ウルトラCの事業売却でオウケイウェイヴ社は復活できるのか。
半年前から注目しいてたオウケイウェイヴ社について
↑の 2020年11月3日のブログで、オウケイウェイブ社の業績回復、株価上昇の兆候が現れているというお話をしましたが、その後、株価は、年初来安値を更新するなど、さえない展開です。
↑のブログで、2020年12月のオウケイウェイヴ社の株価は底値で、①フィンテック事業のリストラが進んでいる、②FAQ製品、サービスの業績が堅調である。といったこの2点に注目し、当時の株価264円は底値の可能性が高いという記事を投稿しました。
ウルトラCの事業売却について
以前のブログで、オウケイウェイヴ社のFAQ製品、サービスの事業は株式市場から非常に低く評価されていると述べていました。
その後、このFAQ製品、サービスの事業を高く評価したのは株式市場でなく、同業他社ともいえるAI技術に強みを持つ株式会社PKSHA Technologyでした。
オウケイウェイヴ社の売上の約95%を占めるFAQ製品、サービスの事業ほとんどを 株式会社PKSHA Technologyが買収される発表がされました。
つまり、約30億円あれば、オウケイウェイヴ社の全ての事業を買収できるのに、その主力事業だけで71億円と評価され、実際に買う企業が現れたのです。
この発表がされたのは2021年5月13日ですが、
2021年5月14日の市場では前日比プラス7.64%と高騰していますが、それでも時価総額は35億円で、事業売却に伴う特別利益約60億円(オウケイウェイヴ社会社発表資料より)であることを考えると、まだ株価は非常に割安であるといえそうですが、果たして、割安といえるのでしょうか。
仮に、特別利益60億円のうち、税金を除いた6割の36億円程のキャッシュフロー(現預金収入)が見込めるとすると、ちょうどそのキャッシュフローの価値程度しか、オウケイウェイヴ社は価値がないと評価されており、主力事業売却後のオウケイウェイヴ社に将来性、収益性は全く評価されていないようです。
なお、オウケイウェイヴ社は今年度(2022年6月末期)6億円近い営業赤字を見込んでおり、こういった営業赤字や事業整理に伴う追加の特別損失を計上することを予想して、こういった赤字、損失と特別利益60億円を相殺することにより、税金分はもっと縮小すると思われます。
いずれにしろ、単年度の特別利益60億円の6割程度の企業価値しか評価されていないことには変わりません。
オウケイウェイヴ社は復活できるのか
事業(正確に売却事業を子会社化し、その子会社株式を売却)売却後の事業計画で、
オウケイウェイヴ社は、再来期(2023年7月から2024年6月)に営業利益9.7億円を見込んでいます。もし、株式市場がこの計画の確度が高いと判断すれば、2021年5月16日日時点で、日経平均株価は、来期PERで約15倍まで評価されていますから、
オウケイウェイヴ社について、再来期の予想ということでリスクが高いことから、PERを10倍程度で試算すると、営業利益の6割が純利益になるとみて、約6億円の10倍、時価総額60億円程度の評価はされると考えています。株価でいうと500円から600円程度の株価でしょうか。
確度が高いものかは、オウケイウェイヴの今後の業績でしか証明できませんが、
確度が低い、今の オウケイウェイヴの事業に価値はなく、特別売却のキャッシュだけに注目しても現在の株価ですから、事業売却の契約が履行されるのであれば、現在の株価から大幅に下がることはなさそうです。
以 上です。