■はじめに
思うところがあって、さわかみファンドの積み立てをやめ、日本株(主にダブルスコープ)の投資を始めた経緯など紹介します。株式投資も経営も『分散より集中だ』が大事だという話です。
素人の小説のような話で、興味のない人がほとんどだと思います。
なお、ここで書かれている出来事、組織、人物などはすべて架空(フィクション)で、実在の存在とは一切関係がありません。
以下のブログの続きです。
▼目 次
- ■はじめに
- ■TOPIXと同程度だったさわかみファンド
- ■インデックスに勝てないさわかみファンド
- ■ラットレースから脱出するためには集中投資だ
- ■撤退と集中
- ■テキサス・インスツルメンツの成功事例
- ■集中している企業に投資しよう
- ■本の紹介
■TOPIXと同程度だったさわかみファンド
以前、
自己紹介やブログを始めた理由など - 令和の未来カエルのブログ
で
会社の先輩にすすめられて、ほぼ入社(2011年)以来、日本株に主に投資する投資信託に毎月5万円、賞与で10万円分を積み立てていた。手数料も安く、投資成績も悪くなかった。ただ、調べたら日経平均、TOPIXと成績がほとんど変わらないことを知り、物足りなさを感じた。
といった話をした。
『調べたら日経平均、TOPIXと成績がほとんど変わらないことを知り、物足りなさを感じた。』 ことについて、詳しく話したい。
さわかみファンドに積立でトータル10%程度の利益があって、ゼロ金利とよばれる中、高い利益だと思って満足していた。
ただ、少し、調べてみると、それは配当込みの日経平均、TOPIXの成績と変わらないことを知った。なお、さわかみファンドは配当をしていないので、配当込みの日経平均、TOPIXと比べるのが適当だ。
それは、さわかみファンド自体が認めている。
「さわかみファンド」 第21期 運用報告|長期投資だより-さわかみ投信のWEBマガジン-2020.10.15-
パフォーマンス分析では、銘柄選択ではプラスリターンではあったものの、アロケーション要因でのマイナスが大きくTOPIX配当込みに対して劣後してしまいました。
直近の年間運用報告書
2021年09月29日 第22期さわかみファンド 交付運用報告書・運用報告書(全体版)掲載のお知らせ
でも、
TOPIXの配当込み指数と平均の騰落率(5年間の各月末の騰落率の平均)は
さわかみファンド8.4 TOPIXの配当込み指数8.3とほとんど変わらないことを示している。
■インデックスに勝てないさわかみファンド
さわかみファンドに限らずアクティブファンドは、インデックスファンドに勝つことが難しいことは、古典と呼ばれる名著で証明されていることも知った。
古典と呼ばれる名著とは、
といった本だ。
アクティブファンドがインデックスファンドに勝てないのは、
●アクティブファンドも結局複数の銘柄に分散され、インデックスに近い性格になる。
●一定の現金比率もあるため、上昇時、インデックスファンドに勝てない。
●インデックスファンドより高い販売手数料、運用報酬のためアクティブファンドは投資元本が減る。
という、私にとっても、わかりやすく理解できる理由だった。
さかかみファンドはアクティブファンドにしては、販売手数料がなく、運用報酬も低いが、それでもインデックスファンドは販売手数料なく、さかかみファンドより運用報酬も低い。
インデックスファンドにしようと思ったが、仕事で身に着けた経理の知識を活用、向上させたいと個別の日本株投資を本格的に始めることになった。
■ラットレースから脱出するためには集中投資だ
2000年頃、ベストセラーになったという
という本を読んだ。
ラットレースとは、『金持ち父さん 貧乏父さん | ロバート キヨサキ著作 』で登場する言葉だ。サラリーマンが会社からもらう給料が増えたにもかかわらず、自分の使うお金も増えてしまったため、支払いに追われつづけるような状態だ。
ラットレースから抜け出すためには、給料を増やすだけでなく、収益を生み出す資産(賃貸不動産や株式)を持つビジネスマン、ビジネスオーナーになることが大事なこと、さらに金持ち父さんになるためには、分散投資でなく集中投資が大事だということを知った。
世界中の富を築いている、人は集中投資で成功した人だ。
によると世界長者番付
1位 イーロンマスクは、テスラに集中投資した。
2位 ジェフ・ベゾスは、アマゾンに集中投資した。
3位 ベルナール・アルノは、LVMH モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンに集中投資した。
日本長者番付 by Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)
の日本長者番付も同じだ。
1位 柳井 正は、ファーストリテイリングに集中投資した。
2位 滝崎 武光、キーエンスに集中投資した。
3位 孫 正義は、ソフトバンクグループに集中投資した。
世界も日本も、長者番付にランキングされる人ほとんどが自分の時間や資産を特定の事業、会社に集中投資した人たちだ。
もちろん、私はこのような長者になれる可能性はゼロだろう。
ただ、サラリーマンで、毎月、生活に困らない程度の給与はあり、資産運用にリスクをとって、株式投資で集中投資しようと思った。
よくわからない会社に安易に分散投資するより、自分自身でよく調べて自信がある銘柄に集中投資するほうがリスクも少ないと感じた。
■撤退と集中
2017年ぐらいから、
働き方改革関連法(2019年4月からの施行)の成立を視野にいれて、
時間外労働の抑制・休暇の積極的な取得の取り組み、いわゆる働き方改革が勤務先でも実施された。
失敗し、苦境にいる人にこそ優しくしろ。業績が悪い時こそ投資しよう。 - 令和の未来カエルのブログ
で紹介した杉山専務が働き方改革プロジェクトのトップだ。
働く時間を短くするということは、仕事の量を減らすことだ。
仕事の量を減らすには、具体的な何かをやめことだ。
私たちの会社も、不採算、利益率の低い製品、取引はやめていこう。
その代わり、利益率の高い製品、取引を増やして、生産性を高めていこう。
という提案が杉山専務からあった。
売上が少ない取引先は、別の会社(比較的小規模の商社)が私たちの会社の代理店になってもらい、商流を変えて、別の会社経由から販売することになった。
また、不採算、利益率の低い商品の代理店事業を中止することになった。
■テキサス・インスツルメンツの成功事例
そんな試みは、営業部門から、というより全社的に反対が強かった。
営業社員として、今まで関係を築いて文字通り得意先を失うことは、自分の得意な分野を奪われるような気持ちだった。
商社の場合、商圏が大事だから、自ら半導体メーカーの代理店の権利がなくなることは、会社の存亡にかかわる。
潜在的な恐怖心があり、不採算、利益率の低い商品でも、今まで積極的でなかった。
年間売上がゼロでも代理店権だけを持っていて、契約の管理やサポートなどでコストだけかかっている製品もあった。
杉山専務は、米国のテキサス・インスツルメンツの事例を説明して、撤退と集中が大事だと話をした。
テキサス・インスツルメンツでは、半導体業界などではTI(ティーアイ)と略されることがある。半導体集積回路を開発して量産化に初めて成功した名門企業で、20世紀に世界の半導体をリードした企業だ。
経営は選択と集中が大事だ。ただ、するべきは撤退と集中だ。
TI(テキサス・インスツルメンツ)は、主力の半導体以外に、石油探査機器が祖業で、防衛機器やコンピューター機器、センサー事業など多様な事業を持っていた。
別に経営危機でもなかったのに、1990年代に事業を半導体に集中した。
半導体も売上が一番大きいDRAMから撤退して、DSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)にだけ特化した。これが成功の理由だ。
こういうのが本当の選択と集中で、選択とは撤退することだ。それに比べて、日本の企業はと(この後、以前の勤務先の総合電機といわれる会社で、半導体事業がいかにして競争に敗れていったかという話をした)』
こういった話をして、売上高、売上・利益成長率や利益率を基準に、成長が見込めない不採算、利益率の低い取引、製品をいくつか中止した。
会社の売上、利益に大きな影響はなかった。
一時的に売上、利益は下がったが、逆に利益率の高い、もしくは今後成長が見込める優良な製品、顧客に時間がさけるようになり、売上、利益も改善したようだ。
また、時間外労働の削減、休暇の週かは目に見えて明らかになった。
月10時間程度は平均で時間外労働が減り、休暇の取得率も20%程度上がったと聞いた。
▼米国のテキサス・インスツルメンツの事例についての記事
野村資本市場研究所|選択と集中により利益率を向上させる米国ITハードウェア業界
テキサス・インスツルメンツはなぜ強いのか 【 京都大学特別講義から】|【NVIC】農林中金バリューインベストメンツ|note
▼米国のテキサスインスツルメンツの事例の書籍
このブログで何度か取り上げた
の中でも、
日本の企業のなかには,『選択と集中』と言いながら,選択も集中もできていない会社が多くあります。
アメリカ企業のリストラといえば,人員削減や拠点閉鎖などもありますが,まずは,製品の絞り込みです.TIもそうですし、インテルもそうです。
本当の『選択と集中』とは,(日本企業のような)子会社化したり関連会社の数を減らしたりすることではなく,自分たちが将来,必要としない事業を,できるだけ高い値段で他社に売り,その資金を使ってコア事業をよりいっそう強化することです。
といった一節がある。
著者の坂本氏は、大学卒業後、日本テキサス・インスツルメンツ(TI)に入社し、副社長まで務めた。
TIの経営者がエルピーダの坂本社長に、「複数の事業や製品で経営することがいかにストレスフルで困難か、撤退して、特定の事業、製品に集中することが、いかにストレスがなく、簡単か」と話をする場面もある。
■集中している企業に投資しよう
金持ち父さんやテキサス・インスツルメンツの話を聞いて、
私は、
自分自身でよく調べて自信がある企業に集中投資しよう。
その企業は得意の製品、事業に特化、集中している企業にしよう。
その企業の競合が多くの事業を抱えたコングロマリットの大企業、一部門で事業をしている場合、その企業が競争優位にたてるだろう。
と考えた。
そんな経緯もあって、
● 過剰設備などによる業績低迷で徹底的に売り込まれている。
● 高い技術を持ち、将来の需要が強まれば評価される。
企業で、
● 得意の事業・製品に特化、集中している企業
● そして競合が、多くの事業を抱えてコングロマリットの大企業
という企業に投資しようと思った。
■本の紹介
このブログを読んだ方(ブログの中で紹介し本も含む)が興味を持ちそうな本をいくつか紹介します。
さわかみ投信の創業者の澤上 篤人さんは、以前から需要に対して供給が不足して、モノの価値がが上がるインフレの時代を予見していました。
そういった意味では先見の明がある方かなという印象です。
読んで頂き、ありがとうございました。
誤字脱字、乱文雑文、すいません。
素人が趣味で書いているブログですので、その点、情報の正確性などご容赦ください。
以 上です。