フライングゲット 僕は一足先に君の株 今すぐ手に入れようか

 

『KeyHolder株をフライングゲットした秋元康氏のその後』や『KeyHolder株は買いか』を解説しているブログ記事です。関連銘柄:4712,8508,6176

 

 

 

KeyHolder株をフライングゲットした秋元康氏のその後

フライングゲット」(Flying Get)は、日本の女性アイドルグループ・AKB48のヒット曲ですが、作詞家は、AKB48の総合プロデューサーの秋元康氏です。


フライングゲット 僕は一足先に君の気持ち 今すぐ手に入れようか

といった一説がありますが、


フライングゲット 僕は一足先に君の株 今すぐ手に入れようか

といった替え歌ができるかもしれません。

フライングゲットとは、商品を発売日より早く入手する行為を指すようで、競技における「フライングスタート(飛び出しスタート)」になぞらえて表現しているようです。

現在、SKE48、乃木坂46物販等エンタメ、広告、映像制作事業を行うジャスダック上場のKeyHolder(銘柄コード4712)という会社は、秋元康氏が12.7%の第2位の大株主となっています。

秋元康氏は、ご存じの方も多いかと思いますが、AKB48の総合プロデューサー、美空ひばりの遺作となった「川の流れのように」の作詞を担当した作詞家、放送作家としても著名な方です。

KeyHolderの大株主に至った経緯は、秋元氏は、新株予約権 約2500万株分、これを1株当たり125円で行使して、約31億円出資が必要だからです。


行使といっても、契約上、行使価格の半分62円以下まで下がった場合強制行使することになったおり、強制行使せざる得ない株価まで下がったからです。

 

詳しい経緯は、

秋元康氏、新型コロナウイルスで31億円の出資を余儀なくされる - M&A Online

KeyHolder、新株予約権の強制行使の実施を発表 | オタク産業通信 :ゲーム、マンガ、アニメ、ノベルの業界ニュース

といった記事を参考にしてください。

 

秋元康さん株でとんだ大損、株価62円のKeyHolder(SKE48運営)を125円で高額自腹買い取り義務をフライングゲット

といった記事の通り、強制行使が決まった頃は、嘲笑されるようにからかうような人もいましたが、今後、秋元康氏の投資は成功するでしょうか。

その後、2020年8月を株式を10株を1株に併合しているので、秋元氏の取得株価、1250円になる計算ですが、
2020年8月には1444円まで株価は上昇して、一時含み益は発生していますが、
その後は株価は低迷気味で、2021年8月13日の終値で849円(約10億円の含み損)の状態です。

 

KeyHolderは終わった:誰のためかはわからないグローバルリーダー養成講座(仮) -

といった記事で、

そしてKeyHolder本体の話をさせてもらうと、この会社これで終わったよな。というのも秋元康が今回の件で30億円分の株を購入しないといけなくなったんだけど、その期日が2028年までと長く、しかもその間にKeyHolderが倒産すると支払い義務を免れることになっている。

だから秋元康としては仕事で手を抜いてKeyHolderを破産に持っていくのが、自分の身を守る現実的な方策なわけだ。一方社員や大株主である藤沢信義としては会社が倒産すると困る立場にあるので、働かない秋元康との間で醜い争いが繰り広げられるのはほぼ確実な情勢だ。これから組織は大混乱するに違いない。

 といった推測もされていますが、2020年4月以降も特別顧問として事業に今まで通り関与しているようです。


割当日から本新株予約権の行使期間の終期に至るまでの間(2018年7月24日~2028年7月23日)に株価終値が一度でも行使価額に50%を乗じた価額を下回った場合、新株予約権者は、残存するすべての本新株予約権を行使価額で行使期間の満期日までに行使しなければならないという契約だったので、秋元康氏は、2028年7月まで行使を先延ばしすることもできるようで、現時点で行使したという情報もないのですが、破産させて行使を免れるようなことは考えておらず、今まで通り、事業に関与して、業績を向上させて、株価の上昇させることを考えているように思えます。


今後のKeyHolderの事業、株価次第では、プロデューサー、作詞家、放送作家だけでなく、事業家、経営者、投資家としても天才と認められるかもしれませんが、いかがでしょうか。

 

 


KeyHolder株は買いか

 

KeyHolderの株価指標をみると、PER、PBRも以下の通り、割高とは呼べない水準です。

 

▼予想PER  株価849.0円 (2021年8月13日終値

    予想1株当り利益とPER

会社予想    57.7円 14.7倍

四季報予想   92.3円 9.2倍

予想1株当り利益は、2021年12月期の業績予想の数字です。

 

▼実績PBR 株価849.0円 (2021年8月13日終値

1株当り純資産 883.3円 0.96倍

株価 1株当り純資産は、2021年3月1Q決算の数字です。

 

SKE48事業買収の真相 | ひかり総合法律事務所

業績も坂道を上る! 乃木坂銘柄「KeyHolder」を買う(慶応義塾大学 八田潤一郎さん)【企業分析バトル】: J-CAST 会社ウォッチ【全文表示】

といった記事を見ると、業態転換して今後V字回復の兆候も見えるように思えます。


株主優待もあり、『バックステージツアーご招待 LIVE配信時のご観覧や出演者と記念撮影』などユニークなもので、今後、一部のアイドルファンから人気を集めそうです。


ただ、コンプライアンスリスクといった意味で、KeyHolderの親会社Jトラスト、その社長の藤澤信義氏も含めてリスクの多い会社かと思われるようなニュースもいくつかあます。そういったニュースは、改めて別の記事で紹介したいと思います。

 ▼別の記事にしました。

 

ちなみに、秋元康氏は、広告収入が主体の電子雑誌事業のブランジスタ東証マザーズ6176)発行済株式の0.5%程度の株式を持ち、四季報の大株主の欄に名前が登場しています。秋元康氏の興味あるの方は、そちらの株を検討されてもいいかもしれません。

 

関連書籍の紹介

 秋元康氏の著作を4つほど紹介します。

 

 

 

 

 

 

以上

 

在庫はどこへ消えた-W-SCOPE 2021年12月度中間決算の解説(速報版)

 ダブル・スコープの 2021年12月度中間決算の解説(速報版)です。

一言でいうと、『悲観するような数字ではない、総悲観なら買いかも』という状況です。


で示唆した通り、8月12日の中間決算発表は多くの人の期待を裏切る結果となったようです。株式投資でも、人間関係でも仕事でも、普段の生活でも、過度に『期待しない』って大事なことですね。

 

チーズはどこへ消えた? (扶桑社BOOKS) はネズミが本能のままチーズを探すのように、ビジネスマンもチーズ(課題解決、幸福実現)を探すことだ大事で、そのために必要な何かを解いた本ですが、ダブル・スコープの中間決算を見ると、『在庫はどこへ消えた』という本が出せるかも知れません。

 

中間決算の決算短信によると

(決算補足説明資料及び決算説明会内容の入手方法)
当社は、2021年8月13日(金)に機関投資家・アナリスト向けの説明会を開催する予定です。この説明会の動画及び当日使用する決算説明資料は、開催後速やかに当社ウェブサイトに掲載する予定です

といった記載があるので、詳しい解説はこの内容を受けてからもしたいと思いますが、8月13日(金)での取引も気になる方もいると思うので、速報版として中間決算の解説をします。

 

 

中間決算の内容

2021年8月12日(木)にダブル・スコープが2021年12月度中間(2Q 第2四半期)決算を発表しました。

2021年12月度中間決算の概要--()は会社予想

売上高 127億(125億)

営業利益  △1億(15億)

経常利益  △6億(3億)

---1億未満は、1千万の桁で四捨五入して1億円単位にしています。

といった数字です。売上は会社予想を超えましたが、営業利益、経常利益は大きく会社予想を下回り、目標未達という状態です。市場(証券会社のアナリストや機関投資家の運用担当者)の予想は、会社予想より強気だったと思いますので、中間決算においては、市場の期待を裏切ったものになりました。

 市場の予想という意味では、四季報の数字は会社予想と同じでしたが、SBI証券のアナリスト予想は、通期では会社予想を超える売上、利益を予想していましたし、中間決算も10億円を超える数字になるかが期待されるといったレポートを出していたので、発表された数字だけを見ると、失望を買うような決算のようです。

 

赤字の原因

営業利益が、予想より下回った原因はなぜでしょうか。

 

赤字の原因が、一過性の短期的なもので解決できるものか、もしくは解決が難しい長期的な課題、構造的な要因によるものかの分析が大事です。

赤字の原因は決算短信で説明されています。

 

2021年2Q決算短信 1.当四半期決算に関する定性的情報の(1)経営成績に関する説明から抜粋
在庫変動の影響による売上原価の増加が1,676百万円、販売管理費のうち運送費の増加が246百万円などとなっております。

 

2021年2Q決算短信 (4)四半期連結財務諸表に関する注記事項(継続企業の前提に関する注記)から抜粋
当社グループはこのような事象又は状況(補足:継続企業疑義注記となっている状況)を解消すべく、顧客との長期供給量の合意に基づくハイエンド車載用電池向け等の出荷拡大により売上高を拡大しましたが、第1四半期連結会計期間に比較して在庫評価損、運送費、貸倒引当金繰入額等の費用が増加した結果、当第2四半期連結累計期間は107百万円の営業損失となりました。

 

運送費の増加が246百万円という部分は、売上も増えているので、どの程度が、昨今の海運市況の高騰を受けているかわかりません。

1Qの決算短信にも『輸送船舶確保のため運送費が前年同期比132百万円増加したこと』といった記載もあるので多少は影響を受けていると思いますが、

海運は典型的な市況産業であり、かつ、一時的なものでなければ、いずれは価格に転嫁されるでしょう。運送費の上昇は、競合他社も等しく同じような状況で、解決が難しい長期的な課題、構造的な要因とはいえなさそうです。むしろ、運送費の上昇は、主要な顧客が韓国内にあり製造拠点も同じ韓国内のダブル・スコープに有利に働くかもしれません。

問題は、『在庫変動の影響による売上原価の増加が1,676百万円』です。

 

 

在庫はどこへ消えた

 上期(中間)の営業利益の会社予想額 15億円で、実績の営業赤字は1億円ですが、

『在庫変動の影響による売上原価の増加が1,676百万円』、つまり約17億円の売上原価の増加がなければ達成できた数字です。

 

「会計では、売上原価と在庫はセットで考えます。在庫は要注意事項です」~経営者目線で考える中小企業の決算書の読み方・活かし方⑤  |  井上寧税理士事務所

といった解説を参照して頂きたいですが、この解説の

売上原価 = ①期首在庫 +②当期仕入高 -③期末在庫

の②当期仕入高は、ダブル・スコープのような製造業の場合、製造費用(仕入となる材料費、労務費:製造部門の人件費、外注費、減価償却費など経費を含む)と考えて、

売上原価 = ①期首在庫 +②製造費用 -③期末在庫

 といった算式を理解してください。

 

売上 - 売上原価 から売上総利益が計算され、そこから販売管理費を引いたものが営業利益です。つまり、売上原価が低ければ、それだけ利益が増えます。

売上原価は、期末の在庫の金額を引くので、期末の在庫が多ければそれだけ売上原価が減り、営業利益が増えます。

 

『ダブルスコープは、売上原価が17億円も上がったので、営業利益の目標15億が達成できなかった。これがなかったら、赤字額は1億円なので、プラス17億円で、16億円となり、15億円の営業利益の目標は達成できた。営業利益の目標が達成できたら、経常利益の目標も達成できた。』

 

ということです。

具体的な数字を出すと、

2021年12月度中間決算の在庫、製造費用、売上原価は、以下のような状況です。

期首在庫 43億円 売上原価 114億円
製造費用 121億円 期末在庫 50億円
合計 164億円 合計 164億円

もし、期末在庫が予想ではプラス17億円の67億円あったはずだけど、実際に棚卸しをしたら、50億円分しかなかったということです。

もし期末在庫が67億円であれば、以下の表にように売上原価も114億円から17億円下がり、97億円になり、営業利益は17億円増えたのです。

期首在庫 43億円 売上原価 97億円
製造費用 121億円 期末在庫 67億円
合計 164億円 合計 164億円

 

それでは17億円もの在庫、期末在庫はどこへ消えたのか、原因をさぐっていきたいと思います。

 

在庫が消えた原因

① そもそも製造量が少なかった。⇒ これは関係ない。

この理由は営業赤字になった理由には該当しません。なぜなら、製造量が少なければ、製造費用も減るわけですから、売上原価も減ります。ですから、製造量が少なく、期末在庫が少ないのであれば、利益面では中立で、赤字、営業利益が大きく減った理由にはりません。

② 販売量(売上)が多かった ⇒ これも関係ない。

販売が増えて在庫が減ったのでしょうか。この理由は営業赤字になった理由には該当しません。なぜなら、販売量(売上)が多かったならば、期末在庫が減り、売上原価も増えますが、売上も増えるので、利益面ではプラス要因で、マイナス要因となりませんから、赤字、営業利益が大きく減った理由にはりません。

③  盗難・紛失 ⇒ これも関係ない。

売店などでは、いわゆる万引きなど在庫が減る原因ですが、転売など難しい商品で、一般の生活でも利用できない商品なんで、盗難で在庫が減ったなんてないでしょうw。

紛失も、運送や保管の過程で、従業員の不注意による紛失したということも商品の特性上なさそうです。 

④ 品質劣化・破損・陳腐化 ⇒ 関係あるけど、一時的か、構造的かわからない。

1Qの決算短信に、

一部の製品在庫に関して296百万円の評価損失を計上し

とあります。

推測ですが、セパレーターは顧客の仕様毎に規格(単価、添加剤、性能、重さ、薄さ、耐熱性、強度など)が異なるようですが、特定の顧客仕様に製造したものが販売できる見込みがなくなったた可能性が高いと思っています。顧客側の問題か(顧客の発注内容の変更か)、ダブルスコープ側の問題(製品の品質の問題か)かはわかりませんが、いずれにしても、一時的なものか、構造的かものかは私には判断できません。

 

⑤ 試作品の製造 ⇒ 関係あるけど、一時的なもので、むしろ前向きなもの。

新製品のサンプル生産や、新製品の量産開始時期に量産品質確認生産の試作品が費用面で圧迫しているようです。

決算短信の連結業績予想などの将来予測情報に関する説明より抜粋

費用面では引き続き車載用途新製品のサンプル生産や、新製品の量産開始時期に量産品質確認生産などに伴う費用の発生は見込まれますが、

 

試作品は、売上原価に含まない研究開発費に計上されることもありますが、いずれにしても利益のマイナス要因です。

https://hyodo-ao.net/difference(兵頭税務会計事務所の解説)には

 1. 新製品の試作品の設計・製作および実験のための費用は、発生年度の研究開発費として費用処理することになっている(実務指針2)
 2. 製品を量産化するための試作に要した費用は、「研究開発費」とならないため、原則として、製造原価に算入される(実務指針26)

といった記載があります。

 

ダブルスコープの場合、量産開始前の試作品も多いようなので、製造原価、売上原価に反映される部分も多いようです。

つまり、製造しても、販売目的でない試作品、在庫とならない試作品が多く、在庫が増えなかったということです。これは、新規顧客、新規取引の獲得や新製造ラインの立上げに必須なもので、いずれも将来の売上、利益につながるものですから、一時的なものと考えて、むしろ、前向きに考えてよさそうです。

⑥ 量産の遅延 ⇒ 大いに関係ある。一時的な問題で時間が解決するか。

一番大きな理由は、量産化の遅延、つまり、思ったより、商品として売れるモノが作れなかったということです。⑤の試作品の製造とも関係しますが、試作品の製造は計画的なものですが、量産の遅延は計画的なものというより、原材料、製造設備、製造工程、品質管理など何らかの問題で発生したのでしょうか。

つまり、自社、顧客の要求基準が高いせいか、それに見合う品質、機能を実現するセパレーターが製造するのに苦戦しているようです。

 

2021年2Q決算短信  経営成績に関する説明

製造の状況に関しては、W-SCOPE CHUNGJU PLANT CO., LTD.(以下、WCP)において4本の既存ラインが順調に量産稼働を続けると同時に累計14,15号ラインの据え付けが完了し、製品試作を経て新ラインからの量産出荷開始を待つ状況となっておりますが、その開始に若干の遅れが出たことからW-SCOPE KOREA CO., LTD.(以下、WSK)で製造する車載案件向け商品のWCP新設ラインへの生産移管が進まず、グループ全体での生産最適化に数カ月の遅れが出ております。さらにWSKでは2023年後半に量産開始を予定する車載用途モデル等の量産ラインでの実験が続き、期中生産数量が期初計画比で減少しております。

 

2021年2Q決算短信 連結業績予想などの将来予測情報に関する説明より抜粋
当社グループの主力事業であるリチウムイオン二次電池向けセパレータ事業は、主要顧客向け車載電池用及び民生ハイエンド電池用途でのセパレータの需要伸びが続く中、増産体制の確立と生産性最適化への取り組みを推進しており、WCPにおいて新しい製造ライン2本の据え付けを完了しました。第3四半期連結会計期間以降にはWCP新ラインからの量産出荷を開始しWSKの一部の主力ラインで生産品目の切り替えを実施し生産性の高い製品の量産を開始する見通しとなっており、生産・販売量を大きく増やす予定にしております。

 

上記のような説明を見ると、既に15本の製造ラインの中で、量産化できていないのは、新設した2本のみです。既存の13本のラインが解決できているのであれば、新設した2本もダブルスコープの見込み通り解決できる可能性が高いでしょう。たとえ、遅れたとしても、今期中(2021年12月末あまで)に量産化されるのでしょう。通期の会社予想を変更していない点を考えれば、その見込みには、今はまだ自信があると推測できます。

 

むしろ、製造ライン1つに20億円以上かかり、製造ラインができても、量産化まで時間、コストがかかるということは、競合他社より、早い段階で積極的な投資をしているダブル・スコープに有利に働くかもしれません。

ただ、他社はうまくできているのにダブル・スコープができていないのも知れません。もしかしたら、ダブル・スコープ固有の構造的な問題かもしれません。セパレーターの専業で歴史も浅く、他の総合化学の大手企業と比べ製造ノウハウが不足していて、量産化がダブル・スコープが不得意な分野、そのタイミングが一番、苦戦する時なのかもしれません。

 

通期の会社予想

通期の会社予想は、売上280億   営業黒字 35億 経常利益10億は、据え置きです。

 上期(中間)で15億の営業利益の予想が1億円の赤字です。単純に未確定の要素があるから据え置きしているだけで、現時点で下げるのがほぼ確定しているのかもしれませんが、下期だけで、上期目標未達分(16億円)をカバーするだけの36億円の営業利益は難しいと思うのですが、もし自信が多少あるから据え置いているということは、下期は、相当な期待ができるかもしれません。

 上期は6月末で、下期はすでに7月が終わっています。7月の数字から、そういった自信があるとしたら、その自信は信頼性がありそうです。

 繰り返しますが、『悲観するような数字ではない、総悲観なら買いかも』という状況です。

 

 

株価の行方

 おそらく710円(2021年4月には、マッコリ―銀行を引受先に公募増資した金額、4月7日の終値株価 750円から5.33%ディスカウントした価格)を超えての下落は一時的で、710円程度で下値を固めて、その後は、2021年11月の3Qの発表を受け、2021年年末ぐらいには、800円ぐらいまでの株価には戻る思っています。

 

 

予想株価800円の根拠は上記のブログも参考にしてください。

 

通期の業績予想と実績が大きく変わらない、業績予想を見直し、利益が落ちても、それが将来の売上、利益拡大につながる要因だった場合を前提にしています。

 

速報版と言っても結構な分量になってしまいました。誤字脱字などあると思いますが、機会をみて、修正しています。

関連本の紹介

 

 

 

 

 

 

 

 

以上です。

ダブル・スコープの業績予想は信頼できないし、8月12日(木)の中間決算発表は期待しない

  

 に続けて、ダブル・スコープ(W-SCOPE)に関するブログです。

 

ダブル・スコープの業績予想は信頼できないし(事実)、8月12日(木)の中間決算発表は期待しない(予想)という話です。
ダブルスコープや崔元根社長を評価するブログ記事が多かったのですが、今回は、厳しめな話、悪い話の紹介です。株価は短期的に加熱気味に上昇しており、そろそろ調整局面に入っていい頃と思われ、中間発表が調整のきっかけになる可能性もあると思います。

 

ダブル・スコープの業績予想は信頼できない

 

 残念な話ですが、ダブル・スコープの業績は、会社予想より、最近4年間は実績が下回っています。

以下は、2014年12月期以降の売上・営業利益の期初の会社予想と実績(決算)です。

------------売上・営業利益 会社予想  ⇒ 実績

2014年12月期 40億・  1億 ⇒ 45億・3億

2015年12月期 60億・  6億 ⇒ 75億・19億

2016年12月期 100億・21億 ⇒ 90億円・23億

2017年12月期 120億・24億 ⇒96億円・3億

2018年12月期 140億・7億 ⇒87億円・△33億

2019年12月期 175億・8億 ⇒131億円・△32億

2020年12月期 200億・20億 ⇒180億円・△3億

2021年12月期 280億・35億 ⇒ ? 

△は赤字。1億円以下は、千万円の桁で四捨五入

------------------------------------
2015年12月期までは売上、営業利益とも期初の会社予想を大きく上回る実績を決算で示しましていましたが、2016年12月期は営業利益が期初の会社予想を上回りたが、売上は会社予想に届きませんでした。2017年12月期から2020年12月期までは3期連続で、会社予想、営業利益ともに会社予想を大きく下回っています。
2016年5月に3775円の高値を付けて、それ以降は、2020年4月の262円まで下がました。そこから、徐々に上がっていますが、高値のまだ25%程度の水準です。
2016年5月は、会社予想を決算が売上、利益とも上回る会社とされていた時期ですが、そういった投資家からの信頼、期待が、高い株価に反映していたのでしょう。
しかし、その後、投資家からの信頼、期待を裏切り、今のような株価が低迷する事態になっています。
EV用市場への参入、そのための新規顧客獲得のためのサンプル品の出荷、発火事故対策の安全品質の向上、新型コロナウイルスの問題などいろいろな理由があったかと思いますが、会社予想は必達できる数字、余裕で達成できる数字といった保守的な予想を立てることが多いのですが、ダブル・スコープは保守的でないのか、そもそも見積が甘いのか、その両方なのかは不明ですが、改善する余地が大いにありそうです。


正直、ここまで下方修正が多いと、ダブル・スコープの業績予想、計画は信頼できないと思われて仕方がなく、そういった業績予想、計画から見積もれれる企業価値も大幅にディスカウントされても仕方がありません。実際に継続企業の疑義注記企業となり、いつ倒産してもおかしくてない会社と公認会計士からもお墨付きがもらっていますので、大幅にディスカウントされてしかるべきだと思いますが。


ただ、ダブル・スコープを擁護すると、単年度の売上、営業利益の決算で評価するとういことが、売上が毎年30%以上も成長している期間は難しいと思っています。前年同期比、または前期比で、売上が10%以上伸びて、赤字が減っているかといった指標、その会社の売上は急成長して、赤字(特にキャッシュフローの赤字)は減っているよということが確認できるぐらいの数字で評価してもいいかなと思っており、そういった観点から、急成長企業として、株価を評価できるという意味(PER30倍以上の評価はできる企業といった意味)で、合格点を与えらえる業績だと思っています。

 

8月12日の上期の中間決算発表は期待できるか

2021年8月12日(木)15:00 ダブル・スコープは、上期中間(1Qと2Qで上期分)決算発表を予定しています。

新規車載への供給拡大、SDI向け出荷拡大の確認できるような売上の数字であること、上期営業利益は、最低、10億円を超える数字であることが、800円近い株価(2021年8月6日終値797円)から、1000円台に向かう株価情報には、求められると思います。

 

2020年12月期決算説明資料より2021年12月期のポイント

2020年12月期決算説明資料より2021年12月期のポイント 

 


↑は今期の業績予想ですが、売上の目標は、上期で125億円ですが、この数字は、ほぼ1Qの実績60億円を2倍にした数字であり、達成可能と思われます。
おそらく、プラス10億円ぐらいの135億円を超えるような数字になれば、新規車載への供給拡大、SDI向け出荷拡大の確認できるような売上の数字といえるかもしれません。

 

営業利益は、上期で15億円ですが、1Qの数字が1.6億円といった数字※で、2Qのハードルが上がっているため、上期の目標達成は、厳しいかもしれません。

SBI証券のアナリスト予想で、1Q(1-3 月期)営業損益で7億円の黒字を予想していましたので、市場の予想より、1Q決算は悪かったようです。

 

最近、原材料費、運送費の上昇が話題になっていますが、ダブル・スコープのそういったコスト増を販売価格に転嫁しているのかが注目されますが、『年間280億円の売り上げ計画の内90%超が長期供給契約に基づく』という資料にある通り、販売価格も長期供給契約で、ある程度固定されている可能性があるので、ダブル・スコープにとっては苦しい決算になる可能性もあると予想されます。

とうことで、上期決算はあまり期待しないほうがいいかもしれません。

 

で初めてダブルスコープを紹介したときは、2021年6月18日の終値は608円でしたが、その時から 6週間程度で、30%程度上昇しています。マザーズ市場、TOPIX市場、日経平均などはいずれも横ばい、下がり気味であることを考えると、急上昇しており、そろそろ調整局面に入っていい頃と思われます。中間発表が調整のきっかけになる可能性が高いと思います。

 

最近、短期的(日足ベース)には株価は過熱気味を示すチャート、テクニカル指標もあるので、中間決算後に、一時的に下落した株価を安値で拾う戦略、そのためにキャッシュ温存しておく戦略の方が有効かもしれません。

少なくとも、買い急ぐ時期、ここで勝負するという時期でないように思えます。

 

リチウムイオン電池の関連本の紹介

 

▲「世界で今、リチウムイオン電池バブルが起きている。
スマホやノートPCのバッテリー、電気自動車やドローン搭載など、その市場規模は推定2兆円。旭化成で15年をかけて実用化にこぎつけた開発者にしか語れない裏話とは。
今、世界でもっとも注目されている第一人者による一冊!」といった紹介がされている本です。

ノーベル賞受賞者の吉野彰さんの苦労話や研究エピソードが豊富で楽しく読める本のようです。また、リチウムイオン電池の原理、仕組みを改めて確認します。どんな技術が重宝され、淘汰されるのかのイメージが湧くと思います。

 

▲(概要)電池の基本解説から、リチウムイオン電池を含む二次電池の特徴、全固体電池など次世代電池についてわかりやすく解説します。
(こんな方におすすめ)・基本から現段階での最先端技術まで
二次電池の知識全般についてきちんと整理しておきたい人。今後の二次電池の技術動向について知りたい人。といった本のようです。
 
以上です。

 

 

『死の病を乗り越えた人生や夢』について、W-SCOPE 崔社長が語る- 崔社長と松下幸之助・稲盛和夫・孫正義・スティーブ・ジョブズとの共通点

ダブル・スコープ 崔社長が『死の病を乗り越えた人生や夢』について語った内容の紹介です。

また、死の病の乗り越えて成功した松下幸之助稲盛和夫孫正義スティーブ・ジョブズのエピソードも紹介します。

 

崔社長が、ここで上げた経営者のように、売上が1兆円を超えるような企業の経営者となり、歴史に残るような経営者となるかはわかりません。

ただ、その候補であることは確かだと思います。

 

 
 の記事に続けて、

[2017年10月18日撮影]ダブル・スコープ(株)(6619) 野村IR合同 個人投資家セミナー - YouTube

にて、ダブル・スコープの崔 元根 (チェ ウォングン)社長が登壇した個人投資家セミナーでの話を紹介します。このブログで、2017年10月18日の個人投資家セミナー(説明会)の紹介は最後になります。

 

▼目次

 

崔 元根 (チェ ウォングン)社長の説明は櫻井英明氏の質問に答えるような形で進められています。 
これから記載する内容は、動画の内容(崔社長の発言)の文字起こしというより、一部は要約もしており、一部表現を伝わりやすいように修正しています。

 

櫻井英明氏:1980年明治大学卒。日興証券での機関投資家の運用トレーダー、「株式新聞Weekly編集長」などを経て、2008年7月からストックウェザー「兜町カタリスト」編集長。櫻井英明の株式透視論2019 など株式投資に関係する著書も多い。


余命3カ月で神様にお願いしたこと


櫻井氏:経営はどうですか、感動するのが経営か(45分位後)。
崔氏:私は社長室で座って仕事はしない。毎日、研究所や生産チームでサインが必要な書類があれば、今はソフトで行うが、私が移動する、社長室に呼ぶのでなく、私が現場にいく。

実は私は、30年前、白血病で医者から寿命が3カ月しかないとと診断を受けた人間である。

あの時期は結婚した当時で倒れて新婚旅行もできなかった。

神様にお願いした。もう一度人生をくださいと。人類のために何かやる。とお願いした。

今は2回目の人生である。


会社の売上、業績には凸凹がある。重要なことは、何がダメで何をやっていいか、価値観は何か、全社員、次の社長、次世代のために、文化をつくっている途中である。

 

櫻井氏:夢、野望、志は何か(47分位後)

 

崔氏:幸せな会社をつくること、100年、1000年続く会社をつくること夢、VISIONであるが、個人的には、私が亡くなったときに、
私の一緒に仕事した人が、私に協力してくれた人が、
自分が亡くなった後、自分を面白い人だった、気持ちよく仕事できた人と、

語られることがが目標である。

 

櫻井氏:デジタルの時代に御社はのっている、重要な部分をにっなっていることがわかった。


最後になるが、株を買うときのおまじないがヒミツがある。

 

ヒミツの
ひは、ひつようのひ、必要か。その会社は必要か。社会に必要とされている製品、事業か。
みは、みらいのみ、未来に対する目標が明確化
つ:つよいのつ、強い技術があるか、強い経営者がいる。

 

であるが、ダブルスコープはひみつのおまじまいに合格している。
崔氏:ありがとうございます。

 

死の病を乗り越えた経営者

 

ここからは、私の解説、感想です。

崔社長のように死の病と言われる重病を乗り越えた経営者、そういった病気が転機となった経営者のエピソードと伝記などを紹介します。

崔社長が、ここで上げた経営者のような歴史に残るような経営者となるかはわかりませんが、その候補であることは確かだと思います。

 

松下 幸之助

松下電器(現パナソニック)の創業者 松下 幸之助は、自分の体が弱いことが成功の一つの要因になったという話をしています。自分が働けないとき、体調が悪く休みが必要な時があり、人に頼まざるえなかった、多くの人に働いてもらい、成功につながったという話です。

 
 松下幸之助は、8人兄弟の三男末っ子に生まれた幸之助は、そのときすでに父母はもちろん兄姉5人を亡くしていましたが、そのほとんどが結核によるものだったと言われます。松下幸之助の家族が特別というわでけで、当時は日本の死因で死因の一位になる年もあるぐらい国民病と言われた病気で、死を覚悟しなければならない、かつ、伝染する恐れもあり、忌み嫌われた病気でした。

医者から「あんた、故郷に帰りなさい。故郷に帰って少なくとも3カ月じっくり養生しなさい。そうしたら治る可能性があるから」と言われてもも、当時の幸之助は帰るにも帰る故郷がありませんでした。その上、まだ健康保険もない時代、日給制のため休めば給料がもらえません。しかたなく幸之助は薬を飲みながら3日行っては1日休み、1週間行っては2日休むといったような状態で勤務を続けました。
 その後、全快というわけにはいかず、22歳で独立した後も第二次大戦の終戦を迎える昭和20年、50歳くらいまでは寝たり起きたり、養生をしつつ経営に当たってきました。幸之助は、人に頼む、人に仕事をしてもらうことにつながり、それがまたよかったと言うのです。

 

 

 

 

稲盛 和夫

京セラやDDI(KDDIの前身)の創業者 稲盛 和夫氏は、少年期に結核になり、隣家の女性から『生命の實相』を読むように勧められ、読んでみたところ、「われわれの心の内にそれを引き寄せる磁石があって、周囲から剣でもピストルでも災難でも病気でも失業でも引き寄せるのであります」とのくだりに衝撃を受け、人生の転機となったそうです。

 

 には
---------
 最初の挫折体験は中学受験の失敗でした。ついで、その直後に結核に侵されました。当時、結核は不治の病であり、さらに私の家系は叔父二人、叔母一人をともに結核で亡くすという″結核家系″でした。
「オレも血を吐いて、もうじき死ぬのか」 ―― まだ幼い私は打ちのめされ、微熱の続くだるい体を持て余し、はかない気持ちにさいなまれながらも、病の床に伏せる他に方途はありませんでした。
 そのときに、隣の家のおばさんが不偶に思ったのでしょう、これでも読んでみなさいと、「生長の家」の創始者である谷口雅春さんの『生命の実相』という本を貸してくれました。
(中略)
「われわれの心のうちには災難を引き寄せる磁石がある。病気になったのは病気を引き寄せる弱い心をもっているからだ」
 というくだりを見いだして、その言葉にくぎづけになりました。谷口さんは「心の様相」という言葉を使って、人生で出合う事柄はみんな自分の心が引き寄せたものである。病気もその例外ではない。すべては心の様相が現実にそのまま投影するのだということを説いておられました。
(中略)
 なるほど心の様相が現実そのものなのだと、少年の私は谷口さんの言葉を痛感し、自らの振る舞いを反省もして、それからはなるべくよいことを思おうと誓いもしました。しかしそこは衆生凡人の悲しさで、心のありようはなかなか改まらず、それからもまだ、紆余曲折の人生が続くことになりました。…
-----------

といった一節があります。

 

 

孫 正義

 ソフトバンクグループ創業者 孫 正義氏も、27歳の頃、ちょうど、崔氏が白血病と診断され、余命5年と宣告を受けたことがあります。

その時、病床で、『何のための人生か、何のための会社か。』か自問自答し、誰もの笑顔で喜んでもらえるような人生を送ろうと決意しました。

 

 

 また、病床で『少し体を休め、たくさんの本をじっくり読んで考えてみよ』と、神様が与えてくださった貴重な時間、試練の場だと思うより、たくさんの本を読んだそうです。


その中の1冊、「竜馬がゆく」を読むのは、このときが二度目でした。私のアメリカ行きを決意させてくれた15歳のときです。今回病床の身で違った角度から読み返すと、改めて教えられたこたがありました

龍馬はあれほどの仕事をしたのに、31歳そこそこで命を落としている。自分もあと5年で31歳。その残りの時間を、5年しかないと考えるか、あと5年もあると考えるか。龍馬のやったことを思えば、その間、何でもいっぱいできるじゃないか。そう思ったら、何を俺はくよくよしているんだ、俺はバカではないのか、そんな小さな器でいいのか、と自分で自分が恥ずかしくなったそうです。

 

スティーブ・ジョブズ

 ジョブズの死因となったすい臓がんに2003年になっています。

 

ジョブスは若い頃に、

「今日が最後の日であるかのように毎日を過ごすということ– 間違いなく、それがいつかは正しいと思うでしょう。」 という文が強く印象に残りました。

 

そしてそれ以来、毎朝鏡を見て自分に尋ねていたようです。「もし今日が私の人生最後の日であったら、今日やろうと思っている事をあなたはしたいと思いますか?」そして、「いいえ」という答えがあまりにも何日も続いた時は、何かを変える必要があると考えたそうです。

 

 自分の最期、死期を意識して、「もし今日が私の人生最後の日であったら、今日やろうと思っている事をあなたはしたいと思いますか?」という気持ちで人生をおくるようになったのかもしれません。

 

 2007年にiPhoneの発売など、Appleの快進撃が続き、2009年に「CEOとしての職務が継続できなくなったら話すと言っていたが、残念ながらその日が来てしまった」として、取締役会に辞表を提出してCEOを辞任、後任にティム・クックを推挙し、ジョブズの意向通りにクックが後継に就任した。


 ジョブズがCEOを退任する2009年8月には、Apple時価総額エクソンモービルを抜き、世界最大の企業となっています。その後、2011年にジョブズは亡くなっていますが、その後も、アップルは世界一の時価総額企業として発展しています。

 

 

共通点は

 松下幸之助稲盛和夫孫正義スティーブ・ジョブズとの共通点 は、何でしょうか。

 

 ある程度の成功で、多くの人は満足します。少なくとも、私は、売上数百億円の会社をつくったら、それで満足してしまうような人間です。

 

 しかし、そこで満足せず、さらに会社、事業を発展させようとするためには強い意思が必要で、その強い意思は、金銭的な利益など現生的な利益でなく、神に与えられたような使命感、宗教的な使命感に支えれるのかもしれません。

 

 自分の死や最期を意識すると、そういった宗教的な使命感を得ることが多いのではないのでしょうか。それが会社、事業を発展させる強い意思につながったのではと思っています。

 

  崔 元根社長のダブル・スコープは、すでに売上300億円近いの会社ですが、崔氏はそれに満足せずに、会社、事業を発展させる強い意思を持つ経営者に思えます。

 

 
銘柄メモ ダブル・スコープ,旭化成,東レ
6619,3407,3407

タグメモ ダブル・スコープ,ダブルスコープ,W-SCOPE,Wスコープ,崔元根,崔社長,離職率,メンベレンフィルム,セパレーター,W-SCOPE,松下幸之助,稲盛和夫,孫正義,スティーブ・ジョブズ

『W-SCOPEの日本的経営の強み』について 崔社長が語る(奇跡的に低い離職率に注目したい)

ダブル・スコープの 崔社長が『日本的経営の強み』について語った内容とともに、ダブル・スコープの非常に低い離職率や人材戦略についての紹介です。

地味な内容ですが、崔社長の経営哲学、人材戦略が信頼できるかという点で、W-SCOPEへの株式投資を研究している方などの参考になれば幸いです。
株式投資は企業への投資、長期間の将来にわたて継続的な利益が生み出せる価値の高い企業か、その企業が市場から不当な評価で割安に放置されているか、この二つの条件が大事だと思いますが、ダブルスコープはこの二つの条件を一致しているように思えます。 
  

 の記事に続けて、

[2017年10月18日撮影]ダブル・スコープ(株)(6619) 野村IR合同 個人投資家セミナー - YouTube

にて、ダブル・スコープの崔 元根 (チェ ウォングン)社長が登壇した個人投資家セミナーでの話を紹介します。

▼目次

 

崔 元根 (チェ ウォングン)社長の説明は櫻井英明氏の質問に答えるような形で進められています。 
これから記載する内容は、動画の内容(崔社長の発言)の文字起こしというより、一部は要約もしており、一部表現を伝わりやすいように修正しています。

 

櫻井英明氏:1980年明治大学卒。日興証券での機関投資家の運用トレーダー、「株式新聞Weekly編集長」などを経て、2008年7月からストックウェザー「兜町カタリスト」編集長。櫻井英明の株式透視論2019 など株式投資に関係する著書も多い。


日本的経営の強みや低い離職率について

櫻井氏:社長、日本の企業という話があった。100年、400年の歴史の会社もあれば、直近、戦後に出てきた会社がある。日本はどちらかというアメリカ式の経営になってきたが、日本のこれまでの経営はどう考えるのか(38分位後)

崔氏:まず、私が日本での初めての出張は27年前、サムソン半導体に勤務しているときであった。初めてみるときの日本企業の雰囲気は、家族だった、個人でなかった。
今日のお客様は私より大先輩の方もいますが、30年前、40年前の日本の会社はどうしでしたか。家族じゃないですか。同僚の困ることあれば、家族のことのようにわかった。

今は個人主義、あなたはあなた、わたしはわたし、社長は社長、課長は課長、社員は社員。アメリカ式の個人主義になっている。

 

なぜ、日本の伝統的な真面目に家族的に一緒に仕事する雰囲気がなくなったのか。
ダブルスコープは、日本の昔のよさ(古い日本的経営の良さ)をとりいれいている。

ダブルスコープも目標は大きな会社でない幸せな会社だ。同僚が困ったことがあったら家族のように助ける。

 

今の日本は、バラバラでアメリカ式だが、日本の伝統的な家族的な雰囲気、一緒に仕事をしていくという雰囲気がなくなった。ダブルスコープの目的は大きな会社でない。社員が、仕事してハッピーな会社になることである。

ダブルスコープの社員が1年間で退職する率(離職率)は0.7%で非常に低い。

 

今日のお客様の中では定年まで勤めた方もいると思いますが、人生で一番長く過ごす場所が会社、40年以上務める場所である。人生の大半は会社で勤めるのにな、なぜなぜ社員バラバラで個人主義でいいのか。


ダブルスコープも目標は大きな会社でない。社長と社員はフラットです。
自分はゴルフも酒もやらないが、社員と一緒に幸せな会社になること目標です。

未来の目標は、ハードウェア的な目標は、いい製品をつくることだが、
ソフトウェアの目標は、100年以上の長い歴史も持つ、あたたかい幸せな会社をつくりたい、今の先輩が経験したようないい会社をつくることが目標だ。


櫻井:日本的経営を手放からして、日本経済は不毛なったような気がするからもどしたほうがいいかということか(41分位後)

崔氏:ハードウェアの重要な部材は、日本、韓国が強い。
金融、ソフトは、欧米が強いが、モノづくり会社になれば、世界で勝てる。

日本人、韓国人にはものづくりのDNAがあると思う。伝統的に。世界でNO1になれる。

アメリカ式もいいものがある。中国が2位になるまで、日本が2位だった、日本が世界2位まで成長したのは、なぜか。個人主義でもなく、アメリカ式の経営ではない。

私がサムソンがはいったときは、社長はもちろんいるが、社員がオーナーシップを持ち、私が社長だと思って働いいた。社員もオーナーシップを持っていた。今の先輩もそうだったと思う。


今の日本の会社はどうか。
オーナーがいない会社が、任期が2、3年の社長は安全に経営すればいいと思ってチャレンジしない。変化、チャレンジをしない。
変化、チャレンジを、昔の日本の会社がしてきたように、私はしたい。


櫻井氏:チャレンジしたいということか(44分位後)。

崔氏:日本でも成功してチャレンジした会社で成功した会社は、ユニクロ日本電産ソフトバンクなどたくさんある。リーダーになった会社はすべてチャレンジしている。

そういった会社は、システムはアメリカ式かもしれないが、内部にはいると日本式ですよ。

櫻井氏、制度、システムはアメリカ式だが心は日本である。

崔氏:そう、ソフトウェアは日本だ。

 

低い離職率

ここからは、私の解説、感想です。

ダブル・スコープの離職率0.7%という数字に注目したいです。

離職率が高いと、採用・教育コストの増大やノウハウ・人間関係などの無形資産の流出など、企業に多くのデメリットがあります。

セパレーターのような高度の技術ノウハウが必要であろう製品であれば、
まだ言語化されていない、他人に引き継ぐことができないであろう暗黙知と呼ばれるノウハウが積み重なって、他社と差別化できる技術となると思われます。

 

また、顧客ごとに製品仕様や発注要件も異なることから、顧客との人間関係も含めて、顧客のことを熟知した社員も必要でしょう。

 

日々の開発、製造、営業の経験、その経験によって裏打ちされたノウハウ、人間関係が喪失されるのは、非常に大きな損害で、その意味で、低い離職率、本当に低いか別にして、社長が離職率が低いことを大事に思っていることは非常に信頼できる経営者と感じました。

 

日本と韓国の離職率について

離職率の算出方法は「1年間の離職者数÷年度初めの従業員数×100」で計算できます。
例えば、年度初めの従業員数が100名で、1年間の離職者数が20名の場合、「20÷100×100=20」と計算できるため、離職率は20%と算出されます。

 
厚生労働省が平成30年度に発表した「平成30年雇用動向調査結果の概況」を見ると、平成30年の離職率は全体で14.6%であることが分かります。
就業形態別には、一般労働者の離職率11.3%に対し、パートタイム労働者は23.6%と離職率が高い傾向にあります。
なお、平成30年雇用動向調査結果の概況によると日本の製造業の離職率は、9.4%です。

 

「大手企業でも45歳定年」韓国の悲惨な転職地獄 (1/2)

勤続年数「1年未満」労働者の割合は、日本8%、韓国31.5%
一方、勤続年数はどうか。日本は10年以上が4割を超えており、勤続年数が長い傾向にある。日本以外で4割を超えるのはイタリア、フランス、ベルギーであり、ドイツ、オランダ、オーストリアも含めてヨーロッパ諸国は長い傾向にある。

これは平均勤続年数の推移を見ても明らかだ。

1992年から2013年の日本の平均勤続年数は12年前後で安定しているが、イタリア、フランス、ドイツは2000年初頭から長期勤続化が進み、2013年には日本と変わらない勤続年数になっている(OECD・Stats2014)。

極端に違うのがアメリカだ。勤続年数1年未満の割合が22.6%と高く、勤続10年以上の割合が28.9%と諸外国に比べて低い。さらに勤続20年以上になると、日本が22.1%もいるのに対し、アメリカは10.3%にすぎない。まさにアメリカが転職社会であることを裏付けている。

しかし、それ以上に驚くのが韓国の勤続年数だ。

1年未満が31.5%、10年以上が21.1%。明らかにアメリカの上をいく「転職社会」なのだ。

といった記事を見ると、韓国より、日本の離職率は高いようです。

韓国の大卒新入社員4人に1人、1年以内に離職 | Joongang Ilbo | 中央日報

大卒新入社員の4人に1人は入社1年以内に離職していることが明らかになった。韓国経営者総協会は、全国の企業306社を対象に実施した調査を通じて、大卒新入社員の1年以内の離職率が27.7%に達することを6日、公表した。離職率は2014年(25.2%)に比べて2.5%ポイント増加した。

といった記事をみても、ダブルスコープの異常とまでいえる0.7%という離職率の低さがわかります。もしかしたら、7%と間違えたのかもしれませんが、7%でも低いと言える離職率です。

 

人員も急成長の会社で0.7%の低い離職率は奇跡的な数字

ダブル・スコープは、設立以来事業の成長とともに、社員数も大幅増やしています。

▼人員数の推移(いずれも年末の数字)----------
2016年   ⇒2017年    ⇒2018年  ⇒2019年   ⇒  2020年
383(94・32%)⇒502(119・31%)⇒618(116・23%)⇒1046(428・69%)⇒1092(46・4%)
()内の数字は前年から増えた人員数と増加率
----------


毎年、期初に比べて、総人員数の30%以上の人員を増やしていた会社です。
10人のうち3人は、入社1年以内の社員といった会社であり、勤続年数が低い人ほど一般的に離職率も高いので、おそらく7%でも低い離職率と誇れるような数字なのに、0.7%という離職率は異常に低い数値、奇跡的な数値です。
崔社長の離職率の定義は一般と違うかもしれませんが、
崔社長が社員の定着、離職防止に力を入れている確かで、それが離職率という数字で表れているのでしょう。。

急成長している会社は、人員の新陳代謝が激しく、採用者も多くても、退職者も多いという事情があり、かつ、採用者が増えても、その教育など追いつかず、ブラック企業的な長時間労働が横行することが多いといわれます。
ダブルスコープは、そういった状況にはなっていなさそうです。

離職率が低い理由はいろいろあるだろうが、休暇がとれ報酬も高い、仕事もやりがいのあるホワイト企業として、韓国内では、人気の企業なのかもしれません。

 

なお、1名で1000万円円程度の人件費や福利厚生費などの固定費が発生するのであれば、500名採用すれば、40億円のコスト増である。それでいて、過去1番の悪い数字でった2019年の営業赤字が32億円程度で、2018年、2019年に500名以上採用していることを考えると、人件費の負担も大きかったと思われます。


ダブルスコープのここ3年の赤字は、設備投資や人員増に伴う赤字で、それをしないだけで黒字化は可能だったと推察されます。そういう意味で何もせずに現状維持で、赤字から黒字にすることが可能だったようで、赤字ということに過度の心配は不要な会社と思われます。心配するときは、前年比で20%以上の売上成長が止まり、それでも赤字か、5%も超えないような低い営業利益率の場合(社員に対して、好待遇な条件も維持すること難しい場合)と思われます。

日経ビジネスの取材記事(2017年7月12日付)より

EV時代の知られざる勝者:日経ビジネス電子版

ダブル・スコープはフィルム製造や生産設備の専門家など、他社からの引き抜きも含めて36人の「宝」ともいえる人材を抱える。新ラインの設備は彼らのノウハウを基に約2カ月かけて調整する。設備メーカーに任せないのは「生産技術は設備メーカーから他社に漏れるから」(崔社長)だ。

この10年、中国勢とずっと戦って勝ってきました。半導体のような装置産業になったら負けるのではないかとの声もありますが、今まで勝ってきたのに急に負けることはありません。セパレーター工場は人件費の比率が低く、生産コストはどこで作ってもほぼ同じ。負けるわけがありませんよ。(崔社長談) 

 といった記事を読むと、
人材投資、人材確保、低賃金に頼らない、社員へ好待遇が維持できる経営に注力しているように感じます。

 

有価証券報告書(2020年12月期 )より

有価証券報告書(2020年12月期)の
経営方針、経営環境、対処すべきっ課題の一番最初に、

① 人材確保および社員教育
当社グループは、リチウムイオン電池セパレーター製造技術における幅広い専門知識と経験を有する優秀な技術者を育成することが、中長期的な視点に立った当社グループ戦略のために必要不可欠と考えております。中途採用による即戦力の確保だけでなく、海外も含めた新卒者の採用にも積極的に取り組んでおります。今後は研修制度の確立及びOJTによる教育制度の強化並びにストックオプション制度等をはじめとするインセンティブ制度の充実による社員のモチベーションの維持、向上に取り組んでまいります。

といった記載もあります。

人材確保および社員教育を、最重要、最優先の課題と、ダブルスコープは考えているようで、幅広い専門知識と経験を有する優秀な技術者が必要なチウムイオン電池セパレーター業界ではそれは間違っていないようです。

日本の半導体産業のように幅広い専門知識と経験を有する優秀な技術者が、中国、韓国企業に転職して、中国、韓国企業が日本企業にキャッチアップし、日本企業は技術的優位性を失いました。

ダブルスコープはそんな失敗をしないで欲しいです。崔社長もそういった失敗事例を考えて経営していると思います。

 

離職率が高いブラック企業の問題点

 離職率が高いブラック企業の問題、そういった問題に関係する書籍については、自分の過去のブログも読んでいただけると嬉しいです。

 

 

 

 
銘柄メモ ダブル・スコープ,旭化成,東レ
6619,3407,3407

タグメモ ダブル・スコープ,ダブルスコープ,W-SCOPE,Wスコープ,崔元根,崔社長,離職率,メンベレンフィルム,セパレーター,W-SCOPE,WSCOPE,ダブルスコープ,ダブル・スコープ

W-SCOPEの社名の由来を語る崔社長

「W-SCOPEの社名の由来を語る崔社長」を語る令和の未来カエル氏といった記事です。
崔社長のスピーチの内容の紹介ともに、Wの言語学的な興味や韓国に100年続く2社、崔社長個人依存のリスクなどなど解説しています。

ここ1月ぐらい、ダブル・スコープの株価が順調ですが、ダブル・スコープの崔 元根 (チェ ウォングン)社長のような長期的視点が大事ですね。
株式投資でも、すくなくとも10年間ぐらいの時間軸で、過去の5年程度の期間、未来の5年程度の期間を踏まえて、今の株価が高いか、安いか考えるのが大事だと思っています。

 

ダブル・スコープの長期チャート(期間10年)

ダブル・スコープの長期チャート(期間10年) 


  

 

  の記事に続けて、

[2017年10月18日撮影]ダブル・スコープ(株)(6619) 野村IR合同 個人投資家セミナー - YouTube

にて、ダブル・スコープの崔 元根 (チェ ウォングン)社長が登壇した個人投資家セミナーでの話を紹介します。

▼目次

 

崔 元根 (チェ ウォングン)社長の説明は櫻井英明氏の質問に答えるような形で進めらえれています。 
これから記載する内容は、動画の内容(崔社長の発言)の文字起こしというより、要約であり、一部表現を伝わりやすいように修正しています。

 

櫻井英明氏:1980年明治大学卒。日興証券での機関投資家の運用トレーダー、「株式新聞Weekly編集長」などを経て、2008年7月からストックウェザー「兜町カタリスト」編集長。櫻井英明の株式透視論2019 など株式投資に関係する著書も多い。


W-SCOPEの社名の由来

櫻井氏:ところで社長、ダブル・スコープ、どうして、名前がダブルスコープなのか
(36分位後)

崔氏:会社設立が日本、韓国同時だった。英語で私たちはWeは、日本語でも私たち(Watashitachi)とWではじまる。韓国語の私たち、私たちはウリで、Wuriと発音するからWで始まる。中国語の私たちは、Women(ウォー)であり、Wで始まる。
Wは私たちを意味する。日本、中国、韓国で私たちがすべてWで表示できる。
一人、一人ができないないビジネスが私たちならできますよ。


SCOPEの意味だが、短期間でなく。。。
韓国には、残念な話だが、100年以上歴史がある会社が2社しかいない。
日本にはたくさんあるし、400年以上歴史がある会社も何社もある。
韓国には100年以上伝統的に安定的に成長できている会社がいままでない。

日本で会社をつくり、日本でいい文化をもって、韓国の熱意、急成長できるやる気をいれてダブル・スコープは未来のある100年以上歴史をもっている会社をつくりたい。

SCOPEは、もっと未来、100年以上先の未来を見ながら、ビジネスをやってください、今は私が社長だが、次の社長もあの(このといった意味か)フィロソフィー、価値観をもって一緒にやっていきましょう。その意味で、ダブル・スコープと名付けました。

SCOPEの意味は、短期的な目標でなく、長期的な目標をもちたいという意味である。

 

言語学的な興味深さ

ここからは、自分の解説、感想です。


社名のW(ダブル)の由来は興味深いです。労働(ロウドウ)とLabor(レイバー)など、火(ヒ)とFire(フィイア)など、日本語(中国語)と英語と発音が似ている言葉はいくつかあり、ユーラシア大陸の東と西でも、語源は同じかもしれれないと言われている言葉がいくつかあることを思いだしました。

そういえば、日本は昔、中国から「倭」「和」WAと呼ばれていましてたが、倭(WA)という国名(地域名)も、
中国人「お前は誰だ」
日本人「わし(われ)はわしじゃ。お前こそだれだ」みたいな会話があって
中国人は、「あいつらはわし(われ)か。倭(WA)とよぼう」みたいに、倭(WA)と名付けなのもかもしれないと妄想してしましました。

韓国の100年続く2社とは

韓国の100年続く2社とはどこでしょうか。崔社長は名前を挙げていませんが、
おそらく、斗山と同和薬品を指しているのではないのかと思います。

斗山は、斗山重工業を中核とする韓国の重工業を中心とした企業グループで
1896年に漢城の商業地区(現在の鍾路4街)で、繊維貿易商だった朴承稷(パク・スンジク)が朝鮮でも最初期の近代的商店を開いたことが始まりであり、韓国の財閥(チェボル)の中でも古い歴史を持っています。

和薬品は、1897年に ミン・ビョンホは長男のミンガンとともに同和薬品の前身である「同和薬房」を創設し、「活命水」(現在でも販売されている消化薬)など製造、販売してはじまった。同和薬品は現在、「活命水」の他にも、医薬品約400種と医薬品原料約30種を生産し、国内供給だけでなく、世界約30カ国に輸出している韓国の大手製薬会社です。

斗山グループの中核斗山重工業、同和薬品どちらも韓国の株式市場に上場しています。

崔社長個人に依存するリスクは

有価証券報告書 (2020年12月期)の「事業等のリスク」に

特定の人物のリスク
 当グループの取締役はそれぞれ、経営、技術開発、マーケティング、営業戦略、製造戦略等当社グループの業務に関して、専門的な知識・技術を有し重要な役割を果たしています。これらの者が当社を退職した場合や、病気等の事情で業務遂行が困難となった場合、後任者の専任に深刻な問題に直面する可能性があり、当社グループの事業展開及び経営成績に重要な影響が生じる可能性があります。

といった記載があります。

創業者が社長を務めるような会社だと珍しくないと思われる記載ですが、崔社長個人への依存度が高い会社というイメージが確かにあります。個人に依存しているという意味で、有価証券報告書では、崔社長個人が連帯保証人になって融資を受けていることも記載されているのも、目が引きました。


崔社長が退職した場合や、病気等の事情で業務遂行が困難となった場合、後任者の専任に深刻な問題が発生するでしょう。

ただ、崔社長が「100年続く会社」、「次の社長も」と発言をしており、自分が去った後のダブル・スコープを意識して経営しているようで安心しました。

 

続きは↓をご参照ください。

 

日本の100年企業、1000年企業の紹介

崔社長の発言の通り、日本には100年以上歴史をもつ企業も多く、1000年 以上歴史も持つ会社も数社あります。

そんな会社を紹介した書籍を4つほど紹介します。

 

 

 

 

 

以上です。

 
銘柄メモ ダブル・スコープ,旭化成,東レ
6619,3407,3407

タグメモ ダブル・スコープ,ダブルスコープ,W-SCOPE,Wスコープ,崔元根,100年企業,1000年企業,長寿企業,メンベレンフィルム,セパレーター,W-SCOPE,WSCOPE,ダブルスコープ,ダブル・スコープ

『全固体電池の将来性やメンベレンフィルムの新規事業』をダブル・スコープ崔元根社長が語る。

ダブル・スコープ崔元根社長 が『全固体電池の将来性やメンブレンフィルムの新規事業』について語っていた個人投資家セミナーでの発言を紹介し、その発言の真偽など解説します。2017年と少し古い話ですが、全固体電池など新電池の可能性は、2021年から見ても、リチウムイオン電池への代替が進んでいない点など、崔氏の予測ははずれていないようです。新規事業への進出は当時の話と違い、具体化されていませんが、リチウムイオン電池のセパレーター事業に集中しており、需要が急拡大にしている昨今、間違った選択でもないようです。

   

 

 の記事に続けて、

[2017年10月18日撮影]ダブル・スコープ(株)(6619) 野村IR合同 個人投資家セミナー - YouTube

にて、ダブル・スコープの崔 元根 (チェ ウォングン)社長が登壇した個人投資家セミナーでの話を紹介します。

▼目次

 

崔 元根 (チェ ウォングン)社長の説明は櫻井英明氏の質問に答えるような形で進めらえれています。 
これから記載する内容は、動画の内容(崔社長の発言)の文字起こしというより、要約であり、一部表現を伝わりやすいように修正しています。

 

櫻井英明氏:1980年明治大学卒。日興証券での機関投資家の運用トレーダー、「株式新聞Weekly編集長」などを経て、2008年7月からストックウェザー「兜町カタリスト」編集長。櫻井英明の株式透視論2019 など株式投資に関係する著書も多い。


全固体電池など新電池の可能性について

櫻井氏:スマホ、家電、自動車など電池が必要だが、電池に正極材、負極材をわけるセパレーターが必要が、この未来像は?(30分位後)

崔氏:全固体電池、水素電池、空気電池など次の電池だと話がされるが、ソニーが30年前リチウムイオン電池を開発し、リチウムイオン電池ニッケル水素電池マンガン電池から置き換わるのに20年から30年かかった。

全固体電池も含めて新しい電池が開発されても、リチウムイオン電池におきかわるのは約30年以上ぐらいかかるだろう。今から20年から30年は、リチウムイオン電池の主流になる。

リチウムイオン電池で必要なのは、正極材、負極材、分離膜(セパレーター)、電解液があるが、リチウムイオン電池のコストは35%は正極材で、15%はセパレーターと言われる。

 

メンベレンフィルムの新規事業について

櫻井氏:コストが高いのがわかるが、利益率もいいのか(33分位後)

崔氏:ガソリン自動車、電気自動車、リチウムイオン電池、その素材の中で、セパレーターが一番利益率が高い。

櫻井氏:セパレーター、分離膜は、自動車(リチウムイオン電池の分離膜以外)にも、将来的に応用できるのか。

崔氏:セパレーター、分離膜は難しいイメージあるが、セパレーターはメンブレンフィルムと呼ばれるが、メンベレンフィルムは皮膚のような役割があるフィルターである。

半導体が急成長しているが、セパレーターに利用されるメンブレンフィルムは半動体の100倍以上マーケットある。エアコンの空気フィルターや水のフィルターにも、利用される。
ダブルスコープは水関連分野のイオン交換膜に進出するため準備中である。
イオン交換膜は、非常に難しい技術で1平方メートルで5万円分の価値がある2020年以内に商品化できると思う。人類が必要となる水、空気、エネルギーに関わる分野に進出する。

 

櫻井氏:水、空気、エネルギー安全安心、密着している。ないと困る分野が、ダブル・スコープの製品が活躍する分野といえるのか。(35分位後)

電子工学の出身だが、分離膜はケミカル、化学の分野、スイッチングした理由は、
バッテリー、その素材のメンベレンフィルムが人類の未来に必要不可欠であるからである。人間に例えると半導体は脳、顔がディスプレイ、心臓、ハートがエネルギーでバッテリーである。人類の未来にはこの三つが必要であるが、バッテリーは、石油、石炭でなく、クリーンエネルギーで発展するのためには、必要な分野である。
半導体、ディスプレイは、何兆円の投資が必要だが、メンベレンフィルムは巨額の投資がいらないし、より付加価値が高く安定的に成長できる。

 

メンブレンフィルムのマーケットについて

ここからは私の解説ですが、崔社長の『メンブレンフィルムは半動体の100倍以上マーケットある。』というのは、何かの言い間違えだと思います。

2020年の半導体市場規模は全世界で4640億ドル(約50兆6224億円)
5272億ドル 日本ん円では約60兆円あるといわれるます。
自動車の市場規模でも、トヨタ自動車の2020年の売上は27兆円で、世界シェアが14%といわれているので、自動車の全世界の売上は、192兆円程度で、半導体の3倍から4倍程度です。

半導体の100倍の市場規模の製品など存在しません。

 

好意的に解釈すると、セパレータが必要とされる分野は、電池、自動車、水、食料、発電、医療、空調・換気など住宅分野、原油や水素などエネルギー分野や建材など多岐にわたります。こういった分野の全て合わせた関連する業界の市場規模、半導体の百倍ぐらいマーケットになるという意味かもしれない。

メンブレンフィルムに関係する製品、業界は、電気、自動車、水、食料、住宅、エネルギーなど多岐にわたりそういった製品、業界の売上を合計すれば、半導体の100倍以上マーケットあるのかもしれない。』
と伝えたかったのかと思います。

 

メンブレンは膜という意味で、メンブレンフィルムは、特定の物質だけを通す膜の役割があり、コーヒーのドリップ用フィルターがイメージしやすい。
確かにそういった膜は、原油の精製(原油からガソリンや灯油など石油製品に分離する)、浄水下水に必要な水のろ過、食品やアルコール(酒)の製造、エアコン、換気システムのフィルターなど多岐にわたります。

 

水関連イオン交換膜の進出について

 水不足問題の解消として、海水淡水化にも利用される水関連イオン交換膜は、成長する分野でもあり、製造できる会社も東レ日東電工などに限られ、付加価値、利益率も
高い分野だと思われます。2020年の水ろ過用イオン交換膜の進出するといった話でしたが、その後、開発、販売に関するプレスリリースなどされていません。

崔社長は2017年10月(説明会の時)から、その後、電気自動車市場の拡大に伴うリチウムイオン電池のセパレーター市場の急拡大に合わせて、しばらくリチウムイオン電池のセパレーターに集中する戦略に変わったのでしょうか。

2018 年8 月に発表された中期経営計画※でも、リチウムイオン電池のセパレーターの設備投資についての話が中心で、新規事業の取組みについては具体的な話がなく、その後の決算説明会でも同じように新規事業については具体的な話がありません。

2018 年8 月に発表された中期経営計画は、
成長への基本戦略(以下に記載)に新分野への進出は記載がありますが具体的な記載は記載がありませんが、リチウムイオン電池のセパレーター事業については、具体的な設備投資、売上や営業利益の係数目標もあります。


残念ながら、売上や営業利益の係数目標(2019年12月期から、2020年12月期までの実績は、その目標(目標の下限でさえ)が大きく下回っており、それが株価の低迷の原因でしょう。中期経営計画と実績との差異などの分析はまた別にしたいと思います。

その差異が、売上増より新規顧客獲得のためのサンプル出荷など優先したなど、
将来の成長、競争優位性確保のために必要であったのか、それとも、単純に競合他社との競争に負けたのかなど分析できればと考えています。


おそらく、自己資本比率も製造業の危険水域といわれるまで下がっている現状(リチウムイオン電池のセパレーター事業の設備投資にそれだけ資金を割いている)なので、新規事業への進出する余裕がないのであろうし、リチウムイオン電池のセパレーター事業の方が優先順位が高いのでしょう。
子会社の韓国市場の上場が成功した後に、上場して調達した資金の用途として、新規事業の具体的な話もでてくるかもしれません。

 

中期経営計画に
1. ビジョン
メンブレンフィルム専業メーカーとして、リーディングカンパニーを目指します

コーポレートサイトのトップページにも、
ダブルスコープは人々の暮らしに必要な「メンブレンフィルム」専門メーカーです
と自社を紹介していますので、リチウムイオン電池のセパレーター以外のの新規事業への意欲、願望は高く、そういった新規事業への進出ができる投資余力があるぐらいに、
リチウムイオン電池のセパレーターで盤石の地位を築いてほしいと思っています。

 

▼2018 年8 月に発表された中期経営計画に記載された成長への基本戦略

リチウムイオン電池セパレータ事業
2015 年以降 スマートフォン用途等の民生用電池市場の安定成長に加え、中国のxEV 用途で成長速度
を上げた リチウムイオン電池市場は 2018 年までの 3 年間で約 2 倍の市場規模に成長しました。今後更
に各国の環境対策にも後押しされ、2021 年までの 3 年間に 2018 年比およそ 2 倍の市場規模にまで成長す
る見通しとなっております。
このような市場見通しの中、リチウムイオン電池主要部材メーカーとして以下の成長戦略を実行します。
 市場の拡大に伴う生産能力の拡大
 大型製造ラインによる生産性の追求
 製造原価低減へのチャレンジ
 電気自動車の安全性を担保する高品質の維持

② 新規事業への取り組み
当社の事業はリチウムイオン電池用セパレータの単一セグメントとなっておりますが、当社の保有する
生産技術は基本的にはメンブレンフィルムの製造技術です。この技術を応用し、今後更に以下の様なセグ
メントに取り組むべく製品開発を続けて参ります。
 エネルギー関連用途 : 次世代電池・キャパシタ
 水関連用途 : イオン交換膜、水処理フィルタ等
 空調関連用途 : 不可逆フィルタ等
 医療用途 : 透析膜、人口皮膚等

 

続きは、↓をご参照ください。

 

関連書籍の紹介

 新規事業となる水関連のイオン交換膜、水処理フィルタの興味が持った方向に、
21世紀の最大の資源といわれる水のビジネス、水ビジネスに関係するイオン交換膜などの書籍を紹介します。

ちなみに、み水ビジネスも、半導体リチウムイオン電池と同じく、半導体リチウムイオン電池など最終的な用途製品、システム製品全体では日本企業は強くなく、
半導体の部材(シリコンウィハーやフォトマスク)やリチウムイオン電池の部材(正極材やセパレーター)に日本企業が強いように、
浄水場、下水処理施設、水道事業などシステム全体では日本企業は強くなく、水のろ過、淡水化に利用される部材やポンプなど装置などに日本企業は強いようです。

 

よく悪くも日本の製造業は、特定の一分野の狭い領域、ニッチといわれる分野で勝負して、高い負荷価値、利益率が上げる戦略が有効なようです。
半導体リチウムイオン電池など最終的な用途製品、システム製品となると、企業の競争力より、国策が重要になり、日本の国策が他国のそれより、日本企業にそれほど有利でないのでしょう。

同様に、水のビジネス(浄水下水場を運営し、水道水を供給するビジネス)も国策的(日本の政策として、水道事業は公共性が高く民間化企業の参入をあまり歓迎しない民意に配慮したものが採用される)に日本企業にはそれほど有利でないのでしょう。

 

 

 

 

 

以上です。

 
銘柄メモ ダブル・スコープ,旭化成,東レ,日東電工
6619,3407,3407,6981,6999

タグメモ ダブル・スコープ,ダブルスコープ,W-SCOPE,Wスコープ,崔元根,全固体電池,メンベレンフィルム,セパレーター,W-SCOPE,WSCOPE,ダブルスコープ,ダブル・スコープ