「計画力」を強くする―あなたの計画はなぜ挫折するか を読んで

『「計画力」を強くする―あなたの計画はなぜ挫折するか』(ブルーバックス) 新書
– 2007/5/18 加藤 昭吉 (著) という本を読みました。

 

だいたい、こういう本を買う人は、「計画力」を強くしたい人、つまり、「計画力」がない人で、私もそうですが、本を読んだだけで、計画力を強くするのは難しかったです。計画力は、計画をやり抜く意思の力、つまり、意地や根性が大事で、計画に対する個人的な思い入れが大切なのでしょう。

この本でいう計画達成に必要なアニマル‐スピリット(animal spirit)とは、理性や損得を超越した意地や根性かなと思いました。計画に一番必要なものは、計画外のアニマル‐スピリット(animal spirit)、そんな意地や根性なのかもしれません。


要点や感想など

まず要点です。

〇人間は、不安、不確実性を受け入れ、目的、目標を決め、計画し、達成することに快感を覚えらしい。

 

〇以下、著者が主張する計画達成に必要なことの一部です。

- 明確な目標、目的をもつ。『とりあえず』は禁句である。

- 常に期限から逆算した残り時間を意識する。

- 現状の把握のためには、人の話を低姿勢で聞く。

- アニマル‐スピリット(animal spirit)を持つ。

 

〇計画、プロジェクトの一般的な教訓を、著者の経験や歴史の事例を引用して説明している。

 

ここから
 計画通りに計画が実施される計画は、皆無に近いと思います。
目的、目標を達成することが大事で、目的、目標も変わるし、そのためには臨機応変に計画を修正する必要があります。
計画の粒度、どこまで細かく計画に記載するかが難しいです。
細かすぎると、計画の修正が必要になるし、大雑把だと、具体的な作業、期限がわからなくなります。
細かすぎると、目標、目的を忘れ、人の創意工夫を奪い、計画通りでないことにネガティブな感情が発生するし、大雑把だと、計画の進捗が管理できません。
 結局、何を許容し、許容しないかの判断が、計画、計画を立案、実行する能力、著者の言う計画力に大事だと思います。
 この判断については、詳しく記載されていないのが残念です。

 

〇少し脱線しますが、アニマル‐スピリット(animal spirit)の意味を確認した。以下、デジタル大辞泉より抜粋です。

 アニマル‐スピリット(animal spirit):企業家の投資行動の動機となる、将来に対する主観的な期待。英国の経済学者ケインズが「雇傭・利子および貨幣の一般理論」のなかで使用した用語。経済活動の多くは合理的動機に基づいて行われるが、その一方で、将来の収益を期待して事業を拡大しようとする、合理的には説明できない不確定な心理によって左右されるとし、その心理をいったもの。「血気」「野心的意欲」「動物的な衝動」などと訳される。
[補説]米国の経済学者ジョージ=アカロフとロバート=シラーは2009年に発表した共著「アニマルスピリット」の中で、人の心理が世界金融危機に及ぼした影響を分析し、アニマルスピリットを取り込んだマクロ経済学の必要性を説いている。


改め本の紹介です

『「計画力」を強くする―あなたの計画はなぜ挫折するか』(ブルーバックス) 新書
– 2007/5/18 加藤 昭吉 (著) 

 

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内容紹介
計画技法の第一人者がズバリ指摘する
あなたの計画が失敗する9つの理由

●失敗する理由1 計画の目的・目標がはっきりしていない
●失敗する理由2 頭の中だけで組み立てた計画になっている
●失敗する理由3 状況判断を誤っている
●失敗する理由4 目先の問題解決を積み重ねただけの計画になっている
●失敗する理由5 複数の計画案の中から選び抜かれていない
●失敗する理由6 計画通りに実行する熱意に欠けている
●失敗する理由7 計画実行の勘所をはずしている
●失敗する理由8 “終わり”からの逆算ができていない
●失敗する理由9 計画の適切なフォローアップができていない

内容(「BOOK」データベースより)
計画技法の第一人者がズバリ指摘するあなたの計画が失敗する9つの理由。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
加藤/昭吉
1954年早稲田大学政経学部経済学科卒業。大成建設に入社し、大型コンピュータの導入や海外事業などに従事。立教大学非常勤講師などを経て、現在(株)オルタナ・プランニング代表取締役。計画技法に関する第一人者で、『新しい計画と管理の技法』により1964年度日本土木学会賞と日本経営文献賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

 

以 上 です。