『歴史は「べき乗則」で動く』 を読んで 第6章 世界は見た目より単純で、細部は重要でない

『歴史は「べき乗則」で動く』 は難解な本だったので、一章ずつ、要約や感想を書いています。今回は第6章 「世界は見た目より単純で、細部は重要でない」という話です。


第6章 世界は見た目より単純で、細部は重要でない

 

1600年、イギリスの科学者 ウィリアム・ギルバートは、「磁石論」という著書で、磁石を炉に入れ熱くなると、磁石を釘などの鉄を引きつける性質を失うことを報告しています。

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相転移のイメージ(磁石の原子のイメージ)

つまり、↑の図のように、通常では磁石は原子は統制が取れた状態ですが、高熱では熱が秩序の力を上回り、磁石の磁力を無効化してしまう。この現象を物理学者は「相転移」と呼んでいる。

水が蒸発して水蒸気となるように、物質がある形態(相)から別の形態へ変化する事象など「相転移」といいます。

相転移となるポイントを臨界点、その前の状態を臨海状態といいますが、臨界状態は秩序とカオスの不安定なバランスで争っていますが、その争いの特徴や戦況が変わる様子は、全ての物事に共通していて、かつ、周辺の事象はあまり関係がなく、対象となる物物体の物理的次元とその基本的な形状(点や矢印など)は重要であるが、その他の事柄はすべて問題とならないそうです。

 

自分なり解釈すると、『物事が臨界状態、臨界点か、相転移になる前の状態か否か、といった観点で分析すれば、物事の大抵の事象は予測できる、もしくは予測が難しいことがわかる。その物事の背景にある事象は無視しても、予測できる、もしくは予測が難しいことがわかる。』ということがこの章の主旨かなと思いました。

 

第7章以降は、次のブログで記載します。

 

本の紹介 

歴史は「べき乗則」で動く――種の絶滅から戦争までを読み解く複雑系科学 (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ) (日本語) 文庫 – 2009/8/25
マーク・ブキャナン (著), Mark Buchanan (原著), 水谷 淳 (翻訳)

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以 上