W-SCOPEの2021年度3Q決算と今後の株価について(速報版)

 ▼目次

 

■はじめに

ダブル・スコープの 2021年12月度3Q決算と今後の株価について、考えたこと、気になった点を簡単にまとめてみました(速報版)。

 (四半期決算補足説明資料の入手方法)
四半期決算補足説明資料は2021年11月16日(火)に当社ウェブサイトに掲載予定です。

と記載があるので、四半期決算補足説明資料を読んで、また、解説、考察するブログを投稿しようと思います。そういう意味で速報版と考えてください。

 

 

 

■高い売上成長率を維持

SaaSビジネスの成長を見る上で、適切な売上成長率と営業利益率は「Rule of 40%」と呼ばれています。これは売上成長率と営業利益率を合算した数値が40%を超えれば優良であると考えるものです。

W-SCOPEについてみると、

3Q累計売上  で、2019年、2020年、2021年の売上は      
約88億円、約118億円(前年比約34%増収)、約203億円(前年比 約72%増収)と非常に高い増収率、売上成長率を持続しています。2年で売上高が2.3倍になっています。

かつ、前年度まで赤字でしたが、今年度は黒字を計上しており、3Q累計までの営業利益は約2%でしたので、売上成長率と営業利益率の合算値は、74%と優良と呼ばれる40%を大きく超えています。

 

もちろん、W-SCOPEとSass会社は違います。

ただ、Sass会社への投資のポイントと共通点もあります。その辺については、↓のブログを参考にしてください。

 

 

▼「Rule of 40%」について記事

3年で2.4倍の売上高 ラクスのSaaS最強決算(5/7 ページ) - ITmedia ビジネスオンライン

Q. 40%ルールを下回るSaaS企業が増加、大幅下落のラクスの決算が実は悪くない理由とは?(シバタナオキ) - 個人 - Yahoo!ニュース

赤字だけど優良なSaaS企業を「SaaSの40%ルール」でフィルタリングしてみる | アメリカ部

■営業利益率も注目

売上が対2Qで3Qは2021年度 2Q⇒ 3Qで約16%上昇したのに対して、売上原価は約4%しか上昇していません。

2021年度  2Q         3Q

売 上 :約66億円    約76億円

売上原価:約60億円 約62億円

販管費等:約9億円  約9億円

営業利益:▼約3億円 約5億円(営業利益率約6%)

 

崔社長が強調するように、セパレーター事業は限界利益率(固定費の比率)が高い事業のようで、今後売上が増えれば、それが利益に直結するでしょう。

ダブルスコープは、2016年12月末期は、売上約90億円、営業利益約24億円、約26%の営業利益率を計上しています。潜在的(最終的)にそれぐらい高い営業利益率を計上できる事業だと考えてもいいかもしれません。

2016年12月は、設立は2005年10月、上場は2011年12月ですから、設立から約11年、上場から約5年で経過しています。

営業利益が赤字になったのが、2018年12月ですから、直近の利益を度外視した積極的な投資を、『第2の創業』と考えれば、8年位(11年と5年の間)で、2025年12月期ぐらいには、20%程度の営業利益率は達成可能なのかもしれません。

『2025 年には、連結売上高で年間約7 億USD を想定しています。』といった事業計画

を考えると、20%の営業利益率で約1億4千万ドル、1ドル110円換算で、約154億円の営業利益になります。

 

▼「崔社長の限界利益率に関する発言」については↓のブログを参考にしてください。


■Lib Material Investment Fundへの出資

W-SCOPE KOREA CO.,LTDが300億ウォン(日本円約27億円)を
Lib Material Investment Fundという投資ファンドに出資しています。
出資の目的は、「キャピタルゲインを得るため。」と純投資のようですが、WCPへの出社が目的で、出資比率を50%以上にして、連結維持を意図しているようです。

▼2021年11月15日発表の2021年12月期第3四半期決算短信より

連結子会社について
当社連結子会社にはW-SCOPE CHUNGJU PLANT CO., LTD.(以下WCP)が含まれております。
当第3四半期連結会計期間末において、当社が所有するWCPに対する議決権割合は49.69%となっております。
なお、関連会社であるLIB Material Investment Fund 1が所有するWCPに対する議決権割合5.27%と合計した議決権割合は54.96%となっており、WCPの議決権の過半数を占めていることから、引き続きWCPを当社の連結の範囲に含めております。

 

 

▼2021年11月15日発表の2021年12月期第3四半期決算短信より

f:id:chanmabo:20211115203558p:plain

Lib Material Investment Fundへ300億ウォン出資

 

■継続疑義注記は外れず

残念ながら、継続疑義注記は外れませんでした。


財務制限条項に抵触していた長期借入金を全額返した結果、長期借入金に関わる財務制限条項に抵触している状態は解消しましたが、疑義注記の解消は単体での営業キャッシュフローの黒字化、WSKの営業黒字化が必要なようです。
継続疑義注記企業はいつ外れるかは不明ですが、連結で大きな黒字を計上できる来期には、グループ内の取引などで単体、WSKの利益、営業キャッシュフローの計上も可能だと思うので、来期中には、疑義注記解消も可能でしょう。

 

▼2021年11月15日発表の2021年12月期第3四半期決算短信より

f:id:chanmabo:20211115205049p:plain

継続疑義注記継続の説明

■株価の行方

 

 

以前、↑のブログで示した内容からあまり変化はないですが、この決算の内容なら、中間決算直後のような大きな下げはないように思えます。

あっても、本当に一時的で1日、2日ですぐに反発するように思えます。

 

 中間決算前後の終値の推移ですが、中間決算前8月12日(木) 813円 中間決算後 8月13日(金) 663円、8月16日(月) 631円、8月17日(火)652円と2割以上下落していましたが、8月18日(水)748円 と急回復して、わずか10日後の8月24日(火)814円と決算前の終値を上回りました。

 中間決算直後のような大きな下げはなく、下がっても850円付近だと思いますが、下がってもすぐに反発しそうな気がします。

 

 

 

 

 

 

■このブログの記事に興味を持った方へ

ダブル・スコープに興味を持った方が興味がありそうな本や株式投資で自分の投資成績を上げたい人のための本をいくつか紹介します。

 

 

 

 

 

 

 

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読んで頂き、ありがとうございました。

誤字脱字、乱文雑文、すいません。

 

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以 上です。