景気ウォッチャー調査2020年10月報告(2020年11月10日発表)から-Go To Travel・Go to Eat・鬼滅の刃の効果あり-

 

 に続けて、 景気ウォッチャー調査2020年9月報告(2020年10月8日発表)の内容

景気ウォッチャー調査 - 内閣府

を紹介したいと思います。

 一部のマスコミから酷評されているGo To Travel・Go To Eatキャンペーンですが、現場ではその効果は認められていることがわかります。マスコミは国民の多様な声を反応して報道してほしいですね。

 

景気ウォッチャーの景気判断

景気ウォッチャーとは、地域の景気に関連の深い動きを観察できる立場にある人々のことで、内閣府が調査の協力を依頼されている人々です。

家計動向であれば、スーパーコンビニエンスストアなどの小売店や、タクシー運転手、レジャー業界など家計の景気に敏感な職種の人々の景気判断を調査します。

企業動向関連であれば、製造業、非製造業問わず幅広い業種の経営者、従業員の景気判断を調査します。

雇用関連であれば、人材派遣会社社員や求人広告、求人情報誌の担当者、職業安定所しや民間職業紹介機関の職員の景気判断を調査します。

そういった景気ウォッチャーの

◎良、○やや良、□不変、▲やや悪、×悪 といった判断とその理由が、公表されています。

景気ウォッチャー調査2020年9月報告から気になった景気判断を紹介します。

 

 2020年10月の現状判断からGo To Travelで観光業も復活か。

 先月のブログで、以下のように

「2020年10月以降の景気の先行きから観光業は急回復するかも。」と予想していましたが、景気ウォッチャー調査の現状分析から、その予想は外れてはないようです。

 

景気の現状判断DI_景気ウォッチャー調査2020年10月報告の抜粋

景気の現状判断DI_景気ウォッチャー調査2020年10月報告の抜粋

 

コロナ禍の不況で苦しんでいる人が多いといわれる中、「◎良」とする業界、職種は、よほど景気がいいのかなと思いますが、

観光業の経営者、従業員の景気の現状が明るくなっている強い実感が見られました。上の画像は、北関東地域、甲信越地域の家計動向調査の調査結果の抜粋ですが、他の地域の家計動向調査でも、

----------------------------------------

東北:

◎高級レストラン(スタッフ):来客数の動き ・レストラン部門ではランチの客数が前年比で9割の数字が出ている。だがディナーの客数は伸び悩んでい
る。
◎観光型ホテル(経営者):来客数の動き ・Go To Travelキャンペーン利用客が増えている。休前日は先々まで満室の状況であり、平日
の予約も増えてきている。
◎観光型旅館(スタッフ):販売量の動き ・県の宿泊割引キャンペーンとGo To Travelキャンペーンの併用が可能になり、個人の予約が
急激に増えている。また、ツアー募集団体の催行率が異常に高い。
◎観光名所(職員):販売量の動き ・土産店においては、地域共通クーポンの効果が非常に大きい。旅行中や使用期限内に使い切らなければならない感じでクーポンが使用されている。金額も大変大きく、売上に占める割合は40%を超えている。この
効果が大変大きく、売上も徐々に戻りつつある。

南関東

◎ 都市型ホテル(スタッフ):来客数の動き ・3か月前よりは良くなっているが、新型コロナウイルス以前にはまだ戻っていない。
◎旅行代理店(営業担当):販売量の動き ・10月からGo To Travelキャンペーンが本格稼働し、申込みが以前よりも増えている(東京都)。

沖縄:

◎観光型ホテル(マーケティング担当):Go To Travelキャンペーンの東京都除外の解除もあり、急激に客室稼働率が上がり、今月は
久しぶりに前年実績超えを果たしている。

----------------------------------------

といったように、◎良と景気判断が見られました。

 「風が吹けば桶屋が儲かる」のように旅行で、ヒトが動くと、幅広いモノやサービスの需要につながります。Go To Travelのバタフライ効果 (複雑なシステムにおいてひとつの場所での小さな変化が別の場所で大きな影響を持つ現象)で、観光業だけでなく幅広い関連業界の需要につながることが期待できそうです。

 

--------------------------

家計動向 東北 

◎ 一般小売店[書籍](経営者):・我々の業界は今某アニメの大ブームである。商品の調達がうまくいったので、全体の来客数や販売量も相当良くなっている。また、郷土作家の映画化作品も動いているために全体を押し上げている。

--------------------

といったコメントもあり、某アニメは

鬼滅の刃

のことだと思いますが、鬼滅の刃ブームもコロナ不況の脱却を後押ししちえるようです。ちなみにみ、郷土作家の映画化作品は何でしょうか。

  

鬼滅の刃 1 (ジャンプコミックスDIGITAL) 

 

2020年11月以降の景気の先行きからが外食業も急回復するかも。

景気の先行き判断DI_景気ウォッチャー調査2020年10月報告_抜粋

景気の先行き判断DI_景気ウォッチャー調査2020年10月報告_抜粋

 

先行き判断理由は、コロナ禍で売上減少があった外食の業種、職種の経営者、従業員の先行きに対する明るい見通しが目指しました。上の画像は、南関東地域(東京、埼玉、千葉、神奈川)の家計動向の景気判断の抜粋ですが、現状と同じく、コロナ禍の不況で苦しんでいる人が多いといわれる中、先行きを「◎良」としているということは急回復が見込める可能性が高いのかなと考えています。

他の地域の家計動向調査でも、以下のように外食といった業種、職種の明るい見通しが実感できます。

---------------------

雇用関連:東北 ◎人材派遣会社(社員) ・国の施策であるGo To TravelやEatキャンペーンが効果を上げている。飲食業の経営者に話を聞いて
も、客足がひどいときは前年の2~3割だったが、今は前年の8~9割くらい、特に休日や休日前にはかなり戻ってきているということである。建設業も建設の先送りは若干みられるものの、堅調で仕事はあるという状況である。いろいろな業界でも余り厳しい話や見通しが悪いという話は聞かない。

家計動向関連:北陸 ○高級レストラン(スタッフ):・Go To Eatキャンペーンが始まるので集客が増えるとみているが、1世帯1冊限定のプレミム付食事券の県内施策では大きな効果は期待できない。

---------------------

一部マスコミの批判があったGo To Eatも、景気浮揚など効果が、景気ウォッチャーといわれる現場の人の声から認められています。

 

『甲信越の家計動向  ◎その他サービス[葬祭業](経営者)
・ホームページを見てくれる件数も増えてきている。また、朝晩寒くなり気温の変化も大きくなっている。依頼に来る高齢者は、新聞広告の切り抜きを必ず持っているという状況なので、良くなる感じがしている。。』

といった声もあり、外出を控えていた高齢者の経済活動も復活している様子がわかります。

 

本の紹介

景気ウォッチャー調査は、投資や仕事で関係する分野に近い将来を示す情報として有益な情報かなと思います。景気ウォッチャー調査に関係する本を紹介しておきます。

 

毎月1回10分チェックで年20%らくらく儲かる 「景気ウォッチャー投資法」入門

 

“街かど景気”の経済学―

新観測システム「景気ウォッチャー調査」 (PHP新書)

 

初心者のための 経済指標の見方・読み方

 

No.1アナリストがいつも使っている投資指標の本当の見方 (日本経済新聞出版)

 

 

予測の達人が教える 経済指標の読み方 | 新家 義貴 |本 | 通販 | Amazon

 

以 上です。