『歴史は「べき乗則」で動く』 を読んで 第10章 なぜ金融市場は暴落するのか

『歴史は「べき乗則」で動く』 は難解な本だったので、一章ずつ、要約や感想を書いています。

 今回は、『なぜ金融市場は暴落するのか』というタイトルの章に関する話です。

 自分も含めて株式投資をする人にはとても興味のある話ですね。

 『なぜ金融市場は暴落するのか』がわかり、『いつ金融市場は暴落するのか』がわかれば、簡単にお金儲けできますからね。

 

第10章 なぜ金融市場は暴落するのか

 

 「効率的市場仮説」という経済学の考え方があります。効率的市場仮説(Efficient Market Hypothesis、EMH)とは、すべての利用可能な情報が完全に市場価格に反映されているとする仮説です。あくまで仮説で、科学的に証明はされてはおらず、確からしいという仮説の域を出ていない。

 この効率的市場仮説では、市場価格に利用可能な情報が反映されているはずですから、その利用可能な情報が突然に大きく変わらない間に、暴落、暴騰など発生しないはずが、現実的には起きています。

 この章では、『なぜ暴落するのか』という問いに対して、

市場価格、金融市場は、経済の基礎的条件(ファンダメンタル)でなく、人の気分(心理的要素)によって、バランスが保たれ、臨界状態となっており、伝染、影響を受けやすい人の気分によって、その臨界状態が崩れて、大暴落になることを、実験結果から示しています。

 そして、その暴落や暴騰など、大きな変動も小さな変動も典型的なパターンはなく、予想は不可能という結論で、この章を読んで、お金儲けしたい人には残念な内容でした。

 ちなみに、株価の変動を調べた研究によると、変動の大きさが2倍になると、その頻度は16分の1になるそうです。株価というのは小刻みに動くことから、大きな変動は頻度は少ないが、時間、期間によっては、大きな変動が起こりやすいという当たり前のことがわかりますね。

 

第11章以降は、次のブログで記載します。

 

本の紹介 

歴史は「べき乗則」で動く――種の絶滅から戦争までを読み解く複雑系科学 (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ) (日本語) 文庫 – 2009/8/25
マーク・ブキャナン (著), Mark Buchanan (原著), 水谷 淳 (翻訳)

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以 上