著) 

を読みました。フランクリンの電気の研究も紹介されていました。

 

ただ、上記の本でいうと
フランクリンは電気はプラス(正極)からマイナス(負極)に流れるとは提唱していないようです。
フランクリンは、ガラスと樹脂の静電気も同じ電気で電気は一種類あるとことを証明しました。
フランクリンは、その証明のために、ガラスと樹脂(樹液を固体化したもの)を材料に静電気の実験をして、ガラスの方を正(プラス)の電気・負(マイナス)と便宜的に読んだだけのようです。つまり、プラスマイナスでなくABや甲乙でもよかったことになります。

 

プラス、マイナスの電気のフランクリンの実験は1750年です。
その後、電気の研究、実用化が進み、約150年後の1897年にフランクリンがいう電気の流体の正体がはわかります。

その正体は、電子です。原子は、原子核と電子から構成されます。

 

フランクリンはプラスからマイナスに電気は流れるとは言っていませんが、
その後の電気、電池の研究者が電子の発見までに、プラスからマイナスに流れるといことを前提(勘違い・決め付け)にして、その考えが普及したようです。

 

「電子はマイナスからプラスに流れる。電子はマイナスの性質である。」

電子はマイナスというのは、電流と向きに逆になるというこじつけ、辻褄合わせのように思います。

電流はプラスからマイナスに流れるという既成概念・常識に無理やり合わせようとした説明だったのでしょう。

 

■混乱する電流と電子の向き

 

電池における充電特性とは?【リチウムイオン電池の充電】

では

充電のイメージ

と充電は電子が正極・プラスから負極・マイナスに流れると説明します。

図のように電流と電子の流れが逆になる様子は、電気は電子、電流は電気の流れ、つまり、電子の流れとなるので、頭の中が混乱します。

 

スマホのバッテリーでも大活躍! 「リチウムイオン電池」の仕組みや長持ちさせる使い方を解説します - ITをもっと身近に。ソフトバンクニュース

 


電子の移動とは反対方向に電流が流れ、電気エネルギーが発生(=放電)します。
といった記事です。

電気の勉強をすると、電池の仕組みで、『?』と、混乱します。

 

 

 

 

■間違った内容は説明、理解が困難

①電流は電池の+極から-極へ流れる
②電子は電池の-極から+極へ移動する
という説明に多くの人が混乱します。

また、その理由を聞いてもわかりにくいです。
混乱、解りにくい理由は①の説明が間違っているからだと思います。

 

間違った内容は、いくら上手に丁寧に説明しても、いや、説明すれば説明するほど解りにくく、混乱します。
人に説明をしようとうまく説明できないときは、その内容が間違っている、または、説明を聞いて混乱するときはその内容が間違っている可能性が高いです。電流の向きの話もそんな一例かなと思います。

 

 

 

■改めて本の紹介

発明、発見の跡をたどれば、電気が分かる! 家には100Vの電気が来ていて、100Wの電球を1時間ともすと100Wh。30Aの契約で、月に400kWA使ってるけど、これって? 見えない電気がどうして発見され、どのようにその正体が明らかにされてきたか、歴史をたどれば、電気が何だかよく分かるようになる! (ブルーバックス・2002年4月刊)

 

内容(「BOOK」データベースより)
家には100Vの電気が来ていて、100Wの電球を1時間ともすと100Wh。30Aの契約で、月に400kWA使ってるけど、これって?見えない電気がどうして発見され、どのようにその正体が明らかにされてきたか、歴史をたどれば、電気が何だかよく分かるようになる。 --このテキストは、絶版本またはこのタイトルには設定されていない版型に関連付けられています。
著者について
■藤村哲夫(ふじむらてつお)
工学博士。1954年、東京大学工学部電気工学科卒業。同年、日本碍子(現・日本ガイシ)入社。設計部長、装置部長、超高圧研究所長などを歴任。1985年、同社専務取締役(研究開発・特許・情報システム所管)退任。1988年、中部大学教授。1998年より同大学客員教授。日本工学アカデミー会員。アメリカ電気電子学会ライフフェロー会員。日本電気工業会「発達賞」、電気学会「電気学術振興賞・進歩賞」ならびに「著作賞」、産業考古学会「功績賞」、小平浪平記念財団「小平賞」を受賞。

 

 

 

 

 

 

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読んで頂き、ありがとうございました。

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