新型コロナウイルスの後遺症をマスメディアが煽りだしました(武藤義和 先生の新コロNow The 2ndより)

武藤義和 先生の新コロ Now The 2nd

 先日、以下のブログで取り上げたように、公立 陶生病院 感染症内科主任部長で感染症内科医 武藤義和 先生が、新型コロナウイルスについて、新コロNow The 2nd(2020年7月26日付)で非常にわかりやすく、情報発信されていると好評です。

chanmabo.hatenablog.com

 

新型コロナウイルス感染症の後遺症???

武藤義和 先生の新コロNow The 2ndでは、新型コロナウイルス感染症の後遺症につていも、的確に分析されるていると思いましたので、その意見を紹介します。

新型コロナウイルスの後遺症

新型コロナウイルスの後遺症

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この感染症。症状改善後も後遺症が残るという話がありますが、またマス
メディアが煽りだしました。この論文は Persistent symptoms という表
現であり、“ 遷延する症状 “という意味です。後遺症とは言いすぎと思いま
す。(退院後の外来で残ってた症状というだけです。)
まず考える必要があるのは、肺炎ってそもそも重症な病気 ですよ。そんな
人が 1 ヶ月やそこらで完全完治で社会復帰できるほど改善できるはずが
ないと思っています。少なくともこの論文はそれなりに肺炎が重かった患
者さんを含むデータです。
確かに人に感染させたり、ここから命に関わることはもうないため“改善”
とは言いますが、“完治”ではないです。私も 3 年前に自転車転倒で鎖骨
折って改善してますが、まだジンジンする時あります。
ウイルスの種類によってはデング熱みたいに 筋肉痛やだるさが年単位
で残る人は実際にあります。でも逆に全く元気になってくれる人もいっぱ
いいます。
だからこれが1 年も 2 年も続くのかどうかは誰にもわかりません。願わくば
今はまだ体が改善する途中経過であり、時間経過で戻ると期待したいで
すが、まだ不明な点は多いですね。
少なくともいま症状が残る方々が早く“完治”されることを祈ります。

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インフルエンザの後遺症も

ちなみに、 「新型コロナウイルスは、インフルエンザと違い、後遺症があるから怖い。」という話を聞いたことがありますが、それは間違いです。インフルエンザも後遺症はあります。

インフルエンザは、自然に治っていくことがほとんどです。しかし、まれに重い合併症を発症してしまうこともあり、なかには後遺症が残ってしまうケースもあります。
以下の記事ではインフルエンザで起こり得る合併症とその後遺症について、川崎市健康安全研究所所長である岡部信彦先生にお話が記載されています。

 

medicalnote.jp

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インフルエンザの合併症より起こり得る後遺症
これらの合併症によって、まれに後遺症が残ってしまう場合があります。

たとえば、インフルエンザ脳症の後遺症としては、意識障害が長く続くことによる知能障害や、けいれんや麻痺などの運動障害が挙げられます。また、肺炎により呼吸機能が著しく低下して肺が十分に機能しにくくなったり、心筋炎によって起こった不整脈がその後も残ってしまったりすることがあります。

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 岡部信彦先生は、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議のメンバーで、
新型インフルエンザ等対策有識者会議会長代理という役職で、政府のいわゆる専門家の有力メンバーの方です。

新型コロナウイルスに関して岡部信彦先生の著書もありますので、紹介しておきます。

www.amazon.co.jp

 

 

以上です。