『歴史は「べき乗則」で動く』 を読んで 第8章 大量絶滅は特別な出来事ではない

『歴史は「べき乗則」で動く』 は難解な本だったので、一章ずつ、要約や感想を書いています。今回は第8章 「大量絶滅は特別な出来事でない」という話です。

章のタイトルと章の内容が一致しないことも本によっては、ありますが、すくなくとも、この章の要旨は、タイトルの通り、広い地球で、大地震が特別な出来事でないように「大量絶滅は特別な出来事ではない」ということです。

 

第8章 大量絶滅は特別な出来事ではない

 

 

シカゴ大学のジャック・セブコスキーは、屋外の化石探しのような古生物学者でなく、もっぱら図書館で、他人が発掘した化石に関する情報を取集したそうです。

この逸話は、この方がマイペースで合理的な方だという感じです。職場でも、他人の仕事の成果を、うまく利用するような頭のいい人はいますが、そんな人が本当の成果を残すのでしょうね。

セブコスキー氏のデータを調査して分かったことは、絶滅の規模(絶滅した科の数)の分布が、べき乗の法則に従うことがわかったそうです。

つまり、絶滅の規模が2倍になると、その頻度は4分の1になるそうです。

図にすると、こんな感じです。

 

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『大量絶滅の記録 』縦軸:絶滅した科の数 横軸:現在からの年数(100万年単位)

つまり、長い時間軸で見ると、種の大量絶滅のような出来事も、頻度は稀でも起こりえるということです。

 

2億5千万年前に大量絶滅が発生していますが、その周期がたたままこの週百年できて、生物の大量絶滅が発生しているのかもしれいません。もちろん、大量絶滅は、人類の進歩、社会経済活動が大きく影響を与えるいることは否定しませんし、人類は、他の生物の絶滅を防ぐ努力はしないよりした方がいいと思いますが。

 

そういえば、最近発生した新型コロナウイルス肺炎も、スペイン風邪の流行の約100年後に発生してるようで、世界的な規模で流行する新種の感染症は、100年に1回程度、発生し、それは防ぎようがないのかもしれません。

 

第9章以降は、次のブログで記載します。

 

本の紹介 

歴史は「べき乗則」で動く――種の絶滅から戦争までを読み解く複雑系科学 (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ) (日本語) 文庫 – 2009/8/25
マーク・ブキャナン (著), Mark Buchanan (原著), 水谷 淳 (翻訳)

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以 上